記憶喪失系勇者の旅路   作:一般通過社会人

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やったね勇者君!家族が増えるよ!


従魔

 

〜ドラゴンの体内〜

 

魔物「GAAAAAAAAAAAA!!」

 

アラン「うおっ!?」シュン

 

スライム?いや、正体不明なので魔物で良いか。魔物は触手を伸ばして攻撃してきた。だが…。

 

アラン「遅い…。よっ!」ズバァン

 

遅い。ダンジョンで遭遇した個体と比べると…正直遅い。触手もあっさり斬れた。

 

アラン「成長中…なのか…?…そこっ!」ズバァン

 

魔物「GAAッ!」バチバチ

 

オマケに触手の数も全然少ないし、魔法を使うような素振りも見せない。ダンジョンの個体と比べるとどうしても弱いと言わざるを得ない。

 

魔物「GAA…。」シュウ

 

アラン「長引かせる意味も無いか…さっさと終わらせよう。」

 

魔物「GAAaaAaAAaAAAA!!」ビュン!

 

アラン「うおっ!?」

 

本気になったのかダンジョンの個体と遜色無いスピードの触手が飛んでくる。だが…。

 

アラン「数が少ない。」ズバババァン

 

魔物「GAA!?」バチバチ

 

あの時は片腕が使えなかった上に消耗していたから対処できなかった。だが、触手の数が少ない上にこちらはほぼ万全の状態。捌けない攻撃じゃない。

 

アラン「終わりっ!」ズバァン

 

魔物「GAA…。」バチバチポトッ

 

最期は魔力が暴走して体力が尽きたのかそのまま剥がれ落ちて魔石になった。

 

アラン「うわぁ…。この魔石…。」

 

真っ黒だ。ブラックコーヒーよりも酷い。正直言ってあまり触りたくない。急いでポケットに突っ込んだ。

 

ドラゴン「グオォォォ…。」

 

アラン「おっと…。」グラッ

 

ドラゴンが動き出したようだ。排泄されるのは勘弁なので急いで戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜ドラゴンの外〜

 

ドラゴンの口から体外に出た。そして俺はいつの間にか…目覚めたステラと、ココ達によって崖の下に追い詰められていた。

 

アラン「いやぁ〜はい。戻ってきた!って事でね。邪神関連の魔物と遭遇した割には大した怪我もせずに帰ってこれた訳ですけどもね。えーっと…。その…。皆さん…?」

 

ココ「………。」ゴゴゴ

 

サラ「…………。」ゴゴゴ

 

フリエ「…………。」ゴゴゴ

 

ステラ「……………。」ゴゴゴ

 

アラン「えーっと…。まずは…そのオーラを抑えてくれると…嬉しいかなって…。」

 

 

 

 

 

 

 

ココ、サラ、フリエ、ステラ「「「「は?」」」」

 

 

 

 

 

 

 

アラン「ヒイッ!じ、冗談ですございますぅっ!」ガクガク

 

フリエ「冗談にしてはタチが悪いッスよぉ…。勇者様ぁ…?」ハイライトオフ

 

ココ「勇者様?私達の制止をほとんど聞かずにドラゴンの体内に入って、そして変な魔物と交戦して帰ってきた…これ、どう説明してくれるの?」ニッコリ

 

アラン「いや、違うんすよ、ココさん。私はね?苦しんでる人を見逃す事ができない性格と立場な訳でして…。」

 

ココ「その性格は立派だけど、それで死んじゃったらどうするの?それに…立場の方はあくまでも命を最優先にするようにってステラに言われてたよね?」ハイライトオフ

 

アラン「アレー?そうでしたっけ…ヒイッ!」ズドォン

 

ステラ「聞こえなかったので…もう一回お願いします。

 

ステラが壁ドン(ハンマーに変形して)をしてきた。横の壁が崩れた。

 

ステラ「主様。正座。」

 

アラン「ゑ?でも、下砂利なんですが…。」

 

ココ「正座。」ギロッ

 

アラン「ハイッ!!」サッ

 

ステラ「一回説教が必要なようですね。流石に今回は見逃せません。」

 

ココ「おしおきも…だね。」ニコッ

 

アラン「お手柔らかに…ヒィッ!!」ドォン

 

サラ「ん?何か…言いましたか?」

 

アラン「ヴェッマリモ!」ケンジャキ

 

フリエ「ギルドマスターにも報告ッスね。」

 

アラン「もうダメだぁ…おしまいだぁ…。」

 

フリエ「たっぷり絞られるッスよ。それで…。」

 

ココ「このドラゴン…どうしようか…。」

 

ドラゴン「ガァ?」クビカシゲ

 

すっかり忘れてたが、ドラゴンはまだそこに居る。完全に警戒を解いたようで、リラックスしている。

 

サラ「従魔にする…にしてもマスターは魔力が無いので契約魔法が使えません。契約魔法は使える術師さえいればたとえ魔力が無くても契約できますが…。」

 

フリエ「その契約魔法が使える術師も居ないッスね。」

 

アラン「えぇ…。じゃあ、ここでお別れか。」

 

ドラゴン「ガアッ!!」ドスンドスン

 

ドラゴンが抗議の足踏みをしている。このまま別れようとしても多分無理やりにでもついて来るだろう。

 

アラン「おあっ!わ、分かった。落ち着け。何とかするから…。」

 

ドラゴン「グアッ。」

 

足踏みをやめた。結構図々しい奴だ。

 

ココ「……しょうがないね。ギルドマスターに音飛ばしで通信して相談しよう。ちょっと待っててね。」ガサゴソ

 

 

〜90分後〜

 

 

フェール「やあ。ギルドマスターのフェールだよ。事情はだいたい聞いたよ。僕は契約魔法を使えるから、直接来たよ。ああ……勇者君?かなり無茶をしたようだね。…後で説教だ。奥まで来い。逃げるなよ?」ギロッ

 

アラン「ワァ…ァ…。」泣

 

フェール「返事。」ゴゴゴ

 

アラン「ハイッ!」ピシッ

 

フェール「よろしい。それじゃ、手早く済ませちゃおう。……ドラゴンとは、また凄い女を誑かしたね。勇者君。」

 

アラン「ゑ?このドラゴン…メスですか…?」

 

フェール「うん。」

 

アラン「四股のクズ野郎だ…うわぁぁぁぁぁあ!」号泣

 

フリエ「自業自得ッスね。」ムジヒ

 

ココ「擁護なんてしないよ。」ムジヒ

 

サラ「浮気野郎に相応しいエンディングを見せたい所ですが…我慢します。」ハイパームジヒ

 

フェール「それじゃあ…行くよ。ドラゴンちゃんも良いかな?」

 

ドラゴン「ガウッ!」

 

フェール「よし。……ハァ。」

 

フェール『誓いをここに。我が傷は汝の傷。汝の傷は我が傷。我が命は汝の命。汝の命は我が命。大天使よ、この契約を結ぶ者達に運命の祝福を…。テイム。』

 

詠唱が終わった瞬間、自分の右腕とドラゴンの翼にハートに金と銀のツタが絡みついたような模様が刻まれた。ギルドマスターの腕にも刻まれているやつだ。どうやらギルドマスターはソッチの道の人では無かったらしい。

 

フェール「ふぅ…。これでヨシ。それで、ドラゴンちゃんの名前はどうするんだい?従魔として従わせたいならギルドで登録が必要で、名前は無いと登録できないよ。」

 

アラン「名前…名前…うーん…。青いから…スカイだな!」

 

ココ「ちょっと安直じゃない?もうちょっと捻ってよ…。」

 

フリエ「そうッスね。さすがに雑過ぎッス。もっとよく考えるッス。」

 

アラン「えぇ…。じゃあ…イオ?」

 

ドラゴン「ガウッ!!」

 

アラン「お?気に入ったみたいだな…。じゃあ…イオで。」

 

フリエ「何でイオなんスか?」

 

アラン「宝石からとった。鱗も目も似た色だしオッケーでしょ。」

 

ココ「イオ…あ、アイオライトからだね!確かに似てるかも!」

 

アラン「でしょ?じゃ、イオ。これからよろしく。」

 

イオ「ガウッ!ガ…ヴ?」カッ

 

その時。突然イオが光りだした。凄い光だ。

 

フリエ「ちょっ…眩し…。」

 

アラン「目が…目がぁぁぁぁ!」

 

ココ「サングラス持っておいて良かった。」スチャッ

 

サラ「ズルいです…。」

 

だんだん光は弱まって行く。そして…。

 

アラン「おーい。イオ?大丈夫…ヴェッ。」

 

フリエ「どうしたッスか…へ?」

 

ココ「え?何…え?」

 

サラ「ハァ…マスター…。」

 

 

先程までイオが居た所には……目を焦がすほどの美しさの銀髪に、身体の所々に青い鱗を付けた……裸の少女が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 




〜捕捉説明〜

テイム

対象にした魔物と人間の魂を結びつけて身体の状態を連動させ、お互いに傷つけられないようにする魔法……と、言えば聞こえは良いが、あくまでも傷つけられないようにするだけなので、従ってくれるかどうかはその人の器次第。オマケに消費魔力も決して無視できない量を消費し、詠唱も地味に長いので、ゲームだったら完全に産廃性能である。



















……ちなみに、闇魔法と組み合わせれば、強制的に相手を従わせる魔法を生み出せる。
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