独占欲ゥ、ですかねぇ
アルフレート「嫉妬!嫉妬なんですかぁ?」
ちなみに今回の後半からは衝撃的な人物が登場します
「シュクくん!お願いがあります!!」
ユメの声が校庭に響く。
ユメは白地に黒いラインが入った半袖に短パン、シュクは黒地に白いラインの入った長袖に長ズボンの体操服
「ユメちゃんがお願いなんて、珍しいね」
いつもはあまり自分の欲を出さないユメからの個人的なお願いということで、シュクは結構やる気満々である
「私を、鍛えてください!!」
「......鍛える?」
シュクはわかっていた。
武器を持って校庭で待っていてと言われた時から、なんらかしらの戦闘行為をするのだろうとは思っていたがまさかそれがお願いだとは思っても見なかった
「私、強くなりたくて......戦闘はホシノちゃんとシュクくんに任せっきりで......情けなくて......」
ユメは肩から垂らした盾の持ち手をグッと握った
「だから、せめて2人を守れる盾になりたい!」
その手に込められた力から、その願いが本心であることは誰にでもわかることだろう
「わひゃっ!?」
だが、気合いが入りすぎたせいか盾を開くためのトリガーを押してしまいユメの盾がいきなり勢いよく展開された。
そのせいで強烈に顎を打ち、ユメはしゃがみ込んで顎を抑えながら悶えている。
「......うん。僕が教えられることなんてほとんどないけど、わかったよ」
シュクはそのお願いに快く了承。
仰向けになった盾に刻まれた『Iron Horse』の文字が太陽に映え、その無骨な輝きを強調させていた
「ほんと!?」
もう赤みが引いた顎を撫でながらユメは喜びの声を上げる。
「ありがとうシュクくん!」
まるで太陽のような眩しい笑みに、ついシュクの視界が眩む
「よし、それじゃあ早速始めよう」
「うん!よろしくお願いします!シュク先生!!」
「うへ......先生かぁ......」
『先生』と呼ばれてどこか嬉しそうなシュクはこの前と同じ『仕込み杖』を腰のホルダーから抜き去り、同じように左手にも『Gehrman』を持った。
「じゃあ、千本ノックから始めようか」
「............えっ?」
「盾役として重要なのは、どれだけ撃たれても引かない強靭な精神力にある。さて、精神力のトレーニングと行こうか」
口調が少し転調し________________
ジャラララララッ!!
「できるだけ長く耐えてね」
「......た、助けてホシノちゃんーーーーーっ!?」
梔子ユメのバナナとりめも
シュクくんの特訓は基本的に実技(きびしい!)
________________________________
「.........だからお兄ちゃんじゃなくて私に頼めば.........」
ホシノは生徒会室からシュクの蛇腹剣を盾一枚だけで受け止め続けて泣き声を上げているユメを見ていた。
シュクは昔からそうなのだ。
勉強や頭を使うことを教えるのは得意なのだが、得意の戦闘や体の動かし方を誰かに教えられない。
だからユメは今シュクからの地獄の千本ノックを受けている
「タンクの立ち回りだってわざわざお兄ちゃんに聞かなくったって......」
実際ホシノは時たまユメの盾を借りることも少なくない。
だからこそ実際戦闘面で教えを乞うのなら絶対的にシュクではなくホシノの方が適任なのである
だというのに、ユメがシュクを選んだ理由がホシノは分からなかった
「......はぁ」
だが、なぜかどこかから湧き出でくる胸のモヤモヤが晴れてくれない。
こんなに良い天気だというのに
『シュクくんの鬼ーーーーーーっ!!』
『まだ半分も行ってないよ〜』
ホシノは窓枠に腕を沿わせ、その上に頭を置いた。
校庭からは金属の擦れる音とユメとシュクの声がずっと聞こえており、それはなぜか楽しそうなものだった。
ホシノはそれを直視しまいと自分の腕に顔を埋め、黙ってその音を聞いていた。
だが、そのホシノの静寂を邪魔するかのようにポケットに入ったスマートフォンが振動する
「.........あ」
送られてきたメールの宛名を見た瞬間、ホシノはテーブルの上に置いてあったバッグを手に取り、すぐに身支度を整えた。
そして、ホシノは自身の愛銃である『Eye of Horse』を担ぎ、生徒会室を後にした。
「あれ?ホシノちゃんどこに......」
「よそ見とは、感心しないな」
「へっ?み“ゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
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ホシノは古めかしいトンネルをくぐり、草木の生い茂る庭に出た。
そこには、ただ一つポツンと一軒の家が建っていた
そしてその中に入ると古工房のような鉄と硝煙の匂いがホシノの鼻腔をくすぐった。
ホシノにとって、いや、ホシノにとっても馴染み深い懐かしい匂い
その部屋の奥から、車椅子に乗ったシルクハットの老人がホシノを出迎えた。
「......ああ、来たのかい」
「相変わらず、気づくのが早いね......」
「ははは、老骨といえどまだまだ現役だと思っているよ」
キヴォトスの近未来的な建造物とは違い、ホシノが訪れた『家』は古めかしいゴシック建築の装飾が目立っていた。
「......とは言っても、昔のように膝を貸すこともままならなくなってしまった。すまないね」
「ううん。元気そうでよかった」
「ああ、君たちが大人になるまで、死にはしないさ」
しわがれた声、キィキィと奏でられる車椅子の車輪の音
どれもこれも、聞き馴染みしかないその音
「久しぶり、お義父さん」
「ああ、久しぶり。娘よ」
『ゲールマン』
ホシノとシュクを育て上げた、いわば父親のような存在である
「それにしても、メール全部ひらがなで送ってくるとは思わなかったよ」
「ハイカラなものには慣れなくてね。ふりっく?というのもあまり......」
ゲールマンはボロボロのケースに入ったスマートフォンを取り出し、電源スイッチを押して画面をまじまじと眺めてはしきりに目線から遠ざけたりしている
「また教えるよ」
ホシノはアンティーク調のテーブルにバッグとショットガンを置き、
二対の椅子の片方が埋まり、ちょうどホシノとゲールマンの目線が合った
「んで、今日はどうしたのさ?」
「久々に娘とおしゃべりがしたくなった......ではおかしいかね?」
「あははっ、そういわれても違和感ないかも」
「ははは、こちらも本音ではあるが今は少し違ってね」
ゲールマンはホシノに向かって車椅子の車輪を回し、腕を伸ばせば届く距離になる
「......シュクは、元気にしているかね?」
「......うん。アビドスのために、頑張ってくれてる」
「そうかい......」
シュクが気になるのなら、ホシノと一緒に呼べばよかっただろうに
「......何か、あったのかい?」
「......とく、には」
ゲールマンはホシノの表情の変化を見逃さず、泳いだ目をしっかりと見据えた
「シュクのことかね」
「っ.........」
「はは、まだまだ君は、分かり易い」
そう言ってゲールマンは目が泳いでいるホシノの頭をまるでシュクのように撫でる
シュクとはまた違った、皺だらけの手のひら。
だが、その手のひらはシュクと同じく優しい暖かさを纏っていた
「梔子ユメと言ったかな。その子は、理想家だろう」
ちなみに、ホシノはゲールマンにユメの性格を語ったことはない。
「......理想家で、おっちょこちょいな先輩だよ」
「理想家というのは、情熱の表れだ。何かを成し遂げたい、何かを現したいと願うにはそれ相応の夢と理想が必要なものなのだよ」
それは、君も私も同じだがね。とゲールマンは続けた。
「詰まるところ、その少女は頑張り屋さんということさね」
「うん......お兄ちゃんにも同じこと言われたよ」
だが、ホシノの悩みの種がそれだけではないことをゲールマンは理解していた
「......娘よ、君はそのユメという少女に________________
ゲールマンもまた老人。
年頃の娘の気を知ることもなく________________
「シュクが取られそうになって、嫉妬しているのだろうさ」
「............うへ?」
核心を、突いてしまった
固有武器『Gehrman』
小鳥遊シュクが愛用するウィンチェスターレバー式ショットガン
片割れであるホシノの自動排莢型とは違い、コッキングレバーによって排莢を行う散弾銃
意図的に威力が弱められており、その代わりに着弾点に強い衝撃を生み出す弾丸を使用している。
そのため、銃弾を喰らった者に痛みはないが、その分大きすぎる隙を晒す
名前の由来は、シュクとホシノの義父から来ている
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スーパー後書きタイム
さて、意外な人物というのはゲーム本編で狩人の夢の中で我々に数々の助言を与えた男にして我々を葬送した最初の狩人、『ゲールマン」でした!
口調がこれでええんか感が強く、現代文明と絡ませるのも難しかったです(KONAMI感)
ギャグもちょこっとばかし絡ませたいですねぇ……
それと、皆様の評価のおかげで日刊二次創作ランキング31となることができました!
これからも私鏑丸と、シュクくんやら他のオリ主くんたちもよろしくお願いします!!
ブルアカ二次創作に太陽あれ!