記憶喪失系勇者の旅路   作:一般通過社会人

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ちょっと長いな…。


戦後処理

 

〜翌朝〜

 

アラン「ふぁぁぁぁぁ…。」

 

久しぶりに寝た気がする。いや、気絶含めて結構寝ていたのだが…こうやってベッドで寝るのは久しぶりな気がした。

 

ココ「んぅ…。あ、おはよ…。」ゴシゴシ

 

ココも目を擦りながら起きてきた。……ちなみに添い寝だった。今まで言っていなかったが、ココはかなり寝相が悪く朝起きたら手足が絡まって非常に不健全な格好でお互い寝ていたと言うのもあった。今日は隣で普通に寝ていただけだったので良い方だろう。(感覚麻痺)

 

ココ「ん…。えへへ…。」スリスリ

 

アラン「ココさん…?なぜに僕の手に頰ずりを…?」

 

ココ「攫われた日は1日会えてなかったから…反動が来てる。」スリスリ

 

アラン「ああ…(諦め)。あまりされると可愛すぎて心臓に悪いんでそのくらいに…。」

 

ココ「……そうやってフリエもサラもオトしたんだ。」スリスリ

 

アラン「ひぃん…。辛辣ぅ…。」

 

ステラ「おはようございます主様。今日はエテルの所にギルドとアリシアの所…。色々行かなければいけませんよ。」

 

アラン「そうだな。報告も色々あるし…。」

 

ココ「アリシアは勇者様が攫われて結構まいってたから、早めに行ってあげてよ。……本当は私も着いていきたいけど、やる事あるしさ。」

 

アラン「うん。報酬受け取ったらすぐ行く。」

 

 

 

 

 

 

〜里長の間〜

 

エテル「おお!勇者よ!良く来た!さぁ!もっと近うよれ!」

 

アラン「おはようございます!お元気でなによりです。」

 

エテル「いやぁ実は言うとまだ少し体が重いんじゃが…。まあ一時的な魔力不足じゃ。気にすることはない。それで、褒美の件じゃが…。」

 

アラン「褒美?報酬ではなく?」

 

エテル「報酬はギルドを通して支払われるが、褒美はワシが直々に渡す。……それで、お主の褒美じゃが…。何か要望はあるか?正直言ってお主の功績…首謀者三人組の捕縛と言う功績がデカすぎて下手な物を渡すと、中央政府の奴らがうるさくての…。」

 

ステラ「中央政府?今回の戦いには口出し出来るほど関与はしてないと思っていましたが…?」

 

エテル「いや、実際中央政府の応援が届くまでに解決したからあまり口出しはしてきていない。じゃが、まあそこはお役所仕事じゃ。一応報告の義務がある。何なら今回の件を解決したのが導きの勇者と言うことで、大天使様が興味をもたれたようでの。首都アイギスで勇者とお会いしたいと言っていると噂されておる。」

 

アラン「うえぇ…。緊張するから無しにしてほしいなぁ。」

 

ステラ「そうですか…あの娘たちが…。」

 

アラン(え?大天使ってエテル教の御神体にしてこの国の最高権力者だよな…。そしてその大天使をあの娘達呼ばわり…。ステラ何者だ?)

 

エテル「っと、話が逸れた。で、何か要望はあるか?首都の件は調整中だからまだじゃが、それとは別に渡さねばならん。何でも言え。」

 

アラン「あー。じゃあ一つだけ。首謀者三人組の身柄が欲しいです。あと減刑を。」

 

エテル「それは…。お主、良いのか?もっと欲しい物は無いのか?」

 

アラン「正直言って思いつかないんですよねぇ…。今回の件に関しては自分自身がポカして勝手に攫われてその尻拭いを自分でしたって認識なんで…。」

 

ステラ「主様!それは違います!そもそもこの世界に主様を連れてきたのは私達の勝手な都合です!今回の件もあなたはむしろ巻き込まれた側ではないですか!」

 

エテル「そうじゃな。ステラの言う通りじゃ。そもそもお主をこの世界に連れて来なければお主は攫われる事もなかった。それを自覚せい。謙虚すぎるのも良くないぞ。」

 

アラン「じゃあどうしたら良いんです?欲しい物なんて特に無いですよ?俺は元々楽しくやりたいだけですし。」

 

エテル「……分かった。褒美は三人組の身柄と減刑じゃな。裁きの天秤に伝えておこう。」

 

アラン「裁きの天秤?」

 

ステラ「裁きの天秤とは、このエル・ステラ神聖連邦で罪を犯した者を裁く司法機関です。と言っても軽犯罪…盗みや風紀を乱す行為などは各種族の騎士団に任され、殺人やテロなどの重犯罪のみを取り扱いますが。」

 

アラン「へぇ…。じゃあ時間がかかりそうですかね。」

 

エテル「そうじゃな、まあ裁判じゃ、時間がかかるのは仕方ない。気長に待つしか無いな。……今回の話はこれで終いじゃ、行って良いぞ。」

 

アラン「分かりました。失礼します。」

 

 

 

〜冒険者ギルド〜

 

フィオラ「お疲れ様でした!ご無事で良かったです!勇者様!」

 

アラン「いやぁ…流石に参ったよ。まあ、お互い無事で良かった。」

 

フィオラ「はい!ギルドマスターが早くお会いしたいと言っています。お願いできますか?」

 

アラン「ああ。分かった。すぐ行こう。」

 

 

〜冒険者ギルド ギルドマスターの部屋〜

 

ブレイド「良くぞご無事で…勇者様…。攫われたと聞いた時はもう…。心配でした。」グスッ

 

アラン「ああ…。…?ギルドマスターって前線で戦ってたんじゃ…?何か…傷が少ないと言うか…。ピンピンしてるような…?」

 

ブレイド「ああ、私は回復力が生まれつき強くてですね、かすり傷や火傷程度なら1回寝ればすぐ治るのです。」

 

アラン「えぇ…。あの大群相手にかすり傷と火傷で済ませるって…。まあいいや。お互い無事で良かったです。」

 

ブレイド「はい!…それで報酬の件ですが、今回は事が事ですのでこれをお受け取り下さい。」ドサッ

 

アラン「……。ゑ?何か…多くね…?」

 

巾着ほどの大きさの麻袋に、金貨がパンパンに入っている。

……この数ヶ月で一切お目にかかる事が無かった金貨だ。

 

ブレイド「……?首謀者三人組の捕縛と、ゴブリンの大量討伐からして、相場はこれぐらいですよ?」

 

ステラ「主様。未だに実感が湧かないのは分かっていますが、これは正当な額です。受け取ってください。…個人的感情を考慮すればもっと増えます。少なくともこれよりは減ることはないです。」

 

アラン「アッハイ。」

 

ステラが何やら怖いのでさっさと受け取っておく。

 

ブレイド「勇者様。今回の件。本当にありがとうございました。これから…貴方が困った時は我々エルフ一同。全力でお助けします。…私からは以上です。お疲れ様でした。」

 

アラン「はい…。」

 

 

〜騎士団基地 救護所〜

 

あれから、騎士団の救護所に来ていた。ここにアリシアがいるらしい。

 

アラン「失礼しま…」キィ…

 

アリシア「勇者様ー!!」バッ

 

アラン「デジャヴッ!!」

 

アリシアがタック…猛烈な勢いのハグをしてきた。や、やわらかかかかかか…。

 

アラン「アッアッアッ、ちょっ、アリシア、マズいって!当たってるから…。アッ!」

 

アリシア「良かったです…。」スリスリギュッ

 

うっああ…。ヤバい。本当にヤバい。イロイロ溜まってるのに…。

 

ステラ「……そこまでにしておきなさい。アリシア。」ゴゴゴ

 

アリシア「ッハ!す、すみません、はしたない事を…///」

 

アラン「はわわわわ…。」

 

危ない。ナニがとは言わないがタってしまうところだった。

 

アリシア「あ、それで勇者様…。その傷口を見せてもらいたいのです。……今回勇者様が攫われたのは私が呪いに気づけなかったから…。だから、勉強させて欲しいのです。次、繰り返さない為に。」

 

アラン「アッハイ。」ヌギヌギ

 

アリシア「ありがとうございます。失礼しますね。……ふむ、ポーションで塞がってはいますが…。油断はできませんね。特に勇者様が今回ダメージを受けたのは背中と心臓。後遺症が心配です。」

 

ステラ「ポーションも万能ではありません。外的要因で出来た傷は治せますが、精神的なものや一部の病原菌にも無力です。」

 

アラン「へえ…。」

 

 

〜数時間後〜

 

アリシア「……はい。もう大丈夫です。呪いの類も問題無いでしょう。……あまり自信はありませんが…。」

 

ステラ「……今回、アリシアの審判の目だけでなく、私の導きの力も騙された。…正直、不安です。呪いは邪神が最も多様する攻撃手段。それが、年々見破れなくなっている。いつどこで、呪いをかけられるか、かけられても見破れないまま放置してしまい、そして最後には今回の主様のような、取り返しのつかない事件の引き金となってしまう。」

 

アリシア「私も…もっと勉強しなくては…。いつか、全ての呪いを解除できるように。繰り返さないために。」

 

アラン「……何か、スキルに頼らずに見破れる方法も探してみるのも悪くないだろう。スキルは人の編み出した技術だ、人が扱う以上どうしても限界が存在する。」

 

ステラ「スキルに頼らない方法…。はい。そうですね。確かに、それは盲点でした。ありがとうございます。」

 

アラン「いや、この世界の戦闘ってぶっちゃけスキルだよりだと思ってたからさ。もしかしたら…スキルを無効化する奴とかも出てくるかもだし。」

 

アリシア「なるほど…。検討してみますね。」

 

アラン「ああ。……あ、もうこんな時間か。」

 

窓の外を見ると、もう夕日が沈んできている。

 

アリシア「あら…。少々熱中しすぎましたね。…名残惜しいですがこれで…。」

 

アラン「ああ、さっさと帰るとするよ。もう攫われるのはゴメンだ。」

 

ステラ「ぅぅぅ…。」カタカタ

 

アリシア「あ…。嫌…。」ブルブル

 

アラン「あ、すまん。流石に笑えんな。ほら、よしよし。」ナデナデ

 

アリシア「あ…。す、すみません。えへへ…//」

 

ステラ「主様…。私も…。」

 

アラン「お前は…。何処を撫でればいいんだ…?」

 

ステラ「刀身を…。」

 

アラン「よしよし。」ナデナデ

 

ステラ「ふぁぁぁ…。」ピカピカ

 

眩しい。刀身が輝いている。嬉しいと光るらしい。

 

アラン「……よし。そろそろ帰るぞ。」

 

アリシア「ぁ…。…はい。お疲れ様でした。」

 

アリシアが名残惜しそうな声をあげるが、ぐっと我慢して救護所を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜自室〜

 

ステラ「ふぅ…。これでようやく終わりましたね…。」

 

アラン「ああ…。大変だったな。…しばらくはエルフの里だな…。」

 

ステラ「そうですね…。今回はステータス不足も苦戦の要因でしたし、しばらくはステータス上げに専念しましょう。」

 

アラン「はぁ…。頑張るかぁ…。」

 

ココ「たっだいまー!」ガチャ

 

アラン「おお、おかえりー。」

 

ココ「ふぅ……。勇者様。明日大事な話があるから、第一部隊の詰所まで来て?」

 

アラン「?ああ。分かった。」

 

ココ「じゃ、ごはん作るね!」

 

アラン「ああ。頼むよ。」

 

そして、ごはんを食べてシャワーを浴びた。…今日は勘弁してもらった。おかげで処理できた。ナニがとは言わないが。

 

ココ「おやすみ…。」

 

アラン「おやすみぃ…。」





アラン

我らが主人公にして人を曇らせる天才。彼自身はただただ毎日楽しくやりたいだけだが、その為には自分の体を平気で犠牲にするので周りが結果的に曇る。心臓を潰されたり、火傷をしたり、片目しか無かったりするが、辛いのはこれから。


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