ステラ達は既に地獄みたいな空気ですが…。残念ながら地獄はこれからです。
〜ステラ視点〜
ステラ「主様!主様!」
何故だ?何故こうなった?見落としがあった?ミスがあった?それとも…。
????「剣が喋ってる…。不気味ね。」
???「どうする?神器ってやつでしょ?壊して口封じも、呪いをかけるのも無理だよ?」
???「……良いものがある。対象を回収した後、アレを使え。試験運用だ。」
ステラ「何だお前たちは!何が目的だ!?」
????「悪いけど、それに答える義務は無いわね。」
???「武装はそこの剣含めて解除してその場に置け。アイテムの類もだ。防具は…脱がせる時間が無い。そろそろ魔法の効果も消える。」
???「りょーかーい。」
ステラ「っく!触れるな!主様!起きてください!」
???「ムダだよー。一度発動すると解除するまで起きない呪いだからねー。」ガサゴソ
呪い!? アリシアは手を抜いたのか?いや、そんなことはない。私も導きの力で確認した。呪いの類は無かったはず…。
????「アレの準備は完了したわよ。」
???「おい、喋るなと言っただろう。終わったのならさっさと回収して離脱するぞ。『素材』も手に入った。」
???「はーい。」グイッ
ステラ「待て!主様を離せ!待てぇぇぇ!」
????「哀れね。自分の主が連れ去られるのを見ることしかできないなんて。だから失敗するのよ。1000年前も。」
ステラ「…!貴様ぁ!」
???「設置完了。起動。」カチッ シュウウゥ…。
ステラ「主様!ある…じさ…ま…。」カラン
???「効果を確認。離脱する。」
〜ココ視点〜
おかしい。いくら何でも遅すぎる。もう完全に月が昇った。書き置きはしてあるが…そんなに遅くはならないと書いてある。
ココ「…っ!勇者様!」
居ても立ってもいられず、部屋を飛び出す。そして騎士団の…第三部隊の詰所に行く。アウル隊長なら、今も仕事で居るはず。
ココ「隊長!勇者様見なかった!?」
アウル「勇者君かい?見てないが…。何かあったらしいね。」
ココ「勇者様が、勇者様が消えちゃった!書き置きにはそんなに遅くはならないって書いてあったのに…帰ってこないの!」
アウル「…仕事は後だ。私も探す。ココはギルドに行くんだ。おそらく、ヴァネッサ団長とギルドマスター、聖女様が協議の最中なはず。」
ココ「分かった!」
勇者様…。何処に行ったの?無事だよね?また会えるよね?顔見せてよ…。
ココ「っ。」グスッ
いや、泣くのは後だ。人を、人を集めないと。とにかく探さないと。
〜ダンジョンの中〜
アラン「う…。あ…。」
目が覚める。すると、月のように光り輝く銀髪が目に入った。
???「目が覚めたようね。」
アラン「お前は…そうか。お前がこの事件の首謀者だな?」
???「そうよ。私は…そうね。クモとでも名乗りましょうか。」
アラン「本名を教える気はない…か。」
クモ「もちろん。」
アラン「じゃあ何が目的だ…とか言っても答えないんだろ?」
クモ「それは別に答えてもいいわよ?…まあ、大雑把に言うなら、復讐ね。」
アラン「復讐…か。」
クモ「あら。貴方は復讐は無意味だ!とか言わないのね。」
アラン「まあ…な。俺は記憶喪失だからな。復讐心も忘れた以上、人の行いはとやかく言わないさ。」
クモ「ふーん…。」
アラン「ところで…一応聞くが…。何で目的を教えたんだ…?」
クモ「教えたところで話す人がいないからね。ここには人間は私達しかいないし。」
アラン「だよなぁ…。やっぱりそうだよなぁ…。絶対ここもダンジョンの中だよなぁ…。」
クモ「良くわかったわね。…いや、こんな石造りが壁じゃ無理もないのかしら。」
アラン「まあ…そうだな。」
実はそれ以前に、首謀者がダンジョンの中に潜伏しているのは、仮説として出ていたのだが…。
クモ「それじゃ。行くわね。……脱獄しようなんて考え無いでよね。」キィ…。
アラン「無理な相談だ。」バタン
〜ココ視点〜
いない。ここでもない。あの後、ギルドマスターと団長と聖女様に事情を話して、一緒に探してもらっている。
アリシア「勇者様ー!何処ですかー!勇者様ー!」
アリシア「いったい何処に…。私、あっちを探してきます!」
ココ「うん!私はあっちね!」
〜移動中〜
うう…。何故かこの道に入ってから煙たいし身体が重い…。ダメだ。手がかり一つ…。!?あれは!
ココ「ステラ!ステラ!返事して!」
ステラ「ココ……。あ、良かった…。」
ココ「勇者様は!?」
ステラ「すみません…。連れ去られました…。私のせいです…。」
ココ「そんな…。」ペタン
ステラ「フードをかぶった三人組です…。恐らくは魔力を吸い取る煙を…。そのせいで力も出ないので連れていってもらえますか…?」
ココ「うん…とにかくここから離れよう…。」
ステラ「はい…。」
〜アラン視点 ダンジョンの中〜
アラン「うーん。」
ヤバいどうしよう。ステラがいないから敵の配置すら分からない。そもそも分かったとしても道具もないから牢屋の鍵の開錠もムリだ。
アラン「救援を待つか…?いやそもそもあっちは場所も分かんないはず。それに何時までも生かして置いてもらえる保証も何処にもないしな…。」
アラン「牢屋の中に使えそうな物…。ん?」
暗くて気づかなかったが、奥の方にも誰かいる。金髪なのでエルフだろう。
アラン「おーい。起きろー。」ユサユサ
エルフ?「ん…。んぁ?」
アラン「あ、起きた。」
エルフ「うわ!?ゆ、勇者様!?何で!?」
アラン「一緒に捕まったんだよ。知ってると思うがアランだ。」
エルフ「フ、フリエっす。」
アラン「よろしく。で、何か持ってない?脱獄するわ。」
フリエ「ええ…。いや、買い物の途中だったんで…。」
アラン「知ってた。まあそんな格好じゃな…。」
フリエ「え?キャッ!?」
フリエはボロボロのワンピースを着させられている。胸元はヨレヨレでナニがとは言わないが見えそうだ。
フリエ「うぅ…// ゆ、勇者様はなんで…?」
アラン「武器とアイテムは全部無くなってるからな、たぶん脱がす時間無かったんだろ。アーマー系は脱ぐのに時間かかるからな。」
フリエ「私も仕事着なら良かったんすかね…。」
アラン「ん?仕事着?」
フリエ「あ、そう言えば言ってなかったっす。私、騎士団で第一部隊の魔法使いをしてます。」
アラン「魔法?属性は?」
フリエ「火と…風が少しだけ…。」
アラン「…使えるな。あそこのトイレのパイプ。溶かせるか…?」
フリエ「でも、好きな形に変えるのは無理っすよ?」
アラン「いや、溶かすと言うよりは焼き切ってくれれば良い。」
フリエ「わ、分かりましたっす。」ジュウ…。
絶望が足りんな。