明るい娘が抱える闇って…。良いよね。
ココ「勇者様!これからよろしくね!」
アラン「あ、ああ、よろしく。」
ココ「勇者様って何が好きなの?その導きの剣様でどんな戦い方するの?レベルは?スキルは?今まで食べた物で一番美味しかったのは?気になる事がいーっぱい!」
アウル「こらこら。勇者様が困っているだろう?一旦離れなさい。」
ココ「はーい。」
アウル「すまなかったね。彼女は見ての通り元気…元気過ぎる所があるんだが、まあ慣れればカワイイものだよ。」
アラン「は、はあ。」
ステラ『ふむ、こういうタイプですか。』
ココ「それじゃあ早速!冒険者ギルドに行こうよ!私初めて!」
アウル「必要な手続きはこちらで済ませている。まずは彼女の実力を見てみるといい。そうだな…。お、里の近くにスライムキングが出ているようだ。討伐して、勇者様に実力を見せて上げなさい。」
アラン「スライムキング!?それってスライム達の王ですよね。かなり手強いと聞いていますが…。」
ココ「私、スライムキング得意だから任せて!早く行こ!」
アラン「あまり気乗りはしないが…。分かった行こうか。」
ココ「うん!」
アウル「いってらっしゃい!」
ココ「いってきます!」
〜エメラルド大森林 エルフの里近く 東〜
ズゥン…。
ココ「いたいた!スライムキング!」
アラン「でっか…。」
高さは…。3…いや、4メートルはあるだろうか…?水色のスライム状の塊が地面を揺らしながら歩いている。
ココ「よし!見ててね!勇者様!」
アラン「え。いきな…」
ダァン!
凄まじい爆音が鼓膜を揺らした。音の方に目線を向けると、地面がひび割れるように抉れていた。どうやら地面を蹴って走り出した音のようだ。
ステラ「凄まじい脚力ですね…。」
彼女は不思議な形のナイフ…。ククリナイフに手をかけると、スライムキング目がけて勢いよく振り抜いた!
ボトッ…。
スライムキングのスライム状の塊が地面に落ちる。スライムキングは全く反応できていない。がむしゃらに自分の体を分裂させて超高圧で撃ち出して攻撃してはいるが、全く当たらず。対して彼女はさらにスピードを上げて、スライムキングの体を切り落としていた。そして…。
グシャァ!
ついに中央のコアに攻撃が到達し、スライム状の体を勢い良く飛び散らせながら、スライムキングは魔石になった。
ココ「どうだった?勇者様?」
アラン「いや…辛うじて動きを目で追えるだけで何がなんだか…。でも、君の実力は分かったよ…。」
ココ「へぇ…。普通の人は目で追えすらしないよ!やっぱり凄いね!勇者様は!」
アラン「はぁ…?」
ココ「よし!戻ろっか!」
アラン「あ、ああ…。」
ガサッ…。
その時。茂みが動いた。そして…緑色の肌が見えた。
アラン「っ!マズい…。」
ココ「え?なになに?勇者様……ヒッ!」
ココ「ヒッ…。あ、あああああ…。うっ。おぇえええ。」
アラン「ココ!落ち着け!」
ココ「やだ…。こっち…こっちこないでぇ!いやぁああああ!」
ステラ「主様!先にゴブリンを!」
アラン「ココ…。待っててくれ。」
ステラを抜いて、ゴブリンと対峙する。キングでもシャーマンでもない。普通のゴブリンだ。ただ、後ろにココがいる以上、引く訳にはいかない。
ゴブリン「ゲギャギャ…。ゲギャァ!」
ゴブリンは木を削って作り出したであろう棍棒で殴りかかってきた!
ガァン!
剣で受け止める。そして、弾く。ガラ空きになった胴にすかさず一撃を入れた。
ゴブリン「グギァ…。」
ゴブリンは魔石になった。魔石を回収してココの方に戻る。
ココ「ウッ…。グスッ…。」
アラン「おーい。ココ。もう大丈夫だぞ。ゴブリンはやっつけた。」
ココ「え…?本当…?」
アラン「ああ…。ほら、見てみろ、魔石だ。」
ココ「本当だ、ありがと。勇者様。」
やはり元気がない。トラウマは厄介だな。
ココ「…。ごめん勇者様。腰が抜けちゃって立てない。」
アラン「おぶって行こう。」
〜帰り道〜
ココ「……。ねえ勇者様。今日はゴメンね。失望…させちゃったよね…。やっぱり…私なんていない方が良いよね…。」
アラン「いや、君のスピード、是非欲しい。ココ。俺のパーティーメンバーになってくれないか?」
ココ「ダメだよ…。やっぱり、ゴブリンが現れるたび戦えなくなる騎士なんて…。ましてや魔物専門みたいな所がある冒険者になるのに…。」
アラン「トラウマに関してはおいおい解決すればいいさ。大丈夫。君がトラウマを克服できるまで、何年でも付き合うよ。」
ココ「……!本当?私を…見捨てないでくれる?私…。騎士団の中でも、あの事件以来ずっと成績良くなくて…。ゴブリンを見ると上手く戦えなくなっちゃうし…。」
アラン「成績とか、関係ないだろう。少なくとも冒険者はな。自由と力さえあればそいつが一番冒険者として優れているって事何だから。…改めて言うぞ。俺のパーティーメンバーになってくれ。ココ。」
ココ「///……ありがと。勇者様。…うん。なるよ。パーティーメンバーに。……見捨てないでね。」
アラン「見捨てないさ。」
〜第三騎士団詰所〜
アウル「……。ココの事。改めてお礼申し上げる。ありがとう。君も君のやる事があるだろうに…。」
アラン「まあ、先行投資ってやつですね。…なんか、ココの力が今後必要になりそうな予感がしたんで…。」
アウル「……。何故君は、そんなに優しいんだい?ココの事も…ゴブリンの群れの事も…。何故君は…そんな大きな傷を作ってまでそうあれる?」
アラン「……俺自身記憶喪失なので…。あまり自分でも分かっていません。でも、おそらく、自分はただ…。」
アラン「毎日楽しくやりたいだけだと、思いますよ。」
アウル「…!成る程。素敵だ。勇者アラン…。君に賭けて…正解だった。」
アウル「私も、ココも…里長殿だってそうだ。」
アウル「やはり…君は…。」
アウル「私の婿にしたい♡」
アラン「」
ステラ「こらぁぁああああ!」
アウル「フフッ。」
アウルはシリアスが苦手です。たぶんアレルギーですね。