DEADPOOL × 水星の魔女   作:田村任三郎

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第12話

「会社設立?ガンダムの?」

 

ミオリネの話を聞いてチュチュが声を上げる。

地球寮の生徒たちを集め、ミオリネが株式会社ガンダムの設立を宣言したのだ。

 

「それってこの間のインキュベーション・パーティの?あれ?でもあの時はチミチャンガの企業を起こすって話じゃ…」

 

声を上げたのはマルタン・アップモント。

地球寮の寮長を務める生徒だ。

 

「あー、それなんだけどさ、スレッタちゃんを助けるためにミオリネちゃんがプランを上書きしちゃったのよ」

 

その言葉を紡いだのはウェイド・ウィルソン。

人を駄目にするソファに座りながらアフロとサングラスをつけていた。

ミオリネが思わず突っ込む。

 

「そのスタイル、なに?」

 

「今をときめく社長スタイルだ。ミオリネちゃんがドジったおかげで俺ちゃんが注目度ナンバー1の株式会社ガンダムの社長。アベンジャーズとは財力の差で規模も人気も負けている『Xフォース』もこれから俺ちゃんの手腕でドンドン大きくなっていく。レットもポールも二次創作でパワーバランスを崩壊させた『Xフォース』を見て後悔するだろう。なんでデッドプール2でドミノ以外殺す脚本なんか書いちまったんだ、ってな」

 

「はしゃいでるところ悪いけど、既にちゃんと修正して私が社長になってるわよ」

 

「クソッ!束の間の夢を見ることも許されないのかよ!」

 

アフロを投げ捨てるウェイドにスレッタは苦笑いしか出来ない。

 

「でも、それあーしらには関係ない話だよな?なんでわざわざ皆を集めてんだ?」

 

チュチュの疑問にミオリネが答える。

 

「関係あるわよ。これから私たちで会社を経営していくんだから」

 

「は?」

 

「給料はちゃんと出すから」

 

ミオリネの突然の宣言に地球寮のメンバーが面食らうが、ミオリネは給料を引き合いに出す。

 

 

「そもそも何をする会社なの?」

 

「チミチャンガ製造会社」

 

「それガンダム関係ないでしょ!…それについてはこれから考える」

 

途中のウェイドの呟きにきっちりツッコミを入れた後、ミオリネはニカの問いに答えた。

 

「はーっ、やっべー。ミオリネちゃんが会社の方向性とか定款とか決めるエピソードじゃん、これ。俺ちゃん超ヒマじゃん、どうしよ」

 

ミオリネとスレッタがエアリアルの調査のためにプロスペラの元を訪れている時、ウェイドは中庭で暇を潰していた。

調査の名目とはいえ、学生になったウェイドだが停学が明けてからも一向に授業には出ていなかった。

余りに暇なので現在、中庭のベンチでコカインをキメてハイになろうと隠し持っていたバッグを持ち歩いていた。

 

「フゥー。アルの奴、結局俺のコカイン見つけられないんだもんな。さーて、ここらで一発キメて…」

 

「アンタ、ウェイド・ウィルソンだろ?」

 

「え?誰?ここからR指定の描写入れる予定なのに」

 

ウェイドが振り向くとその先には見覚えのある顔があった。

エラン・ケレス。

ウェイドがトニーの元へ送り、経過観察中の少年の姿があった。

 

「あれ?お宅なんでここにいるの?」

 

「まあ…そういった態度とるよな…俺はアンタらが知ってるエランじゃない」

 

エランと瓜二つの少年が頭を掻きながら応える。

その姿はマネキン王子と呼ばれた以前の彼とはかけ離れた姿だった。

ウェイドはそのエランの正体に心当たりがあった。

 

「アンタひょっとして…強化人士5号くん?」

 

「やっぱアイツから聞いてたか」

 

強化人士。GUNDアームに乗るために肉体に人工的な調整を施された人間。

現状ではペイル社による未完成の実験体に過ぎず、スレッタ達が知り、ウェイドがトニーの元へ送ったエランは本物のエラン・ケレスから作り出された5人目のエラン、強化人士4号だった。

そして今、目の前にいるエランは恐らく6人目のエラン、強化人士5号のエラン・ケレスだとウェイドは推測した。

 

「アンタが4号をどこかに拉致ったろ。おかげで俺は正体を隠す意味がなくなった。」

 

「あー、なるほどね。なに?返せって上が言ってきた訳?」

 

「逆だ。アンタに強化人士4号を預ける。代わりに強化人士4号の医療データ、並びに身体データを定期的に提供しろって話だ。」

 

ペイル社からの提案。

「預ける」とは言葉のみの形。実際には用済みとなった強化人士4号の体のいい厄介払いを押し付け、更にトニーから医療データを貰う事で、より完成度の高い強化人士を作ろうという意図がウェイドに見えた。

ここで仮に強化人士4号の引渡しを要求しても、寿命の引き延ばしの技術が確立していないペイル社では、廃棄処分以外の決定は下せないのだ。

ならば、最後までペイル社の利益になる形で利用しようという魂胆だろう。

それにこの提案を断れば、今後、株式会社ガンダムを攻撃する際の口実を与えることにもなりかねない。

ウェイドには頷く以外の選択肢がないのだが…

 

「あっそ。別にいいよ。」

 

実にあっさりと了承する。

どこまで本気なのか、強化人士5号のエランには分からなかった。

 

「ところでさあ、お宅の事、なんて呼べばいい訳?エラン5号?5号くん?」

 

「一々、『5号』と言われるのは勘に障るからやめてくれないか。だが、エラン・ケレスの名前は4号が持ったままだからな…どうしてもってなら…フィフス・ケレスって名乗るか」

 

「そんなフォウ・ムラサメ感覚で名乗んの?」

 

「いいんだよ、本当の事だろ。それじゃ医療データの提供、頼んだぜ」

 

強化人士5号…フィフスはウェイドに背を向けて去る。

その姿を見ながらウェイドが呟く。

 

「やっべー…エランくん、何の下準備もせずに救っちゃったせいで周りが完全に原作ブレイクじゃん…なんだよフィフス・ケレスって…原作にない名前、ドヤ顔で名乗るぞアイツ…」

 

「そうね。でも、もっと重大なブレイクをしている人物がいるんじゃない?」

 

「え?」

 

ウェイドが声のした方を振り向くと、いつの間にか帰ってきたミオリネがベンチに置かれたウェイドのコカインが入ったバッグを手に震えていた。

後ろにもかつてウェイドがエアリアルに仕込んだコカインで冤罪をかけられたスレッタが震えている。

 

「アンタ…まだこんなに薬物隠し持ってたの…」

 

「落ち着け!医療用だと言えば言い訳できるし、ディズニーにも名前出せるだろ!」

 

「ふざけんなあぁぁ!!」

 

ミオリネの怒号が響き渡る。

なお、株式会社ガンダムはGUND技術が本来目指していた医療分野での研究開発を目指す会社になる事が決定した。

──物語、続く(かもしれない)




短い内容ですが遅くなりました。
ちなみに遅くなった理由は私がFGOの新規シナリオとグランドサーヴァントイベの周回してたからで特に作品には関係ありません。
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