〜ダンジョン 奈落の底〜
リザードマン「ギシャア!」ブン
アラン「おっと。」ヒュン
リザードマン「シャッ!」ビュン
アラン「速っ。」ヒュン
リザードマンと言う魔物は素早い。身軽な体を生かしての近接攻撃が得意だ。しかし…。
アラン「…そこ。」ズバァン
リザードマン「ギッ!?シャアァ…。」
やはりステータスの差はどうしようもない様だ。
アラン「終わりだ。」ドスッ
リザードマン「ガッ…。」
倒れたリザードマンの上に跨り、剣を突き刺した。魔石になった。
アラン「ふぅ…。」
ステラ「お疲れ様です。」
アラン「さて…。これからどうしようか…。流されてる以上助け待っても望み薄何だよな…。」
ステラ「…先に行きましょう。そもそもここがダンジョンなのかすら分からない状態です。まずは情報収集を…。」
アラン「だな。導きの力はとって置いた方が良い。」
ステラ「そうですね。」
〜ココ視点〜
急いでポイントまで向かう。勇者様の居場所どころか安否すら分からない以上、一刻も早く助けが居る。
ココ「勇者様…。」ダダダッ
スライム「キィッ!」ビュン
ココ「邪魔!」ズバァン
スライム「キィァ…。」
道中で出てくる魔物達は速攻で切り捨てる。弱い魔物しか出てこないのが不幸中の幸いだろう。
ココ「待っててね…!」
必ず、必ず助ける。今度は間に合う様に。そのための脚だ。
〜アラン視点〜
かなり歩いた。2時間ほどだろうか。相変わらず地熱の影響でリザードマンには時々絡まれるし、何やらちょっと魔石が黒いマグマスライムも出てくる。逆に、ゴブリンやファイアウルフなどは見なくなった。
アラン「はぁ…。無事に帰れるかな…。」
ステラ「何を言っているのです!帰れるかではなく帰るのですよ!」
アラン「だってさぁ…。黒い魔石の魔物ってだいたい邪神絡みじゃん…。嫌な予感しかしないよ…。」
クモが裁きの天秤に引き渡される前、最後に面会したのだが、邪神に力を貰った奴が召喚した魔物の魔石は何故か黒くなってしまうらしい。つまりは…そう言う事だ。
アラン「クモ達は良い奴だったから良いけどさぁ…。話通じない系の奴出てきたら本格的に詰むんだよな…。」
ステラ「やはり…。ステータスが足りなすぎますか…。」
たかが10、されど10。現在はちょっと上がって53なので7の差だ。しかし、推奨レベルはあくまで最低値。そう、最低値なのだ。当然、60くらいの強さを軽く超えて来る奴が居る。
アラン「図鑑で見たが…、ワイバーンとかボルケイノタートルとか出てきたらヤバイな…。一応保険の魔石で弱点は突けるけど…。」
ワイバーン。皆様が思い浮かべるワイバーンで良い。だいたいあっている。属性は、火、氷、風、土…。いや、土は便宜上ワイバーンなだけで翼も生えてない別物なので除外しよう。とにかくワイバーンである。火だったら最悪だ。空飛ばれてファイアボールで爆撃されたらワイヤーぐらいしか打てる手が無い。土で何とか倒せるかである。
ステラ「私としてはボルケイノタートルの方が脅威に思えます。あの火山の様な甲羅から繰り出される火山岩と溶岩の嵐…。あっという間に追い詰められるでしょう。」
アラン「うっああ…。どぼじでごんなごどずるのぉ…。」
ステラ「すみません…。」
アラン「……まあ、何とかなるだろ。ならなかったらごめんなさいだ。うん。」
ステラ「ごめんなさいにはさせません。私が、絶対に。」
アラン「相棒がこんなに優秀なのに俺ときたら…。…行くか。」
ステラ「行きましょう。」
〜フリエ視点〜
勇者様が消えた。その事実が重く心にのしかかった。
フリエ「どこいったッスか…。姿見せて下さいッス…。」
サラ「……。」カタカタ
サラも黙ってしまった。サラは感情が表に出にくい為、普段と見分けがつかないかも知れないが…ちゃんと身体が震えている。
サラ「フリエ…。私が…私のせいで…私がトラップを発見出来ていれば…。」カタカタ
フリエ「違うッス。それ言ったら皆悪いッス。レベル足りてないのに行く判断した勇者様も…。先頭でずっと突出してて後ろが見えてなかったココさんも…。ただ見てる事しかできなかった私も…。サラだけのせいじゃないッス。」
サラ「ありがとう…ございます…。」カタカタ
知らなかった。主が居ないサラがこんなに脆いとは。改造前から人懐っこい…ココさんとはまた違うものがあると思っていたが…。
フリエ「やっぱり貴方が居ないと…。早く…。」
早く顔見せて下さいッス…。
〜アラン視点〜
アラン「うぉぉぉぉ!あちい!」バタバタ
ステラ「走ってはダメです主様!空気が送られてさらに燃えてます!」
アラン「マジで!?」キキッ!
ステラ「うわぁ!?急に止まるなぁ!びっくりしました…。って、早く消火を…!」
アラン「あ、忘れてた。」ゴロゴロ
地面に転がって火を消す。火耐性のお陰で火傷はしなかったが、まさか床から火が噴き出すとは…。
ステラ「ああ…。主様。防具がもう…。」
アラン「え…?うわ、背中が…。」サスサス
背中が妙にスースーすると思ったら、炎の温度に耐え切れず燃えてしまったらしい。穴が空いていた。
アラン「やべえよやべえよ…。次同じの喰らったら全裸だよ…。」
ステラ「主様の全裸…。」
アラン「おいバカ妄想するなこの野郎。」
ステラが変態になりかけてたので引き戻し、とりあえずさっきの場所まで戻る。
ステラ「どうやら一度きりのトラップのようですね。」
アラン「ああ。…ん?扉があるな。」
どうやらこの扉を守ってたらしい。ボス部屋でも無さそうなので開ける。
アラン「奥に宝箱があるな。ステラ、トラップ無いか調べられない?」
ステラ「お任せを…。」ブワッ
一応周囲を警戒するが、特に怪しい所は無い。
ステラ「…ありません。そのまま開けて大丈夫です。」
アラン「よし、じゃあ…。ご開帳っと。」ガチャ
中には…立派な胴鎧が入っていた。かなり刺々しい所を除けば特に変わった所は無い。
ステラ「これは…。鎧…いえ、魔道具の一種の様です。魔力を消費して結界を張れます。あと、火耐性がかなり高いです。少なくとも、この火山でこの鎧の火耐性を貫通してくる魔物は居ないでしょう。」
アラン「でもこれ…胴しか無いぞ?足とか腕とか守れないんだが…?」
ステラ「まあそこは…。力量でカバーするか他の防具で何とかしましょう。とりあえず今は、この鎧を着て探索を再開しましょう。」
ステラの言う通り、穴の空いた革鎧を脱いで宝箱から出た鎧に着替える。
アラン「流石に革鎧と比べると重いが…動けない訳でもない。良い鎧だ。」