突然ビックリ♀蜥蜴人ちゃん生活!?   作:4645 (ケモ系大量生産クリーチャー)

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思ったより悪くないかも

 

 

 

 

 

 ひとしきり静かに声を震わせた彼女()は、暫くして気分を落ち着かせると、残ったやるせない感情を尻目に、状況の整理をすることにした。

 

 死んだも同然とはいえ、出来ることをせずに諦めるのは、軟弱者の仕草だからだ。

 

 そして彼女は勿論、自らを見捨てた仲間達を恨むこともしなかった。

 

 危機的状況の最中で人を恨むということは、何かと瑣末なことに神経をすり減らせてしまい、いざという時にすりおろす神経が無くなってしまうからだ。

 

 

 無論、思うところがないわけではない。

 

 が、彼女は自らを見捨てても仕方のない理由に、おおよそ検討が付いていたため、少しでも生産的な行動を選んだのだ。

 

 というのも、基本的に変性術は凶悪すぎるため、人に対して万が一にも使ってしまうと、家族や知古を含めた術者の関係者全員が、連座で死罪になる取り決めがある。

 

 歴史的に、残虐な使用方法が流行っていたからだ。

 

 なので、トカゲになった彼女を馬鹿正直に地上に連れて行くと、数十人が縛首となってしまう。

 

 回避するためには、彼女がトカゲになったことを誰にも知られてはならない。

 

 だが、幸いなことに、彼女はすでに蜥蜴人になっているため、人語を操ることはできない。

 

 なので、生きたまま放置しても問題は起きづらい。

 

 罪のない無辜の仲間を殺すのはいくらなんでも忍びないという事情もあり、その辺の折衷案として、泣く泣く迷宮の最深部に置き去りにした。

 

 おそらく、そんなところだろう。

 

 

 この状況を彼女に言わせてみれば、「その判断は妥当だし、自分だってそうする。致し方のない行動。」だ。

 

 つまりは、1人で生きて帰れるわけもないだろうから、おそらくは死ぬだろうが、せめてそれまでは好きなように生きてくれということ。

 

 かえって残酷じゃないか。

 

 と、思うかもしれない。

 

 しかし、彼女にはある意味、いつかこういった状況に自身が陥ることを、予見していた節があった。

 

 以前、彼女がまだ彼だった頃、ある1人の仲間が同じように変性術師に誤射されたことがあった。

 

 その仲間は運悪く、動物ですらない血の様に赤い一つの果実に変えられてしまったが、彼の犠牲のおかげで、彼が引きつけていた致命的に強い不死者をも同様の果実に変えることができたのだ。

 

 当然ながら戦利品は何もなく、強いていえば食べられそうにない赤い果実に変わってしまい、さらには尊い人命が1人失われたが、代わりに数十人の仲間が救われた。

 

 現代における変性術とは、起死回生の一手であり、決して常用する物ではない。いわば最終手段である。

 

 自分がどうやって誤射されたのかはわからないが、微かに残る最期の激闘の記憶を思い起こしてみれば、最終手段に頼るのも仕方がない状況だった気がする

 

 正直言って、英雄的な最期に憧れていた彼女にしてみれば、そんなに悪くない散り際であると言えた。

 

 

 

 

 

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