【完結】自己肯定感ゼロのボクっ子陰キャちゃんを全肯定してみたら激重ヤンデレになりました   作:崖の上のジェントルメン

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85.二人の捜索(1/2)

 

 

 

「……やっぱり、ダメだね」

 

私、西川 凛は、みんなに向かってそう言った。

 

「白坂くん、何回かけても繋がらないよ」

 

「Limeの方はどうですか?」

 

「そっちも、まだ既読がつかない。何回か送ってるんだけど……」

 

「うーん、困りましたね……」

 

二階堂さんは眉をひそめて、顎に手を当てた。

 

私たちは今、さっきの地震がおさまってから、前回の時と同じように、身内や友人に安否確認を行っていた。

 

自分たちは学校にいたお陰か、そこまで大きな被害はなかった。しかし、ニュースを見てみると、土砂災害警報や津波警報が鳴っていて、未だに危険な状況なのは終わっていなかった。

 

「ねえみんな!もう探しに行こうよ!優樹もさっぽんも、大変な目に遭ってるかも知んないよ!?」

 

千夏は外を指さして、叫ぶように言った。

 

「ウチも、同じ気持ち。さすがに連絡が無さすぎると思う!」

 

小岩瀬さんも千夏の意見に賛同し、二人並んで私のことを懇願するような眼差しで見つめていた。

 

「さっきの地震、前の時よりもヤバかった……。これで連絡ないのは、ホントにヤバいかもしんないって!」

 

「で、でも、まだいろんな警報が鳴ってるんだから、むやみやたらに動くと、私たちの方が危ない目に……」

 

「……山ノ内小学校に、行ってみませんか?」

 

「二階堂さん?」

 

「白坂くんと彩月さんは、その学校に避難していたんですよね?」

 

「う、うん」

 

「なら、一度様子を見に行くのは手かも知れません。そこに居てくれたら安心ですし、もし居なかったら、警察に行方不明者としてきちんと捜索を願えます」

 

「なるほど……」

 

二階堂さんの意見に合意した私たちは、最小限の荷物を持って、山ノ内小学校へ向かった。

 

学校に置いてあった所有者不明の自転車を2台だけ借りれたので、私の後ろに千夏、そして二階堂さんの後ろに小岩瀬さんの、2人乗りずつになった。

 

最近は晴れているからか、雪もあまりなく、影になっているところに少し残っている程度だった。

 

「千夏!次どっち!?」

 

「えーと、左!」

 

千夏には、スマホのマップで小学校の場所を教えて貰っていた。

 

その誘導に従い、私は自転車のハンドルを操作する。

 

「あった!あそこだ!」

 

千夏が後ろから、山ノ内小学校の校舎を指をさした。

 

私たち四人は駐輪場に自転車を停め、作戦会議を行った。

 

「たぶんここも、うちの学校と一緒で、避難所は体育館と校舎の中だと思う。全部を探すためには、それぞれバラバラになった方がいいかもね」

 

私がそう言うと、二階堂さんが「それがベストだと思います」と答えてくれた。

 

「それじゃあ、私と千夏が体育館。二階堂さんと小岩瀬さんが校舎の中。そういう分け方でいいかな?」

 

私の提案に、みながこくりと頷いた。

 

私は千夏と共に体育館へ向かい、二階堂さんと小岩瀬さんが校舎の中へと入って行った。

 

「おーい!さっぽーんやーい!」

 

千夏は、体育館の中に響き渡るほど大きな声で叫んだ。当然、中にいる人たちは「なんだなんだ?」と、こちらへ訝しげな視線をじろじろと向けてくる。

 

私はちょっとそれが恥ずかしかったけど、千夏がどんどん先へ進むので、私もそれに続いて「黒影さーん!」と叫んだ。

 

「黒影さーん!いたら返事してーーー!」

 

「優樹ーーー!どこにいるーー!?」

 

「白坂くーん!」

 

端から端まで体育館を横断し、ブルーシートの上で休んでいる避難者たちの顔をチラチラと確認してみたけど、彼らの姿はなかった。

 

「うーん……さっぽんたち、いないね」

 

「うん。もしかすると、校舎の方かも知れない」

 

「どうする?あーしらも向こう行く?」

 

「いや、一回二階堂さんたちに電話してみようか」

 

そうして、私と千夏が話し合っていたところへ、見知らぬ老夫婦が間に入ってきた。

 

「ちょっとすまないけど、あんたたちは、白坂 優樹のお友だちかい?」

 

お婆さんの方が、私たちの顔を見ながらそう尋ねた。私が「はい、そうですが」と答えると、お婆さんは焦った声色で「やっぱり優樹はいないのかい?」と改めて訊いてきた。

 

「もう何回連絡しても、優樹に電話が繋がんないんだよ」

 

「ええ、私たちもなんです。あの、すみません、お婆さんは白坂くんのお知り合いですか?」

 

「あたしゃは、優樹のばあちゃんだよ。優樹と一緒に避難して来たんだ」

 

「そうなんですね。彼は、どこへ行くとか話してましたか?」

 

「さっき、サツキちゃんと一緒にうちの家まで荷物を取りに行ったっきりで、まだ帰ってきてないんだよ……」

 

「サツキちゃん……というは、黒影 彩月さんのことですよね?」

 

「そうだよ」

 

「向かった家は、お婆さんたちの家ですか?」

 

「そうさ。優樹も一緒に住んでるからね、荷物をこっちへ持ってくるよう頼んでたんだよ」

 

「なるほど……」

 

私と千夏は、黙って顔を見合わせた。

 

「ばーちゃん!あーしらが二人とも探して来るよ!だからさ、ばーちゃんちの住所教えてくんない!?」

 

「い、いいのかい?」

 

「うん!あーしらチャリあるし、すぐ行ってくる!」

 

「ごめんねえ、迷惑かけて」

 

そうして私たちは、お婆さんから住所を教えてもらった。また、念のために連絡先も交換しておいた。

 

「何かあったら、電話しておくれ」

 

「おっけー!じゃあばーちゃん、行ってくんね!」

 

そうして私たちは、優樹くんの祖父母に手を振って体育館から出た。

 

スマホをポケットから取り出し、二階堂さんへ電話をかけた。

 

『はい、もしもし』

 

「あ、二階堂さん?こっちでね、白坂くんのご家族と会ったよ」

 

『おお、一緒に避難していたんですね』

 

「そうそう。その人たちが言うには、黒影さんと一緒に、家へ荷物を取りに行ってるらしいの。それから連絡がつかなくなったって……」

 

『……分かりました。連絡、ありがとうございます。今すぐ彼の家へ向かいましょう』

 

「うん」

 

これで私たち四人は、もう一度自転車置き場の前に集まった。

 

「そう言えば、白坂の家ってどこか知ってる奴いんの?」

 

小岩瀬さんからの質問に、千夏が答えた。

 

「うん!優樹のばーちゃんから住所聞いた!」

 

「おっけ、じゃあ今から行こ!」

 

そうして、早速私たちは自転車に乗って、彼の家へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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