記憶喪失系勇者の旅路   作:一般通過社会人

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今後の事

 

〜自室〜

 

翌朝。支度を済ませる。今日は騎士団の第一部隊の詰所に行く。

ココは先に行った。自分も早く行こう。

 

 

〜第一部隊 詰所〜

 

アラン「アランです。」

 

ヴァネッサ「入ってくれ。」

 

ガチャ。扉を開けると…。

 

ココ「…。」

 

フリエ「おはようございますッス。」

 

アウル「やあ。」

 

ココ、フリエ、アウル隊長がいた。……このメンツだと、だいたい察しがつく。

 

アラン「おはようございます。で…話したい事とは…。」

 

ヴァネッサ「ああ、まずはウチのフリエがお世話になった。ありがとう。」

 

アラン「……?どちらかと言うとお世話になっていたのは俺なのでは…?」

 

フリエ「そんな事無いっす。勇者様がいたから…立て直せたっす。サラ達の事、そして…私の事。ありがとうございましたっす。」

 

アラン「ああ…。まあ、うん。そう言う事なら受け取っておくよ。良かった。」

 

ちょっと照れる。そういえば…。

 

アラン「ああ、そういえば改造されたダークエルフ達はどうなったんです?」

 

ヴァネッサ「三人組…ハチに聞いた所、あの改造は不可逆でもう戻せないそうだ。なので、家族や周りの友人達に事情を説明して、それから元の生活に戻った。…騎士団として、これからもサポートしていくつもりだ。」

 

アラン「元の生活に戻れたなら良かったです。それだけ心残りだったんで…本当は改造される前に助け出せたら良かったんですけど…。まあそこは仕方ないと言うことで。」

 

ヴァネッサ「傷は大丈夫か?ココからある程度は聞いているが、後遺症などは…。」

 

アラン「あれから戦闘してないんで何ともなんですけど…。まあ普通に生活するぶんには問題ないです。」

 

ヴァネッサ「良かった…。我々が無事で君だけ後遺症が残るなど…やりきれないからな。」

 

アラン「危なかったですけどね…。あ、話が逸れましたね。……アウル隊長からもあるんでしょ?」

 

アウル「すまないね。気を使わせて。……まずは、このエルフの里を救ってくれてありがとう。既にいろんな人から言われているだろうが…。君はエルフの盟友だ。困ったら何時でも言ってくれ。」

 

アラン「ありがとうございます。困ったらお言葉に甘えさせていただきます。それで、あの、やっぱりココの事ですか?」

 

アウル「ああ。……君へココを預けていたのは、護衛もあるがトラウマの克服が主だ。ココのトラウマが克服された以上…君の依頼はこれで完了となる。」

 

アラン「やっぱりですか…。まあ、依頼が完了した以上、もう俺と一緒にいる必要も無いですからね。」

 

アウル「そうだ。…正直、ココは君と離れたくないと言っている。」

 

ココ「これからも一緒に…居てほしいな。勇者様。だからさ…。」

 

ヴァネッサ「ああ、そこで君が良ければだが、その…君のパーティーメンバーとして、二人をもらってやってくれないだろうか?正式に冒険者ギルドの所属になる以上、騎士団からは退団と言う形になるが…。」

 

フリエ「よろしくお願いしますしますッス。私…これからも勇者様と一緒に、冒険したいッス。」

 

アラン「分かった…と言いたい所ですが。」

 

ココ「え…?何かあるの…?」

 

アウル「ん…まあ、まず一つ、一応確認したい事が。……フリエはともかく、ココは隊長候補でしたよね?そんな奴が退団して一人の男に付いていくって騎士団的にオッケーなんですか?戦力とか…。」

 

アウル「騎士団は少数精鋭。完全に埋めるにはまだまだ時間がかかるだろうけど、まあ、立て直し不可能じゃない。大丈夫だ。」

 

アラン「そうですか、まあ、それなら分かりました。……それじゃ2つ目。これがぶっちゃけ一番聞きたいことです。主に…二人に。」

 

ココ「……。」

 

フリエ「……?」

 

アラン「俺のパーティーメンバーになるって事は…この先サソリ達なんて鼻で笑えるような冗談みたいな強さの敵と戦うって訳で…二人とも実力は申し分ないからいいけど、俺は違う。ステラって言う最高の相棒と…比較的高めのステータスで誤魔化されてるだけで、魔力が無いから魔法も使えないし、スキルも貧弱の一言だ。」

 

ココ「……!」

 

フリエ「……。」

 

アラン「まあ…つまり聞きたいことは…。これから先。俺はたくさん死にかける。だから、そこらへんの覚悟はできてるのかって話だ。俺はたぶん、邪神を倒すまで、傷を増やし続ける。」

 

ココ「……まず、言いたい事があるよ。」

 

フリエ「ええ。言わなきゃッスね。」

 

アラン「……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ココ「……勇者様は、弱くないよ…!

 

 

 

 

 

 

 

アラン「……。」

 

フリエ「そうッスよ。」

 

アラン「何も俺も自分が最弱だとは思ってない。ただ、邪神を倒すには客観的に見て実力不足だと言ってるんだ。ステータスの才能を表す文字は未来永劫変わらない。そうだ…」

 

 

 

 

 

 

ココ「それが違うの!

 

 

 

 

 

アラン「……は?」

 

フリエ「ハァ…。」

 

ココ「ステータスだけあっても意味ないの!それで心が折れちゃえば…負けて全て奪われちゃうの!私もそうだった!」

 

アラン「……。」

 

言ってる事は分かる。ココはゴブリンに負けた。そして尊厳も誇りも全て奪われた。

 

アラン「だが、ステータスが必要なのは事実だ。ステータスはその人の生存率に直結する。ココ。…言いたかないが、お前もステータスがあったから生き残れたような物だ。俺も、命があるからここにいる。」

 

ココ「確かにそう。命が無きゃ、ステータスが無きゃやり直せない。でも、それを理由に傷つかない努力を怠るのはダメ。…ホントにどうしようも無くなった時、頼れるのは心だけなんだから。」

 

フリエ「勇者様。ココさんの言う通りッス。確かにステータスは大事ッスけど、それを傷ついていい理由にするのはダメっす。……あなたが傷つくのを許容する…そんな覚悟決めるぐらいだったら、今ここで勇者様を力ずくで止めます。」

 

アラン「……。」

 

ココ「勇者様は…ぶっちゃけ、弱いよ。スピードじゃ私に勝てないし、魔法で遠距離から一方的にやられたらフリエにも勝てない。でも、私が救われたのは勇者様が弱くても必死に抗ったから。それを忘れないで。」

 

フリエ「私も、確かに勇者様に頼られて自信を取り戻せたッス。けど…それだけじゃないッス。あなたが、サソリにやられそうになった時、もうダメだと思いました。心が折れました。でも、あなたが諦めてなかったから…抗えたんす。だから…。自分の弱さを傷つく理由にしないでほしいっす。むしろ、誇りに思ってほしいっす。俺は弱いからここまで抗えたって。」

 

アラン「……分かった。降参だ。そうだな。そうだった、俺は…弱いからここまでこれたんだな。じゃあ…俺の質問は…。」

 

ココ「…。」

 

フリエ「……。」

 

アラン「二人とも、勇者に…俺と一緒に戦う覚悟は…。あるか?」

 

ココ「……! うん。もちろん。」

 

フリエ「当たり前っす!」

 

ヴァネッサ「……。良いものだ。友とは。」

 

アウル「そう…ですね。これなら…世界は安泰だ。」

 

ヴァネッサ「…よし!飯だ!私が奢るぞ!勇者アランのパーティー結成記念だ!」

 

ココ「やった!」

 

フリエ「好きなだけ食べるッス!」

 

アラン「Foooooo!!」

 

アウル「やったー!」

 

ヴァネッサ「コラっ!アウル!お前は自分で払え!これはパーティー結成記念だ!」

 

アウル「そんなぁ…。」ショボン

 

ココ「アハハっ!」

 

ステラ「私…蚊帳の外でした…。神器なのに…。」

 

アラン「おーよしよし。ごめんなぁ。」ナデナデ

 

ステラ「っん…。もっとナデナデを要求します。」

 

アラン「へいへい。」ナデナデ

 

フリエ「あ、ちなみに勇者様。今日から私とサラも勇者様と一緒の部屋で暮らすっす。」

 

アラン「は!?え?聞いてないよ!?それに今の部屋だとかなり部屋狭くない?」

 

ココ「あ、大丈夫。里長様が新しい部屋用意するって。もっと広いやつ。二段ベッドも二つだって。」

 

アラン「死ぬっ!死んじゃうっ!俺の理性がっ!」 

 

フリエ「大丈夫ッス。我慢出来なかったらそれはそれでオイシイ展開ッス。」ニコッ

 

アラン「その笑顔で言うなぁ!」

 

ココ「勇者様。二人もオトしちゃったんだから、覚悟決めようね。」ニコッ

 

デデドン(絶望)!逃げ道は無いようだ。あれ…?

 

アラン「そういえばサラは?聞かなくても大丈夫?」

 

フリエ「私は既にマスターの物なので、覚悟は出来ているって。責任重大ッスね。」

 

アラン「重い…。胃もたれするぅ…。」

 

アウル「勇者君。男として責任は取るべきだよ。」

 

アラン「うわぁん!しょっちゅう他のエルフナンパしてそうなアウル隊長に言われました!もう終わりです!」

 

アウル「な!失礼な!最近は自分の部隊の娘達にしかしてないよ!」

 

ヴァネッサ「ほう…。最近は。か…。以前ウチの第一部隊にも手を出していたと報告が入っているが…。」

 

アウル「あっ…。」

 

ヴァネッサ「……食事が終わったら指導だ。」

 

アウル「そんなぁ…。」

 

哀れアウル隊長。だが余計な事を言ったのが悪い。

 

ヴァネッサ「…よし。行くか!」

 

ココ「ごちそうさまでーす!」

 

フリエ「やったッス!」

 

アラン「やったぜ。」

 

その後、皆で食事を済ませた。凄く楽しかった。…これからも、こんな事が出来ると良いな。そう思えた。

 

 





エルフの里編はこれで終わりです。ありがとうございました。
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