すっかりレベルも上がり、装備も充実してきたソフィア達は、久しぶりに海鳴りのほこらにやって来た。
そこでは以前と同じようにドラゴンライダーが待ち受けており、あの時と同じ口調で挑発してきた。
「面白い。では拙者が受けて立つことにしましょう。」
「私は氷のやいばのヒャダルコで立ち向かいます。」
「私はイオラで返り討ちにしてやるわ!」
「わしは新たに覚えたマヒャドを使うぞい。」
ライアン、クリフト、ソフィア、ブライは自らすすんで名乗りをあげ、いよいよ勝負が始まった。
「ぬわあああっ!お主達、いつの間にこんな呪文を!?」
「まっ、まさか、我らがたった1ターンで負けるとは!?」
ドラゴンライダー達は以前と全然違う結果になってしまったことで、慌てて退散していった。
(あのー、拙者の出番がないんですけど…。)
ライアンは他の3人があまりにもあっさりと決着をつけてしまったことで、思わずきょとんとしてしまった。
しかし、この勝負を通じて一行は本当に強くなったことを実感し、俄然勢いが出てきた。
そして、そのまま奥へと進んで行き、小さなメダル3枚を回収した上で天空の鎧を手に入れた。
「これで天空シリーズの防具がそろったわ。あとは剣だけね。」
ソフィアは喜んでそれを装備した。
翌日。一行はメダル王の城に行ってきせきの剣を手に入れた後、トルネコに会いに行った。
すると、彼は通常攻撃こそ出来ないものの、道具使用なら問題なくなったため、メンバーに復帰することになった。
「では、私はきせきの剣を装備することになりましたので、それまで使っていた氷のやいばを渡すことにしましょう。」
クリフトは迷うことなくそれを差し出した。
「ありがとうございます。では、遠慮なく使わせていただきます。」
トルネコは両手でそれを受け取ると、早速実戦で使えるように練習を始めた。
その後、彼らは魔神像の中に乗り込んでいったが、そこで待ち受けていた魔物達から3人で来るように忠告されてしまった。
「何よそれ。あんた達、メタいこと言うわねえ。」
「私達は次の目的地に行きたいだけなのに!」
アリーナやソフィア達は思わぬ要求を受けたことで、不満タラタラだった。
しかし、魔物達もかたくなに譲らなかったため、最終的にそれに従うことにした。
中に乗り込んで行ったソフィア、ブライ、トルネコは出来るだけ戦闘を避け、戦闘になった場合は逃げるを選択したが、相手はなかなか逃がしてくれず、その目は本気だった。
「みなさんは何でそんなにムキになるんですか?」
「わしらは戦いにきたわけではないぞい。」
「お願いですから、ここを通してください。」
ソフィア、ブライ、トルネコは何とか説得を試みた。
すると、魔物達はなぜ戦うのかを歌詞に託して歌い出した。
タイトル:おら映画に出るだ
ハア 仕事がねえ お金もねえ 未来のことなど描けねえ
子供もねえ 妻もねえ 相手を探せど成果ねえ
両親は リタイアで 小説見ながらゴーロゴロ
頑張れど 頑張れど おらのふところ何にもねえ
おら こんな日々嫌だ おら こんな暮らし嫌だ
映画に出るだ
映画に出たなら バトルに勝って 賞金ウハウハだ ハア
その理由はかなり生々しいものだったため、トルネコの心はかなり揺れ動いた。
「では、このお金で必要な物を買ってください。」
彼は自分の判断で、とっさに50ゴールドをばらまいた。
すると、魔物のうちの何匹かがお金を拾い始めた。
「さあ、2人とも今のうちです。この隙に行きましょう。」
「でも、お金がもったいないけれど…。」
「安全が第一じゃ。急ぐぞい。」
ソフィアはいまいち納得がいかなかったが、ブライに説得されて、一斉に逃げ出した。
その後、3人は少し先にあった宝箱から小さなメダルを手に入れた。
しかし、それから間もなく、魔物達が次から次へと現れるようになった。
「まずいわね。さっきの作戦があだになったのかしら。」
「そのようじゃな。お金をねだるジェスチャーしているからのう。」
「ということは、またゴールド投げ作戦を決行ですな。」
3人はとっさにお金を取り出し、ばらまきながら懸命に逃げ続けた。
「ハア…。ハア…。何とか外に出られたわね。正直全滅するかと思ったわ。おまけにお金はスッカラカンだし、次に来た時が思いやられるわ。」
ソフィア達はルーラで空を飛びながら次なる手を考え、サントハイムで待機していたアリーナ達に合流した。
そして、一行は余ったアイテムを売るなどして資金を集めた上で店を回り、さらに(了解を得た上で)あちこちの宝箱を開けていって、装備をなるべく最強の状態にすることにした。
「ぬわあああん、疲れたもおおおん!」
「ある意味、レベル上げよりきついわね。」
「これも魔神像を突破するためです。」
「あとは、誰がどれを使うかですな。」
アリーナ、ソフィア、クリフト、ライアンをはじめ、みんなは目の前にずらりと並んだ武器や防具を見ながら、繰り返し話し合った。
その結果、現地には4人で乗り込むことになり、装備は次のようになった。
ソフィア:ドラゴンキラー、天空の鎧、天空の盾、天空のかぶと、しっぷうのバンダナ
ライアン:はぐれメタルの剣、やいばの鎧、ドラゴンシールド、鉄仮面、守りのルビー
アリーナ:キラーピアスと炎のツメ、マジカルスカート、金の髪飾り、力のルビー
クリフト:きせきの剣と氷のやいば、はぐれメタル鎧、鉄の盾、鉄かぶと、祈りの指輪
「みなさん、よろしくお願いします。私はレベルで遅れをとっておりますゆえ。」
「わしはHPと力が少ない上に、回復呪文がないことが不安要素じゃからのう。」
装備を4人に集中させたがゆえに留守番になってしまったトルネコとブライは悔しそうな表情をしていた。
「まかせて。これだけ強化出来れば恐れることはないわ。ばらまきをしなくてもいけるはずよ。」
ソフィアは自信をみなぎらせながら返事をした後、みんなで像に向けて出発していった。
「君達、4人で来るなんて、約束が違うじゃないか!」
現地で待ち構えていた魔物達はソフィア達を見るなり、不満な表情を浮かべた。
しかし、彼女達がレベルをこれでもかというほど上げている上に、装備も半端なく充実していたため、とても歯が立たなかった。
「さあ、道を開けなさい!私達は戦いを挑みにきたわけではないの!おとなしく通してくれれば、こちらからも攻撃はしないわ!」
ソフィアをはじめ、4人は鬼の形相でにらみつけた。
すると、魔物達は途端に態度を変えて、お金を要求しはじめた。
「言っとくけど、持ってきてないもんね!」
「前回はそれで大変な思いをしましたからね。」
「いさぎよく仕事を探してはどうですか?」
アリーナ、クリフト、ライアンはきっぱりと断り、戦うか通すかの選択を迫った。
「分かりました。どうぞ、お通りください。」
「でもその前に…。みなさんの後ろに宝物がありますよ。」
「えっ?」
意外なことを言われ、ソフィア達は思わず振り返った。
「アッホが見るーっ。」
「隙あり!バカめ!」
「者ども、行けーい!」
魔物達はギガデーモンのようなやり方で不意打ちを仕掛けてきた。
「よくもだましたわね。」
「コッペパンにしてやるわ!」
「コテンパンが正しいです。」
ダメージを受けたソフィア、アリーナ、クリフトはすかさず反撃に打ってでた。
アリーナ「会心を含めた2度攻撃よ!」
クリフト「私は攻撃しながら回復です!」
ソフィア「イオラをくらいなさい!」
ライアン「この剣の威力を見せましょう。」
4人の攻撃は半端ないものだったため、魔物達は一気に大ダメージを受けてしまった。
「もしかしてだけど、もしかしてだけど、みなさん、頭プツンとキレてるんじゃないの?」
「キレてないっすよ。拙者達をキレさせたら大したもんっすよ。」
ライアンは怒りを抑えながら指でチ・チ・チのジェスチャーをした。
「次のターンでは氷のやいばでヒャダルコ行きますよ。」
「私は炎のツメに持ち変えて攻撃をするわ!」
「ドラゴンライダーさん。ドラゴンキラーで攻撃してもいい?」
「はぐれメタルの剣の威力を味わいたい奴は手を上げろ!」
4人の発言と表情はマジなものだった。
そのため、魔物達は次第に戦意を喪失していき、一匹、また一匹と撤退を始めた。
「では、てっぺん目指して、みんな突撃ーーっ!」
ソフィアの号令で勢い付いた一行は、まるで火の玉のように突っ込んでいった。
やがて彼らは6階にたどり着き、像を動かすためのレバーを引いた。
すると、像がゆっくりと動きだし、対岸に向かって歩き出した。
「ヤッホー!この光景、さいこーっ!」
アリーナをはじめ、4人は海の上を渡る光景にすっかり興奮していた。
そして、像が対岸にたどり着くと、彼らは地上に降り立って歩き始めた。
だが、それから間もなく、彼らは対岸のほこらに入っていき、よりによって旅の扉に入ってしまった。
「ちょっと君達!何てことをしたんですか?」
思わぬハプニングに焦ったソロは、えらいことになったと言わんばかりの表情でソフィア達のところにやってきた。
そして、この旅の扉は一方通行のため、このままではデスパレスに行けないこと。像がすでに対岸に行ってしまったため、やり直しが効かないことを打ち明けた。
「えっ?失敗しても、像は戻ってくるのではないんですか?」
「そんなゲームのようなメタいこと言われても困ります!」
ソフィア達は最初、ことの重大さを分かっていなかったが、やがて取り返しのつかない状況になったことを理解すると、顔が青ざめていった。
そして翌日。6人とソロはあちこちを飛び回り、「みなさんの中で、どなたかデスパレスに行ったことのある方はいらっしゃいませんか?」と聞いてまわるハメになってしまった。
一方、彼らが涙目になっている頃、デスパレスでは…。
「おおっ!カミよ!他の人はどうなっても構いません!何卒、私の命だけはお救いください、アーメン!」
(あの、何を言っているんですか。この人は…。)
牢屋越しに命ごいをする神父を見ながら、人間の姿のホイミンはため息をついた。
そして部屋を後にすると、彼はホイミスライムの姿になり、先の方へと進んでいった。
するとそこで第1章で出会った3匹のホイミスライムであるホイムン、ホイラン、ホイロンに合流し、以降は一緒に行動をしながらデスピサロの会議に出席した。
「'諸君!たった今、鉱山の町アッテムトで、大変な事態が起こった。地獄の帝王、エス○ックがよみがえったらしい。」
部下「あの、エスタークですよ。」
「くっ…、無念だ。この間違い、一生の不覚!」
デスピサロは興奮した状態でNGを出してしまい、やりきれない気持ちになってしまった。
一方で、部下やホイミン達は吹き出してしまうわけにもいかず、必死に笑いをこらえていた。
会議後、ライアンのところにやって来たホイミンは、みんなを代表して聞いたことを包み隠さず話した。
「おおっ!そなた達はデスパレスに行ってきたのですか!でかしたぞ!拙者の心の友よ!」
ライアンは顔をくしゃくしゃにしながら抱きついて喜んだ。
一方のホイミンは彼がなぜそんなに泣いて喜ぶのかが理解出来ず、戸惑うばかりだった。
一方、出場停止中のマーニャとミネアは、ミレーユが店主をしているお店で備○米を買った。
「お買い上げ、ありがとうございます。感謝の気持ちとして、福引券をおまけしておきますね。」
マーニャ「あら、珍しいわね。」
ミネア「これ、何に使うの?」
「近くの福引所で使えます。チャモロというメガネをかけた僧侶風の男性がいますので、それが目印です。運が良ければ豪華賞品が当たりますよ。」
ミレーユの話を聞いて、2人は早速その場所へと向かっていった。
「ここは福引所です。おっ、福引券をお持ちですね。福引をしていきますか?」
「もちろんやっていくわ。」
「そのために来たんだから。」
ミネアとマーニャは即座に(しわくちゃになってしまった)券を差し出し、2人でガラガラを回した。
「おめでとうございます。気球のペア試乗券が当たりました!これを持ってリバーサイドに行けば、30分間だけ気球に乗って空を飛べますよ!」
チャモロはハンドベルを鳴らした後、早速その券を手渡してくれた。
「気球ってどんなものかしらね。」
「とにかく行ってみましょう。姉さん。」
2人はその場でルーラを唱えて、リバーサイドへと向かっていった。
最後のマーニャとミネアの部分はいくつかボツになったアイデアがあります。
今回はその中から少しだけここに載せてみました。
チャモロ「では、次の問題です。新作のドラクエ2で、新たに仲間に加わると言われている人物は?
A:アレフガルドの王女 B:ローレシアの王女
C:サマルトリアの王女 D:ムーンブルクの王女。」
「うーん、分からないわね。誰なのかしら。ライフラインはもう使い切ってしまったし…。」
マーニャが悩み続けていると、雰囲気を察したチャモロが小切手を取り出し、名前とその時点での金額をサインして、右手で差し出してきた。
目の前に提示された小切手を見ながら、マーニャはそれを受け取るべきか考えていた。
(※受けとるとドロップアウト成立となり、賞金獲得になります。)
(残りはあと少し…。このままでは優勝は絶望的ね…。)
別のクイズ番組に出演したミネアはトップから大きく差をつけられてしまい、悔しそうな表情を浮かべていた。
すると、ここで司会のミレーユが回答者の前に出てきた。
「さあ、いよいよこの時がやってまいりました。まだ全員にトップの可能性があります。それでは行きますよ。大事な大事な、勝負のア○ックチャー○ス!」
彼女がジェスチャーを交えて叫ぶと、ターニアが問題を読み始めた。
「新作のドラクエ2で、新たに仲間に…。」
(こうなったら、これに賭けるしかないわ!)
腹をくくったミネアはこの時点で回答を宣言した。
これに正解出来なければトップ賞の可能性がなくなるだけに、この大ばくちが果たしてうまくいくのだろうか。