天空城を後にし、闇の洞くつにたどり着いた8人は、ソフィアの「突撃!」という号令とともに内部に乗り込んでいった。
すると、すぐ先の部分で「来るなら2人で来てちょんまげ(←古くね?)。」という声が聞こえてきた。
「何よ!ずいぶんメタい発言をしてくるじゃない!」
「ルーシアさんのパロディーでしょうか?」
「本当に行かなければならないの?これ。」
「何だか嫌な予感がするんだけれど…。」
アリーナ、クリフト、ミネア、マーニャは従う気になれず、疑心暗鬼になっていた。
「とにかく行ってみましょう。行けば分かります。」
「そうね。今までそうやって謎を解いてきたから。」
トルネコとソフィアは自分達で行くことを宣言し、内部に入っていった。
すると、少し進んだところで3人のキャラが待機していた。
「よくぞ来た。わしはだいまどうと申す。」
「そして、私もだいまどうであります。」
「何を隠そう。自分もだいまどうだ。」
彼らは見た目こそ全く違うものの、確かに名乗った順にドラクエ1、4、7におけるだいまどう本人だった。
「ややこしいわね。違う名前を名乗ればいいのに。」
「あなた達はお互い張り合っているのですか?」
ソフィアとトルネコが問いかけると、彼らは「細かいことはいいんだよ!」というようなことを言い放った後、戦闘態勢に入った。
そして4のだいまどう(以降、数字だけで表記)はイオナズン、1はベギラゴン級のベギラマ、7は激しい炎で攻撃してきたため、2人はあっという間にピンチに陥ってしまった。
1「これはちょうどいい。作戦が見事にはまりましたね。」
4「こんなんだったら1人で来るように言っておくべきでしたね。」
7「でもこれを考えたのは私です!手柄を横取りしないでください!」
彼らは予想以上の効果が得られたものの、気が合わないのか、まるで仲間割れでもしているかのように言い争いを始めてしまった。
するとトルネコが隙ありとばかりに逃げることを提案し、ソフィアも同意したため、彼らは入り口に向かって一目散に走り去っていった。
一方、言い争いに夢中だった3人は思わず我に返ったが、時すでに遅しだった。
4「しまった!せっかく2人で来るように仕向けたのに!」
1「これではデスピサロ様にあわせる顔がありません!」
7「あの怒り顔を見るなるなんて、想像もしたくないです!」
彼らは顔を青くしながらブルブルと震え始めた。
するとそれがフラグになったのか、どこからともなく不気味な声が聞こえ始めた。
その後、ソフィア達は全員で洞くつに入っていき、奥へ奥へと向かっていった。
そしてある宝箱を開けると、そこにはある鎧が入っていた。
「な、何でしょうか?これは。」
「不気味な見た目じゃのう。」
クリフトとブライはこの鎧をどう扱えばいいのか分からず、首をかしげるばかりだった。
するとここでアリーナが「じゃあ、トルネコに鑑定してもらえばいいんじゃない?」と提案してきたため、彼らはそれに従うことにした。
「ふむ、これは鎧じゃな。」
「それは言われなくても分かるわよ!」
「あたし達は効果を知りたいの!」
ミネアとマーニャのツッコミを受けて、トルネコはまじめに鑑定することにした。
その結果、これはまじんの鎧という名前で、かなりの守備力を持ち、呪文耐性を持っているが、呪いのために装備すると素早さが0になってしまうことを打ち明けた。
「へえ、初めて見る割には色々なことを知っているのね。」
「そ、それは…。細かいことは気にしないでください。」
アリーナのツッコミに対し、トルネコはタジタジだった。
「素早さ0ねえ…。嫌な特徴を持っているわね。」
「間違ってあたし達を攻撃したりしないわよね。」
ミネアとマーニャをはじめ、ほとんどの人達はこの鎧にネガティブなイメージを持ってしまった。
そのため、一時は捨てることも検討されたが、トルネコが売ればお金になるかもしれないと言い出したため、ひとまずキープしておくことになった。
リレミトで外に出てきた後、その日は自由行動になったため、一行はネネのところに向かい、売値の交渉をしてみることにした。
「これ、本当に不気味ね。うちに置いたら何か不吉なことが起きそうね。まあ、せいぜい750ゴールドだったら売ってもいいでしょうけれど…。」
「た、たったそれだけですか?」
現時点でその程度の金額ならすぐに稼げてしまうため、トルネコは妻の前でがっかりとしてしまった。
それを受けて一行は売ることをあきらめた。
(※なお、ここで息子のポポロがやってきて、家族で一緒に過ごしたいと言ってきたため、トルネコはしばらくの間離脱になりました。)
店を後にすると、ソフィアはプライベートアクション(PA)を宣言して一旦パーティーを解散し、別々に行動することにした。
その中で、ライアンはこの鎧の活用法を見つけ出すために人々に聞き込みをすることにした。
すると、彼はある場所でハッサンとオークキングのオークスに出会った。
彼らはすでに似たような鎧を身に付けているため、ライアンは迷わずその鎧について聞いてみた。
「これか?確かに俺は長い間愛用していたぜ。俺が控えにまわる時はアモっさんに渡したけどよ。」
「俺はゴーレムのゴレムスと取り合いになったほど、お互いまじんの鎧愛好家って感じだったな。」
「ほう、そうですか!それなら話は早いです。早速その体験談を話してくれませんか?」
「おお、いいぜ。喜んで。」
「包み隠さず話してやる。」
彼らはそう言うと、その時のエピソードを話してくれた。
ハッサンは過去にひょうたん島でこの鎧を見つけた時、その時点で反則級と言えるほどの守備力と耐性にひかれて、即座に装備した。
敵味方全員が行動を終えるまで出番が来ないというデメリットはあったが、それでもお釣りが来るほどの長所を感じ取ったため、彼は何としても使いこなしたいと考えていた。
そして、ゲントのつえを使うかたわらでミレーユからベホイミを教えてもらい、ターンの最後に回復をするというやり方を編み出した。
「それだと攻撃の枚数が一枚減ってしまいますが?」
「まあな。俺は攻撃一筋でいる方がいいという意見もあったからよ(※うp主も最初はそうでした)。でも、緊急時には攻撃よりも回復を優先した方がいいし、実際、ミレーユが次のターンの早い段階で回復をしたのと合わせて命拾いしたケースが何度もあったぜ。」
(※その際、敵からの攻撃を阻止するために他のキャラが星降る腕輪を身に着けた上でメダパニ(ダンス)やおたけび、ラリホー(マ)を使いました。)
「なるほど。あなたはHPも高いですし、出番が来る前に倒されるケースはあまり無さそうですから、それは使えそうですね。」
「ああ。それによ、俺達は僧侶で粘り続ければ誰でもベホマを覚えられたから、これが使えればたとえMPが少なくても緊急回復役としての地位を確立出来たぜ。それに賢者の石があればMP消費なしで全体回復出来るし、最後に行動するのが嫌ならしっぷう突き(または捨て身)をすれば済む話だったからよ。」
ハッサンが体験談を話すと、今度はオークスが話す番になった。
「俺の場合は最初、ゴレムスが装備して、俺は星降る腕輪を装備するパターンが多かったんだぜ。」
「あれ?あなたは素早さが低いのに星降る腕輪ですか?」
「ああ。確かに鈍足だが、ゴレムスは俺以上に鈍足だからデメリットが非常に少ないし、俺は最初こそある程度の素早さがあったからな。そして、他の奴らがレベルアップして素早さで差をつけられてきた時にゴレムスから譲ってもらうことにしたんだぜ。」
オークスは早い段階でベホマラーを覚えていたこともあり、ターンの最後に回復という役割は相性抜群だった。
「さらに、回復が必要ない時にはお譲ちゃんにバイキルトをかけてもらえば必ず攻撃力アップの状態で行動出来たから、火力抜群だったぜ。」
「そうですか。ということは、拙者もブライにバイキルトをかけてもらえるように頼むことにしましょう。」
ライアンは彼らの話を聞いて、すっかりこの鎧の魅力にとりつかれてしまった。
「というわけで、これを使いこなせばきっと役に立つぜ。」
「後は必ず最後に行動することに対して、いかに対処するかだな。」
ハッサンとオークスが色々なアドバイスをしてくれたおかけで、彼らと別れる頃、ライアンの心には「まじんの鎧は拙者のもの」という自覚が芽生えていた。
翌日。ライアンはそれを身に着けたまま闇の洞くつに挑んでいった。
その際、彼はソフィア達に頼んでしゅくふくのつえを持たせてもらい、攻撃をしながら状況次第でターン最後の回復も担当することになった。
(よし、彼らの言う通り、効果としては悪くなさそうだ。元々行動順が最後になりがちでしたし、順番が確実に最後と分かってしまえばかえって開き直れます。」
彼は予想以上の効果を実感しながら戦闘に参加していた。
しかし、ベルザブルの群れと戦闘した時、彼らは時としてまごまごしてしまい、じらされてしまうことがあった。
「ちょっと!早く何をするかを決めてくださいよ!」
「だって、何をすればいいのかまだ決まってないんですから、仕方ないじゃないですか!」
「そっちが行動してくれないと拙者も動けないんです!」
「言っていることメタいですよ!」
「これがまじんの鎧の効果なんですから!」
ライアンとベルザブルの1匹は思わず言い争いを始めてしまったため、いつまでたってもターンが終了しなかった。
「まごまごするのもいい加減にしてください!」
「そんなキレるような言い方しなくっていいじゃないですか!」
「拙者だってキレたくてキレているわけじゃありません!」
彼らは他の人達や魔物達が止めようとするのも聞かず、興奮しながら一歩ずつ近寄っていった。
(ちょっ!ちょっと!まずくない?これ。)
(いくら何でも近づきすぎのような…。)
(何だか、嫌な予感がしてきましたが…。)
すでにそのターンの行動を終えたマーニャ、ミネア、ソフィアがその様子を見ていると彼らの距離は50cm、30cm、10cmと縮まっていった。
そして、お互いの顔がぶつかるほどに近くなった次の瞬間…。
「キャーーッ!何よこれ!こんなシーン見たくないわ!」
「ちょっと私、吐き気がしてきたわ…。」
「お、男とオスでキ…、キ○ですか…。」
マーニャ、ミネア、トルネコをはじめ、みんなは思わず顔から血の気が引いてしまった。
その一方でライアンとベルザブルは「仲直りーー!」と言いながら楽しそうにハイタッチをかわした。
(ああ…。ちょっと気持ち悪いものを見てしまったわい…。こんなシーンを本編で採用したら視聴者からどんな意見を浴びせられることやら…。)
ブライは顔を引きつらせながらソロを見た。
すると彼はカチンコを持ったまま、その場で呆然と立ち尽くしてしまい、すっかりカットの声をかけることを忘れていた。
なお、洞くつで活動している時はかなりの活躍をしたライアンだったが、その日の夜、宿屋でシャワーを浴びようとした時、悲劇はやってきた。
(うおっ!外したいのに、かなしばりナニユエだろう。)
彼はハッサンとオークスが装備していた鎧が着脱自由な反面、自分のはそれが出来ないことを知らずにいたため、余計に焦ってしまった。
その結果、急いで呪いを解いてもらいにいったが、鎧は使い物にならなくなってしまった。
(はあ…。はかない夢でした…。とにかく、代わりの鎧を手に入れなければ…。)
ライアンはガックリと肩を落としながらベッドに横になった。
翌日。彼は代わりの鎧を身に付けた上で、いよいよ仲間達と最終決戦に挑んでいった。
次回が最終回です。
僕はまじんの鎧の効果にすっかり魅了されていたこともあって、これまでドラクエ6の二次創作作品の中で必ずこれを登場させてきました。
さらに、ハッサンがこれを装備して活躍する姿をもとに、このような作品も作ってみました。
タイトル:まじんの鎧は俺のもの
まじんの鎧は 俺のもの
他の奴には 渡さねえ
まじんの鎧は 俺のもの
このまま 装備を させてくれ
守備力 耐性 あるけれど
素早さ0に なっちまう
それが 何だ 関係ねえ
最後に 動けば いいだけだ
弱った敵に とどめをさすぜ まわし蹴り
せいけん突き
回復アイテム あるのなら
遠慮せずに 俺にくれ
ターンの最後に 回復だ
思った以上に 役立つぜ
まじんの鎧は 俺のもの
他の奴には 渡さねえ
まじんの鎧は 俺のもの
このまま 装備を させてくれ
守備力 耐性 あるけれど
素早さ0に なっちまう
ならば 俺に バイキルト
思った以上に 役立つぜ
いつも最後じゃ 飽きてきたから 次のターン
しっぷう突き
俺は これが 気に入った
他の 誰にも 渡さねえ
まじんの鎧は 俺のもの
ラストバトルまで 俺のもの