記憶喪失系勇者の旅路   作:一般通過社会人

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最後の砦

 

〜フリエ視点〜

 

サソリ「ヘルフレイム。」

 

 

 

アラン「がぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」ゴウッ

 

 

 

フリエ「え…?

 

 

あ…え?ゆ、勇者様…?勇者様が、勇者様が…。

 

フリエ「勇者様っ!っく!サラ!水!」

 

サラ「っ!水よ…我が手に……。……ぁ?

 

フリエ「サラ…?サラっ!……コレは…。煙?」ゴホッゴホッ

 

サソリ「そうだ…。脱力化と…魔力吸収だ。既に起動してある。」

 

フリエ「ぁ…。そんな…、勇者様…。」ゴホッゴホッ

 

体が重い。力が入らない。他のダークエルフ達も次々倒れていく。

 

サソリ「さて…コイツを殺さないと…ダークエルフ達を取り戻せないのでな。恨みは無いが…。死んでもらう。」

 

フリエ「待て…触れるなぁ…。勇者様に…。」

 

サソリ「無理な相談だ。死ね。」

 

あ…。勇者様に、燃えている勇者様に剣が突き立てられる。そして…。

 

サソリ「さらばだ。勇者。」

 

アラン「ガッ…。」ドスッ

 

フリエ「あ、あ…あああ…。うわぁぁぁぁぁぁぁあ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜ココ視点〜

 

フリエ「うわぁぁぁぁぁぁぁあ!!

 

ココ「っ!」

 

走る。嫌な予感がする。せっかくここまで…扉の前まで来た。嫌だ。そんな事は…。

 

 

キィ…。

 

 

ココ、ステラ「え…?

 

私達が見た光景は…。心臓に剣が突き刺さって、ぐったりとしている勇者様だった。

 

 

ココ「あ、あああ…。」ペタン

 

間に合わなかった。勇者様が目の前で攫われた時、ステラはこんな気持ちだったのだろうか。しかし、そんな事を思ってももう勇者様は帰ってこない。

 

ステラ「ぁ…。そんな…。ぁぁぁ…。うぁぁぁぁ…。」

 

ステラはもうダメだろう。当たり前だ。主を…勇者様を2回も助けられなかった。

 

サソリ「……さて。ダークエルフ達。この者達を捕獲しろ。牢に入れるんだ。…同志が増える。」

 

…声も出ない。目の前が絶望に染まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜ステラ視点〜

 

間に合わなかった。死んでしまった。最後の希望だったのに。自分の中で何かが壊れた。

 

ステラ「ぁ…。そんな…。ぁぁぁ…。うぁぁぁぁ…。」

 

もはや声にもならない声をあげる。これから…世界は邪神の手に墜ち、絶望が世界を包むだろう。

 

ステラ「…………。」

 

エテル。ブレイド。みんな…。ごめんなさい…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜アラン視点〜

 

声が聞こえる。声だ。いや、絶望と悲しみに満ちた、絶叫だ。

 

アラン「……動け。」

 

自分の身体に力を込める。これで最後だ。最後なら…どうせ最後なら。せめて、アイツらだけでも…。

 

 

 

 

 

 

 

〜サソリ視点〜

 

終わった。心臓を潰した。勇者と言えどももう立ち上がることはないだろう。

 

サソリ「ッ…。」

 

少し…心が痛んだ。復讐の為とはいえ…無関係の者を殺してしまったのだ。

 

サソリ「……さて。ダークエルフ達。この者達を捕獲しろ。牢に入れるんだ。…同志が増える。」

 

その心に蓋をして…。見ないフリをして…。命令を下した。

 

サソリ「……。どうした?早くしろ。煙はもう解除してある。動ける筈だ。」

 

アラン「ハッハッハッハ…。」

 

サソリ「!?」バッ

 

思わず飛び退いた。なぜ生きている。確かに心臓を…。待て。なぜ心臓の炎だけ消えてない?ヘルフレイムの効果はとっくに切れている。

 

アラン「寂しい事言うなよ…。まだだ、まだ終わらんよ。」

 

アラン「最後の砦(last stand)は…この俺だ。」

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