記憶喪失系勇者の旅路   作:一般通過社会人

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ふぅ…ダンジョンは終わりです。




脱出

 

〜ステラ視点〜

 

ステラ「主様!主様!」

 

衝撃を殺し切れなかった。せっかく、お会い出来たのに。また、離れて行ってしまう。

 

ココ「っ…。勇者…様ぁ…。」グスッ

 

フリエ「そんな…ここまで来たのに…。こんなのって…。」

 

ステラ「主様!しっかり!ある…?」

 

あれ…?まだ…心臓が…? やった…。まだ…生きてる!

 

ステラ「ココ!主様は…まだ生きてます!心臓が…止まってない!」

 

ココ「え…?まだ…助かる…?」

 

ステラ「はい!まだ…助かります!今すぐアリシアのところへ!」

 

 

 

 

 

サソリ「……待て。」

 

 

 

 

 

ココ「!?」

 

そんな…倒しきれていなかった…。

 

ステラ「くっ…来るな!」

 

サソリ「流石に…もうやろうとはしない。もう…立てん。完敗だ。」

 

フリエ「なら…何が目的だ!何のために!」

 

サソリ「……今更、図々しい話だが…。助けてくれ。」

 

ステラ「ッ…!?貴様!主様を…こんなにしておいて…!」

 

サソリ「私の事は…どうでもいい。そこに倒れているクモと…奥で寝ているハチを…。頼みたい。大事な…この世に二人だけの…血が繋がった家族なんだ。もし助けてくれるなら…。ポーションを譲る…。」

 

ココ「……。ダメ、その言葉が本当である保証がない。本当にポーションがあるのか分からないし…。そもそも、渡さないかも。」

 

フリエ「ココさんの言う通りッス。そいつが取引の内容を守る保証が…信用が無さすぎるっす。」

 

サソリ「……。ポーションは…。私の血液だ。もともと、私の体は、ありとあらゆる薬を生成できる様に、改造されている…。毒と薬は表裏一体。さっきの触手も…その応用だ…。」

 

ステラ「……。」

 

確かに。サソリの言葉が信用に足る物であるとは限らない。だが…。

 

ステラ「……分かりました。ただし、そちらが先に対価を差し出してもらいます。それが最大限の譲歩です。」

 

ココ「ステラ!?」

 

フリエ「正気ッスか!?」

 

ステラ「……正直、微妙なのです。今の我々で…。あのゴブリンの大群の中を通って、アリシアの元へ行けるかが。なら、私は少しでも可能性の高い方に賭けたい。」

 

ココ「ッ。」

 

フリエ「あ…。そうか…。まだ…戦いは終わってない…。」

 

そう。戦いは終わってない。ここからゴブリンの大群の中を突っ切ってアリシアの元へ行くとなると、リスクが高い。

 

サソリ「分かった…。奥の棚に…輸血の道具がある…。動けないから…誰か取ってきてくれ…。」

 

フリエ「……私が行くっす。」

 

〜1分後〜

 

フリエ「これで全てッスね。」

 

サソリ「ああ…。助かる。輸血をした事のある者は…。」

 

ルナ「提案。私ができる。」

 

フリエ「本当ッスか!?ルナ!」

 

ルナ「記憶は無いが…スキルの中に医療術がある。おそらく、素体は医療に関わった仕事をしていた可能性が大。」

 

サソリ「ならば…早くしてくれ…。私が血液をポーションに変えるのには時間がかかる…。輸血しながらやるから…。私の意識がある内に…。」

 

ルナ「了解。」ガサゴソ

 

〜2時間後〜

 

サソリ「うっ…。くっ…。」カクン

 

フリエ「!!寝たら助けないっすよ!」

 

サソリ「…。あ…。すまない…。」カクンカクン

 

ルナ「………輸血完了。」

 

ステラ「あ…!主様の顔色が…!」

 

主様の顔色が、みるみる内に良くなっていく。心臓の穴も、やけどの跡も、無くなっていく。

 

ココ「良かった…。良かったぁぁぁぁぁ…。」

 

フリエ「っ…。勇者様…!」

 

サソリ「……、あ…。」ガクガク

 

変わりに…こちらはもう意識が飛びそうになっている。無理もない。いくら何でも一度に大量やり過ぎた。

 

ステラ「……安心しなさい。貴方の家族は…必ず助けます。導きの勇者の名に…大天使の元に誓います。」

 

サソリ「あ…。ありがとう…。」ガクッ

 

気絶した。後は主様が目覚めるのを待つだけだ。

 

ステラ「主様…。早く…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜アラン視点〜

 

アラン?「あ…?」

 

焼ける。焼ける様に熱い。全身が。

 

アラン?「あ、ゔあぁぁあぁぁぁ!!」ゴロゴロ

 

必死に身を転がして火を消そうとする。…だが。

 

アラン?「ゔぁぁぁぁ…。ゴポッ。」

 

突然、血反吐を吐いてしまう。体を見ると…腹に風穴が空いていた。

 

アラン?「うぁぁ…。」

 

気が遠くなる。死にたくない。死にたくない。そう思いながら…暗闇に意識を落とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アラン「がっは!?ゴホゴホっ!!」

 

ステラ「…主様?あ、主様!!良くお目覚めに…!」

 

アラン「コホッ…ハァハァ…。あ、ダンジョンの中か。サソリは…?」

 

ステラ「…奥の二人を助けると言う条件で、ポーションを、分けて貰いました。今は、血液を回復しているのか、気絶していますが。」

 

アラン「血液?」

 

ステラ「どうやらサソリはあらゆる薬を自らで生成できるようです。毒の触手もその応用だとか…。その力で自らの血液をポーションにして輸血させました。」

 

アラン「そうか…。あれからどれぐらい経った?」

 

ステラ「5時間ぐらいでしょうか…。正確な時間は分かりません。思ったよりこのダンジョンが広く、地上まで導きの力が届かないのです。」

 

アラン「……とりあえず皆起こすか。」

 

ステラ「そうですね。」

 

 

 

アラン「おい、ココ。起きろ!まだ終わってないぞ。」

 

ココ「んぅ…。あ…?あ、勇者様!目が覚めたんだね。良かった…。」

 

アラン「動けるか?」

 

ココ「うん。ちょっとは魔力も回復したし…。」

 

アラン「よし。次はフリエだ。…アイツ酷使させすぎたからな…。」

 

 

 

 

 

 

アラン「おーい!フリエ!起きろー!」

 

ココ「起きろー!」

 

酷使させすぎたにしては起こし方が雑だが、今は緊急事態。やむを得ない。

 

フリエ「んぁ…。フフフ。もう食べられないよぉ。」ムニャムニャ

 

アラン「なんてありきたりな寝言だ…。」

 

ココ「ホントだよ…。」

 

アラン「!よし。アレしよう。」

 

ココ「アレ?」

 

アラン「まあ見てろ。」

 

アラン「フリエ。起きてくれ。俺の大切な…相棒。」コショコショ

 

フリエ「うわっひゃい!?うう…。」ビクン

 

フリエの耳に口を近づけて、声を小さくして喋る。コイツは耳が弱いのでこれが一番だ。

 

ココ、ステラ「は…?」ハイライトオフ

 

フリエ「うう…。勇者様ぁ…。耳は弱いって言ったっすよねぇ…。」ビクンビクン

 

アラン「お前が起きないのが悪い。」ニッコリ

 

フリエ「そんなぁ…。あ、勇者様、起きてくれて良かったッス…。」

 

アラン「あー心配かけてすまん。穴も塞がったし…。もう大丈夫だろう。」

 

フリエ「ダメっすよ!まだ安静にしてないと!」

 

アラン「いや安静に出来る状況じゃないだろ…ん?ココ?ステラ?」

 

ココ「勇者様…?『大切な』って…どういう事?」ハイライトオフ

 

アラン「アッアッアッ。すんません言葉の綾と言うやつでして…。」

 

ステラ「主様…?相棒は私ですよね…?」ハイライトオフ

 

何だか二人ともドス黒いオーラを放って目も黒い(ステラに目は無いが)。圧がすごい。

 

アラン「へっへっへ…。もちろんでございますよぉ。ステラ様ぁ。刀身でもお磨きしましょうか?へっへっへ…。」ゴマスリ

 

サラ「起床。魔力の5割ほどの回復を確認。体の状態も良好。」

 

ルナ「マスターの三下ムーブを確認。状態は良好と推測。」

 

アラン「お。サラ、ルナ。起きたか…。…今のは忘れて?」

 

ルナ「無理。それよりも早くここから脱出するべき。」

 

アラン「うそ~ん…。そうだな…。まずは後ろのダークエルフ達全員起こしてから…。」

 

〜起こし中〜

 

フリエ「よし!これで全員ッスね!」

 

ステラ「よし…。奥のハチとクモも回収しましたし、脱出しましょう。コアも奥にありました。」

 

アラン「そうだな…。…………。いや、やっぱりサソリも回収する。」

 

フリエ「……。私は嫌っすよ。勇者様をあんな…。あんなに…うっあ…。」グスッ

 

ココ「フリエちゃん…。」サスサス

 

アラン「でもここまで犠牲0でやってきたからなぁ…。ここに来て一人にしたくないし…。……頼む。」

 

フリエ「……分かりましたっす。」

 

アラン「ありがとう。背負っていくか…。」

 

ハイスパイダーの糸でサソリとハチを捕縛し、体の前後に背負う。

ハチの体が小さくて良かった。(クモはイロイロとデカすぎたのでルナに背負ってもらった。)

 

アラン「よし…。これがコアだな。サラ。やってくれ。」

 

サラ「了解。……フッ!」バリン

 

サラが手刀でコアを破壊すると、目の前が真っ白になった。

 

 

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