『さぁ遂に始まりました!雷門VSマスターランクチームの総力戦!その初戦を飾るのは風丸一郎太が率いる“1st雷門”とガゼルが率いる“ダイヤモンドダスト”だぁーッ!特に1st雷門のスターティングメンバー!何故だか分かりませんが、このチームを見ると夢の初代と2のラスボス同士の混合チームと評さずにはいられません!』
本来部外者以外は立ち入り禁止である筈のグラウンドに何故か紛れ込んでいる角馬だったがもはや誰もつっこまなくなっていた。
「いやぁ〜ドキドキだねぇ!負けたら即終了のハードモード!君は一体どちらが勝つと思う?稲魂君?」
「ケッ、そりゃ風丸たちに決まってんだろおっさん。俺がいない間に守を支えたアイツの実力を舐めちゃいけねぇーぜ。」
この試合は初戦でもあり、地球人がマスターランクチームに対抗出来るのかを試す試金石でもある。
その初戦を任された“1st雷門”はプレッシャーに勝つ事は出来るだろうか?
1st雷門のスタメンは以下の通り
FW:染岡、熱也
MF:アフロディ、或葉、一之瀬、半田
DF:風丸、土門、西垣、影野
GK:ポセイドン
1st雷門のスタメンはガゼルのスピードに対応する為にスピードと防御力に優れた選手で構成されている。特に防御力に関しては日本一のチームと評しても過言ではないだろう。
ピッピー!
『さぁ雷門ボールで試合開始ィーーッ!早速ボールを受け取った吹雪熱也が凄まじいスピードで攻め上がっているーーッ!』
「ほぉ、中々のスピードではないか。だが私には及ばない!」
自分の想定を超える熱也にスピードにガゼルは少々驚いた様子だが、冷静さを保ちつつ熱也の対処に入る。
「頼んだぜ染岡!」
このままでは不利だと判断した熱也は染岡へキラーパスを放つ。
「ナイス判断だ!後は任せろ!」
パスが通った染岡は挨拶代わりにボールを天高く上げると地面から巨大な翼竜が飛び立った。
「“ワイバーンクラッシュ A”!!!」
更に進化を遂げた翼竜の咆哮は神速の域に達したスピードでゴールへと襲い掛かる。
キーパーのベルガは予想外のシュートのスピードに驚きながらもすぐに体勢を整えボールに拳を突き出す。
「“アイスブロックV3”!」
“ワイバーンクラッシュ”は一瞬にして凍らされベルガの手に収まる。
如何にパワーアップした染岡でもダイヤモンドダストの牙城を崩すのには後一歩足りなかったようだ。
「ボールを寄越せベルガ。ブロウ、フロストと共に上がる。」
「「ラジャー!」」
ベルガのスローインによりボールを受け取ったガゼルはFWと共に見事な連携を駆使して攻め上がる。
「させるか!“真フレイムダンス”!」
これ以上先には行かせない為に一之瀬のDF技が炸裂するが、ボールを持つブロウはボールを地面にめり込ませた瞬間、彼の前方に巨大な水の壁が出現し一之瀬の炎を掻き消す。
「“ウォーターベールV4”!」
「くそ!後は頼む土門!」
「任せとけ!“ボルケイノカットZ”!」
一之瀬の想いを受け継いだ土門は得意技の“ボルケイノカット”を炸裂させるが、ガゼル達はそのままトップスピードでオーラの壁と衝突するとあっさり突き破った。
「嘘だろ⁉︎」
「そのような薄いオーラの壁如きでは我々の歩みは止められない!」
土門を突破したブロウはゴール前まで到達し必殺シュートを放つ。
「“超フリーズショット”!」
ガゼルほどではないもののこちらも十分強力な冷気を纏ったシュートだ。まともに受けようとすればたちまち凍らされてしまうだろう。
しかしポセイドンは表情を一切崩す事なく勇ましく立ち向かう。
「“アルカディア・ウォールG3”!!!」
進化した楽園の大地相手に脆弱な氷など通用する筈がなく、呆気なくボールはポセイドンの手に収まる。
「ポセイドン!俺にボールをくれ!」
「応!頼むぜキャプテン!」
ポセイドンからボールを受け取った風丸は持ち前の俊足でグングンとボールを前線まで上げて行く。
「そのボールを寄越せ!」
MFのバレンが風丸からボールを奪おうとした瞬間、彼の姿が視界から消え去る。
「“超 疾風ダッシュ”!!」
限界まで極められた“疾風ダッシュ”のスピードはもはや瞬間移動の域だ。その速度はマスターランクであっても認識する事は出来ず、自陣に風丸の侵入を許してしまう。
「頼むぞ熱也!」
DFラインまでボールを上げる大活躍を見せた風丸は最後の仕上げを熱也に任せる。
しかしキーパーのベルガは余裕そうに笑う。
「ハハハ!ファーストランクのデザームすら破れないような奴が俺からゴールを奪えると思うな!」
ベルガの言葉に以前の熱也なら確実に切れていただろう。だが今の熱也にはそんな挑発は通用しない。
「ヘッ、言ってろ!後でテメェの吠え面を拝むのが楽しみだぜ!」
熱也は更に加速しボールを軽く上げると目にも止まらぬ速さで三度ボールを蹴る。
「見ていろ兄貴、染岡!これが俺が出した答えだ!!!」
最後の仕上げに熱也は遠吠えを上げる。
その様子を見た観客達はほんの一瞬、熱也が銀狼そのものに見えたと言う。
「“ウルフレジェンド”!!!」
狼の咆哮は兄と友の想いを背負いながら天高く鳴り響く。
「あ、“アイスブロックV3”…!ぐぬぬぬぬ…こ、こんなものぉ…!!!」
自慢の氷の拳も狼の牙の前には皆等しく無力でしかない。
「あーあ、せっかくの吠え面もその目隠しのせいでよく分かんねぇな。」
最初にゴールネットを揺らしたのは1st雷門だ。
『ゴーールッ!!!先制点を奪ったのは、新たな必殺技を編み出した吹雪熱也だァーーッ!!!』
熱也の得点により1st雷門は湧き上がる。この1点は人類の可能性を示した偉大なる1点だからだ。
「水臭いじゃねぇか熱也!あの必殺技がとっくに完成してんなら早く言えよな!」
「ケッ、サプライズって奴だよ。さっきのキーパーの吠え面じゃあ満足出来ねぇからテメェの面で我慢してやるよ。」
先制点に湧き上がる雷門とは対照的にダイヤモンドダストは動揺を隠せない。
点を取られたのは油断したベルガの自業自得であるが、つい2週間前まで格下のデザームに手も足も出なかった熱也が頭容易くベルガを破った成長に衝撃を受けているのだ。
「も、申し訳ありません!ガゼル様!ど、どうかこのベルガめにもう一度チャンスを…!」
先制点を許したベルガをガゼルは冷ややかな目で見下す。
「今回に限り許す。だが次は無いと思え。」
「は、はッ…!」
これ以上の失敗は許されないと察したベルガは冷や汗を流すしかなかった。
♢
『試合再開早々、キャプテンのガゼル自ら攻め上がるーーッ!』
遊びを捨てたガゼルは熱也以上のスピードで攻め上がり雷門のディフェンスを悠々と突破して行く。
「やぁ、この間振りだね。この前の勝負の続きといこうじゃないか。」
「フン、生憎そのようなくだらん感情に付き合うつもりはない。」
冷たく遇らいながらもガゼルとアフロディはハイレベルな攻防を繰り広げる。
ガゼルは幾重のフェイントを駆使し抜き去ろうとし、アフロディはそのフェイントを的確に見破り簡単に抜かせない。
「フッ、やるね。やはりこの前の試合は本気ではなかったようだね。」
「あの程度の余興で本気を出すような
ガゼルはほんの一瞬だけ見せたアフロディの不意を突き、ディフェンスを突破してみせた。
「次は俺だ!“エアーバレット”!」
風丸は風で構築した球体をガゼル目掛けて蹴る。
しかし、ガゼルはボールを軽く宙に浮かせるとそのままの体勢で弾丸を蹴り返し風丸に直撃させた。
「ぐわぁぁぁぁあ⁉︎」
「その程度の技が私に通用すると思うな、私の脚は弾丸すらも超える。」
風丸すらも突破してみせたガゼルは目にも止まらぬスピードでボールをトーキックによって蹴り上げる。
「“ノーザンインパクトV4”!」
本気を出したガゼルの必殺技は“ワイバーンクラッシュ”以上のスピードを発揮し、DF達は反応すら出来ずにボールを通過させてしまう。
「”アルカディ…は、速ェ!ぬおぉぉぉぉお…!!!」
ポセイドンがシュートの存在に気づいた時には“アルカディア・ウォール”を発動させる暇もなく、ノーマルキャッチで対応せざるを得なくなる。
ポセイドンほどの巨体の持ち主ならば並大抵のシュートはノーマルキャッチで止める事が可能であるが、残念ながら目の前の相手は並大抵の選手ではなかった。
「ぐわぁぁぁぁあ!!!」
熱也が先制点を取ってから僅か5分後。雷門とダイヤモンドダストの点差は再び0となってしまった。
「こ、これがマスターランクの本気か…!」
「ケッ、おいテメェら!そんな顔すんじゃねぇ!この熱也様がすぐに取り返してやっから心配すんな!」
雷門最強DFである風丸すらも通用しないガゼルの実力に皆強い衝撃を受けるが、熱也によってすぐに冷静さを取り戻す。
その中アフロディは風丸の元へ駆け寄り次のプレーについて相談していた。
「大丈夫かい?風丸君。」
「ああ、そこまで大きなダメージは無い。だが俺達も体力を温存している場合じゃないかもな…。」
自身の技の中で最速の“エアーバレット”すら容易く反応し蹴り返すガゼルの動体視力とパワーを実感した風丸は前半中の
「いや、切り札はもう少し先に取っておこう。次のプレーからは僕も攻撃に参加する、使うかどうかはそれ次第だ。ディフェンスは任せたよ風丸君。」
「ああ!任せてくれ!」
今までダイヤモンドダストの様子見に徹していたアフロディが遂に動き出す。
『おおッと⁉︎今までDFに徹していたアフロディが攻撃に加わったぞぉーッ!噂の“ゴッドノウズ・インパクト”が炸裂するのかァーーッ⁉︎』
「「“絶フローズンスティール”!!」」
以前と自分達のキャプテンと互角に立ち回ったアフロディがボールを持った事で警戒を強めたダイヤモンドダストは2人がかりで必殺技を使用し確実にボールを奪おうとする。
しかしアフロディは彼女達を見て微笑みながら宣言した。
「悪いけど…ここからは僕だけの“時間”だ。」
そう言い指を軽く鳴らした瞬間、リオーネとアイシーの前から天使の姿は消失する。
「こっちだよ。」
「「何⁉︎う、うわぁぁぁぁあ!!!」」
先ほどまで前方にいた筈のアフロディの声が後方から聞こえた瞬間、彼女達は巨大な突風によって吹き飛ばされてしまった。
これこそがアフロディ最強のドリブル技…
「“ヘブンズタイム”。」
『おおーーッと!帝国、雷門を幾度となく苦しめた“ヘブンズタイム”が炸裂ゥーーッ!この角馬の目を持ってしても見破れない神秘の必殺技を相手にダイヤモンドダストはどう対処するのかァーーッ!?』
ディフェンスを突破したアフロディは次々と襲い掛かるダイヤモンドダストを“ヘブンズタイム”を駆使しながら突破して行く。
彼らの名誉の為に言っておくとダイヤモンドダストのメンバーの実力は決して低くない。だがどんなに警戒してもアフロディの姿を捉える事が出来ないのだ。
その現象を一言で現すならば『あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!』って奴だ。
「……。」
悠々とディフェンスを突破して行くアフロディを前線から見るガゼルには焦り一つ無かった。けれども味方の援護に回る様子も無い。
一体彼は何を考えているのだろうか?
「さて…後は君だけだね。」
「来い!」
「天使の羽ばたきを聞いた事があるかい?」
純白の翼を背にアフロディは飛翔する。その姿はまさに天使と評するのに相応しい。
「“真ゴッドノウズ”!」
体力の温存が目的なのか“ゴッドノウズ・インパクト”ではなく“ゴッドノウズ”を放つアフロディ。
それでもパワーアップした“ゴッドノウズ”の威力は染岡の“ワイバーンクラッシュ”以上のものだ。
「させん!」
ベルガは跳躍すると回転しながら落下して行き、地面を強く叩きつける。すると地面から巨大な氷の壁が出現した。
「“ジ・アイスバーグ”!!!」
地面から突き出した氷山の一角によって“ゴッドノウズ”が弾かれる。
「アフロディの“ゴッドノウズ”をあんな簡単に⁉︎」
ギャラリーの円堂はベルガの実力に舌を巻く。現在の自分でさえ最低でも“マジン・ザ・ハンド”並の威力の必殺技を使ってようやく止めれる程のシュートなのだ。
いともたやすく“ゴッドノウズ”を止めた時点でベルガの実力の高さを証明したようなものである。
「恐らく奴の実力はデザームと同等といったところか…。マスターランクチームの名は伊達ではないようだな。」
各々が彼の実力に関心する中、ボールを確保したダイヤモンドダストはカウンターを開始する。
それからは互いに一歩も譲らぬ攻防を繰り広げた。ボールを奪われたら即座に奪い返しといった具合にグラウンドに多種多様な必殺技の応酬が繰り返される。
攻防の末に先に得点のチャンスを得たのは…
『抜けたァーーッ!!!1st雷門のアフロディが遂に攻撃のチャンスを掴んだァーーッ!!!』
またしてもアフロディだった。
風丸の必死のディフェンスによって何とか繋がったボールは天使へ渡った。
「ボールを寄越して貰おうか。」
アフロディの前に立ち塞がったのは今まで一度もDFに入らなかったガゼルだ。
一連の攻防で彼との相手は出来る限り避けるべきだと判断したアフロディは指を鳴らし時を止める。
「させないよ、“ヘブンズタイム”!」
“ヘブンズタイム”を発動した事で静止した世界に中でアフロディだけが自由になれる権利を与えられる。
「さてと…願わくば純粋な実力で君に勝ちたかったけど今はそんな余裕は無さそう… ッ⁉︎」
静止したガゼルを抜き去ろうとした瞬間、アフロディは信じられないものを目にする。
動けない筈のガゼルが自分に目線を合わせているのだ。
「ま、まさか…!」
もはや視線だけではない。ガゼルは軽く指を動かすとゆっくりだが確実に身体を動かし始める。
“ヘブンズタイム”。アフロディが得意とするドリブル技でもあり、後世において最強のドリブル技の1つに数えられる程の必殺技だ。
その特徴は何と言っても静止した時の中を移動していると錯覚させる程の圧倒的な突破力。
FF初戦にて初めて披露されたその技は世宇子の恐ろしさを見せつけながらもその神秘的ともいえる光景によりサッカーファンの間では様々な考察がなされて来た。
“超スピード論”、“催眠術論”といった現実的(?)な仮説から“本当に時を止めている説”のようなとんでも説まで出る始末だったが、世宇子のドーピングの発覚によって世宇子の人間はタブー扱いとなった事で次第にその技を口にする人間はいなくなった。
「これが噂の“ヘブンズタイム”の正体か?くだらない…神秘の必殺技と呼ばれているらしいが結局は“超スピード”と“暗示”の合わせ技ではないか。」
ガゼルが見破った“ヘブンズタイム”の正体…。それは超加速と催眠術の応用技であった。
人間には認識不能の時間である“
だがアフロディは暗示を用いる事で須臾の時間を約1秒まで拡張させる事に成功。その隙を突いて超加速によって抜き去る事で観客と選手に自身が時を止めたかのように錯覚させるという寸法である。
即ちだ。“
そして今日、そのアフロディの時間へ入門した者が1人現れた。
「これは…マズいね。」
ガゼルが自分の世界に入門した事実にアフロディの純白の肌に一滴の水が流れる。
「ハァァァァッ…!!!」
予想を遥かに超えるガゼルの実力を直感したアフロディは遂に切り札を切る事を決意する。
アフロディは急激に気を高めると背中から大量のオーラが放出される。
放出されたオーラが晴れた瞬間、古代ギリシャの神殿を思わせる荘厳な意匠、パイプオルガンに似た巨大な砲台を携えた“
「“絶対神 デウス・エクス・マキナ”!」
“絶対神”から迸る膨大なオーラ量はFFの決勝戦以上だ。彼との試合経験のある雷門は元より帝国、バックアップチーム出身の選手達は彼が味方である事に改めて安堵する。
だが“絶対神”を前にしてもガゼルは表情一つ崩さなかった。
「地球人とは本当に愚かな生命体だ。我々よりほんの少しだけ早く力を手に入れただけで私に勝てると思い込むとはな…。」
「…その言葉、嫌な記憶が蘇るね…。」
どこぞの誰かと似たような台詞を発するガゼルにアフロディは妙な既視感を感じたしまう。
その既視感は最悪な形で実現してしまう。
「見るがいい愚か者共よ!そして凍てつく闇の冷たさの前になす術もなく凍え死ぬがいい!」
ガゼルは気を高めると身体からアフロディと同等に膨大なオーラが発せられる。
オーラが晴れた瞬間、まるで炎のように逆立った氷で構成された鎧を身に包み、触れる者全てを凍らせる程の冷気を纏った巨大な槍を携えた“女帝”が顕現した。
「見よ!戦士としての荒々しさと女帝としての美しさを兼ね備えた我が化身を!その名も“氷結の炎帝 ダイアモンドダスト”!貴様らに本当の闇を齎す者だ!」
『ガ、ガゼルも…!』
『化身を発動しただとーーッ⁉︎』
まさかエイリア学園も化身を習得していたとは思わなかったギャラリー一同は驚くしかなかった。
試合開始から15分が経過、勝負はまだまだこれからだ。
“ヘブンズタイム”の解説はいつもの如く捏造です。一応オリオンで公式の見解は出たけどよくわかんない解説だった為超スピード説と催眠術説を採用しました。
え?そんな事よりも何でブリザードの裏ボスなのに“炎帝”なのかって?まぁ簡単に言えばポケ○ンBでのレシ○ム、ポケモ○Wでのゼクロ○みたいなもんですよ。
〜オリ技紹介〜
ジ・アイスバーグ:風属性のキーパー技。“アイスブロック”だけでは盛り上がり欠けると判断した為急遽追加したオリジナル技。ぶっちゃけモーションは氷山が出る“フェンス・オブ・ガイア”。それでも“ゴッドノウズ”を止める程の威力を誇る。