DEADPOOL × 水星の魔女   作:田村任三郎

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デッドプールが水星の魔女の世界に現れたら?の二次創作です。
とんでもオリジナル展開が多数出ると思います。
気長に見てもらえると嬉しいです。


第1話

星暦122。宇宙産業の覇権をめぐり、巨大企業がしのぎを削る中、地球圏の片隅にあるアスティカシア高等専門学園。

そこを通るモノレールに赤毛の少女が乗る。

スレッタ・マーキュリー。

母親に言われ、学園生活を送るように言われた彼女は、まだ見ぬ学園生活に思いを馳せながら学園に向かう。

ここにくるまでに、銀髪の少女を発見し、救援した際には何故か怒られたりするトラブルもあったが、それも今の胸のときめきに比べたら些細な事だった。

学園に向かうモノレールが別の駅で止まる。

次の駅で降りなければ、と確認するスレッタ。

その時、突然、男の声が外から聞こえてきた。

 

「いっけな〜い!遅刻遅刻〜!!」

 

赤。ここに来るまでは自分の髪は珍しい赤毛で、目立つかも知れないと考えていたスレッタだった。

しかし、目の前の扉に目立ちすぎる赤い全身タイツの男が、バンザイしながら走り込んできた。

 

「危ねぇー!クロスオーバー1話目にして主役が遅刻する作品とか打ち切り確定じゃん!」

 

赤タイツの男は突然マイクを持ち出し、どこかに向けて語り始める。

 

「オッス! オラ新入生! 今日からこの『水星の魔女』に転校してきた、ウェイド・ウィルソンだッ!」

 

なんだろう。急に虚空に向かって語り始めるこの男は。そもそも声で男と判断したものの、赤いマスクで顔が見えていない。

色々と聞きたいことがあるスレッタだが、とりあえず今、思った事を告げる事にする。

 

「あの……ここ、“水星の魔女”じゃなくて、アスティカシア学園、ですけど……?」

 

小さい声でツッコミを入れたスレッタだが、ウェイドと名乗った男にはバッチリ聞こえたらしく、スレッタの方に顔を向ける。

赤と黒で彩られたマスクの顔に見られ、小さく悲鳴を上げるスレッタ。

しかし、ウェイドはウインクしながら(マスクをしてるのでそれっぽい動きをしただけにしか見えないが)告げる。

 

「わかってるって、君たちの看板タイトルを言った方が観客に優しいだろ?」

 

「…………」

 

この日、スレッタは初めてドン引きという行為を覚えた。

 

数時間後、無事に編入手続きを終え、演習場に立ち寄ったスレッタ。

ニカ・ナナウラや先程会った銀髪の少女、ミオリネ・レンブランと知り合い、交流を深めていく。

先程までの悪夢のような時間を振り払いながら、ミオリネと共に温室に向かうスレッタだが、温室の中に見覚えのあるタイツ姿が見えた。

 

「誰!?勝手に私の温室入っている奴!」

 

ミオリネが自分の温室に何者かが入ってると分かり、憤慨して入っていく。

そこにはトマトの匂いを嗅いでいる赤いタイツ男の姿があった。

 

「アンタ!そこで何してるの!」

 

ウェイドがミオリネの声に気づき、気軽に声をかける。

 

「あぁ、アンタがここの管理人?俺、チミチャンガが好きでさ、このトマト…」

 

「勝手に入るな!出ていけぇ!」

 

ウェイドの声に脇目も振らず、襲いかかるミオリネ。

ウェイドは驚きながらもミオリネの攻撃をかわしながら温室から出る。

ミオリネが肩で息をしながらウェイドを睨む。

 

「アンタ、ウチのトマトに変な事してないでしょうね!」

 

「変な事?いや別に。俺ちゃん、最近はヒーローで通ってるから、そんなヴィランみたいな事はやってないよ。」

 

意味の分からない言葉を並べるウェイドを尻目にミオリネが告げる。

 

「なら、いい。私の許可なく勝手に温室に入るな。スレッタも。分かった?」

 

「は、はい!」「りょーかい、キャプテン。悪かったよ」

 

ミオリネの注意喚起にスレッタは緊張しながら、ウェイドも少し顔を俯かせながら返事を返す。

ウェイドの態度に眉を潜めながら、ミオリネはトマトの状態を確認する。

その様子を見てスレッタがミオリネに尋ねる。

 

「もしかして、それがトマトですか?」

 

「は?見ればわかるでしょ?」

 

「ご、ごめんなさい…トマトって、本物見たの初めてで…」

 

「え?初めて?」

 

ミオリネは目を丸くするが、ウェイドは冷静だった。

 

「あー、そういうのあるよな。分かる。特にマルチバースだと常識や知識が違う相手とか全然いる。ただギャラクシーガーディアンズはやり過ぎた。特にグルートみたいな濃ゆいキャラクターは他のヒーローを食う可能性が…」

 

「うるさい、黙ってて」

 

訳の分からない事を話すウェイドをミオリネが黙らせる。

ミオリネはトマトを一つ、スレッタに渡した。

 

「あげる」

 

「あ、ありがとうございます…」

 

スレッタがおずおずと受け取る。

食べ方に困ってそうなスレッタにウェイドが声をかける。

 

「思いっきりかぶりついちゃいな。さっき食ったけどイケるぜ」

 

「は?」

 

なんか聞き逃せない事を言った気がする。

さっき何を食ったって?

 

「アンタ、トマトには何もしてないって…」

 

「いや、変な事は何もしてないって言ったよ。俺。でもトマトって食べるもんでしょ?別に何もおかしくは…」

 

「今すぐ出てけぇっ!!」

 

すぐ側にあった工具を思いっきりウェイドに投げつけるミオリネ。

ウェイドがそれを避けた途端、工具がウェイドの後ろにいた男の顔面に直撃した。

 

「「「あ」」」

 

三人の声が重なると同時に男が倒れた。

──物語、続く(かもしれない)

 




水星の魔女の一話分、丸々書くつもりが区切ってしまいました。
次回でなんとか一話分、書き切ろうと思います。
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