今回は色々新しい言葉が出てきますが…。まあ、覚えなくても大丈夫でしょう。
エテル「それで…アランよ。お主その剣を持つ意味を分かっておるのだろうな。」
アラン「意味?」
エテル「……どうやらステラは話していない様だが、この世界には導きの剣以外にも邪神に対抗するために作られた道具…。神器がある。」
アラン「神器…。」
エテル「神器は導きの剣以外にも、光の剣エレナ、虹の杖イーリス、鋼の盾シュタールがある。」
ステラ「私…、導きの剣以外の神器達はこの1000年の間、それぞれの担い手の元で邪神の軍勢と戦っていたのですが…。やはり邪神の力は巨大であり、神器が一つ欠けた状態では抵抗する事はできても倒す事はできず…。」
エテル「今は担い手達とともにそれぞれの種族の元で力を蓄え、最後の神器、導きの剣の担い手を待っておる…。つまりアラン。そなたは1000年の間、今か今かと待たれていた勇者なのじゃ。」
アラン「……責任重大だな。」
ステラ「……すみません。いきなりこの世界に連れてきて、左眼まで犠牲にさせてしまって…私自身、身勝手だとは思っているのですが…。それでも、改めてお願いします。この世界を、救っていただけないでしょうか? ……どうしてもと言うのなら私の力で貴方を元の世界に送り届ける事も…。」
アラン「この左眼は自分が起こした行動の結果だ。それは勘違いしないでもらいたい。それに、邪神の事もだ。このまま何もしなければ殺されるだけ、ならば邪神に殺される前に邪神を殺すまでだ。元の世界に送り届ける事もノーサンキューだ。」
エテル「……!ありがとう。本当にありがとう。」
ステラ「アラン。本当にありがとうございます。ゴブリンキングには不覚をとってしまいましたが…。これから、私が貴方を傷つけさせません。」
……二人の手前カッコつけてしまったが…。本当は怖い。なぜ自分が。なぜ自分でなければならないのか。そう思わないと言ったら嘘になる。だが、神器の話をしている時の、あの、二人の悲しそうな顔を見ていたら…何だか、自分の中で。何かが、変わるような気がした。
〜自分の部屋〜
あの後、エテルやステラと今後の事を話し合い、しばらくは冒険者ギルド?と言う所で戦闘技術の向上を図る事にした。本当はヴァネッサ(いつの間にか起きて感動の涙を流して話を聞いていた)曰く、
ヴァネッサ「グスッ…。失礼した。本当はエルフの里の防衛戦力の強化で騎士団に入ってもらいたいのだが…。騎士団に入ると言う事はエルフの里に縛られてしまう事と同義だ。これから色々な所に行って仲間を集めなければならない以上、それは良くない。」
…とのことだった。(エテルも同意見らしい。)
エテルが冒険者ギルドには話を通しておくとの事だが、それでも手続きの関係で時間がかかるとの事なので今日はもう休む事にした。(自分の部屋も貰った。里長の間の近くだった。)
ステラ「冒険者ギルドはこの国…エル・ステラ神聖連邦の各種族が共同で出資をして成り立っている組織です。ここに在籍している冒険者達は、日々魔物の討伐依頼や要人の護衛依頼をしてお金を得ています。」
ステラ「ここの冒険者達は上位になると、ゴブリンの群れを単独で片付けてしまうような猛者ばかり。貴方もそのような存在を目指して依頼をこなし、名声とお金を得ましょう。より多くの依頼をこなせば名指しで依頼が舞い込んでくる場合もあります。そしてそのような存在になれれば…戦闘技術もその時には格段に上がっているはずです。」
ここの国そんな名前だったのか…。どうやら座学もある程度していた方が良さそうだ。
ステラ「今まで色々な事を聞いて疲れたでしょう。食事も済ませた事ですし、今日はもう寝た方が良いでしょう。」
ステラの言う通りベッドに横たわると、急激に睡魔が襲ってきた。
おやすみ…。
ステラ「お疲れ様でした。」
〜ステラ視点〜
……彼の寝顔が見える。かなりカワイイ。優しいところも激情的になる部分も含めて彼は妙に子どもっぽい所がある。
ステラ「そんな貴方を戦闘慣れさせてしまうような世界…。貴方はいったいどんな世界から…?」
ゴブリンの群れを相手にした時のあの動き。あれはもう完全にある程度戦いなれている者の動きだった。と言っても、扱っていた武器が違ったのか、剣…刃物の使い方は基本的な事しかしていなかったが。
ステラ「……っ。アラン。貴方がどんな人であろうとも。私は貴方の味方です。」
今は彼の過去を知る術はない。しかし、彼が私達の為に動いてくれている以上、私達もそれに応えなければならない。私の中に…長らく眠っていた、母性が目覚めるのを感じた。
おや…?導きの剣の様子が…?