「うわっ!?」
突然開いたので受け身も取れずに転ぶ。石畳だったのでかなり痛い。
「痛い…。」
痛みを我慢して起き上がるとやけに精巧な巨大な天使の様な像が目に入った。
その周りは何やらエメラルドグリーンに発光する液体の池ができている。
「何だ…?」
周りの壁は結晶に侵食されており、とても眩しい。空気中にもエメラルドグリーンの粒子が浮かんでいる。
ドクン…!
「!?」
突然、心臓の鼓動の様な音が聞こえた。急いで周りの壁から視線を戻すと、天使の像の足元に何かが強く光り輝いているのが見えた。
「あれは…?」
少なくとも最初見た時には光っていなかった。かなり強く光り輝いているので近づかない事には何なのか分からない。しかし、近付いたら最後、取り返しのつかない事になる気がした。
「行くしかないか…?」
おそるおそる近づいてみる。距離が縮まる事に光が弱くなっていくのが分かった。そして…。
「剣…。」
剣だった。片手剣…ショートソードと言う奴だろう。60cmぐらいの剣だ。しかし、鍔の部分には壁にあった結晶がついていて、刀身には金と銀のツタの模様が彫られている。しかも刀身の部分は淡いエメラルドグリーンに発光している。
抜け…。
「え…?」
女性の声だ。上の方から聞こえたような気がした。
「抜くか…。」
怖くなって来たのでさっさと言う通りにする事にした。グリップの部分を持って力いっぱい引っ張る。すると突然、足元にあった岩が割れ、勢いよく剣が抜けた。
主人公「なんかあっさり抜けたな…。」
剣?「ようやく会えましたね。主よ。」
主人公「ドゥワア!?」
剣が喋った。余りにびっくりし過ぎて変な声が出てしまった。普通に心臓に悪すぎる。
剣「少し驚き過ぎなのでは…?」
主人公「いや、突然剣が喋れば誰だってこうなるだろ…。」
剣「いえ、突然ではありません。貴方がこの世界に来た時からずっと導いていました。」
なるほど。さっきの声もそうだが自分自身少し大胆過ぎる行動が多いと思っていたが、どうやらこの剣のせいだったらしい。と言うか普通に洗脳なのでは…。
剣「貴方は少し…臆病な所が強い様でしたので、やむを得ず。」
主人公「……まぁ良いか。と言うかナチュラルに心読んだよな…。」
剣「貴方が私の所有者である限り、全ての状態が筒抜けです♪」
カワイイ声に騙されそうになったが、この剣はプライバシーと言う物を知らないらしい。
剣「そんな…。カワイイだなんて///」
主人公「うーんこの。」
何やら都合の良い所だけ切り取られたような気がしたが、色々聞きたい事が多いので我慢する。
主人公「それで…この世界とか言ってたが…。」
剣「この世界…アムールは今、邪神マリスによって滅びようとしています。貴方にはそれを救っていただきたい。」
主人公「こんな自分自身の事も分からないような奴に世界を救えとは…。余程切羽詰まっているらしいな。」
剣「お恥ずかしながら…。私の力では貴方の肉体と魂をこの世界に持ってくるので精一杯でして…。」
主人公「と言うか俺は前の世界で何をしていたんだ…?」
剣「すみません。私は世界と世界の間に流れていた貴方の肉体を持ってきただけなので…。」
どうやらこの剣に聞いても何も分からないらしい。
主人公「とりあえず…ここを出るか。」
剣「その必要はありません。」
突然、部屋が揺れ動く。
主人公「は…?」
剣「この遺跡…ダンジョンは私を核に生成された物。私が貴方の所有者になった以上、このダンジョンは核を失いじきに崩れるでしょう。」
瞬間、目の前が真っ白になった…。
うーん口調が難しい。