DEADPOOL × 水星の魔女   作:田村任三郎

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第2話

アスカティア高等専門学園には決闘と呼ばれる制度がある。

モビルスーツを用いて行われる、学生同士の私闘。

当事者は金銭、栄誉などお互いに望むものを懸けて戦い、相手モビルスーツのブレードアンテナを折った者が勝者となる。

 

さらに、ホルダーと呼ばれる称号も与えられる。

決闘の勝者の中でも、最も優秀な生徒にのみ与えられる称号。

ホルダーである生徒は、その証として白を基調とした制服やパイロットスーツを纏う。

 

そして、そのホルダーの称号を持った生徒は、ミオリネの父親であり、学園の経営者であるベネリットグループの総帥であるデリング・レンブランの意向により、18歳になったミオリネの花婿になれる。

 

その現ホルダーの資格者はグループ内御三家ジェターク社の御曹司で、パイロット科3年。ジェラーク寮のエースパイロットである、グエル・ジェタークである。

 

自分の腕に絶対の自信を持つグエルは、花嫁であるミオリネをジェターク寮に住まわせようと考え、後輩であるペトラとフェルシーと共に温室まで足を運んだ。

聞くところによると、ミオリネは今朝、宇宙空間へ脱走を企てようと考えたらしい。

だが失敗し、学園に戻ってきた。これ以上、花嫁に好き勝手にされてはたまらない。

ジェターク寮に住まわせれば脱走も考えなくなるだろうと踏んだのだ。

 

しかし、温室までやってきたが、何やら様子がおかしい。

赤い髪の女は、先ほど戦術区画でミオリネといる姿を見た。

問題はその隣だ。赤い全身タイツの男がいる。3年生となるグエルだが、学園内であんな姿の男は見たことがない。

あまりにも目立つその男に声をかけようとしたら、ミオリネの怒鳴り声と共に男が急にしゃがみ込み、工具がグエルの顔面に直撃した。

 

倒れたグエルを見ながら、ペトラとフェルシー、ウェイドが叫ぶ。

 

「キャー!?グエル先輩ー!?」

 

「え!マジで!2話目にしてキャラが1人死んだ!?こうやって最後の1人になるまで1人ずつ殺されていくの!?」

 

「違う!まだ殺してない!そもそもアンタが避けるから…って、グエル!?」

 

ミオリネが駆け寄り、倒れた男の正体を確認し、驚く。

グエルが痛みに悶絶しながら、ゆっくり起き上がる。『まだ』とはどういう意味だろうか。

 

「大丈夫ですか、グエル先輩!」「あまり動かない方が…!」

 

ペトラとフェルシーがグエルを心配する。

だがグエルの瞳は痛みより怒りで燃えていた。

 

「ミオリネ…俺はお前を花嫁として甘やかしすぎたようだ…」

 

グエルが怒りの炎を纏いながらミオリネを見る。

 

「お前は今後、ジェターク寮に住め。そうすれば俺に歯向かう意志などなくなるだろう…!だが!!その前に!!!」

 

グエルの顔がウェイドの方を向く。その顔は怒りで赤く染まっていた。

 

「ワオ、俺ちゃんのタイツより赤い」

 

「この俺に怪我を負わせる原因を作った!!この赤いタイツの変態男を叩き潰さんと、俺のプライドが治まらん!!!」

 

「アレ、俺ちゃんボコられちゃう感じ?」

 

「安心しろ!この学園にふさわしいルールで叩きのめしてやる!決闘だ!俺と決闘しろ!このグエル・ジェタークと!!」

 

「ちょっと落ち着きなさいよグエル!」

 

思わずグエルの肩を掴むミオリネだったが、グエルに振り払われる。

 

「ミオリネ、お前は大人しく俺の物になればいいんだよ!余計な口を挟むな!」

 

ミオリネはグエルの言葉を聞き、唇を噛んだ。

スレッタはトマトを手に持ったまま、成り行きを見守る。

しかし、ウェイドはいつもの調子でグエルに尋ねる。

 

「それで決闘って何?マリカーとかで勝負するの?」

 

「マリカー?ふざけるな!モビルスーツを使った真剣勝負だ!」

 

「あー、なるほどね。ガンダムファイトみたいなものか。見たことあるよ」

 

「ガンダム、ファイト…?まあ、いい。とにかく演習場に来い。叩き潰して、この学園から追い出してやる!」

 

グエルがフェルシー達と共に去る。スレッタとミオリネがウェイドに駆け寄った。

 

「大丈夫ですか、ウェイドさん!」

 

「アンタ、今すぐ謝ってきなさい!相手は現ホルダーよ!勝てるわけないわ!」

 

スレッタとミオリネが騒ぎ立てる中、ウェイドはいつも通りの調子だった。

 

「まあ、なんとかしよう。とりあえず決闘で俺が勝てばいいんでしょ?」

 

「そうだけど…アンタそもそも何のモビルスーツ持ってるの?」

 

「え?モビルスーツ?持ってないよ、そんなの」

 

ミオリネの疑問にウェイドがあっけらかんと答える。その場が凍った。

 

「え、それじゃあ、どうするんですかウェイドさん!?」

 

スレッタの疑問には答えず、ウェイドは黙ってスレッタを見つめる。

 

「な、なんで黙って私を見るんですか、ウェイドさん…」

 

ウェイドは黙ってマスクの顔でスレッタを見つめる。

 

「あ、あの、そのマスク怖いです。何をするつもりなんですか、ウェイドさん…」

 

スレッタは食べ損ねたトマトを思わず落とす。

怯えるスレッタに答えず、ウェイドは黙ってスレッタを見つめたと思ったら、その手がゆっくりとスレッタに伸びる。

その瞬間、スレッタの絶叫が辺りに響いた。

──物語、続く(かもしれない)




また一話で終われなかった。
次から倍の文字数で書くように頑張ります。
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