〜3日後 ギルド前〜
あれから、3日が経った。依然として悪夢は続いており、5人の顔色は悪い。一応アリシアからオッケーをもらったので、出発する事にした。
アラン「いやー。色々とお世話になりました!フェールさん。」
フェール「こちらこそ。君がいなければドワーフの街は陥落していただろうからね。ありがとう。」
アラン「いえいえそんな。こっちも色々と勉強になりましたし、ステータスもかなり上げられました。」
フェール「そうだね。君は…来た時と比べて本当に強くなった。ここまで短期間で強くなるのは私としても初めてだよ。」
アラン「えへへ…。」
フェール「ただし。」
アラン「へ…?」
フェール「君にシルを預けるんだ。もし…もし泣かせるような事をしたら……分かってるよな?」
アラン「ッス…。」コクコク
フェール「よろしい。それでは、頼むよ。」
馬車の運転手「了解しました。」
フェール「それじゃ、元気で。」
アラン「フェールさんも、あ、グランの兄貴も。」
グラン「お前に言われるまでもないわ!俺の事は気にすんな!」
アラン「ははっ!そうッスね!それでは。」
運転手「出発!」パシッ
馬車に乗り込む。車輪が動き出し、どんどんギルドが遠くなっていく。色々あったが、ここで得た事はたくさんあった。ステータスだけでは無い。新しい仲間…友達…色んな人に支えられながら、ここまで来れた。
アラン「ふう…。ま、竜族の都で何が起きるか分からんけど…何とかするか。」
ステラ「そうですね。私達なら…きっと大丈夫でしょう。」
門を出た。ここともお別れだ。チームボルケイノが未だに目覚めていないのが心残りだが…まあ、フェールさんが居るのだ。何とかなるだろう。
アラン「ありがとう。ヴァルカン火山。」
馬車の中に入った。
〜竜族の都 青竜院〜
???「急げ!青竜様が帰ってくるぞ!」
モブ1「はいっ!」バタバタ
???「張り切ってるね〜。ラズリちゃん。」
ラズリ「当たり前だろ!4ヶ月前にこつ然と姿を消された時は…もう…心配で心配で…。」グスッ
???「気持ちは分かるけど…ちょっと休憩しよ?そこの子以外の子はみんなダウンしてるよ?」
ラズリ「何?……あ。すまん。みんな。」
モブ達「「「「いえ…私達の不甲斐なさ故ですので…。」」」」
ラズリ「いや…さすがに働かせすぎた。少し休憩だ。」
モブ達「「「「はい…。」」」」
ラズリ「ふう…。……と言うか、お前はもう少し働け。シアン。」
シアン「えー。私連絡係だよぉ…?肉体労働はやだよぉ…。」
ラズリ「まあ確かに、青竜様の情報をいち早く伝えてくれたのはお前だが…。」
シアン「情報は鮮度が大事だからねぇ〜。」
ラズリ「だが!お前の部下も働いてるんだぞ!?見習ったらどうだ!?」
シアン「えぇ…?私上司だよ…?」
ラズリ「だからこそだろ!と言うか上司が部下を見習うってどういう事だ!?普通逆だろ!?」
シアン「自分で言って混乱してるし…。ま、もう一眠りしたらやるよぉ…。」ゴロン
ラズリ「こらっ!お前の一眠りは長いんだから…。もう…。」
シアン「ほら…ラズリちゃんもぉ…。」グイッ
ラズリ「おあっ!?あ…ん…私が…寝る…訳に…は…。」
シアン「おやすみ…。」ギュッ
ラズリ「ん…お…や…すみ…。」スヤァ
シアン「さすがに5徹はやりすぎたね〜。そんなクマ作ってたら青竜様にも怒られちゃうから、ゆっくり寝ようね〜。」ギュゥゥゥッ
〜馬車の中〜
ドワーフの街と竜族の都は片道5日。エルフ里とドワーフの街よりも長い。と、言うのも、竜族の都があるのは嵐王山脈地帯。当然山なので、天候もコロコロ変わる。それに加え…ここは竜系の魔物が多く生息している、ヴァルカン火山を軽く超える危険地帯だ。
アラン「思えば、俺今まで危険地帯しか行ってないな…。」
シル「そうなの…? …まあ、エルフの里に比べれば殆どの地域が危険地帯だけど…。」
ステラ「いえ、それにしても…推奨レベル的にはクリアしてますが、順番がチグハグと言いますか…。」
シュタール「そうね…冒険者なら普通は、エルフ→神獣族→ドワーフ→竜族の順番で巡るからね…。」
嵐王山脈地帯の推奨レベルは90。ヴァルカン火山を超えるレベルの魔物がさらっと出てきて、それに気後れしないレベルの魔物達がわんさかいる。ここは観光地としてもそれなりに人気があるが、一番は修行場所としての人気だ。
シル「でも、ここは良い修行場所になる。私も見ててあげるから存分に鍛えるといいよ。」
シュタール「レベル的にもちょうど良いわ。しばらくここで鍛えると良いわね。」
アラン「満場一致か…ま、腹に穴開けない程度にがんばるか。」
シル「……笑えないからやめて。」
シュタール「貴方ジョークセンスは無いわよね。」
シエロ「いや…やめて…。」ギュッ
アラン「うわぁん!」
ステラ「少しは反省してください。」
〜2日後〜
アラン「ふあああぁ…。そろそろか…。」
ステラ「そうですね…。」
アラン「そろそろアリシア達も限界だし…。さっさと悪夢も解決しないとな…。」
アリシア「……。」ウツムキ
あれからと言うものの、アリシア達はずっと悪夢に魘されている。寝れてはいるのだが…そう言っても1時間おきに目が覚めるようで、寝不足がかなり響いている。早めに解決しないと…危ないだろう。
アラン「ほら、アリシア。もうちょっとで着くぞ。頑張ろうな。」
アリシア「はい…。」ウツムキ
一応街の医者から睡眠薬は貰っているのだが…連続使用はNGとの事なので、あくまでも最終手段。それに、アリシア達曰く寝たら必ず悪夢を見るのでなるべく寝たくないとのこと。
アリシア「勇者様…すみません…少し…抱きしめさせてもらっても…?」
アラン「良いよ。」
アリシア「ありがとうございます…。んしょ…。」ギュッ
言っていなかったが、アリシアの身長はかなりデカい。教会では基本的に座っているので気にならないそうだが…街を歩いたりすると、時々怖がられるそうだ。……ブレイドさんと言い、力のステータスX持ち(ブレイドさんは推定だが)は大柄になるのだろうか?
ステラ「ステータスはその人の身体スペックを表す値ですので…筋肉や骨の成長と密接な関係にあります。そもそもXランクのサンプルは少ないので、研究も進んでおらず、断言はできませんが…ほぼ間違い無いでしょう。」
アラン「こう…股の間にすっぽり収まると…何か、変な気分になるな…。まあ、元々そんなに身長は高くないけど。」
ステラ「そうですね…主様はSのわりには…小柄ですね。」
俺の身長は170も無い。せいぜい165かそこら…大してアリシアは180…いや、190は確実にある。デカい。
アラン「フリエと会った時に身長低すぎって言っちゃったけど…俺も低いほうなんだよな…。」
ステラ「身長に関してはココと互角ぐらいですしね…。」
ちなみにサラは175ぐらいなので確実に勝てない。悲しいなぁ…。
アリシア「んぅ…。」スヤァ
アラン「おっとっと…寝ちゃったか。ま、無理もないが。」
ステラ「……主様?何故そんなに背を浮かせているのです?」
アラン「いや…あの…アリシアに寄りかかると…柔らかすぎてダメになっちゃいそうで…。」
シル「天然の…人をダメにするソファー。うらやましい…。」
アラン「言うてシルさんも俺と身長同じぐらいなんですし…行けるのでは?」
シル「もう…アリシアはアランを求めてるの。分かってあげて。」
シュタール「と言うか、あんたも彼女達の対処で寝不足気味でしょ?そのまま寝ちゃいなさいよ。ちゃんと起こすから。」
アラン「バレてましたか…。じゃ、お言葉に甘えて…ふぅ…。」
…ヤバい。いや、ヤバいのは男女の関係的にもそうだが…マジでダメになりそうだ。しかし、一度身を預けてしまったら逃れられない。
アラン「あ〜。これやべぇ〜…。」
シル「アランが銭湯のオヤジみたいな声だしてる…。」
オヤジ臭くなってしまったが、だって気持ちいいんだもの。柔らかいだけじゃない。筋肉もちょうど良くあって…絶妙なバランスだ。
アリシア「んぅ…ふふっ…。」ギュゥゥゥッ
アラン「あ、やべ。完全に捕まった…あぁ〜…。」
シュタール「どんどんオヤジ臭くなっていくわね…。」
アラン「あ〜…おやすみぃ…。」
ステラ「んふっwおやすみなさいませ…ふふっ…w」
目を閉じた。