DEADPOOL × 水星の魔女   作:田村任三郎

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第13話

地球寮

株式会社ガンダムの社員達、並びにミオリネが緊張しながら見守る中、スレッタが目の前の白い人型の鋼鉄のスーツを見つめていた。

目の前にあるのは「GUNDスーツ mk1」。

GUNDアーム技術を駆使し、株式会社ガンダムの社員の技術も結集させて作ったパワードスーツ。

目的は主に事故により手足を失った障害者達への支援だ。

スレッタが髪を束ね、スーツの背中を開く。

スレッタが中に入るとスーツの背中が自動的に閉まり、スーツ内部が様々な液晶ディスプレイと映像が出現する。

 

『バーチャルチェック。操作プログラムをインポート。スキャン開始。』

 

GUNDスーツの各所が動作し、周囲の状態をチェックする。

ニカが近づき、動作確認をした後、記録を撮り始める。

 

「テスト107。GUNDスーツ動作テスト開始。」

 

スレッタのGUNDスーツが動きだし、その先にある障害物のコースを認識し始める。

 

「スレッタ、コンピュータが提示した安全性の高いコースを選びなさい!そのスーツ、モビルスーツと同じくらい高いんだから壊しちゃ駄目よ!」

 

「モビルスーツって言っても、あーしのデミトレの事じゃねーぞ!ファラクトと同じくらいするんだからな!」

 

『は、は、はいぃ!壊さないように気をつけます!』

 

ミオリネとチュチュの檄が飛び、スレッタは緊張した面持ちで返事を返す。

GUNDスーツが動き出し、障害物のコースを歩き始める。

凹凸の激しいコース、坂道、昇降が必要なコースも難なく進んでいく。

そして最後。平均台の上に到達し、慎重に進んだ時、スーツの足が平均台からズレる。

 

『あっ!』

 

「スレッタ!バーニア!」

 

ミオリネの呼びかけにハッとなったスレッタがスーツの手を地面に翳すと、掌からバーニアが吹き出し、倒れそうになったスーツが再び平均台の上へ戻る。

そして平均台の上に戻ったスーツは再び渡り始め、無事ゴールできた。

スレッタがGUNDスーツの背後を展開させ、スーツから出る。

そこまで記録を撮るとニカが記録を終了させた。

 

「テスト107終了。動作テスト問題なし。お疲れ様でした。」

 

その場にいたニカ以外の全員が溜息を吐く。

 

「おめー、最後の最後で平均台から落ちてんじゃねーよ!心臓止まるかと思ったじゃねーか!」

 

「すみません!すみません!」

 

チュチュがスレッタの腹を肘でどつき、スレッタが謝りながらそれを受ける。

その時、ミオリネの通信端末から着信が届く。

ミオリネの端末にトニー・スタークの名前が表示されていた。

 

「どうも。スタークさん」

 

『やあ、ミオリネ。今日は君たちのスーツのテストの日だと聞いてね。結果はどうだった?』

 

「動作は問題無いと思います。最後にスレッタが平均台を踏み外しましたが、バーニアが作動して問題ありませんでした。」

 

『そうか!それは良かった。こっちも先行投資した甲斐があったというものさ!』

 

「いえ、そんな。スタークさんには本当に感謝しています。」

 

実際、ミオリネはスタークに多大な恩があった。

ミオリネ達は株式会社ガンダムをGUND技術が本来目指していた医療分野での研究開発を目指す会社として定款し、PVを制作して宣伝した後、トニーからの打診があった。

それは自身の会社であるスターク・インダストリーからの多額の投資。

更に自身のスーツであるアイアンマンスーツのデータの提供だった。

このアイアンマンスーツのデータとGUND技術を基に製作されたのがGUNDスーツだった。

 

『GUNDアームにおける医療技術は、この先の君たちの社会にとって必要な物になるはずだ。ここまでの形になるとは思ってなかったけどね』

 

「いえ、私達が作ったのはあくまで介護補助用のスーツですから。アイアンマンスーツから余分なエネルギーと武装を破棄した簡易的なスーツなら私達でも作れると思っただけです」

 

実際、ミオリネ達が作り上げたGUNDスーツはミサイルはおろかビーム兵器も搭載されておらず、空も飛ばない。

先程のバーニアも姿勢補助が目的であり、その出力は弱目に設定されている。

アークリアクターもないので、稼働能力は電力で僅か10分とまだまだ改良の余地がある代物だった。

 

『顔もデザイン変える予定だって?』

 

「はい。スタークさんのアイアンマンの顔より、スレッタのエアリアルを基にした顔の方が会社の宣伝にも繋がるので。スレッタはエアリアルの弟が出来ると喜んでます」

 

『なるほど、いいセンスだ。ところでウェイドはそこにいるか?』

 

ミオリネはその言葉を聞いて、ウッと声を鳴らす。

 

『ミオリネ?』

 

「あー、ウェイドはですね…」

 

中庭

ウェイドがそこで歌を口ずさんで踊っていた。

目の前にはフィフス・ケレス、シャディク・ゼネリがいる。

 

I'm doing this tonight

You're probably gonna start a fight

I know this can't be right

Hey baby come on

I loved you endlessly

 

「見たか!これが俺ちゃんが映画のOPで踊って一躍有名にしたByeByeByeだ!」

 

「へぇ、結構いい動きしてたな」

 

「うん、歌詞は別れ話の曲かな?曲名は別れる女性に当てたものか」

 

フィフスとシャディクが軽くパチパチと拍手する。

その後でシャディクが質問する。

 

「で、君が俺たちを呼んだ理由は?」

 

「そう!それだ!お前たち見たか!あの株式会社ガンダムのPVを!」

 

「まあ、勿論。今や学園の注目の的だしね」

 

フィフスも頷いて端末を見せる。

そこにはスレッタとエアリアルがポーズを取るPVが映し出されていた。

 

『ガーンダム、ガーンダム、きぼーうのーひーかりー』

 

「そう!それだ!アイツら、俺に黙ってPVを作ってやがった!俺ちゃんがいればもっとイカしたPVにしてやったのに!」

 

「いや、アンタ社員じゃないだろ。別に地球寮所属でもねえし」

 

「そんな正論は求めてないぞシャディク!これは俺ちゃんに対する裏切り行為だ!奴らに宣戦布告する!」

 

「さっきの発言は俺じゃなくて隣のフィフスだけど。それで、なんで俺たちと何の関係が?」

 

「決まってんだろ!お宅らを出してPV作れば奴らのPVなんざ一気に抜く再生数のPVなんざ余裕だ!知名度もビジュアルも合格!あとは二人が抱き合えば最強のPVの完成だ!俺ちゃんがバックダンサーで盛り上げてやる!」

 

「「断る」」

 

二人は去っていった。

 

「クソ!どいつもこいつも俺ちゃんを除け者にしてストーリー進めやがって!デッドプールのクロスオーバーなのにトニーがガッツリ絡んでくるなんて聞いてねえぞ!」

 

「その縁のおかげで私達が大助かりしてるんだから、多目に見て欲しいんだけど。スタークさんの支援がなかったら今頃私、資金繰りで大忙しだったわ」

 

ウェイドが声に気づいて振り向くとそこにはジト目で見るミオリネと苦笑いするスレッタがいた。

 

「アンタを蔑ろにしたのは悪かったわよ。でも、アンタは社員にしてないし、迷惑だと思ったから…」

 

ミオリネがバツの悪そうな顔をし、ウェイドに謝る。

その瞬間、ウェイドも態度を一気に軟化させる。

 

「おいおい、俺とミオリネちゃんの付き合い、どんだけあると思ってんのよ。入学初日からの仲なのにそんな事で迷惑がる訳ないじゃん」

 

「いや、アンタ編入生で私と学年違うでしょ」

 

「ウェイドさん確か1年で私達より学年下ですよね…」

 

MP563。エランとの決闘時に発覚したウェイドの学籍番号。

Mが学年の1年に辺りPがパイロット科を意味する。

563が生徒番号のはずだが500どころか100人もいない1年のパイロット科でどうやってこの番号を手に入れたのかは謎である。

 

「ってか、アンタらわざわざ謝りにきたくてここにきた訳?律儀だね」

 

「それもあるけど、スレッタの母親から連絡がきたのよ。アンタに伝えて欲しいって」

 

「あの鉄仮面のお袋さんが?なにを?」

 

ウェイドがスレッタの方に向き直るが、スレッタも若干戸惑った顔で告げる。

 

「えっと…『神になる準備ができました』ってことらしいです…それでプラント・クエタに来てほしい、と…」

 

「え!?何それ!俺ちゃんが神に!?新世界の!?」

 

「意味は分からないけど、スレッタもエアリアルを修理させてるし、私もあの人に用があるから、プラント・クエタに向かうわよ」

 

はしゃぐウェイドをよそに、ミオリネが速やかに渡航の手続きを取りながら告げる。

 

「あぁ、描写されてないけどスレッタちゃんのエアリアル、シャディクとの決闘でボロボロになったんだっけ」

 

「はい…」

 

肩を落とすスレッタの様子を見て、ウェイドが決心する。

 

「よし、決めた。俺ちゃんが株式会社ガンダムのPV2弾を作る!撮影場所はプラント・クエタだ!」

 

「は?」

 

ミオリネの驚きの声が空間に響いた。

──物語、続く(かもしれない)




トニーがガッツリ絡んできたトンデモ展開です。
あと普通にフィフスくんとか描いてますが、5号くんのことでオリキャラではありません。
なんかだいぶ原作が壊れてきましたが、なんとか続きます。
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