記憶喪失系勇者の旅路   作:一般通過社会人

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買い物

 

〜中央街 服屋への道〜

 

アラン「えーやって来ました中央街!今回は三人の服を買いに来たんですけども…。」

 

ココ「……。」ムッスー 

 

サソリ「……。」ダラダラ

 

クモ「……。」ダラダラ

 

ハチ「どうしてこうなった…。」アタマカカエ

 

本来は俺と三人だけで買いに行く予定だったのだが…。ココも付いてきた。ハチが空気に耐えかねて頭を抱えている。

 

サソリ「え、えーっと…あの…その…ココ様…?」

 

ココ「何?」ギロッ

 

サソリ「エッあ…えーっと…何でその付いてきて下さったのですか…?」オソルオソル

 

ココ「勇者様の護衛。」ゴゴゴ

 

アラン「いや、隷属の首輪があるから、サソリ達は俺に危害を加えられないんじゃ…。」

 

ココ「………うるさいっ!隷属の首輪だって完璧じゃないんだよ!?いくらでも抜け道や解除する方法はあるし…。万が一があったらどうするのっ!」

 

ココはどこでそんな情報を…いや、元騎士団だからな、何か知ってても不思議ではないか。

 

アラン「お、おっしゃる通りで…。」

 

ステラ「ココ。主様はあくまで被害者です。そこを分かった上で発言してください。」

 

ココ「っ…。ご、ごめんなさい…。」ショボン

 

アラン「………。」

 

…やはりココ達とサソリ達を会わせるのは早かったか。思ったより溝が深い。

 

サソリ「お言葉ですがココ様。」

 

ココ「……何?」

 

サソリ「我々は邪神様から力を頂く時に、同時にある程度の魔法の知識も与えられました。そして…その中には隷属の首輪の解除方法…抜け道も含まれています。」

 

ココ「っ…!だったら尚更…!」

 

サソリ「…ですが!」

 

ココ「……!」

 

サソリ「その知識があって、解除方法を知っていて解除できるとしてもなお、我々は勇者様の奴隷として、主に身も心も、全てを、一生を捧げる所存です。それだけは…理解できなかったとしても、事実として頭の片隅に置いていただけると幸いです。」ペコッ

 

ココ「……分かった。ごめん、誤解してた。」

 

サソリ「無理もありません。我々は本来なら即死刑が妥当の身です。貴方方にした事も…一生をかけて償わさせていただきます。」

 

ココ「…うん。」

 

…どうやら、一旦は許しを貰えたようだ。

 

クモ「……これからよろしくお願いします。」ペコッ

 

ハチ「…よろしくお願いします。」ペコッ

 

ココ「うん…これからよろしく。」

 

アラン「……泣けるねぇ。」グスッ

 

ハチ「……?何で泣いてるんだお前。キモいぞ。」

 

ココ「は?やっぱり今ここで…。」ゴゴゴ

 

サソリ「おいっ!ハチっ!無礼が過ぎるぞっ!」

 

クモ「……全く。」ヤレヤレ

 

ステラ「主様はこういう忠誠とか愛情とかそういうのに弱いですからね…。」ヤレヤレ

 

だってしょうがないじゃない。エモいんだもの。感情が溢れちゃうんだもの。……それにしても涙腺が脆くなってる気がする。

 

アラン「グスッ…あ。着いた。ここだ。」

 

ステラ「…この店は。」

 

ココ「あ!ここが…!……何か、大きくない?」

 

サソリ「あの…主様?ここは…私共が入って良い場所なのですか…?」

 

クモ「何か…凄い高級店…。」

 

ハチ「明らかに奴隷の服買う場所じゃないだろ。」

 

皆から総ツッコミを喰らってしまったが、だって防具もついでに買えるいい店だってシエロさんが…。

 

アラン「…シエロさんに聞いたのが間違いだったか。まあ…来てしまったからなぁ…。行くか。」

 

ココ「ちょっ…ゆ、勇者様!待って…。」

 

サソリ「あ…行くぞお前たち!足は拭いたな!?」

 

クモ「裸足って不便ね…。」

 

ハチ「…奴隷だししょうがないと思うけどね〜。」

 

ドアを開けて中に入った。

 

 

〜服屋 グランツ〜

 

????「お待ちしておりました。勇者様。」

 

アラン「えーっと…どなた…?」

 

中に入ると…スーツを身に着けた初老の竜族の男性が俺達を出迎えてくれた。

 

グランツ「申し遅れました。私この服屋でオーナーを務めております…グランツです。以後、お見知り置きを。」ペコッ

 

アラン「あ、どうも。導きの勇者をやってます。アランです。」

 

グランツ「ステラ様も…お久しぶりでございます。」ペコッ

 

ステラ「久しぶりですね…グランツ。元気そうで良かった。」

 

グランツ「ステラ様も…肉体は失ってしまわれたようですが…。」

 

……肉体?ステラって…剣じゃないのか。

 

ステラ「……はい。しかし、何れ取り戻します。今は…この娘達の服を。」

 

グランツ「かしこまりました。それでは勇者様…本日は服をお求めとの事ですが…。」

 

アラン「あ、はい。この三人の服と…防具を。金は気にしなくて良いので、似合うやつで…。」

 

グランツ「かしこまりました。それではお嬢様方。こちらへ…。」

 

サソリ「は、はいっ!」ピシッ

 

クモ「こういう店始めてだから緊張するわね…。」カチンコチン

 

ハチ「うん…。」カチンコチン

 

グランツ「そう緊張なさらず…お気を楽にしてください。」

 

サソリ「は、はい…。」

 

 

〜1時間後〜

 

アラン「そろそろかな…?」

 

ココ「そうだね…あ、来た!」

 

グランツ「お待たせしました。本人様達のご希望により…防具と普段着を兼用できる服をチョイスさせていただきました。それでは…まずはサソリ様からです。ご覧下さい。」

 

サソリ「どう…ですか…?主様…///」

 

サソリは…なっ…和装メイド…!?スカートタイプの!黒と紫のコントラストが…ふつくしい…。

 

サソリ「あの…やっぱり私にはこういうのは…///」

 

グランツ「いえいえそんな事は。このメイド服は神獣族のお客様の要望に答えて作られた1級品でして…防具も兼ねております。サソリ様は衝撃耐久が高めとの事でしたので…防刃と魔法耐性に優れたこの服をチョイスしました。まあいわゆる…バトルメイドですな。」

 

アラン「…まあ、人手不足の時以外は雑用をしてもらう予定だし、そう言う意味ではメイド服も間違ってないな。目の保養にもなるから…ヨシ!」ユビサシ

 

ココ「……勇者様?絶対最後の理由が9割だよね?」ゴゴゴ

 

アラン「だって可愛いもん。ダークエルフの和装メイドだぞ?そんなもん可愛いに決まってるだろ。俺は悪くない。」ヒラキナオリ

 

ステラ「あの…サソリが可哀想なのでそこら辺に…。」

 

サソリ「可愛い…私が…カワイイ…///」カオマッカ

 

アラン「おっと…。つい本音が。グランツさん。次お願いします。」

 

グランツ「それでは…クモ様をお呼びさせていただきます。クモ様!お願いします!」

 

奥のカーテンが開かれる。すると…。

 

アラン「がアッ!?」ムネオサエ

 

ココ「勇者様っ!おのれクモ…そんな大きいので勇者様を誘惑して…!」

 

クモ「誤解よ…私スキルで変身するから、あんまり伸縮性の無い露出が少ないような服は着れないのよ…。」

 

胸元が大きく開いたチャイナドレス…。おまけにどギツイスリットだ。サソリは膝あたりのスカートだったのに…。

 

ステラ「そういえば…。そのように言っていましたね。」

 

アラン「な、なるほど…。あの格好は趣味じゃなかったのか…。」

 

クモ「いえ。私の趣味でもあるわ。」キッパリ

 

ココ「おいっ!」

 

どうやら確信犯のようだ。こいつ…。

 

クモ「でもぉ…これで勇者君を誘惑できるわねぇ…。」ズイッ

 

アラン「別に誘惑していただかなくても十分そのままでも誘惑されてると言うか…。そもそも元から何着ても似合うタイプですよね?」

 

クモ「………//////」カオマッカ

 

ココ「返り討ち…さすが勇者様…。」

 

ステラ「こういうタイプにはストレートに打ち返すのが効くのです。」

 

グランツ「さすがですな…。英雄色を好むと言いますが…。それでは…最後にハチ様です。ハチ様はスピード特化との事でしたので…なるべく、空気抵抗が発生するような服は避けさせていただきました。それでは…ご覧下さい。」

 

奥のカーテンが開く。ハチは…。

 

アラン「おお…ハチだ。」

 

ハチ「反応薄くね!?もっとこう…何かあるだろ!」

 

アラン「いやハチと言えばぴっちりボディスーツだったから…。」

 

ハチは、初めて対面した時と同じ、ボディスーツだ。だが、胸部に装甲が追加されて、ボディスーツ自体の色は黒。上に羽織っているパーカーの色が黄色だ。

 

グランツ「まあ…空気抵抗の少ない服と言いますと…やはり身体に密着するボディスーツが一番ですからなぁ…。パーカーも防寒の為で防御力は衝撃耐性と防刃が少しあるだけですし…。」

 

ステラ「まあ…はい。どうしてもスピードを求めると…防具は必要最低限になるものです。仕方ありません。」

 

ココ「ボディスーツは色と柄ぐらいでしか個性出せないもんね…。」

 

あんな薄い布…布?1枚で個性を出せというのが無理な話だ。

 

ハチ「……まあ良いか。ね。どう?クモ、サソリ!」

 

サソリ「安心するな。我々は冒険したからな…。」

 

クモ「そうね…。やっぱりハチはそれが一番よ。」ギュゥゥゥッ

 

ハチ「あ…やった…。」ニコッ

 

アラン「あ〜。クモ✕ハチてぇてぇ…。」

 

ココ「あんな顔できたんだ…。」ニコッ

 

ステラ「可愛いですね…。」ホッコリ

 

グランツ「それでは…これで全てですね。替えの服と…下着も含めさせてもらいますと…。これほどになります。」

 

アラン「あれ?思ったより安い。まあ良いや。えーっと…これで。」チャリン

 

グランツ「……はい。ちょうどいただきました。それでは…またのご来店をお待ちしております。」

 

サソリ「ありがとうございました。」ペコッ

 

クモ「ありがとうございました。」ペコッ

 

ハチ「ありがとうございましたーっ!」ペコッ

 

アラン「またお願いします。」

 

グランツ「もちろん。今度はココ様も…。」

 

ココ「はいっ!」

 

こうしてグランツさんの店を出た。その後は武器屋で武器を買ったのだが…サソリの武器だけはどうしても見つからず、とりあえずは片手剣を使う事になった。

 

ステラ「サソリの武器は…恐らくは神獣族の里に売っているでしょう。どちらにせよ、虹の勇者を仲間にする為に行かなければいけませんので…その時に買いましょう。」

 

アラン「虹の勇者ねぇ…ま、今は調査だな。明日から…よろしく頼むよ三人とも。」

 

サソリ「お任せを。」

 

クモ「ええ。」

 

ハチ「仕方ないからやってやるよ。」

 

ココ「任せたよっ!」

 

その後は普通に夕食を済ませて、寝支度をして寝た。……今日も同じベッドだった…。

 

 

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