平和だなぁ…?
〜東門 ダンジョン〜
あれから、装備屋によってとりあえずの火耐性の強い防具を買った。使っている素材が安いからか、あまり高くは無かった。
ココ「勇者様…。そんな装備で大丈夫?所持金的にまだ余裕があるんだから、もうちょっと良いの買っても…。」
アラン「大丈夫だ。問題ない。いやちょっと欲しいスキルがあってな。火耐性が強すぎるとできないから、あえて低めの物を買ったんだ。」
ステラ「…正直言って私もあまりして欲しくは無いのですが、今後必要になってくるスキルでもあります。やむを得ないでしょう。」
フリエ「?勇者様。その大量の魔石って…?」
アラン「保険だ。」
サラ「……私は認めた訳では無いですよ。」
アラン「ああ…。後で説教は受けるよ。それより、調査を始めよう。」
紅いレンガで出来た入り口の扉を開けると、暗いダンジョンの廊下が顔を覗かせた。
〜ダンジョンの中〜
今回のダンジョンは迷路の様になっていた。
フリエ「マッピングが大変ッスね…。」
ココ「だね…。」
アラン「出てくる魔物もゴブリン以外は火山地帯って感じだな。」
出てくる魔物はゴブリン、ファイアウルフ(フォレストウルフの亜種。毛皮の耐火性が高い)ぐらいで、特に変わった所は無い。
ココ「あんまり強い魔物が出てきても困るから…。これくらいが続いてくれれば良いんだけ…っ!?」
その時。先頭を歩いていたココの近くから、赤く赤熱化した塊が飛び出してきた。
フリエ「こいつは…。マグマスライムッスね。」
マグマスライム。エメラルド大森林にいたスライムの亜種で、スライム状の液体が水ではなく、マグマで出来ている。当然、マグマで出来ているので、タックルや体を分裂させて飛ばす攻撃の危険度が高くなっている。キングは…。言わずもがなだ。
サラ「私が…。」
アラン「待てサラ。できれば冷やさずに仕留めたい。」
サラ「…マスター。もうやるのですか?もう少し後でも…。」
アラン「早めの方が良い。まずは…。やるか。」ダァン
スライム「キイッ!」
スライムがタックルを仕掛けてくる。が、直線的すぎる。躱して片手剣のステラを一閃。
スライム「キィァ…。」シュウ
スライムはコアを切られ、魔石とスライム状のマグマを落とした。
アラン「よし…。」
危険度が高いと言っても、それは攻撃が当たった時の話。レベルが50あれば、普通に倒せる。
ココ「?勇者様。何を…?」
アラン「あとは…。……フッ!」ガシィ
防具の手袋を外す。そして…。スライム状のマグマを思いきり掴んだ!
アラン「グッ…。ァァア…。」ジュウ…
肉の焼ける音がする。焦げ臭い。熱い、熱い熱い熱い痛い!
ココ「ぇ…。ぁ…?ゆ、勇者様何してるの!?やめて!」
フリエ「は…?ちょっ…。何してるッスか!早くポーションを…。うっ…。」
熱い。痛い。熱い。熱い…。
アラン「サラ…。」
サラ「…はい。」ジャバッ
サラに水魔法で冷やしてもらう。……ふう。落ち着いた。
フリエ「ッ!」キュポン
フリエが手にポーションをかけてくれる。…焼けて真っ黒になっていた所が再生した。
フリエ「何してるッスか!勇者様大丈夫ッスか!?」
ココ「勇者様…。何でこんな事…。うぅ…。」グスッ
アラン「火耐性のスキルを手に入れる為にな…。やむを得ず…。」
フリエ「だからってこんなやり方ダメッスよ!もっと道中で地道に…。」
ステラ「いいえ。それでは間に合いません。」
ココ「ステラ!?」
フリエ「は…?…何がッスか?こんなやり方、いつか限界が来るっす。サラの魔力だって無限じゃない。」
ステラ「ヴァルカン火山の推奨レベル…忘れた訳では無いでしょう?主様の現状のレベルと比べて、10も離れています。そう。10です。たった10だと思うかもしれませんが、その差は大きい。特に此処のような、威力が高い火魔法を使うモンスターが多い所は耐久面が大事です。今無理しないと…取り返しのつかない事になりかねません。」
フリエ「……。確かに、そうかもしれないッスけど…!じゃあ!サラの気持ちはどうなるッスか!いつもこんな事させられて…。」
サラ「…私は。後々の事を考えて、今私が無理する事でマスターを助けられるなら…。…許容する。」
ココ「…分かった。いや、分かりたくないけど…。分かったよ。私も勇者様が焼け死ぬのは見たくない。」
フリエ「……ッ。分かったっ…ス…。でも、次はちゃんと言ってくれると…嬉しいッス。」
アラン「ごめん。ありがとう。次はちゃんと言うよ。」
ステラ「すみませんでした。」
〜90分後〜
あれから、魔物を倒しながら前に進んだ。マグマスライムを利用した火耐性スキルの獲得も同時並行だ。そして遂に…。
ステラ「……!やりました。主様。火耐性スキルです。」
アラン Lv.51
力 2050 S
耐久 1530 A
魔力 無し E
敏捷 2230 A
スキル 剣技(中級) 射撃(達人) ???? パルクール 最後の砦 火耐性
武器 導きの剣 ステラ 神器
アラン「お、長いようで短かったな。」
ココ「やった…!これで安心だね!」
フリエ「良かったッス…。正直言ってもう見てられなかったッスから…。」グスッ
サラ「……。」ガシィ
アラン「っと…。ごめんな。サラ。」ナデナデ
サラ「……良かった。」ニコッ
アラン「フグッ!?あ、え?サラ…今…。」
サラ「……。」スンッ
アラン「見たか皆!?今、サラが笑って…。」
ココ「……?」クビカシゲ
フリエ「え?」
アラン「も〜!見てなかったのか〜!?」
フリエ「え!?サラ笑ったんすか!?もう一回…。」
サラ「……。」スンッ
フリエ「あ〜!?見逃したッス!」ガクッ
サラ「……提案。そろそろ進むべき。」
フリエ「そんな事言わずもう一回だけ!」ガシィ
サラ「しつこい。マスター。出発。」スタスタ
アラン「……くそっ。脳内フォルダに焼き付けれなかった。」トボトボ
フリエ「サラ〜!」ズルズル
ココ「待ってよ〜!」トテトテ
ステラ「あの、もう少し緊張感を…。」
こうして火耐性を獲得した俺はさらに奥へ進んだ。