全軍突撃!ってやってみたいよね。
〜ボス部屋〜
アラン「っらぁ!」ガキィン!
アラクネの下半身の甲殻に刃ごとはじかれる。手がしびれてきた。
サラ「はぁっ!」ババババッ!
サラは風魔法が使えたのか、杖を持ってかまいたちを走りながらバラまいている。……アラクネに効果はないが。
サラ「っく…。!?全員散開!」
アラクネ「カースフレイム。」ゴオッ
サラ「がっ!?」ジュウ
アラン「サラ!っく!」
サラがマトモに喰らった。空中に放り出された所をキャッチする。
アラン「うおっ!」ビュン
糸が飛んできた。間一髪で避けられた。
アラクネ「やっぱり搦め手には圧倒的体格差ね。……潰れなさい!」ビュン
アラン「クッ…。うあっ。」ゴロゴロ
アラクネの尖った足が迫ってくる。サラを庇いながら転がって避けた。
サラ「っ…。うぁぁ。」
酷いやけどだ。肩から背中にかけて大きく爛れている。
アラン「サラ!おいサラ!しっかりしろ!」
サラ「……提案。私達をおとりにして…逃走…。」
アラン「バカ言うな!帰るぞ。一緒に!そのためにここまで来たんだ!」
サラ「……っ。」
〜サラ視点〜
理解不能。理解不能。何故?
サラ「見捨てる事が…合理的…。」
アラン「ああもう!黙ってろこんな時に!」グイッ
手を引かれて走り出す。必死に避ける。
アラン「合理的かどうかじゃない!俺もお前達も…帰るべき所があって!家族や仲間がいる!こんな所で捨てて良い命じゃない!」
サラ「……。」ポロッ
目から水がでる。理解不能。でも…。
サラ「帰りたい…。」ポロポロ
アラン「ッ!そうだよなぁ!こんな所で終われんよなぁ!なら、やる事は一つだろ!なぁ!お前ら!」
お前ら?私以外はもう今の攻撃で…。
フリエ「………。えぇ。必ず…生きて帰るんす!絶対に!」
フリエだ。さっきの炎で糸が燃えたらしい。他のダークエルフ達も立ち上がっている。
アラン「行くぞ!サラ!」
サラ「理解…可能。……突撃!」
まだ終われない。
〜アラクネ視点〜
最初は弱いと思った。失望した。これが…導きの勇者かと。
アラクネ「でも…。」
何度焼いても立ち上がってくる。己と…周りを鼓舞して。
アラクネ「貴方にもう少し早く会えてれば…!」
さっきの言葉。帰る場所。私達にはもう無い。
アラクネ「っく。」
思わず涙が溢れそうになるが堪える。もう後戻りはできない所まで来たはず。望んでこのザマになったはず。
でも……。できるなら…。
アラクネ「助けて…。」
〜アラン視点〜
アラン「!?」
さっきの顔。アラクネが一瞬見せた顔。アレは間違いなく。
アラン「そうか…。なるほどな。」
……絶対助ける。例外はない。ここで見捨てたら…笑って日常を過ごすなんてできなくなる。
アラン「サラ!予定変更だ!俺がやる!援護してくれ!」
サラ「了解。」
フリエ「勇者様!?」
アラン「うぁぁあああ!!」ダァン!!
突撃。前進あるのみ。どちらにしろ下半身に攻撃しても無駄だ。なら、下半身と上半身の境目…。そこを狙う。そこさえ斬れれば…。何とかなる。根拠はないが、そう言う予感がする。
アラクネ「ッ!ああ嗚呼あああ!カース!フレイム!」ゴオッ
サラ「水よ。我が手に集い。全てを洗い流せ!ウォーターブラスト!」ザバァ!
アラクネ「ッ…。あああ。」シュゥ…。
フリエ「ルナ!ダークエルフ達!突撃!」
ダークエルフ達「はあっ!」ダァン
サラ以外のダークエルフ達は元一般人。魔法は使えない。だが、高いステータスを生かして飛びかかる事はできる。
アラクネ「くっ!何を!?」
アラクネ自身が散々バラまいた糸を巻き付けていく。アラクネの動きが止まる。
アラクネ「クッ…。離れろ!っ!?」
糸を巻き付けたのは何も動きを止める為だけじゃない。勇者様が境目まで近づく為の足場を確保するためでもある。そして…。
アラン「うぉぉぉぉおぉぉ!!」ズバァン
アラクネ「あ…。あ…。流石…強いなぁ……。」バタン
俺がアラクネの境目を一刀両断。ハイスパイダーとクモに分裂し、融合が解除された。ハイスパイダーは魔石に変わった。
フリエ「……あ。やっと…。」
サソリ「ヘルフレイム。」
アラン「がぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」ゴウッ
フリエ「え…?」