記憶喪失系勇者の旅路   作:一般通過社会人

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奈落

 

〜ダンジョンの中〜

 

あれから2時間ほど経った。と言っても特に変わった事はない。迷路の様になっているのでマッピングが死ぬ程面倒だが、出てくる魔物もだんだんマグマスライムが多めになって来たぐらいだ。

 

フリエ「……順調ッスね〜。これなら何も無く終われそうッス。」

 

ココ「コラッ!そう言う事言ってると、強い魔物が出てきたり、トラップがたくさんあったりするんだから!」

 

アラン「そうだぞフリエ。異世界に来て早々にゴブリンの群れに突撃して片目がダメになり、その後事件の首謀者と対決して全身に大やけどと心臓に穴を開けるハメになった俺が居るんだぞ?油断してたら足元掬われるぞ?」

 

ココ「…勇者様。それ笑えない。」

 

フリエ「アウトっす。」

 

ステラ「ぁ…。あ…。すみませ…ん。」カタカタ

 

アラン「サーセン。」ドゲザ

 

サラ「埋めますよ。」

 

アラン「勘弁を…。」

 

 

 

……その後、しばらく進むと、赤い扉があった。

 

アラン「ボス…ですかねぇ…。」

 

フリエ「いかにもッスね…。どうします?進みます?」

 

ココ「進んで大丈夫かなぁ…?」

 

サラ「中の魔物にもよる。」

 

そう。中の魔物にもよる。結局この一言に尽きる。今まで出てきた魔物の群れだったら良いのだが、たまにとんでもない大型の魔物が出てくる事があるらしい。

 

アラン「まあ…。火耐性あるし大丈夫やろ…。」

 

ステラ「……火耐性も万能ではありません。ましてや此処はヴァルカン火山…耐性を貫通してくる火力の魔物も普通にいます。」

 

アラン「うぇぇぇぇ…。火だるまヤダよぉ…。」

 

フリエ「……。引き返した方が良いッスね。ポーションも少ないですし。」

 

ココ「そうだね…。じゃ、戻ろ…!? 皆!逃げ…!」

 

ドォン!!

 

アラン「ッ!?」

 

その時、突然、天井から壁が降りてきた。ココ達と分断され、どうやら閉じ込められたようだ。

 

フリエ「ちょ…!?これじゃあ…。勇者様!大丈夫ッスか!?」ドンドン

 

サラ「……トラップの類は無かった。何故…?」

 

ココ「ッ!早く壁壊さないと…。ちょっと待っててね勇者様!やるよサラ!」ガァン

 

サラ「了解ッ!」ドォン

 

アラン「ああ。頼ん…!?」

 

その時、床が開いた。いや、ギャグみたいだが、笑い事では無い。普通に落下死しかねない高さだ。底が見えない。

 

アラン「嘘でしょおおおぉぉぉぉぉ…!」

 

こうして、俺はココ達と完全に分断された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜ココ視点〜

 

ココ「勇者様!?大丈夫!?勇者様!?返事して!」

 

勇者様の悲鳴が聞こえた。嫌な予感がする。

 

ココ「っく!サラ!魔法使って!いや…ストレージの中の道具も!」

 

サラ「了解ッ!」ドカカカァン!!

 

サラがストレージの中から爆発する魔石を取り出して投げた。私とサラの攻撃で壁もヒビが入っていたので、そのままヒビが枝分かれして壁が崩れた。

 

ココ「勇者様!!って…え?

 

フリエ「そんな…。」ペタン

 

サラ「マ、マス、ター?」ブルブル

 

私達が壁の向こうを見ると…底が見えない奈落が広がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜アラン視点〜

 

腰が痛い。気を失っていたようだ。ここは…?

 

ステラ「主様!主様…。良かった。目が覚めた様ですね。」

 

アラン「…ステラ。ここ何処だ?落ちたとこまでは覚えてるが…。」

 

ステラ「分かりません。どうやら地下奥深くであると言う事しか…。導きの力も地上まで届きません。」

 

アラン「落ちた地点から移動したか?落下してから何分経った?」

 

ステラ「最初は地下水の流れに落ちました。それから三十分ほど流され…今に到ります。」

 

アラン「現在地、現在時刻共に詳しくは分からない。味方との連絡手段も無い…と。うーん今回も火だるまか…?」

 

ステラ「な…。バカ言わないで下さい!

 

アラン「すまん。何か喋って無いとおかしくなりそうでな。しかし…サソリ達のダンジョンよりも状況は悪い…いや、ギリギリプラマイゼロか?」

 

ステラ「しかし、今回は私が居ます。」

 

アラン「だな。それが唯一にしてデカすぎるプラスだ。」

 

ステラ「それほどでも…///」

 

アラン「いや冗談抜きでだ。サソリ達…特にハチの時にステラがいれば楽だった。」

 

ステラ「ああ…確か地形を生かした高速攻撃でしたか…。確かにグラップルワイヤーがあれば楽でしたね。」

 

アラン「っと…。おしゃべりはここまでにしたほうが良さそうだな…。」

 

ステラ「…なるほど。リザードマンですか。Cランクですね。」

 

リザードマン「シャァ…。」

 

リザードマン。蜥蜴人間。鱗は熱に強いが水には弱い。火山などの乾燥地帯に多く沸く魔物だ。

 

リザードマン「ギシャア!」

 

鋭い爪で襲いかかってきた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜ココ視点〜

 

どうしよう。どうしよう。勇者様が。何処に?何処に?

 

ココ「っ!」バッ

 

フリエ「!?バカな事は止めるっすよ!」ガシィ

 

ココ「離して!この下に…この下に居るはずなの!!」

 

フリエ「今行ったら二の舞ッス!とりあえず音飛ばしでギルドに救難信号ッス!ほら!深呼吸!」

 

ココ「スーッ…。ハァーッ。………ごめん。パニック起こしてた…。」

 

フリエ「…良いッス。正直私も…いっぱいいっぱいッスから…。」

 

ココ「サラは…。」

 

サラ「マ、マスター…。ご指示を…。マスター。」ガクガク

 

フリエ「サラ!しっかり!!」ユサユサ

 

サラ「……!ぁ、す、すみません。」ハーッハーッ

 

息が荒い。何処からどう見ても大丈夫では無さそうだ。

 

ココ「…フリエ。サラを見てて、私が音飛ばしの電波が届く所までダッシュで行って、救難信号送るから。」

 

フリエ「了解ッス…。ほら、サラ。こっちッス。」サスサス

 

サラ「あ…。フリエ…。」ギュッ

 

 

 

 

 

 

 

 





さあってと!面白くなってきやがった!(ケイン・ゲジダス)
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