この日、マーニャは踊り子の服を身にまとった状態でモンバーバラの劇場のステージに立ち、まわし蹴りや、ムーンサルト、さそう踊りなどを披露しながらも、しきりに客席を気にしていた。
その観客の中にはヤジを飛ばす人がいたため、彼女はそれに対抗する形で「少しだけよ~」、「だっつーの」といったような演技をぶっつけ本番で加えてみた。
それを最前列で見ていたライアンとホイミンは、目を大きく開きながら見とれていた。
横にはクリフトもいたが、彼は(私には姫しか見えません。ですから、たとえ着地時に何かが上下に揺れても惑わされませんよ。)とばかりに、冷静さを保ち続けていた。
(※ちなみに、ヤジを飛ばしたのは彼らではありません。)
しかし、演技の最後の方になると酒に酔った観客が暴走したのか、現在のうp主の世界では明らかに問題になる発言をしてきたため、カチンときたマーニャはお返しとばかりに「メダパニダンス、メダパニダンス、踊れ~」を披露した。
その結果、一般人は平気だったものの、ヤジを飛ばしていた人達がメダパニ状態になったため、会場は混乱状態になってしまった。
するとここで会場スタッフや警備の人がやってきて彼らを取り押さえ、つまみ出していった。
演技が終わると、マーニャは控室に向かっていき、そこで占いをしていたミネアに合流した。
「お疲れさま、姉さん。どうだった?いた?」
「だめだめ。今日もあんまりいい男はいなかったわ。」
「もう!違うでしょ!バルザックよ。かたきのバルザック!」
「あら、そうだったわね。残念だけど、バルザックもいなかったわ。」
「そう…。」
彼女達が会話をしていると、そばにいた座長のソロ(←監督自ら!)が2人に声をかけた後、報酬として100ゴールドと絹のローブを手渡した。
「ありがとう!ちょうどいいところにお金が手に入ったわ!それじゃ、今から…。」
「姉さん!まさかとは思うけれど、カジノに行くつもりじゃないわよね!」
「あら、そんなこと言ってないじゃない!アンタとの約束通り、もうカジノには行かないわ。」
「そう、それなら良かったわ。とにかく、姉さんはお金があるとすぐに使い込んでしまうから、そのせいで私は苦労しているし、ヒヤヒヤしているのよ。」
「それは仕方ないじゃない。あたしの好きなものは第1位:お金、第2位:宝石、第3位:お宝なんだから。世の中、money money moneyなのよ!お金だけが生きがいなの!そして素敵な男を捕まえて、何不自由のない生活を満喫するの!それがあたしの夢なのよ!」
「その結果が今の生活になっているんじゃない!姉さんがカジノに入り浸ってはお金をスッてしまうせいで、明日からはお金無しで生きていくのねという日々になっているのよ!それに大体ねえ、どうやったらカジノでコイン838,861枚を使い切れるのよ!私には到底理解出来ないわ!」
ミネアは今まで抑え込んでいた心の内をついに吐き出しながらマーニャに詰め寄った。
「あれはさすがに反省しているわ。ごめんなさいね。だから次はカジノの代わりにウシ息子のレースを見に行きたいと思っているの。」
「それって、どっちみち賭け事じゃないの!本っ当に姉さんはそれしか頭に無いの!?その陰で私がどんなに苦労をしてきたか、分かってるの!?」
反省の色が見られないマーニャの姿を目の当たりにしたミネアはついにキレてしまい、激しい口調で姉に詰め寄った。
「まあまあ、2人とも。落ち着いて。」
「落ち着いてなんかいられないわ!あんたは黙ってて!」
ソロがなだめに入ってもミネアの怒りはおさまらず、その後も姉に心の内をぶつけ続けた。
一方のマーニャは最初こそ黙って妹の話を聞いていたが、さすがに耐えられなくなってしまい、しまいには2人で言い争いに発展してしまった。
こうなってしまってはソロでさえもどうすることも出来ず、ただ黙って見ていることしか出来なくなってしまった。
(これは映画どころではないな。こんな場面は本編どころかエンディングで流れるNGシーンに使うわけにもいかないし…。)
彼がなす術なく立ち尽くしていると、やがてマーニャとミネアは言い争いを続けたままお互い一歩ずつ歩み寄っていき、やがて至近距離にやってきた。
そして彼女達の顔の距離は30cm、20cmと縮まっていき、ついには女同志でキ○のシーンを披露してしまった。
「な、何だ、これは!?」
「あっ、これ?ちょっとしたギャグよ。」
「これをすることで仲直りをするの。」
ソロが驚いている一方で、マーニャとミネアはそれまで続いていた言い争いをぱったりとやめて、それまで何事もなかったかのように笑顔になった。
何はともあれ、映画撮影に取り掛かれそうな状況になったため、3人は旅に出るシーンについて話し合った。
その後、彼女達は武器と防具の店にやってきた。
その際、ミネアは銅のつるぎなど、ある程度の装備が整っている一方、マーニャはステージに立っていた時の衣装のままで、武器すら持っていない状態だった。
「困ったわねえ。姉さんがステージでもらった100ゴールドと合わせても、到底足りないし…。」
「それならあたしにいいアイデアがあるわ!」
「何?まさかウシ息子のレースにかけるわけじゃないわよね?」
「あら、いい勘しているじゃないの!まあ、それで大穴にかけて当てていけば指数関数的に大金が入るから…。」
「だからそれで結果的にキ○グボ○ビーに取りつかれたかのような生活になったんでしょ!」
「それも今だけよ。あたしの手にかかればovernight successよ!一夜にして大成功を収められるわ!」
一度は仲直りした2人だったが、それでもマーニャの考え方は変わっておらず、はたから見ればもはやギャン○ル依○症だった。
その発言にカチンときたミネアは内心では怒り心頭だったが、それを表には出さず、代わりにその場で思いついたアイデアを打ち明けてみた。
「というわけで、こうすれば姉さんもある程度装備を整えられるわ。早速やってみない?」
「ちょっ、ちょっと待ってよ!それってつまり?」
「そう、ソースることで解決出来るわ。」
「あのね!それ、いつの間に用意したのよ!」
ミネアが袋から意外なアイテムを取り出したため、マーニャは思わず「そっち?」と言わんばかりのツッコミをかました。
「とにかく、姉さんは座長からもらった絹のローブに着替えてもらって、今着ているその踊り子の服を売ってもらうことにするわ。ソースれば、クロスボウが買えるわ。値段は高いが、いい武器です!」
「…分かったわ。じゃあ、この後着替えることにするわね。」
マーニャは妹の提案に納得すると、すぐさま2人で劇場へと向かっていった。
そして絹のローブを手に持った状態で控室に着いた時、そこにはアリーナがいた。
ミネア「あら、あなた見かけない人ね。」
マーニャ「もしかして新しく入った人なの?」
「いえ、違います。実はここで踊ることになってしまって…。」
アリーナはちょうどお金が欲しかったため、とある人から提示された求人募集に応募したら、踊り子の服装になってステージで踊るハメになってしまったことを打ち明けた。
「私はあんなギリギリの服装で人前に出ることなんて出来ないです。でも、あくどい指示役の人に『もし断ったらどんな目にあわされるか、分かっているんだろうな。』なんて言われてしまったんです。」
彼女は仕事の内容が一種のS・A・G・I・であることを知り、しかもそれを誰にも相談出来ずにいたことを打ち明けた。
「お願いします。助けてください!何でもしますから!」
「分かったわ。じゃあ、私達が何とかしましょう。姉さん、いいでしょう?」
「そうねえ。あたし達も資金が欲しい時だったから、ちょうどいいわ。」
「本当ですか?それならぜひお願いします!」
アリーナの必死の頼みを2人は喜んで引き受けた。
そしてマーニャが前金としてお金を受け取ると、彼女の代わりにステージに立つことになった。
観客席にはガラの悪そうな人達がいる一方、最前列にはハッサンとバーバラの姿もあった。
「なあ、バーバラ。何でこんな町にやってきたんだ?」
「だってここ、あたしの名前が使われているんだもん。だから親近感を感じちゃったし、一通り見て回りたいって思えたから。」
「と言ってもなあ、やばくね?ここ。」
「ええっ?あたしは楽しみなんだけれどなあ。」
「………。」
ハッサンが顔をしかめていると、いよいよマーニャがステージに姿を現した。
すると後方にいる観客からまた問題になりそうなヤジが飛び出したため、ハッサンは1・8・7・4感を感じていた。
一方のマーニャは踊りながらハッサンをジロジロ見ていた。
(あら、目の前にいるその男、なかなか魅力的じゃない。あたしについてきてくれたらいいけれどな。でも、となりにいる赤毛の女の子と会話をしているし、そりゃ女はいるわよね。)
彼女は一瞬ニヤッとしたものの、すぐに元の表情に戻って踊りを続けた。
(※なお、僕の作品では一貫してバーバラは6主人公と、ハッサンはミレーユと付き合っています。)
しかし次の瞬間、バーバラは「きゃあっ!」と叫んで顔を覆った。
するとステージの奥からアリーナとミネアが飛び出してきて壁役になり、マーニャはその場に居合わせた人達が全員1ターン行動不能になるほどの悲鳴をあげながら、その場にうずくまってしまった。
「皆さん、これは演出ではありません!」
ミネアは観客から怒号が飛び交う中、アリーナと壁役になり続けた。
するとそこにハッサンが名乗り出て、「これを装備してくれ。」と言いながら自分の上着を差し出してきた。
「バカーーーーッ!何を考えているんですか!」
ミネアは感謝するどころか逆に怒りの表情になった。
「何でだ?」
アリーナ「コンプラ違反で大炎上になるわ!」
「どうしてそうなるんだ?」
ハッサンが理由を理解出来ずにいると、いつの間にかバーバラがステージに上がっていた。
そして迷うことなくその場で呪文を唱え、マーニャ、ミネア、アリーナと一緒に緊急脱出をしていった。
「おーーい!俺を置いていくな!」
その場に取り残されたハッサンは不満げな表情で叫んだが、その声はむなしく響くばかりだった。
すると、大勢お客さん達からは「ぼったくりだ!」、「金返せ!」という声が響き渡るようになり、会場はすっかり大混乱になってしまった。
このままでは大事故になってしまう…。
そんな光景がハッサンの頭をよぎったその時、ライデイン級の電撃が辺りに程走った。
「ぐわああっ!!」
「ぎゃああっ!!」
観客達は次々と気絶してしまったが、ハッサンはダメージを受けながらも持ちこたえた。
そして辺りを見渡すと、奥の方にテリーがいた。
「お前か!?ライデインで不意打ちしたのは!」
「ああ、そうだ。だが、安心しな。5・6・4てはいねえし、それにお前ほどのHPを持った奴なら大したダメージじゃねえだろ。」
「だからっていきなりやられたらビックリするじゃねえか!」
「フンッ!事故にならならなかっただけ、ありがたいと思え!」
ハッサンとテリーはしばらく言い争いをしていたが、やがて観客が目を覚ましそうになったため、一目散に退散をしていった。
その後、このモンバーバラの場面はソロから不適切と判断されたため、本当にカットの対象になってしまったそうな…。
今回はドラクエ6のキャラが登場しました。
ぶっちゃけますと、バーバラは今回を含めて作中に3回登場します。
DQ4では味方キャラがメダパニダンスを踊れないはずなのに、なぜマーニャが踊っているのかに関しては、6のキャラが事前に教えていたということにしといてください。