DEADPOOL × 水星の魔女   作:田村任三郎

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第19話

地球寮。

エアリアルとキャリバーンⅡ、そしてファラクトが格納されてるガレージにスレッタ達、株式会社ガンダムのメンバーが集まっていた。

その目の前にあるのは「GUNDスーツmk1」。

スレッタ達、株式会社ガンダムのメンバーが作り上げ、順次改良を繰り返している人型のスーツ。

その頭部は株式会社ガンダムの意向により、エアリアルをデザインした物に置き換えたが、発注したタイミングの都合もあり、そのデザインは初期のエアリアルのものとなり、現在スレッタが搭乗している改修されたエアリアルのものとは細部が異なっている。

そのGUNDスーツに様々なコードが繋げられ、ミカが端末を弄っていた。

 

「GUNDスーツのアップデート、どんな感じ?」

 

ミオリネがニカの後ろから話しかける。

 

「もう終わりますよ。多分話しかけても大丈夫かと」

 

ミカが最後のチェックを終わらせる。

その様子を見て、ミオリネがスレッタに目配せで合図し、スレッタがGUNDスーツに近寄った。

 

「エ…エリクト…!聞こえる…?」

 

スレッタが発言して数秒後、スーツ頭部の目が光り、スピーカーから声が出始める。

 

『聞こえるよ、スレッタ。なるほどね。こんな形で肉体を手に入れる事ができるなんて』

 

地球寮の面々から驚きの声が上がる。

そしてGUNDスーツが独りでに歩き回り始めた。

スレッタが感動しながらGUNDスーツと話し始める裏で、ミオリネが興味深そうに見る。

 

「まさかエアリアルの中に書き加えていた生体コードを私たちのGUNDスーツに移すことになるとはね」

 

「君たちが参考にしたトニーのスーツあるじゃん?あれの中にもAIが組み込まれてたりしてたんだよ。ジャーヴィスだったりフライデーだったり。それの応用でいけるかなって思ったんだ」

 

ミオリネがウェイドの声を聞くものの、その顔を動かさないまま話を続ける。

 

「一応、命の危険はないのよね?」

 

「最悪、スーツが爆発してもネットワーク通じてデータストームの中に避難できるみたいだね。っていうか、いつも通りエアリアルに戻る事もできるみたいだからエリクトちゃん的にはリスクはほぼないみたいだよ」

 

ウェイドの話に頷くものの、顔を動かさないままミオリネは続ける。

 

「よかった。これで万が一エリクトに何かあったら私たちじゃ責任負えなかったし」

 

「これであの腹黒ヘッドギアさんに顔向けできるね。ところでさ、ミオリネちゃん。なんでこっち向かないの?」

 

「正気を保てる自信がないから」

 

ミオリネの隣にいるウェイド。

その頭はいつもの赤いマスクを被っていたが、その体は赤ん坊サイズの小さいものになっており、ハイハイの姿勢をしていた。

 

「プラント・クエタで生首で喋っていた時もヤバかったけど、今のアンタの姿もヤバいわ…体が生えてきて赤ちゃんスタイルとか見てて気が狂いそう…」

 

「俺ちゃんの生首スタイルを見たスレッタのお袋さん、顔が引き攣ってたもんね。スレッタちゃんも『あんなお母さんの顔、見た事ない』って」

 

「そりゃそうでしょうね…」

 

すると、スレッタとGUNDスーツがこちらに近づいてくる。

 

「スレッタ、どうだった?」

 

スレッタが笑顔で告げる。

 

「なんか、夢みたいです。エリクトとこうして学園を回れるなんて。」

 

『まだこの体だと稼働時間が短いから、色々と改良しないとね。私の方から色々問題点を割り出せるよ』

 

「それは助かるわ。ついでに問題点に対して解決案も提示して貰えると嬉しいわね」

 

『検索しておくね』

 

スレッタ達の様子を見ながらハイハイで近づくウェイド。

その姿を見てスレッタが固まる。

 

「ウ、ウェイドさん…」

 

「オッス、スレッタちゃん。エリクトちゃんも調子良さそうだね」

 

「お、おかげさまで…」

 

『そっちはどうなの?』

 

「安心しろ。今はまだ幼年期。もうすぐ進化して成長期になるところだ」

 

『完全体まで時間がかかりそうだね』

 

ハイハイしながら胸を張るウェイドの姿にスレッタとミオリネの顔が引き攣る。

 

「ドン引きしてるけど俺ちゃんをこの身体にしたのはスレッタちゃんだからね?」

 

「は、はいぃ!すみませんすみません!」

 

ウェイドに凄まれて思わず謝るスレッタ。

赤ん坊姿のウェイドに頭を下げるスレッタという構図に、ミオリネは正気を保とうと頭を抑える。

その時、ミオリネの端末からアラームが鳴り、ミオリネに時間がきたことを知らせた。

 

「それじゃあ、やっておく事は終わったから、私はバカ親父の見舞いに行ってくるわね」

 

「私も温室のお世話にいかないと…」

 

「お二人ともお疲れさん。忙しいところ悪かったね」

 

立ち去るミオリネとスレッタにウェイドがハイハイ姿勢で手を振る。

思わず顔を引き攣りながら立ち去る二人。

見慣れるまでこの表情は崩れないなと悟った。

 

「はぁ…」

 

ニカはため息を吐きながらGUNDスーツの調整をしていた。

先日、プラント・クエタを襲ったテロ組織、『フォルドの夜明け』。

ニカはその組織とシャディクの連絡役となり、そのテロの一端を担った。

その結果、周りの仲間たちを戦闘に巻き込んでしまった。

 

「ニカさん」

 

「わっ!?」

 

突然、ニカの後ろから声がかけられ、ニカが驚きながら振り返る。

振り向くとそこにはスレッタが立っていたが…

 

「よっ」

 

スレッタの後ろからウェイドの顔が現れる。

どうやらおんぶしてもらってるようだった。

 

「わぁっ…」

 

その光景に思わずニカから変な声が出る。

 

「そのリアクション、地味に私も傷つくのでやめてください…」

 

「ごめんね。でも、どうして?」

 

「ウェイドさんがニカさんを探してたんです。私もニカさんと話したかったから、そしたらウェイドさんが背負って一緒にって…」

 

「私に?」

 

スレッタが頷く中、ウェイドはスレッタの背中から降りる。

 

「ニカちゃん、俺ちゃんを助けると思って商品を作ってほしい」

 

「へ?商品?」

 

ニカが目をパチクリさせる。

 

「そう。もうすぐオープンキャンパスだろ。そこで株式会社ガンダムの奴らが出店を出すつもりらしい。それに俺ちゃんも乗っかることにした。奴らとは別に出店を出す。だから何か金になるような商品を作ってほしい!頼むよ!」

 

「えーっと…いきなりは無理かな…」

 

「一緒に出店を手伝わないんですか?」

 

「ヤダ!そんな事したら儲けを山分けしないといけなくなるじゃん!」

 

「あ、独り占めする気なんですね…」

 

スレッタ達が呆れ顔になりながら話を進め、次第にニカも笑顔を取り戻していく。

その時、遠くから明るい声が届いてきた。

 

「見ーつけた!」

 

突然現れた澄色の髪の女の子が走りながらスレッタの胸に飛び込んだ。

驚きながら受け止めるスレッタ。

 

「えぇぇ!?あの、どちら様!?」

 

「会いに来たよ!スレッタお姉ちゃん!」

 

──物語、続く(かもしれない)




お久しぶりです。
原作からかけ離れた事もあって割と難産でした。
あとガンダムカードゲームが面白かったので熱中してました。
緑青使ってます。中々勝てないけど面白いです。
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