記憶喪失系勇者の旅路   作:一般通過社会人

55 / 96
チームスピードクロウ

 

アラン「ぅぁ…。」

 

目が覚める。ここは…。

 

ステラ「ここは、ギルドの医務室のベッドの上です。おはようございます。主様。」

 

アラン「ぁ……。」

 

喉が痛い。掠れた声しか出ない。頭がボーッとする。どうやら長い間眠って居たようだ。

 

ステラ「誰か人を呼びましょうか…。誰か!勇者様が起きました!」

 

 

ドタドタドタ…バタン!!

 

 

ココ「勇者様っ!……ぁ。ああぁ…。良かった…よがっだぁ…。」グスッ

 

フリエ「あぁぁ…。」ペタン

 

サラ「………ぅぁ。」グスッ

 

3人が駆け込んできた。どうやら無事だったらしい。

 

アラン「ぅ…ぐ…。」グイッ

 

身体を起こそうとする。が…。

 

ココ「ダメっ!」ビュンガシッ

 

フリエ「何やってるッスか!腕と足がダメになったのに無理やり身体を起こしちゃダメッス!」

 

サラ「マスターぁ…。」グスッ

 

ステラ「…彼、喉が乾き過ぎて声が出せない様なので…水をお願いします。」

 

ココ「あっ!ご、ゴメンね気が利かなくて!」

 

フリエ「ほらっ。水ッスよ…。」

 

フリエがストロー付きのタンブラーから水を飲ませてくれる。………ふぅ。

 

アラン「ぅあ…。あー。あーあー。…よし。あー何とか…生き残ったか…。今度こそ終わったかと思った…。」

 

ステラ「今回はかなり危なかったですからね…最後の砦の弱点も分かりましたし。」

 

そう。弱点…あくまで力を与えるだけだから、それを扱う身体が万全じゃないと役に立たない。つまり、足の骨折などの重大な…移動にすら支障をきたすような大怪我を負ったらどうしようも無いと言う事だ。

 

アラン「やっぱり防具は大事だね…。」ウンウン

 

ココ「……もうッ!反省会は後だよ!今は生き残ったんだから…。ちゃんと喜ばないと!」

 

フリエ「ちょっと真面目すぎるッスよ…。」

 

サラ「マスターぁぁ…!よがっだぁ…。」ボロボロ

 

アラン「おーよしよし。ゴメンなぁ…心配かけて…。俺がドジかましたばっかりに…。」

 

サラ「ぅぁあ…。ごめんなざぃ…ごめんなざぃ…私が…私がトラップを発見できてれば…。」グスグス

 

アラン「あれは…そもそも発見できるトラップだったのか?できたとしてもまぁ…結局無事だったから良いでしょ。」

 

サラ「…グスッ。分かりません…探知スキルには全く引っ掛からなくて…。目視でも違和感は無かったです…。」

 

アラン「どちらにしろサラに見破れないんじゃこのパーティーの誰も無理だし…。」

 

バタン。

 

アラン「あ、先輩。」

 

シル「……先輩は止めて。何か…むず痒い。」

 

アラン「えぇ…じゃぁ…シル…さん?」

 

シル「…まあ良い。…あのトラップの事だけど、魔法で偽装してある。だから通常の探知系のスキルや魔法じゃ分からない。目視なんてもってのほか。」

 

サラ「…魔法?魔法で偽装してあるなら魔力で…。」

 

シル「普通の魔法ならね。でも、闇魔法が土魔法に混じってる。」

 

ステラ「闇魔法は普通の魔法ではありません。魔法を打ち消す魔法…今回の偽装も、土魔法で見た目を偽装した上で闇魔法で魔力反応を消すものでしょう。……まあ、制御を誤れば土魔法の偽装ごと打ち消してしまうので、高度な技術であるのは間違いありません。」

 

アラン「それをあの触手が…。まさかダンジョンコアに寄生しているとは…。」

 

シル「私が最初に遭遇した奴とは、防御力は薄かったけどスピードが段違いに速かった。魔法は戦闘中は身体強化以外は使用して無かったと思うけど…。あの空間がアイツを倒したら消えた以上

高度な魔法を使える奴だったのは間違いない。」

 

 

キィ…バタン。

 

 

フェール「入るよ。」

 

アラン「あ、ギルドマスター。」

 

フェール「…ふむ。勇者君が起きたと聞いて飛んできたんだが…。私が最後か。」

 

ココ「ギルドマスター。今まで何処に…?」

 

フェール「いやなに、アラン君が落ちた穴とシルが落ちた穴…似ていると思ってね。ダンジョンコアの触手…シルがサンプルを取ってきてくれたから、解析にまわしたんだ。まあ、シルはソロだったからそのまま落ちただけなんだが…。とにかく、無事で良かった。ポーションは効いてるから脚と腕はもう治ってるだろうが…。それでも、医者からは1週間は絶対安静だそうだよ。」

 

アラン「うぇ…またか…。はあ…。また身体がダルくなるな…。」

 

ココ「大丈夫だよ!一緒に頑張ろ!」

 

フリエ「そうッス!今度は…今度は一緒に強く成りましょうね!」

 

サラ「マスター。もう…もう、置いて行きませんから。」ギュッ

 

アラン「みんな…ありがとう。」

 

フェール「うんうん。仲が良いのは何よりだ。」

 

アラン「もともと皆仲良しですよ。毎日、強くて仲良しで楽しくて…自慢のパーティーです。」

 

ココ「……ッ!うっ…ふっ…くっ……ぁ。」グスッ

 

フリエ「ズルいっす…。」グスグス

 

サラ「っ……マスターぁ。」グスッ

 

アラン「えぇ…そこ泣くところか…?…まぁいっか。よしよし。」ナデナデ

 

ココ「勇者様ぁ…。大好きぃ…。」グスグス

 

フリエ「………ぅぁ。」ギュッ

 

サラ「マスターぁ…ふぁぁ…。」ナデラレ

 

シル「……素敵なパーティーだね。」

 

アラン「そうでしょ!これなら邪神も怖くないですよ!」ニコッ

 

シル「……っぁ。…うん。そうだね。これなら…きっと邪神も…いや、世界も救えるよ。」ニコッ

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。