記憶喪失系勇者の旅路   作:一般通過社会人

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たまにはダンジョン以外も行かないとね。



地下水路

 

〜翌朝〜

 

アラン「……ふぅ。やっと日の光か…。」

 

ステラ「お疲れ様です。ほとんど起きていると言うのも疲れると思います。」

 

さすがに二日+8時間近く寝た後では寝れない。俺が寝ていた2日間でかなり皆に心配かけてしまったので、夜は皆のケアに時間を割いた…が、割いたと言っても今日は悪夢を見たのはフリエとアリシアだけ…暇だった。

 

アリシア「ん…あ、朝…おはようございます…。」ギュッ

 

アラン「うぉ…おはよう。」

 

アリシア「…?どうされたのですか?」

 

アラン「いや大した事じゃないよ。」

 

今、アリシアとシエロさんに挟まれて横になっている形なのだが…まあ二人ともデカいので男としてはなかなかにツラい物だ。

 

ステラ「さすがにアリシア…聖女に手を出すのはダメですからね…。」

 

アラン「そうそう…って何言わせるんじゃい。」

 

アリシア「//////」カオマッカ

 

アラン「フリエは…。」

 

フリエ「んへへ…勇者様ぁ…zzzz…。」

 

アラン「…んひっ。」ブルッ

 

シュタール「何変な声出してるのよ…。」

 

アラン「何か…フリエの夢の中で変な事されてる気が…。」

 

ステラ「む…。羨ましいです…。」

 

アリシア「本当ですね…。」

 

アラン「はぁ…変態だなぁ…。」

 

ステラ「失礼な!ちょっと趣味嗜好が他人とはズレてるだけです!」

 

アリシア「そうですっ!」

 

アラン「それを世間一般では変態って言うんだよ。全く…アリシアお前気づいてるからな?ハグしてるとき俺の髪吸ってるの。」

 

アリシア「ギクッ。」

 

アラン「ステラはしょっちゅう妄想してトリップしてるし…。」

 

ステラ「ギクッ。」

 

シュタール「全く…神器と聖女とあろう者が…。」

 

ステラ「貴方だってコアを吸収するとき声大きいじゃ無いですか。持ち手の部分をシルに撫でられると変な声出しますし…。」

 

シュタール「うるさいっ!」

 

アラン「はぁ…俺も俺だと思ってるけど…やっぱり同じような奴が集まっちゃうのかな…。」

 

ステラ「なんか…すみません…。」

 

フリエ「!!」ガバッ

 

アラン「あ、起きた。」

 

フリエ「勇者様!勇者様のせいへ…好みを教えて下さいッス!早く!」ユサユサ

 

アラン「脚と面倒くさい女。」マガオ

 

フリエ「脚…私…大根足…。」ガクッ

 

アリシア「うぅ…私も…。」ガクッ

 

シュタール「はいはいせいへ…好み発表会も終わり!そろそろ起きるわよ!」

 

皆を起こした…なお、シエロさんは結局8時ぐらいまで寝て、俺と一緒に朝ごはんを食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜食堂〜

 

アラン「ふう…美味しかった…。」

 

シエロ「久しぶりの食事でした…。」

 

ステラ「ドラゴンの食事…エネルギーは精神状態に左右されますからね…。」

 

ドラゴンは空気中の魔力を吸収できるため餓死する事は無いのだが…やはり激しく動くには魔力の吸収だけだと足りなくなるので、ちゃんと食事はする。逆に、魔力吸収無しで食事だけでもドラゴンは激しく動けない。そして魔力吸収は精神的に弱っていると効率がかなり落ちるので…餓死しかねないと言う事だ。

 

サソリ「回復されたようで何よりでございます!」

 

ココ「良かった!シエロさんこの二日間見てられなかったもん!」

 

イオ「うんっ!スゴい食べてた!」

 

アラン「言ってやるなイオ。割と恥ずかしいヤツだそれ。」

 

シエロ「また、太るでしょうか……。」ショボン

 

アリシア「分かりますその気持ち…書類仕事だけだと太りますよね…。」ショボン

 

フリエ「私は冒険者してますけど太りますもん。」ショボン

 

サラ「フリエは…肉ばかり食べ過ぎなのでは…。」

 

ハチ「うん…ちょっと…真面目に引くよ朝からあの量は…。」

 

アラン「いやシエロさんは痩せ過ぎなのでは…何ですかそのモデル体型は…。」

 

ステラ「その通りですね…というかシエロはちょっとステータスの割に痩せ過ぎですよ。」

 

クモ「私も自身あったんだけど…上には上が居るものね…。」

 

ココ「くびれとかスゴいもんね…。」

 

アラン「そしてその遺伝子はイオにも…。恐ろしいな。あとこのパーティー全員人の事言えないからな。」

 

この親子…このパーティーは揃いも揃ってモデル体型の美人揃いだ。全くこの美女どもめ…。

 

皆「/////////」カオマッカ

 

ステラ「主様漏れてます。」

 

アラン「おっとっと…じゃ、これからどうするか…。」

 

フリエ「えぇ…今のを誤魔化すのは無理があるッスよ…。ま、こっちも恥ずかしいので乗りますけど…。」カオマッカ

 

アリシア「えっと、じゃあ、これからどうするかですけど…。」

 

ココ「どうする…って言っても現状動けるのが症状が出てないサソリ達と、昨日の検査でオッケー貰った勇者様だけだから…。」

 

昨日、あの後アリシアに検査してもらい、身体の中にウイルスが居ない事が確認できたので今日から動ける。とは言ったものの…青竜院は機能がほぼ死んでおり、赤竜院への連絡も昨日に済ませた。やる事は特に無い。

 

シエロ「その事ですが…。」

 

アラン「?何かあるんですか?」

 

シエロ「はい。実は主様が眠りについて数時間後、地下水路の作業員から連絡がありました。悪魔族を見たと。」

 

ステラ「地下水路…確かに潜むにもウイルスを広げるにも最適な場所ですね。」

 

地下水路。竜の都全体で使われる水を運搬する巨大な水路だ。第1階層が上水、第2階層が下水の水路になっている。上水はパイプで運ばれているが…下水はパイプなどを使わずに、直接流している。洪水が起きた時にも溢れた水を流すその都合上、第2階層の方がより複雑に、長く作られている。複雑なのと下水を流しているその都合上、魔物が住み着きやすく、また不衛生でウイルスの温床になっている。

 

アラン「で…、そこを調べるって事ですか…。」

 

シエロ「はい。ですが…見ての通り青竜院と冒険者ギルドの機能が死んでいる以上、調査もできません。そこで、赤竜院から人員を出してくださると言う事で…青竜院の唯一動ける人員として、主様に出ていただきたいのです。」

 

アラン「それは良いんですけど…俺はあくまでも部外者ですよ?そこの所周りから言われたりしないんですか?」

 

シエロ「龍王院から許可もいただいておりますので…。」

 

アラン「…分かりました。行きます。」

 

シエロ「ありがとうございます。」

 

かなり急ぎ足になってしまったが…それでも急がなくてはいけない。ウイルスがこれほど広がってしまえば、何れ都全体が駄目になる。

 

アラン「準備だ。サソリ達は…3人とも連れて行く。」

 

サソリ「了解です。」

 

クモ「頑張っちゃうわよ〜!」

 

ハチ「……良いよ。」

 

準備を始めた。

 

 

 

 

 

〜赤竜院前〜

 

アラン「うおデッか…。」

 

ステラ「だいたい皆こんな感じですよ?白竜院が特殊だっただけです。」

 

赤竜院の前に来た。青竜院と同じようにデカい建物だ。赤竜院は防衛の都合上、中央街から少し外れた所にある。

 

シグネ「お!こっちだ勇者様!」ブンブン

 

アラン「あ、シグネさんだ。」

 

ステラ「なるほど…彼女は赤竜院の所属でしたね。」

 

シグネさん。ダンジョンの調査1日目でゴブリンに襲われてた人だ。赤竜院の厳しい訓練では飽き足らず、冒険者も兼業しているへんじ…物好きな人だ。

 

シグネ「むっ。何か失礼な事を思わなかったか?」  

 

アラン「え?気の所為だと思いますよ?」ヒューヒュー

 

ステラ「主様…吹けてません…。」

 

ハチ「だっせ。」

 

ツッコまれてしまった。

 

シグネ「……まあ良いか。それでは、こっちが…。」

 

ルイユ「ルイユです。」

 

ホン「ホンでーす!」

 

アラン「アランです。」

 

サソリ「サソリです。よろしくお願いします。」

 

クモ「クモです。」

 

ハチ「ハチで〜す。」

 

各々の自己紹介を済ませた所で、さっそく例の地下水路に向かう事にした。

 

 

 

〜道中〜

 

ホン「ふんふんふ〜ん♪」

 

ハチ「戦いに〜♪」

 

ホン、ハチ「「ちょうど良い場所は何処かなぁ〜♪」」

 

アラン「物騒だなぁ…。」

 

シグネ「すっかり意気投合してしまったな…。」

 

ホンさんとハチだが、あのあとホンさんの方から話しかけてくれて、同じスピードタイプだった所と好戦的な性格が似ていたのですっかり意気投合してしまったようだ。

 

クモ「で、こっちは…。」

 

サソリ「やはりルイユ様もそう思いますか!」

 

ルイユ「ええ!貴方の主様…勇者アラン様も一目見ただけで素敵な殿方だと分かりました!」

 

サソリ「そうでしょうそうでしょう!貴方の隊長殿も素敵だと思います!あの凛々しいお顔…。」

 

ルイユ「分かりますか!そう!まさに騎士を体現したかのような凛々しいお顔に圧倒的な強さ!無数のゴブリン相手には不覚を取ってしまいましたが…一対一ならキングにも負けません!」

 

そしてサソリとルイユさんも、お互いの真面目な所が似ていたようで、意気投合してしまった。

 

シグネ「聞いていて恥ずかしいからやめてほしいんだが…。」

 

アラン「サソリってあんなに喋ったっけ…。」

 

クモ「元々一度熱くなると止まらない性格なのよ…。」ゲンナリ

 

マジか…。サラと言い、クールキャラは崩れる運命なのか…?

 

ステラ「サラの場合は元々明るい性格だったようですし…崩れると言うよりは元に戻ると言う方が正しいでしょう。それに、まだシルが居ます。」

 

アラン「忘れていた!」

 

クモ「酷いわね…。」

 

だってあの人クールと言うよりは逞しいという感じが強いんだもん。シエロさん救出作戦で1人だけカイロ使ってなかったし、馬車での移動の時もオヤツって言ってヤバい色したキノコ食べてたし。

 

ステラ「元々身体は頑丈ですからね。風邪も引いたことが無いそうです。さすがに未知のウイルスにはかかってしまいましたが…。」

 

クモ「化物ね…。」

 

アラン「俺もあんな人に…いや、さすがにヤバい色したキノコは食いたくないな…。」

 

目標にする人をだいぶ間違えたかもしれない。いや、元々周りにクセの強い人しか居ないのだが…。

 

 

 

 

 

 

〜地下水路入り口〜

 

シグネ「着いたぞ。」

 

クモ「ここが…。」

 

中央街から都の門近くまで来た。さすがに魔物が住み着くような所の入り口を町中に作る訳にはいかないのだろう。

 

サソリ「厳重…ですね。」

 

アラン「青竜院よりも警備が厳重だな…。」

 

ダンジョンの入り口に使われているような分厚い金属の扉に、更に鉄格子の扉が付けられている。また、周りが柵で取り囲まれており、警備は…2人。だが、近くに門を警備している赤竜院の詰所があるのですぐに応援が駆けつけられる。

 

シグネ「第1階層は良いんだが…第2階層はどうしても魔物が湧いてしまうからな。たまにここまで上がってくる魔物も居る。だから厳重にせざるを得ない。」

 

ホン「ま、湧くと言ってもゴブリンやスライムぐらいだけどね〜そんなに大型の魔物は湧かないよ。」

 

ルイユ「あくまで全長が長いだけで通路の広さはそんなに無いですからね。」

 

なるほど。デカい魔物が出たらどうしようと思ってたが…その心配はしなくて良さそうだ。

 

ステラ「しかし、今までのどのダンジョンよりも長いのは間違いありません。それに、大きい魔物が居ないと言う事は小さな魔物が増えやすいと言う事…警戒するに越した事はありません。」

 

サソリ「ましてや悪魔族が潜伏しているのです。トラップも仕掛けてあるに違いありません。」

 

アラン「だよなぁ…数の暴力で来られたら正直キツいよな…。」

 

シグネ「だが、転移装置が各所に取り付けられている。危なくなったらそれで脱出すれば良い。」

 

アラン「なら…大丈夫か…な…?」

 

不安になってきたが、そろそろ行かなくては。

 

シグネ「よし…準備完了。調査を開始する。」

 

警備に確認を取って、扉を開ける。薄暗い階段が姿を現した。

 

アラン「調査開始。」

 

 

 





さて、ここからが本番だ。
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