DEADPOOL × 水星の魔女   作:田村任三郎

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第15話

プラント・クエタの格納庫に一人の女性が佇む。

テロリストの襲撃に激しく揺れる格納庫。

しかし、その女性は臆することなく、ただ眼前のモビルスーツを見つめる。

プロスペラ・マーキュリー。

スレッタの母親である彼女の前に二機のモビルスーツが佇んでいた。

プロスペラにメカニックの一人が近づく。

 

「代表、ここは危険です。急いで離れた方が…」

 

プロスペラに忠告するメカニック。

だがプロスペラは一歩も動こうとしない。

 

「この場所より安全な場所はないわ。エアリアルが私達を守ってくれる」

 

プロスペラの眼前に佇むモビルスーツの一機。

ガンダム・エアリアル。

スレッタの愛機であり、シン・セーにより改修された新しいエアリアル。

そして、その隣には…

 

「それに私達には、神様がついているものね」

 

隣に佇む赤い機体を見て、プロスペラが笑った。

プラント・クエタの通路は凄まじい戦闘の跡が残っていた。

多くの血と銃弾。そして斬撃と死体。

多くの戦いの跡を残しながら一人の男がテロリスト達と戦っていた。

ウェイド・ウィルソン。またの名をデッドプール。

『口数の多い傭兵』がテロリスト達に暴れ回っていた。

 

「タコス・デリバリーサービス!!出前一丁ォォ!!」

 

道中のテロリストたちを、冗談を言いながら次々と倒していく。

テロリスト達は眼前に佇む男に混乱しながら銃を向ける。

弾を何発も体に撃ち込んだのに、何度も起き上がっては戦ってくる。

しかも起き上がる度に、更にハイテンションになって襲ってくるウェイドにテロリスト達は恐怖を隠せない。

 

「あー、マジで久しぶりだわ、この空気。カナダに戻ってきた感すらある」

 

血まみれになりながら、軽口を叩き続けるデッドプール。

最初は黄色と黒だったコスチュームは自らの出血と浴びた血で赤く染まり、元の赤のコスチューム以上に赤く染まっている。

 

「俺ちゃんのコスチュームより赤いのって赤血球が多いから?まさか俺ちゃん高血圧だったりする?健康診断引っかかるじゃん」

 

軽口を叩きながら手に持った刀を振るい、周りのテロリストの首を切り落としていく。

 

「41人だった首狩り記録が今や89人!このオッサンで90人!」

 

その頃、スレッタは暗い通路を慎重に歩いて格納庫に向かっていた。

あの後、外からのモビルスーツの砲撃でミオリネと別行動を余儀なくされたスレッタは、エアリアルをプロスペラから受け取るべく、1人で格納庫に向かうことにしたのだ。

しかし、通路を進むにつれて、夥しい血の跡や死体が現れ始める。

スレッタは混み上がる吐き気を抑えながら懸命に格納庫に向かって歩みを進める。

 

「お母さん……ミオリネさん……みんな……助けなきゃ……」

 

そして、通路の角を曲がろうとした瞬間

 

「ボールを相手のゴールにシュゥゥゥーッ!!」

 

スレッタの横を何かが掠めた後、ウェイドが現れた。

 

「超!エキサイティング!」

 

「う、ウェイドさん!?」

 

「おっす!スレッタちゃん!!調子どー?パーティー楽しんでるゥゥゥ!?」

 

いつも通りの調子で話すウェイド。

スレッタの顔に一瞬安堵の色が浮かんだが、すぐに消える。

目の前のウェイドは全身を血で真っ赤に染めており、二本の刀を両手に持っている。

そしてスレッタの横を掠めた物は、恐怖の表情で斬られたテロリストの生首だった。

 

「う、う、うわぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!」

 

スレッタの顔が顔面蒼白になる。

目の前にいるいつもふざけていたウェイドの顔が知らない顔に見えた。

しかし、ウェイドはそれを気にもせず、いつもの調子でスレッタの肩を叩く。

 

「だいじょーぶだって!神様になる前に、ちょっと血がついただけさ」

 

「か、神様って…」

 

「スレッタちゃんのお袋さんがそう言ってたじゃん。俺ちゃんがマーベルの神になる準備ができたんだろ?格納庫に行くぜ!」

 

スレッタは困惑する。

今まさにスレッタとウェイドの行先が被ってしまっている。

だが、今のウェイドについて行っても大丈夫なのだろうか。

逆に自分の身が危険に晒されるのでは?

葛藤するスレッタだったが、頭の中にミオリネの顔が浮かび、迷ってる暇はないと結論付ける。

 

「ウェイドさん、私も一緒に格納庫に連れて行ってください!」

 

「その言葉が聞きたかった!」

 

スレッタがハイテンションのウェイドと共に格納庫に行く。

そこには二機のモビルスーツの前に佇むプロスペラがいた。

 

「スレッタ。それにウェイドさん。二人とも待っていたわ」

 

「お母さん!」

 

スレッタがプロスペラの胸に飛び込む。

その様子を見ながらウェイドがプロスペラに尋ねる。

 

「アンタ、俺ちゃんを神にするって言ったよな?どういう意味だよ」

 

プロスペラが仮面の下で笑みを作りながらウェイドに告げる。

 

「完成したんです。貴方を神に昇華させる機体が」

 

「マジかよ!俺ちゃんを神にする機体ってなんだ!ターンA!?それともユニコーン?ダブルオークアンタでもいいよ!ティエリアいないけど!」

 

「これが、貴方を神にする機体、『ガンダム・キャリバーンII』です」

 

ウェイドの前に赤いモビルスーツが現れる。

 

「は?どなた?」

──物語、続く(かもしれない)




オリモビルスーツの登場で終了です。
次話も色々オリジナル展開が続いていきます
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