映画ドラゴンクエストⅣ オモシロ場面集   作:地球の星

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第5章 ガーデンブルグでの人質騒動

 一時はキングレオの城で宙ぶらりんの日々を送っていたライアンが加入し、導かれし者たちがすべてそろった後、旅を続けるソフィア一行はこの日、ガーデンブルグにやってきた。

 ここにいる兵士達はほぼ女性ばかりだったため、一行にとっては意外なものだった。

 しかも、彼女達が身に付けている装備はある意味目のやり場に困るものだったため、男性陣は雰囲気に慣れるのに苦労していた。

 そんな中でソフィア達は女王様にあいさつをしに行ったが、返ってきた言葉は「早々にこの国を出て行きなさい。」だった。

 それにショックを受けた8人は外に出るとルーラでその場を後にしていき、別の町の宿に泊まることにした。

 

 翌日。みんなが再びガーデンブルグにやってくると、彼らは城を見て回るグループと、周辺でレベル上げに励むグループに分かれることになった。

 話し合いの結果、前者はソフィア、トルネコ、アリーナ、クリフトが担当することになり、残りの4人は経験値とお金稼ぎをすることになった。

 城内を探索している4人は情報を集めて回るうちに、天空から舞い降りた一人の女性が赤ちゃんを産んだ話や、女王様はきついことも言うけれど、本当はやさしい人だという話を聞いた。

「その天空から舞い降りた人って…。」

 ソフィアはその話が心に引っかかってならなかった。

 その後、彼らがある部屋にやってきた時、一人の男性が立っていた。

 不思議に思ったソフィアは彼に話しかけると、その人はタンスの中を見るように勧めてきた。

「何かしら?役に立ちそうなものが入っていればいいけれど。」

 アリーナが早速引き出しを開けてみたが、どれを開けても空っぽだった。

 一方の男性はその間に忍び足で逃げ出していってしまった。

「あっ!」

 一足先にそれに気づいたクリフトはとっさに呼び止めようとしたが、時すでに遅しだった。

 しかもその時、シスターの女性が部屋に入ってきて「あっ、泥棒!誰か、誰か来て!」と叫び出した。

 すると女兵士達が大勢でその場にやってきて、ソフィア達を素早く抑え込んでしまった。

「離して!私達は何もしてないわ!濡れ衣よ!」

「私はとにかく、姫に手を出すことは許しません!」

 アリーナやクリフト達は必死に抵抗を続けたが、女兵士の一人がラリホーを唱えたため、4人はなす術がなくなってしまった。

 

 その後、無実の罪を着せられて女王様のところにやってきた彼らは正直に事情を話し、ブロンズの十字架を盗んだのは別人であることを訴えた。

「分かりました。もし濡れ衣であるならば、そなた達に本当の犯人を見つける機会を与えましょう。ただし!それまで仲間の一人を預からせてもらいます。」

 女王は兵士に命じて彼らを牢屋のところに連れていき、誰か一人が人質になってもらうことになった。

「どうしましょう…。こんなことになるなんて…。」

「出来ることなら誰も人質にはなりたくありません。」

(私としては、姫と離れ離れになりたくないです…。)

 アリーナとソフィアが話し合いをする中で、クリフトは自分の正直な気持ちを声には出せずにいた。

 しかし、そうしているうちに、兵士に早くするようにせがまれたため、トルネコに入ってもらうことにした。

「はあ…。私なんじゃないかと思っていました。」

 彼は(演技とはいえ)ガックリと肩を落とした。

「トルネコさん、本当にごめんなさい。」

「決してあんたをディスるわけじゃないのよ。」

「必ず真犯人を捕まえて戻ってきます。」

 ソフィア、アリーナ、クリフトは(こちらも演技とはいえ)申し訳なさそうな表情をしていた。

「いえ、気にしないでください。誰か一人が入らねばなりませんから。ですが、どうかうp主のようなつらい思いをしないよう、読者に配慮をお願いします。」

(※参考までに言いますと、うp主はドラクエ6の二次創作執筆の参考資料として関連動画を見ていた時、自分の好きなキャラが弱すぎる、役立たずとディスられたり、馬車に延々と缶詰めにされる動画を見てかなりショックを受けたことがあります。You Are There執筆の時は我慢してプレイ動画を見ましたが、さすがに耐えられなくなり、以降、そして今なお6関連の作品が見られずにいます。なお、ディスった人は日常生活でも他人にこんなことを言っているのかと思えたため、ブロックしました。)

 トルネコは3人をなだめた後、マドリガルと名乗った女兵士ににらまれながら牢屋に入ろうとした。

 しかし、体が大きいせいで挟まってしまい、なかなか入ることが出来なかった。

「ちょっ、これはまずいわね。何とかしないと。」

「無理やりにでも押し込むしかないんでしょうか?」

 焦ったアリーナとクリフトは他の人と協力して何とか押し込もうとしたが、トルネコは「痛い痛い!やめてください!」と叫ぶばかりで、通り抜けることが出来なかった。

「どうやら設計をミスってしまったようです。何しろお相撲さんが入るとは予想していませんでしたから。」

「ちょっと!彼は相撲とりではありません!商人です!」

 マドリガルの発言に対し、ソフィアは興奮しながら言い返した。

 一方、アリーナとクリフトは今度はトルネコを外に出そうとしたが、それもうまくいかなかった。

「ごめんなさい。まさか、こんなことになるなんて…。」

 マドリガルはトルネコに平謝りだった。

 すると、クリフトがここである提案を思い付いた。

「あの、ここには他にも牢屋がありますし、私が人質になるシーンを撮ることにしてもいいでしょうか?」

マドリガル「えっ?いいんですか?あなたのファンの人達が怒るかもしれませんよ。」

「大丈夫です。私がうp主を炎上から守ります。」

「分かりました。私達もスケジュールの都合上、撮影に参加出来るのは今日しかありませんし、ひとまずそれで行きましょう。」

 それまでどうすればいいのか分からずに焦りの表情を浮かべるばかりだった彼女は、早速そのアイデアを受け入れた。

 そしてみんなが気持ちを落ち着けると、早速クリフトが牢屋に入った。

 すると彼は両手で鉄格子をつかみ、さらにアリーナが彼の手をつかんで、至近距離でお互いの顔を見つめあった。

「姫!私、悔しいです!何も悪いことをしていないのに、無実の罪でこんなことになるなんて!」

「私だって悔しいわ。でも、しばらくの間の辛抱よ!きっと真犯人を捕まえてくるからね!」

「お願いします!どうか一刻も早くこの事件を解決してください!こんなことで人生を狂わされたくないです!」

「大丈夫よ!きっと、きっとクリフトの人生を元通りにしてあげるからね!」

「本当にお願いします!姫、そして、みなさんだけが頼りなんです!」

「任せて!何があっても私は味方よ!たとえ世界を敵にまわしたってね!」

 2人はガチで熱い演技をした後、アリーナはそれまでつないでいた手を離し、顔をくしゃくしゃにしながらクリフトに背を向けてゆっくりと歩き始めた。

「姫…。姫ーーーっ!!」

 クリフトは遠ざかる人に向けて悲しい声で叫んだ後、絶望感を漂わせながらその場に崩れ落ちた。

 しかし、それでもアリーナは立ち止まらず、力一杯握りしめた両手を震わせながら歩き続け、まもなく姿が見えなくなった。

(ちょっと何よこれ、胸熱すぎるわ!)

(もはや涙なしでは見られません。)

(どうか私の顔をうつさないでください!)

 ソフィア、トルネコ、マドリガルはみんな涙腺崩壊の状態だった。

(こっ、これは!私もただいまものすごく感動中ですっ!正直、他のキャラが人質になることも考えていたのだが、その必要はなさそうだ。これで行こう!クリフトに恨みでもあるんですかと言いたくなった読者の人達も分かってくれる!)

 ソロは涙に加えて鼻水まで流しながらも、決して声や音を出すことはなかった。

 

 その後、みんなで集まって話し合った結果、洞くつに向かうメンバーはソフィア、アリーナ、ブライ、ミネアの4人になったため、残ったライアンとマーニャのうち、ライアンはマドリガルや、一旦牢屋から出てきたクリフトと協力してトルネコを助けるための助っ人を呼びに行き、マーニャはエンドールに飛んでいって、ネネに会った。

「ええっ?私の主人が人質だなんて…。そんな、ひどい…。」

「いえ。あの、これは撮影なのよ。彼に恨みがあるわけじゃないから。」

「でも、私は納得出来ません!」

「そ、それに関してはごめんなさい。とにかく、一緒に来てもらえます?」

「…分かりました…。」

 ネネは何とも言えないモヤモヤを抱えながらも、ガーデンブルグに行くことを決意してくれた。

 そして、息子であるポポロにいい子でお留守番をするように頼んだ後、マーニャと一緒に飛び立っていった。

 

「うーーんしょ!うーーんしょ!うーん、拙者の力でもダメですか…。」

「痛いからやめてください!」

 ライアンをはじめとする人達はみんなで協力しながらトルネコを引っ張り出そうとしたが、彼は痛がるばかりだった。

(はあ…。まさかこんなことになるなんて…。私、ずっとこのままなんでしょうか…。)

 トルネコの心にはもはや絶望感すら漂い始めていた。

 するとその時、彼の脳裏にふと懐かしい声が聞こえたような気がした。

(えっ?まさか、ネネか?私の妻なのか?いや、そんなことはない。私の愛する妻は今頃、息子の世話をしながら元気に店番をしているはず。)

 彼が再び絶望に打ちひしがれたような表情をすると、再び懐かしい声が聞こえだした。

(トルネコ…。私の愛した人…。さあ、強くなるのです。もっと強く…。)

(そうだ。私には愛する妻がいる。愛する息子もいる。こんなところで倒れるわけにはいかない!)

「うおおおおおおおおっっっ!!!」

 今度は確かに聞き取れたこともあり、それまで落ち込んでいた彼の表情は一気に変わった。

 そして突如覚醒し、大声でおたけびを上げながらスーパーサ○ヤ人のような状態になった。

「ええっ!?みんなで力を合わせてもびくともしなかったのに、なぜ!?なぜこんなことが!?」

 ライアンをはじめ、その場に居合わせた人達はにわかには信じがたい光景を見て、目が飛び出るほどビックリした。

 そんな中、トルネコは愛の(?)力でようやく牢屋から脱出を果たした。

 しかし、その力には副作用も伴ったようで、彼は元の状態に戻るとそこで燃え尽きたのか、その場に倒れ込んでしまった。

 その場に居合わせた誰もが未だに信じられないという表情をしていると、そこにネネがマーニャと一緒にやってきた。

「あなた!しっかりして!目を覚まして!」

「う…。ううっ…。」

「あなた!気が付いたのね!良かった!」

「ネネ…。どうして…、ここに…?」

「あなたがピンチに陥っていることを聞いて、飛んできたのよ。良かった、無事で…。」

 ネネは思わず目に涙を浮かべながら夫をねぎらった。

 それを見ていた他の人達も思わずもらい泣きしそうになってしまった。

 

 その後、トルネコはネネやライアン達に連れられて医者のもとへと向かっていった。

 診断の結果、彼は歩くことは出来るものの上半身がバッキバキで、しばらく入院とリハビリが必要になってしまった。

「みなさん、すみません…。大事な撮影の時期にこんなことになってしまって…。」

「いや、いいんです。こちらこそ申し訳ありません。どうか治るまでの間、ゆっくりしていてください。」

 自責の念に襲われるトルネコを、ソロは何とかなだめた。

「では、私は映画のことを忘れてゆっくりと過ごすことにします。」

「その間、夫の面倒は私と息子が責任持って見ます。」

「よろしく頼む。」

 トルネコの了解を得て、ネネは夫と一緒に城の外に出てくると、キメラの翼を使用し、入院の手続きをするために必要な書類を持ちながらエンドールへと飛び立っていった。

 そしてクリフトは再び牢屋に入り、ソフィア達の到着を待つことにした。

 一方、ソロはシンシアに会いに行って事情を話し、ガーデンブルグの残りのシーンでトルネコの代役を依頼した。

「分かりました。喜んで協力させていただきます。」

 彼女は迷うことなく快諾し、変身した状態で一緒にガーデンブルグにやってきた。

(※なお、ガーデンブルグのシーン終了後、しばらくはトルネコ不在で物語を進めることになりました。)

 

 時をさかのぼって、今回の事件を起こした張本人である盗賊バコタを追いかけていったソフィア達は、まるで黄金のつめでも所持しているのかと言いたくなるほどのエンカウントに巻き込まれた。

「ちょっと!世界を敵にまわしたって、どういうことよ!」

「私達が危険人物ですって!?誤解するのもいい加減にしなさい!」

「発言を撤回せよと言われても困るんじゃがのう…。」

 ミネア、ソフィア、ブライがムキになる一方、アリーナは自身の発言が大きな波紋を呼んだことで、冷や汗が止まらない状態だった。

 

 それでも4人は盗賊バコタ討伐に成功し、ガーデンブルグに戻ってきた。

 すると、アリーナとクリフトが牢屋越しに向かい合い、熱い言葉を交わした後、マドリガルが鍵を使って解錠をした。

 すると、クリフトは扉を開けるやいなや、アリーナめがけて…。

(※この後の展開はうp主が文章で表現出来なかったため、読者の想像におまかせします。)

(ちょっと、何よこれ!すごく感動的じゃない!)

(拙者、カワイイ女性とこういう場面は弱いんです。)

(このシーンだけでご飯3杯はいけそうじゃな。)

(誰か、あたしのためにハンカチを用意して!)

 ミネア、ライアン、ブライ、マーニャをはじめ、その場に居合わせた人達は思わず涙目になってしまった。

 

 今回のハプニングはマドリガルを通じて女王にも伝えられた。

「本当に申し訳ないことをしてしまいましたね。お詫びとして、天空の盾を持たせることにしましょう。ソフィア一行がここにやってきたら渡してください。」

「はいっ!かしこまりました。」

 マドリガルはそう言うとスクッと立ち上がり、最後のカギを受け取って宝物庫の方へと向かっていった。

 

「やったわ!このカギがあればどこの金庫室でも入り放題よ!」

「ダメよ姉さん!私達は大事な旅の途中なんだから!」

「とはいえ、旅にはお金が必要でしょ!お金!宝石!装備品!どっさりいただいていくわ!みんなあたしのものよ!」

「それじゃ泥棒になってしまうわ!みんなから白い目で見られるわよ!それにお金で不幸になるケースだってあるのよ!」

「あたしがそんなふうになるわけないじゃない!」

「それが危ないの!絶対に暴走はさせないんだから!」

 ミネアはカギを手にしたマーニャから素早くそれを奪い取り、袋の中に隠した。

 そして、ソフィア達と相談して、決してマーニャにカギを渡さないようにお願いをした。

 




 今回、セリフつきで登場した女兵士には、元々名前がありませんでした。
 しかし、書いているうちにそれでは何だかもったいない気がしたので、マドリガルという名前をつけました。
 由来は、別サイトで投稿したオリジナル作品に出てくるヒロインキャラの名前です。

 これまでこの作品を書いていて、アリーナ&クリフト要素に関するコメントをいくつかいただきました。
 本当にうれしかったです。
 そのお礼の意味を込めて、今回は2人の激アツシーンを書いてみました。
 クリフトの片思いが好みの人にはごめんなさい。
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