〜ダンジョン 下層〜
フリエ達と合流して進み、しばらく経った。
アラン「うおっ!?」ゴオッ
歩いていると、突然石レンガの隙間から黒い炎が噴き出してきた!
ステラ「主様!?」
イオ「あるじっ!」
アラン「あっぶね。何だこのトラップ?黒い…炎?」
ステラ「これは…火魔法の中に…闇魔法が混じっています。」
サラ「闇魔法…全然分からなかった…。」
シル「やっぱり…この先に、邪神関連の魔物がいるのは間違いないね…。」
フリエ「勇者様!ケガは?無いッスか?」ペタペタ
イオ「あるじっ!ぶじ!?」
アラン「大丈夫。一瞬だったし…。しかし…探知できないトラップか…。」
フリエ「勇者様が前に落ちた穴もそうッスよね…。」
アラン「まあ…進むしかないか…。」
フェール「そうだね…。」
イオ「うん…。」
〜30分後〜
アラン「あぶね。」ヒュン
シル「む…。」ガキン
フェール「焼き尽くせ。」
フレイ「キィィン!」ゴオッ
ココ「だんだんトラップが多くなってきたね…よっと!」ヒュン
サラ「そうですね…通常の、闇魔法を使用していないトラップも増えてきました。」
フリエ「でも依然として魔物は無し…。やっぱり終点が近いんすかね。」
フェール「それで間違いないだろうね。あちらもなりふり構わなくなってきた。」
シル「火が噴き出すトラップに、槍で串刺しにするトラップ…。」
サラ「あと、天井が落ちてくるトラップもです。」
アラン「殺意高いな〜。」
フリエ「私達にとっては煙のほうが殺意高いッスけどね。」
シル「魔力を吸い取る煙…魔法使いにとっては天敵。」
フェール「普通に結界張ったぐらいでは防げないらしいからね…。当たらない事を祈ろう。」
イオ「けむりって…あの、イオの口のなかにもあったやつでしょ…。あれきもちわるいし、ちからぬけるし…。やだな…。」
ステラ「今のイオなら長い間吸わなければ大丈夫ですよ。頑張りましょう。」
イオ「わかった…。」
〜30分後〜
サラ「む…前方に魔力反応…恐らく扉です。」
アラン「やっとか?」
ステラ「いえ、また落下トラップの可能性もあります。今度は皆で固まって行きましょう。」
イオ「りょーかいっ!」
フリエ「分かったッス!」
ココ「お二人とも!集まって!」
シル「了解。」
フェール「分かった。」
アラン「よし…開けますよ。」
シル「待って。今回は私が開ける。」
フェール「そうだね。今回はボス部屋の可能性が高い。防御力が高いシルが開けたほうが良いだろう。」
フリエ「落ちたら…その時はその時ッスね。シルさんにお願いしましょう。」
シル「よし…行くよ。」
イオ「まっててね…おかあさん…。」グッ
シルさんが力を入れて扉を押す。すると…。
ギィイ…。
重苦しい音を立てて、扉が開いた。中は…。
アラン「さっむ!?」ガチガチ
ココ「何この吹雪!?」ガチガチ
フリエ「サラ!ストレージからアレ出してッス!!」ガチガチ
サラ「り、りりりょうかい。」ガチガチ
サラがストレージから四角くて小さい袋を取り出す。
アラン「そ、それは…。」ガチガチ
サラ「ホッカイロ。な、中にマグマスライムの魔石が入ってる。これ一つで5時間は暖をとれる…寒っ。」ガチガチ
ココ「は、早くちょうだいっ!」ガチガチ
フリエ「し、死ぬッス!身体が冷たいッス!」ガチガチ
イオ「?」
イオはアイスドラゴンなのでよく分かっていないようだが、基本的にドワーフの街で作られている防具は耐火性と火山で活動する都合上、通気性が良いように作られている。つまり…この寒さはマジで凍死しかねない。
フェール「さむ…フレイ。もうちょっと近くに…。」
フレイ「キィッ!」バサッ
アラン「良いなぁ…って、シルさん寒くないんですか!?」ガチガチ
ココ「そんな格好じゃお腹冷えちゃうよ!」ガチガチ
シル「別に。前にこれより酷い寒さに、ほぼ全裸の状態で放り出された事がある。」
アラン「ヒェッ…想像しただけで寒い…。」ガチガチ
フリエ「は?ナニ想像してるんすか?カイロあげませんよ?」ハイライトオフ
アラン「すいませんでしたっ!お願いなのでカイロ下さいっ!」ドゲザ
ココ「バカやってないでさっさとあげて!まつ毛凍ってるよ!」
サラ「そうですフリエ!ふざけている場合ではありません!」
フリエ「すんませんッス…。」ドウゾ
アラン「ふぅ…。」アリガト
死ぬかと思った。サラが用意周到で無ければまとめて凍死していた。
アラン「で…こんな景色が広がってる時点でだいたいこの後戦うやつが想像できるんだが…。」
ステラ「あのダンジョンコアですね。前は火山でしたが…。」
サラ「……?ちょっと待って。この雪…微妙に氷属性の魔力が混じってる。」
ステラ「……確かに。注意しなければ分からないような量ですが…。」
イオ「!もしかして…。」
アラン「…やはりイオのお母さんがこの先に居るのか。」
フェール「イオちゃん。お母さんはほぼ君と同じ姿と言う事だが…他に特徴は無いかい?」
イオ「うーん…あ、おかあさんもにんげんのすがたになれるよ!」
アラン「へぇ…どんな見た目だ?」
イオ「イオもいっかいしかみたことないけど…かみはぎんいろでながくて…うろこはほとんどあおだけど、ところどころしろがまじってて…あと、おっぱいがおおきいよ!」
アラン「……最後のは聞かなかった事にして、えー銀髪ロングに、ところどころに白が混じってる青い鱗か…。ほぼイオだな。」
ココ「そうだね。イオちゃんは髪が短いけど…おっぱいが大きいのもイオちゃんそっくり。」ハイライトオフ
アラン「はは…。」
フェール「コラコラ。気持ちは分かるけど子どもに嫉妬しない。……ふむ。じゃあ、探してみようか。」
フリエ「固まって動きましょ。この吹雪じゃ遭難しそうで…。」
シル「そうだね。この空間がどこまで続いているか分からないし。」
アラン「ステラ。導きの力で探知頼む。サラもよろしく。」
サラ、ステラ「「了解です。」」
〜1時間後〜
アラン「うーん吹雪で視界が…。」
ココ「と言うか…だんだん強くなってるような…。」
サラ「……む。10キロ先に巨大な魔力反応が3つ。」
ステラ「こちらも確認しました。氷属性の魔力が一つに、闇属性が二つですね。……片方の闇属性には若干氷属性が、もう片方の闇属性には風属性が混じっています。」
アラン「あれ?闇魔法って探知できないんじゃ…。」
ステラ「それは魔法が既に発動している状態ですね。どんな魔力も魔法を使わなければただ探知に引っかかるだけの目印になってしまいます。」
シル「一部の強者は闇属性の魔法を常に纏って反応を消すなんて事をしてくる。」
フリエ「それもう五感で発見するしか無いんじゃ…。」
シル「そうだね。あとは…神聖魔法の探知なら発見できるよ。」
アラン「あ、じゃあアリシアが探知魔法覚えたら発見できるのか。」
ステラ「可能でしょうね……む。氷属性の魔力反応が魔法を使用しました…!?皆伏せてっ!」
アラン「ッ!」スッ
俺達が咄嗟に伏せると…魔力を纏った衝撃波が飛んできた。
ココ「くっ…気づかれたね。」
フェール「できれば奇襲したかったが…。仕方ない。戦闘準備だ。『サモン』。」
フェールさんが魔法を唱えると…ライムグリーンの毛が印象的な…大きな狼が現れた。
フェール「フェンリルのアネモスだ。行け!」
アネモス「ガウッ!」ビュン
アラン「はっや…。」
ココ「すご…身体強化魔法だけであそこまで出せるんだ…。」
フェール「ココちゃんがなるのも時間の問題だと思うけどね。」
ココ「えへへ…。」
アラン「よし。ステラ。あっちの状況は?」
ステラ「氷の魔力反応はアネモスを迎撃しているようです。魔力が増大しています。」
アラン「他の二つに動きは?」
ステラ「無いですね。魔法を使うどころか、一歩も動いてません。」
アラン「動くまでもないってことか?……まあ良い。今のうちに近づくか。」
フリエ「攻撃には注意ッスね。下が雪だから避けづらいッス。」
イオ「あ、私に乗って近づこうよ!そうすれば速いよ!」
シル「む、でもそれだと攻撃された時に防御が難しいから困る。」
フリエ「でも徒歩のほうが断然足の速さ的に被弾が増えると思いますよ?」
シル「……確かに。私はともかく、皆が危ないか…。よし。イオちゃん。よろしく。」
イオ「りょーかいっ!むむむ…。」ボンッ!
ドラゴンイオ『よしっ!乗って!』
アラン「オッケー!」
ココ「いよいよだね!」
フェール「彼女は無事だろうか…。」
シル「大丈夫だよ。」
フリエ「なるべく敵が弱くなってますように…。」
サラ「フリエ。その望みは捨てるべき。」
こうして俺達はイオの背中に乗って反応の方に向かった。いよいよ決戦の時だ。イオのお母さんも、チームボルケイノも絶対助ける。そう思うと…決意がみなぎった。