拝啓。何処にいるかも分からないお父様とお母様。ただいま私は…勇者アランは…。
ゴブリン「「「ゲゲギャァ!」」」
ゴブリンに囲まれております。
ココ「勇者様!ルナ!下がって!」カチャッ
フリエ「ここは私達が…!」ボウッ
アラン「え…?エグいって。この数はエグいって…。」
ルナ「サソリからの取引に乗って正解。この数をマスターを庇いながらはムリ。」
アラン「いや、今も割と絶望的だけどね…?みんな全快じゃ無いんだし、どうすんのこれ…。」
四方をゴブリンに囲まれている。こちらはダークエルフ達が居るため今は何とかなっているが、そう長くは持たないだろう。
アラン「うーんこれは…。俺が囮になるか…?」
フリエ「っ!馬鹿言わないで下さい!怒りますよ!」ドォン
ココ「そうだよっ!」ズバァン
サラ「マスターは口を閉ざすべき。ゴブリンの前に貴方を殴ってしまう。」ザバァ
何かいつの間にかサラからの好感度が高まっていることに嬉しくなりつつ、思考を巡らせる。うーん。
クモ「私がやるわ。」
アラン「!?」
ルナ「対象の覚醒を確認。」
クモ「今起きたわ。ゴブリンの制御権は私が持ってる。此処は私に任せてちょうだい。」
ココ「信用できないよっ!」ズバァン
クモ「じゃあこのまま勝ち目の無い戦いを続ける?言っておくけど、ゴブリンの命令は出撃、待機、消滅しかなくて、一度命令を出すと次の命令が出るまで止まらないわよ。」
ココ「っく…。」
フリエ「仕方ない…ッスね。」
アラン「大丈夫だ。」
ココ「?」
ステラ「主様?」
アラン「クモを…信じてる。」
クモ「……ッ!ありがとう。貴方についてきて…正解だったわ。」
アラン「そりゃどうも。」
クモ「フフフ。……それじゃ。行くわよ。フゥッ…。『消滅せよ』。」ブワッ
ゴブリン「「「グゲ…?」」」シュゥ
ココ「あ…。ゴブリン達が…。」
フリエ「消えていく…!」
ゴブリン達が次々と魔石になって行く。里の周りをまるで深緑色の絨毯のように囲んでいたゴブリン達は、魔石を残して消えた。
アラン「ふぅ…。これで終わりか。あー!何とか…。生き残れたな。」
ココ「やった…!全て終わった…!誰一人欠けないで…!」グスッ
フリエ「やったッス…!これで全て…終わった…!うぁぁ…。うああああああぁぁ。」ポロポロ
ステラ「……っ!ありがとうございます…。主様…!」
アラン「……何がだ?これは俺じゃなくて、俺とステラと…皆で掴んだ光景だ。今回に関しては俺に感謝される筋合いはないな。……ぶっちゃけ俺が攫われなきゃもう少し楽だったろ。」
ココ「……は?勇者様本気で言ってるの?」ハイライトオフ
フリエ「聞き捨てならないッスね。それは。」ギュッ
アラン「いてててて…。抓るなよフリエ。反省する所はたくさんあるって事だよ。全部俺が悪いなんて思っちゃいないさ。……そうだな。でも…。みんな無事で良かった。」
フリエ「……まあ。それなら良いっす。そうッスね。反省する所はたくさんあります。」パッ
ココ「次こんな事にならないように…ね。」
ステラ「はい。」
エテル「おーい!」ペタペタ
エテルだ。走ってくる。って…!
アラン「うおっと…。フラフラじゃないか…。……いやぁ里長様。勇者アラン。色々な人のおかげで無事帰還しました。」(`・ω・´)ゞ
エテル「うむ。良くやった! お主の顔を見れて…。私は嬉しいぞ!」ニコッ
アラン「うっ…。ヤバい…。エテル様…マジ天使…!」グッ
エテル「うおぃ!?ここまで来て逝くなよ勇者アラン!?」
アラン「うグッ…。大丈夫…。です…。」
エテル「おお…そうか…。」
ココ「里長様ー!!」
エテル「ココ!!ステラ!!無事で良かった!」ペタペタ
やるべき事はたくさんある。だが、今ぐらいは…。この勝利を、喜びたい…。そう思えた。
〜自室〜
あれから、ヴァネッサ団長やアウル隊長にも報告し、お互い無事でいられた事を喜んだ。ギルドとアリシアの方は…。事後処理に追われており、報告は明日になりそうだ。
ココ「〜〜〜♪」グツグツ
とりあえずシャワーを浴びて汚れと汗を落とし、(ココも一緒だった。致命傷で済んだ。)今は夕飯を作って貰っている。
アラン「ゔあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛…。」ノビーッ
ステラ「お疲れですね主様…。無理もないですが。」
アラン「ダンジョンの中じゃ戦いっぱなしだったからな…。ああ…。防具もまた買いなおしだなぁ…。あの三人どうなるかなぁ。せっかく助けたのに死刑とかやだなぁ…。」
ステラ「エテルも勇者がせっかく助けた人を首謀者とはいえ死刑にしたら里長降ろされると思いますよ。それほどあなたは名声を得ているのですから…。少しは自覚してほしいです。」
アラン「イマイチ他の人との関わりが無さすぎて実感わかないからね。しょうがないね。」
ステラ「……まぁ良いです。防具の方は…。エテルからギルドを通じて報酬が払われるでしょう。首謀者三人組を他の人の力を借りてとはいえ倒したのですから。それでまた新しいのを買いましょう。……今度はココも連れていきます。その方が安全です。」
アラン「ステラがまた一段としっとりしてきたなぁ…。カワイイね。」
ステラ「カワっ!?……主様。ところでダンジョンの中でまた新しい女をオトしたようですが…。」
アラン「っグッ!?人聞きの悪い事を言うな!指導だ!指導!」
ステラ「事実ではないですか。アレもう完全に堕ちてますよ。え~と、フリエと、サラでしたか…?」
アラン「フリエに関しては自信無くしてたところにたまたま俺が頼っちゃって、オトしちゃっただけだから…。事故だ。正面衝突だ。……サラは正直…すまん心当たりがなさすぎて分からん。」
ステラ「絶対それだけではないですね。他にも何かしてます。……サラに関してはもう、あなたのせいですね。」
アラン「面目ねぇ。」
ココ「出来たよ〜! ……主様。後でサラとフリエにしっかり話聞くから…。覚悟してね。しばらくシャワーも一緒だから。」ハイライトオフ
アラン「ひぃん…。じゃ、いただきます。」
ココ「いただきます!」
日常が戻った。やっぱり日常が一番だ。その日の夕飯の味は…格別だった。