〜ココ視点〜
ステラ「助けに行くのは良いですが…。場所も、分からないのにどうやって…?」
エテル「そこなんじゃよなぁ…。いくら導きの力でもダンジョン内は広すぎて全て調べるのには時間がかかりすぎる。ましてやダンジョンはエルフの里周辺だけでも20はあるし…。」
ココ「とりあえず…団長の所に行こう。前からダンジョンを調べてたあの人なら何か…。」
エテル「ワシも行こう。」
〜移動中〜
〜騎士団 第一部隊 詰所〜
騎士団の第一部隊の詰所に来た。第一部隊は団長直属の部隊だ。
ヴァネッサ「里長様!?ココも!?何故ここに…。」
エテル「勇者の救出じゃが…。ココとステラが行く事になった。今お主が持っている情報を全てだせ。」
ヴァネッサ「ハッ!と言ってもあまり目ぼしい物はないですね…。10個ほどのダンジョンは調査済みですが…。」
ココ「そんな…。」
ヴァネッサ「すまない…。あ、しかし、うちの隊員1名と連絡がつかない。冒険者と買い物に行くと言ったっきりだ、そして…彼女達は例の煙の道を通っている。」
エテル「それじゃな。まあ居場所が分からんからどうしようもないが。」
ココ「どうしよう…。」
ステラ「コラ!皆ココが可哀想でしょう!明るい話をしなさい明るい話を!」
エテル「おいおい…。ん?そう言えば、冒険者はどういう奴なんじゃ?」
ヴァネッサ「ブレイド殿から、ダンジョンの調査隊の一員だと聞いてます。探知系のスキルを持っているとか。あと、音飛ばしの魔道具を持っています。」
エテル「音飛ばしか…ならここまで届くかもしれん。」
ステラ「しかし、あちらから通信してこないことには音飛ばしの魔道具は役に立ちませんよ?」
エテル「結局待つしかないか…。」
ココ「待つよ。何日でも。」
〜ダンジョン内 牢屋〜
フリエ「んっ…。ゆ、勇者様もうちょっと上…。」
アラン「おいお前身長低すぎだろ…。よいしょっと。」
フリエ「違うっスよぉ…。そもそもダンジョンの扉はデカいんですよぉ…。あ、見えそうっす。」
現在。ダンジョンの扉(窓が鉄格子になっている)から、俺がフリエを肩車して覗いて貰っている。
フリエ「ええと…見張りは普通のゴブリンが二匹だけ…。あ、隣の部屋にはシャーマンと普通のゴブリンが二匹で見張ってるッス。その奥は壁…どうやら端っこの部屋みたいッス。」
アラン「隣の部屋、やけに厳重だな。…とりあえずそこの鍵を開錠して、中に入ろう。」
フリエ「でも、どうするッスか?扉開けたら確実に見つかる距離っすよ?」
アラン「逆に考えるんだ…。見つかっちゃっても良いさ…と。」
フリエ「!? 何言ってるッスか!?」
アラン「報告されなきゃ良いんだよ。アレだ。バレなきゃ犯罪じゃないって奴だ。」
フリエ「私一応秩序側の人間なんすけど…。まあ良いッス。」
アラン「3.2.1…Go!」
フリエ「フッ!」バァン!!
ゴブリン「グギャッ」
ゴブリンが潰れた。外開きにするからだ。
シャーマン「グゲェ!?GaasGuaa…。」ビュン
アラン「っと。オラァ!」
シャーマンがかまいたちを飛ばしてきたので避けて腹に蹴りを叩き込む。
シャーマン「グガッ!?」
アラン「耐えたか、もう一発!」ブン
シャーマン「ガッ…。」グシャッ
魔石になった。フリエの方も終わったようだ。
フリエ「ふぅ…。」グシャァ…
返り血でちょっと怖い。
フリエ「どうしたっすか?」
アラン「ヴェッマリモ!!」
フリエ「?はぁ…。じゃ、ピッキング始めるッスね。」カチャカチャ
〜3分後〜
フリエ「ん…よし。」カチッ
アラン「お、開いたか。」
フリエ「ここに居ると良いんすけど…。」ガチャ
中に入ると、そこには箱が積み重なった光景が広がっていた。
アラン「ハズレ…か。」
フリエ「まあそんな簡単に見つからないッスよね…。」
アラン「どうやら倉庫みたいだが…。!?」
フリエ「どうしたッスか…。!?こ、コレって…。」
アラン「大量の…心臓?」
箱の中を見てみると、円筒状のカプセルに、紫色の液体とともに心臓が入れられていた。しかもまだ動いている。
フリエ「気味が悪いッスね…。」
アラン「何の心臓だよ…。早く出よう。こんな部屋。」
フリエ「そうッスね…。」
〜ダンジョンの中 廊下〜
フリエ「先が暗くて見えないッス…。」
アラン「だが、行くしかないだろう。」
先に進む。すると何やら、巨大な黒い扉があった。隙間から紫色の光が漏れ出ている。見張りはシャーマン2 ゴブリン2だ。
アラン「何だ?あの扉…。やけに警備が厳重だな。」
フリエ「何か…嫌な予感がするッス。行かないほうが…。」
アラン「でも絶対何かあるだろ。もしかして出口かもしれん。」
フリエ「あんな禍々しい出口ないっすよぉ…。戻りましょうよぉ…。」
アラン「いや俺もぶっちゃけ行きたくないけど…でも進まないことにはなぁ…。反対は行き止まりだったし…。」
フリエ「うぇぇぇ…行きたくないよぉ。」
アラン「うーん…。よし!突撃!」
フリエ「あっ!ちょっ!」
シャーマン「グゲッ!GAaGEGAa…。」ドオン
アラン「あっぶね。まずはゴブリン!」
シャーマンがファイアボールを飛ばしてきたので素早く避けてゴブリンに接近する。
フリエ「火よ。我が手に集い、敵を焼け。ファイアボール!」ドオン
シャーマン「グゲァ!?」
アラン「ナイス!……あれ?人間の魔法の詠唱…始めて聞いたかも。」
フリエ「ええ!?周りに魔法使い居なさすぎませんか?」
アラン「機会に恵まれなかったの。ウォッ。」ビュン
フリエ「あれ?あのシャーマン…。噂の無詠唱シャーマンってやつすか?」
シャーマン「グゲァ…。グギャッ!」ビュン
アラン「うおっと。どうやらそうみたいだなっ。」グシャッ
ゴブリン「ガ…」
どさくさに紛れてゴブリンが殴りかかってきていたが、避けてキックで頭を潰す。
フリエ「うーん。さすがに速度じゃ勝てないッス…。かまいたちの切れ味は酷いの一言ッスけど。」
シャーマン「グギャッ!」ビュンビュン
フリエ「ちょっ…。ただですらボロボロなのに…。」スッスッ
フリエの発言にキレたシャーマンがかまいたちを連発している。
さすがにヒラヒラしたワンピースじゃ避けづらいのか、フリエの格好がどんどん際どくなる。…流石にマズいので早く決着をつけよう。
アラン「……。」
フリエに気を引かれている隙にダンジョンの暗さに紛れてシャーマンの背後に周る。……何故こんな技術が身に付いているのか分からないが。
アラン「フッ…!」ブン
転がっていたゴブリンの棍棒を手に取り、シャーマンの頭目がけて振り下ろした。
シャーマン「グギ…」グシャッ
フリエ「え…?あ、勇者様か。ありがとうございますッス!」
フリエもどうやら気づいていなかったらしい。…自分のセンスが恐ろしく感じた。
アラン「ああ…。…すまん。なるべく視界に映らないでくれ。」
フリエ「あ…、すみませんッス///」
フリエを見ないようにしながら扉に近づいて、力いっぱい押した。