記憶喪失系勇者の旅路   作:一般通過社会人

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作者です。闘技場の形についてですが、某ローマのコロッセオをイメージしてもらえれば。



vsダンジョンコア

 

アラン「ぁぁあ…。」

 

痛い。体中が痛い。霜が降りている。

 

イオ「あるじ!あるじっ!しっかりぃ…しっかりしてよぉ…。」グス

 

アラン「ゲホッ…アイ…ツは…。」

 

イオ「きえちゃったよ…。もう…おわったんだよ…。」

 

アラン「まだだ…まだ中の魔物が残ってる…。」

 

身体の感覚がなくなる。どんどん冷たくなっていく。

 

イオ「ならなおさらだよっ!イオももう…まりょくがないよ…。」

 

アラン「ちょっと…ちょっと待ってろ…。」

 

イオ「え…?」

 

目を閉じる。身体の力を抜き、呼吸するだけで痛む肺で深呼吸する。

 

アラン「ぁ…あ…。」ガクガク

 

イオ「あるじ!?あるじっ!しんじゃだめっ!あるじぃ…。」グスッ

 

アラン「………。」

 

イオ「いや…いやぁ…。」ギュッ

 

身体の感覚が完全に無くなり…心臓が止まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜イオ視点〜

 

アラン「ちょっと…ちょっと待ってろ…。」

 

イオ「え…?」

 

あるじが、あるじがどんどんつめたくなる。イオの…イオのまほうのせいで…。

 

アラン「ぁ…あ…。」ガクガク

 

イオ「あるじ!?あるじっ!しんじゃだめっ!あるじぃ…。」グスッ 

 

もうダメだ。ここまでこおってしまえばたすからない。

 

アラン「………。」

 

イオ「いや…いやぁ…。」ギュッ

 

せっかく…せっかく、ひとりぼっちをやめれたのに…せっかく、あえたのに…。

 

アラン「……。」

 

イオ「ぅあ…ぁ…あるじぃ…。」

 

もう…なにもかんがえたくない。あるじがいないせかいなんて…。

 

イオ「………えへへっ。」ハイライトダークネス

 

あるじがいないせかいなんて…!

 

イオ「こわれちゃ…」ハイライトダークネス

 

アラン「ダメだぞイオ。」ガシッ

 

イオ「ぇ…あ、あるじ?」

 

あ、あるじがいきてた…!やった…!やったぁ…!

 

イオ「あるじぃ…あるじぃ…。」ガシッグスッ

 

アラン「ごめんな…怖い思いさせちゃったな。」ナデナデ

 

イオ「よかったぁ…よがっだよ゛ぉ…。」グスグス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜アラン視点〜

 

イオ「こわれちゃ…」ハイライトダークネス

 

アラン「ダメだぞイオ。」ガシッ

 

イオ「ぇ…あ、あるじ?」

 

イオが闇堕ちしそうになってたので止める。危なかった。マジで目がイってた。

 

イオ「あるじぃ…あるじぃ…。」ガシッグスッ

 

アラン「ごめんな…怖い思いさせちゃったな。」ナデナデ

 

イオ「よかったぁ…よがっだよ゛ぉ…。」グスグス

 

イオにはつらい役目をさせてしまった。反省。

 

イオ「グスッ…だ、だいじょうぶなの?あるじぃ…。」

 

アラン「ああ。まあ、ダンジョンコアを撃破する為には必要な事だったんだ。ごめんな。」ナデナデ

 

イオ「…え?あるじが…しなないとダメなの…?」ハイライトダークネス

 

アラン「うお…あ、ああ。ほら。ダンジョンコアってさ、シエロさんの魔力吸って育ってるからめちゃくちゃ強いだろ?だからさ、シルさんを起こすにしても戦うにしてもステータスが足りない。だから、何とかしてそのステータス差を埋めないといけない。だから…俺のスキル、最後の砦だ。」

 

イオ「そのスキルって…たしか…。」

 

アラン「 1.同じパーティーのメンバーの残り体力または魔力が30%以下。2.自らが戦闘不能。もしくは生命活動が停止した状況。3.救援も来れず、現状の回復が著しく困難である。この3つの条件が揃った時に発動するスキルだ。1と3はもうクリアしてる。残りは2だけだった。」

 

イオ「で、でもっ。それならなにもイオの…ぅぅ。イオのまほうにあたらなくても…くるしいだけだよ…。」ギュッ

 

アラン「最後の砦に回復能力は無い。だから、下手に身体を傷つけるような方法で自殺したら後がマズい。だから…イオの魔法が一番だったんだ。ごめんな。」ナデナデ

 

イオ「………わかった。イオ…がまんする…。」ギュゥゥゥッ

 

アラン「ありがとう。イオはえらいな。……あ。シエロさんは…。」

 

イオ「おかあさんなら…イオのまほうぐらいじゃきずつかないからだいじょうぶ。ぶじだよ。」

 

アラン「まあ殆ど俺の身体で受けたから死ぬ事は無いと思ってたが…。アレで傷付かないか…。」

 

イオ「おかあさんはね?こおりまほうむこう?っていうスキルをもってるっていってた。だから、やみまほうがまじってるこおりまほうじゃないときかないんだって。」

 

アラン「oh…すげぇな。って、こんな事話してる場合じゃない。さっさとダンジョンコア倒さないと…最後の砦ってたぶん時間制限あるからな…。」

 

イオ「イオはどうすればいいの?……いっしょにダンジョンコアをたおしにいきたいけど、もうまりょくがないし…。」

 

アラン「イオは、ここでシエロさんを見ててくれ。で、起きたら事情を話して加勢してもらえるように説得してくれ。但し、動くのもやっとなようならしなくて良いぞ。」

 

イオ「わかった…しなないでね…。」ギュッ

 

アラン「おっふ…あ、ああ。大丈夫。死なないさ。気絶はするかもだけど…。」

 

イオ「むぅ…。」ギュゥゥゥッ

 

アラン「アッちょっとヤバい…待って離してイオ。」

 

イオ「やだ。」ギュゥゥゥッ

 

アラン「ヤバいってタっちゃうから!」

 

イオ「だいじょうぶ。イオにおまかせ。」ギュゥゥゥッ

 

アラン「やだよっ!俺連れて行かれるから!アッマジで離してっ!イオっ!アッ…あぁぁぁぁぁぁぁあ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜闘技場の中〜

 

アラン「ふう…危なかったぜ…。」

 

イオのデカいイオによる攻撃を何とか耐えて、シエロさんを降ろして来た。

 

アラン「さて状況は…っ。」

 

柱の影に隠れて中の状況を伺う。……さらに煙が濃くなっている。ダンジョンコアはデカいから居場所がすぐ分かるが…。

 

アラン「皆どこだ…?」

 

煙が濃すぎて全く見えない。だが、悠長にやっていたら最後の砦の時間制限が来てしまう。

 

アラン「結局行くしかない…か。」

 

とりあえず周りの通路を使ってダンジョンコアの後ろまで迂回し、様子を見る。

 

アラン「ん?アレは…。」

 

ダンジョンコアの球体に何やら突起物が付いている。アレは…火山の廃鉱近くでも見たが、間欠泉のような形をしている。

 

アラン「あそこから煙が出てるのか。良し…。」

 

少し離れて、闘技場の氷の壁をステラで砕く。

 

アラン「良し…これぐらいの大きさなら…。」

 

壁を砕いたものを間欠泉?に突っ込んで、詰まらせる作戦だ。そうすれば、少なくとも煙は止まるはず。

 

アラン「良し……。今っ!」ダァン

 

ダンジョンコア「GA…?」

 

勢い良く地面を蹴り、ダンジョンコアめがけてジャンプする。そして…。

 

コア「GA!?GAAAAAAAAAAAAA!」ブンブンッ

 

アラン「うおっ!どうどうっ!」ガシッ

 

ダンジョンコアにしがみついた。そして、煙が出ている間欠泉モドキに氷を突っ込み、持っていた縄と布紐を組み合わせたもので固定する。

 

コア「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」ブンッ

 

アラン「うおぁっ!」ズサッ

 

吹き飛ばされてしまったが、作戦は成功だ。煙が止まった。

 

コア「GAAAA…AAAAAAAAAAAA!」ビュンビュン

 

ダンジョンコアが触手で取ろうとしているが、触手が届いていない。あの触手、中〜遠距離に対してはかなり細かく動くが、近距離はそうでもない。やはり、魔法と合わせて中〜遠距離で攻撃するタイプなのだろう。

 

コア「GAAAA…GAAAAAAAAAAAAAAAA!」キィン

 

アラン「おっと!」ヒュン

 

どうやら諦めたらしい。魔法を撃ってきた。だが、最後の砦の効果でステータスが上がった今、避けられない攻撃ではない。

 

アラン「ふっ、ほっ!」ヒュンヒュン

 

コア「GA!GUAAAAAAGAAAAAAAAAAAAA!」ゴウッ

 

アラン「うそーん。」

 

竜巻にアイスボムが混じったのを撃ってきた。どうやらブリトルの魔法も使えるらしい。

 

アラン「ヤバかった…!?」

 

何とか避けたが、散らばったアイスボムの一つがシルさんの方に行った。ヤバい!

 

アラン「間に合ええええええええ!」ズサァッ!

 

スライディングしてシルさんの方へ。だが…。

 

アラン「くっそ…。」

 

ダメだ。剣で弾こうにも近すぎる。仕方ないのでシルさんを抱えて後ろを向き、丸まって背中で受ける事にした。

 

アラン「があっ!?」キィン

 

背中に激痛が走る。恐らく爆風と凍結で酷い事になっているのだろう。

 

アラン「ぐうっ…。」

 

コア「GAAAAAAAAAAAAA!」ズバァン!

 

アラン「うあっ…ああああああ!」ガキンガキン

 

触手が迫る。ステラで弾く。背中が死ぬほど痛いが無視だ。

 

アラン「……なっ!?」

 

地面から触手が生えてくる。どうやら、竜巻のどさくさに紛れて潜り込ませていたらしい。

 

アラン「っ……。」

 

間に合わない。被弾覚悟で腕を盾にする。来るであろう衝撃に目をつぶった。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜シル視点〜

 

アラン「があっ!?」キィン

 

………?どうやら奮闘むなしく気を失っていたようだ。一体何が…。

 

アラン「ぐうっ…。」

 

ダンジョンコア「GAAAAAAAAAAAAA!」ズバァン!

 

アラン「うあっ…ああああああ!」ガキンガキン

 

アランが…戦っている…?

 

アラン「……なっ!?」

 

地面から触手が生えてきた。あの距離では…。

 

アラン「っ……。」

 

間に合わない。……よし。身体の感覚が戻ってきた。シュタールの持ち手部分を握りしめる。

 

シル「ふっ…!」グイッ

 

シュタールを地面に突き立てて、それを頼りに立ち上がる。

 

シル「………っ!」ガァン

 

そして、触手を受け止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜アラン視点〜

 

アラン「………?」

 

衝撃が来ない。おそるおそる目を開ける。

 

シル「ありがとう。アランのおかげで復活できた。もう戦える。」

 

アラン「ようやくッスか…。」

 

思わず口調がフリエみたいになってしまったが、だがこれで安心だ。

 

シル「っ…ご、ごめん。戦えるって言ったけど…そんな激しくは動けないかも。」

 

アラン「大丈夫ですよ。攻撃引き付けてもらえれば俺がやります。」

 

シル「分かった……?ねえ。その胸の炎って…?」

 

アラン「ああ。すみません言ってなかったです。俺のスキルで、まあ簡単に言うと、俺が動けなくなったり、死んだ時に一発逆転の力を得られるってスキルです。時間制限はありますけど。」

 

シル「っ……ぇ?アラン…一回死んだの?」

 

アラン「はい。ま、ほぼ自殺ですけど。」

 

シル「……アラン。帰ったら説教ね。」

 

アラン「………分かりました。」

 

……正直気乗りはしないが、しょうがない。甘んじて受けるとしよう。

 

シル「それじゃ……それまで死なないで。」ブワッ

 

アラン「了解です。」ジャキン

 

戦闘開始だ。

 

コア「GUAAAAAA…GAAAAAAAAAA!」ビュンビュン

 

シル「あなたの相手は私。『フォーカス』。」

 

コア「GA?GAAAAAAAAAAAAA!」ビュンビュン

 

シルさんが注意を引きつける魔法を使った。これで攻撃は魔法の流れ弾を除いてあちらに行くはず。

 

アラン「っ!」ダッ

 

闘技場の壁際をなぞるように走る。中央はダンジョンコアの魔法と触手で嵐のようになっている。あんな中を真っ直ぐ突っ走ったようではハチの巣にされて終わりだろう。

 

アラン「もう少し……。うおっ!?」ビュン

 

流れ弾が飛んでくる。中々仕留められないシルさんに痺れを切らしたのか、ダンジョンコアの攻撃が激しくなっている。シルさんは…。

 

シル「くっ…ふっ!はあっ!っ!くぅっ…。」ガキンガキン

 

やはり煙で相当体力と魔力を削られてしまったのか、苦しそうだ。早めに決着をつけたい。

 

アラン「おい!ステラ!起きろっ!」

 

さすがに片手剣の姿では、シエロさんの魔力を吸って育ったダンジョンコアを撃破するには威力が心許ない。変形だけでも…。

 

ステラ「……ぁ?あ、主様…。」カタン

 

アラン「お!起きたか!すまんが説明してる時間は無い!ハンマーに変形してくれないか?未来予知とかは無くて良い。」

 

ステラ「…はい!分かりました!」ガシャン

 

良し。準備は整った。あとは隙を見てデカいのをぶちかますだけだ。

 

アラン「……っ!今だっ!」バァン

 

思いきって地面を踏みしめ、大ジャンプをする。目指すは真上。落下の勢いと俺の力で確実に潰す。

 

コア「GA!?GUAAAAAAAAA!」ビュンビュン

 

ダンジョンコアに気づかれた。触手が迫る。が…。

 

アラン「っらあっ!」ダンッ

 

触手に飛び乗ってその触手を伝ってコアに近づく。

 

アラン「おおおおおおおおっ!」ダダダダダッ

 

コア「GAッ!?GUAA…GAAAAAAAAAAAAA!」キィン

 

もはや触手では迎撃できないと思ったのか、魔法が飛んでくる。

 

アラン「うおっ!っ!あああああああっ!」ダダダダダッ!

 

無数のアイスボムを同じく無数に伸ばされた触手に飛び移って避ける。もう少し…もう少しだ!

 

アラン「これでぇっ!」ダンッ

 

触手からジャンプでコアの元へ。そして…。

 

アラン「終わりぃッ!」ブンッ!

 

力の限りステラを叩きつけるように振る。が…。

 

コア「GAAAAAAAAAAAAA!」バチィン!

 

シル「避けてっ!」

 

アラン「なっ!?」

 

氷の衝撃波だ。そう言えばシエロさんも使っていた。シエロさんの魔力を吸って育ったコイツも使えるだろう。迂闊だった。

 

アラン「が…。」キィン

 

シル「アランっ!」

 

ステラ「いやっ!主様ぁ!」

 

足に被弾。膝から先が消し飛ぶ。

 

アラン「知るかぁっ!」ブンッ

 

知ったことか。今ここで倒せなきゃ今度は命が消し飛ぶ。なら多少無理してでも確実にコイツを殺る。

 

コア「GAAAッ!?」ドンッ!

 

アラン「うおぁぁぁぁあああっ!」グイッ

 

コア「GAAAAAAA!GA…GAAAAAAAAAAAAAAA!!」ミシミシッ!

 

アラン「あああああああああああああああっ!」バキィン!

 

コア「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAッ!…GA、」グシャアッ

 

ダンジョンコアが潰れた。……勝った。

 

 

 

 





イオ

見た目は可愛い銀髪ロリだが、実はチームスピードクロウの中でも特級にヤバい女。主が死んだら世界を道連れに心中しようとする。勇者君は責任重大。
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