記憶喪失系勇者の旅路   作:一般通過社会人

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まだまだ道は長いぞ。頑張れ勇者君。


決着

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜管理室〜

 

アラン「な…。」

 

アズマ「ゲホッ…ぁ…。」ガクッ

 

ニューモ「ぁ…え?アズマ…何で…?」グスッ

 

ニューモをアズマが庇った。マトモに喰らったアズマは…もう…。

 

アズマ「ゲホッ…ニューモ…無事か…。」

 

ニューモ「何で…アズマぁ…。」グスッ

 

アズマ「バカ…泣くな…。」

 

ニューモ「だって…アズマ…わたし…なにも…。」

 

アズマ「身体が弱い俺より…お前が生き残った方が良い…。」

 

ニューモ「ちがうのっ!!」

 

アズマ「……?」

 

ニューモ「わたし…バカだから…アズマにたくさん助けてもらったのに…そのおんがえしで…つよくなったのに…つよくなったのにぃ……。」グスグス

 

アズマ「きにすんな…ニューモ。」

 

ニューモ「……なに?」

 

アズマ「戦う理由を…よく考えろ。決して…見失うなよ…!」

 

ニューモ「アズマっ!!アズマ…アズマぁ…!」グスグス

 

アズマが…消滅した。

 

 

 

 

アラン「……まだやるか?」

 

ニューモ「っ!当たり前だあっ!!お前をお前達を…許さないっ!!絶対にっ!」ダァン

 

サソリ「主様!ぐっ…ゴホッ…ゲホゲホッ。」

 

ハチ、クモ「「サソリっ!!」」

 

シグネ「っ…ハァ…ハァ…ゲホッ。」

 

ルイユ「隊長!しっかり!」

 

あの悪魔族…アズマは相当手強い相手だったらしい。この中でもトップクラスの実力者である二人の状態は酷い。ストールは完全に破れてその機能を失っており、身体のあちこちがボロボロで焼き焦げている。

 

ニューモ「死ねぇっ!!」ドォン!!

 

アラン「うおっ!?」

 

ファイアボールを放ってきたので、ステラでガードするが…。あ、やべ。受けきれない。

 

ステラ「主様っ!!」

 

アラン「ぐっ…らあっ!!」ギィン!!

 

ステラ「主様っ!避けてっ!!」

 

アラン「うおっ!?」

 

ニューモ「死ね死ね死ね死ねぇっ!!」ドドドドドド

 

アラン「っ!オラあっ!!」ブンッ

 

ニューモ「ぐっ!?」ガシャァン

 

手負いのサソリ達が居るのに此処で殺るのはマズい。通路までハンマーで壁ごと吹っ飛ばす。

 

ニューモ「があっ!?……まだまだぁっ!!」ブンッ

 

アラン「くっ…。」ギィン

 

咄嗟にステラをククリナイフに。サーベルを受ける。

 

ニューモ「オラオラオラあぁっ!!」ブンブンブンッ!!

 

アラン「おおおおおおおおっ!!」ギィンギィンギィン!!

 

神器の壊れない特性を活かし、雑でも良いのでとにかく防ぐ。

 

アラン「おおおおおおおっ…らあっ!!」ガギィン!!

 

ニューモ「ぐあっ!?」キィン!!

 

アラン「オラァっ!!ステラハンマーーっ!!」ズッドォン!!

 

ニューモ「ぐあぁっ!!」バァン!!

 

サーベルを無理やり弾き、できた隙にハンマーをぶち込む。ステータス差的に長期戦はムリだ。高威力の攻撃を連発して押し潰す!

 

ニューモ「ぐっ…ああああっ!!」ブンッ!!

 

アラン「な…があっ!?」ドスッ!!

 

ステラ「いやっ!!主様っ!!」

 

ニューモがサーベルをぶん投げてきた。左肩にサーベルが刺さった。もう…左は使えない。

 

ニューモ「おおおおっ!!」ダァン!!

 

アラン「っ!そうきたか…!」

 

左が使えなくなった事を利用して格闘戦で優位に立つつもりらしい。ハンマーも振れない。

 

ニューモ「ああああっ!!」ブンッブンッブンッ!!

 

アラン「がっ!あっ!ごあっ!!」

 

右頬、右腕、腹…拳が突き刺さる。

 

アラン「ぐおっ…。」

 

ニューモ「これでえっ!!」ブンッ!!!

 

ステラ「避けてっ!!」

 

アラン「っ!ぐあっ…!!っ…ステラ!未来予知!!」

 

ステラ「はいっ!」

 

ニューモ「っ!うおぁぁぁぁぁあっ!」ブンッ!!

 

避けて未来予知を使用。これで左腕の分を埋めて、ひたすら殴る!!

 

アラン「オラァっ!!」ガァン!!

 

避ける。殴る。避ける。殴る…。

 

ニューモ「ぐっ…あっ!ごっ…あっ!!」

 

アラン「あああああああっ!!」ブンッブンッブンッブンッ!!

 

ニューモ「おおおおっ!!らあっ!!」バァァン!!

 

アラン「!?がああああっ!!」

 

魔法だ。衝撃波…。一気に吹き飛ばされた。ステラも…手元から離れた…。

 

ニューモ「ダークヒートぉ!!グングニルっ!!」ズパァン!!

 

アラン「が…。」

 

ステラ「主様ぁ!!」

 

胸に刺さった…熱い…熱い熱い熱いっ!!

 

アラン「ごはっ…。」ビチャッ

 

ニューモ「終わりだあっ!!」

 

ステラ「やめろぉぉぉおっ!!」ビュンッ

 

ステラが必死に飛んでくる。が、心配は無用だ。

 

アラン「……なんちゃってぇっ!!!」ブンッ

 

ニューモ「があっ!!」ズサァ

 

ステラ「!?」

 

近づいて来たニューモの顎に向かって一発。命中して今度はニューモが吹っ飛んだ。

 

アラン「っらあっ!!オラァっ!!オラァっ!!」ブンッブンッブンッ!!

 

ニューモ「があっ!!ぐあっ!!ごあっ!!」

 

馬乗りになってひたすらぶん殴る。もう狙いとかは無い。ただひたすらに、めちゃくちゃに。

 

ニューモ「ごはっ…が…っ…ぁぁ…。」

 

アラン「オラァっ!ぉ……。」

 

ニューモ「ゲホッ…ゴホッゴホッ…クソッ…どけ…どけよぉ…かえせ…かえしてよぉ…。」ポカッ

 

アラン「……。」

 

ステラ「主様!!大丈夫で…あぁ…酷い怪我…。」フワッ

 

……終わりだ。完全に…相手の心が折れた。もはや…弱々しいパンチしかしてこない。

 

ステラ「最後の砦も発動して……。とりあえず。戻りましょう、皆の所に…。」

 

 

 

〜管理室〜

 

あれから、戻って暫く経った。ニューモは…こちらを睨むばかりだ。

 

アラン「……。」

 

ステラ「……?主様っ!」

 

ニューモが真っ直ぐ向かってくる。だが…。

 

アラン「……はっ。」パシッ

 

ニューモ「なっ!?」

 

拳を冷静に受け止めた。

 

ニューモ「ぐうっ…よくも…よくもアズマを…アズマをぉ…許さない…許さないからなぁ…。」グスッ

 

アラン「……ライバさんは、お前達が攫った竜族は何処だ?」

 

ニューモ「っ!そんな事っ!!っが!?」ボコッ

 

……いかん。殴ってしまった。だんだん抑えが効かなくなってきた。

 

アラン「……もう一度聞く。何処だ?」

 

ニューモ「……奥の牢屋だよっ!!オラァっ!!」ブンッ

 

アラン「そうか。」ガシッ

 

ニューモの拳を冷静に受け止める。泣いて動揺しているせいもあるのだろうが…全く力が入っていない。

 

ホン「勇者様…?」

 

アラン「ホンさん。ライバさんを頼みます。」

 

ホン「っ…わ、分かった…。」スタスタ

 

ホンさんが奥の方に向かう。

 

ニューモ「お前のせいで…お前のせいでぇ…。」グスッ

 

アラン「そうだな。」ブンッ

 

ニューモ「っがぁっ!?」

 

ステラ「っ!主様!それ以上は…!」

 

アラン「それ以上は…何だ?」

 

ステラ「主様…?」カタッ

 

何やら皆怯えている気がするが…今は悪魔族だ。

 

アラン「……ウイルスを消せ。」

 

ニューモ「ゲホッ…オエッ…い、嫌…。」

 

アラン「そうか。」ブンッ

 

ニューモ「ゲホッ!?」

 

腹に一発。こちらの要求が通るまでやる。

 

ニューモ「ぁ…。嫌…いやぁ…。」グスッ

 

アラン「っ……消せ。そうすれば…自由にしてやる。」

 

ニューモ「お前が…お前が全部悪いんだぁ…。」グスグス

 

アラン「違うな。始めたのはお前らだ。逃げるなよ。」

 

ニューモ「っ…違う…ちがうもん…。」グスグス

 

アラン「お前…ニューモだったか。俺とお前は敵だ。そこは分かってるな?」

 

ニューモ「っ!当たり前だろっ!!お前のせいで!お前のせいでアズマはっ!!」

 

アラン「ウイルスをバラ撒こうって最初に言い出したのは誰だ?」

 

ニューモ「私だっ!!私…だ…?」

 

アラン「…気づいたか?お前がアズマを殺したんだ。お前達がどんな理由でこんな事をしたのかは知らない。もしかしたら自分達の身を守るためだったのかもしれないし、何か別の…大義があったのかもしれない。殺し合いなんてそんなもんだ。…だが。」

 

ニューモ「ぁ…そんな…やだ…わたし…。」

 

 

 

 

アラン「お前の選択の結果だと言うことは変わらない。俺もお前も、人殺しだ。」

 

 

 

 

ニューモ「………わたし…わたしが…。」

 

ステラ「……。」

 

アラン「っち、クソッ。説教なんて…。」

 

サソリ「主様…。」 

 

アラン「……もう一度言う。ウイルスを消せ。今回だけは…見逃してやる。」

 

ニューモ「……。」シュウ

 

……終わったようだ。

 

アラン「それで良い。まだ殺るか?」

 

ニューモ「もう…いや…もう…いきたくない…。」

 

アラン「……そうか。介錯ぐらいはしてやる。」

 

 

 

 

 

????「それは困るのぉ。」

 

 

 

 

 

何処からか声が聴こえてきたと思ったら…ニューモの後ろに黒い渦が現れた。

 

アラン「あ?」

 

ステラ「この声は…!」

 

ハチ「っ…!」ブルッ

 

????「よっこらせ。全く…歳をとると移動がしんどくていかんわい。」

 

黒い渦の中から…白い口髭を生やした悪魔族がでてきた。

 

アラン「誰だアンタ?」

 

ステラ「主様下がって!!そいつは…マリス帝国の最高幹部にして、国を統べる三壊将が1人…疫将のプレイグです!!」

 

ハチ「プレイグ…。」ガタガタ

 

サソリ「お前は…。」ブルッ

 

……ハチ達が怯えている。ステラの言葉からして…強敵だ。

 

クモ「勇者君!?どうした…ヒッ…!」ペタン

 

プレイグ「おお…君が今代の導きの勇者か。なるほど…こりゃあブリトルが殺られるわけじゃな。」

 

アラン「どうも。で?コイツを回収しに来たのか?」

 

プレイグ「そうじゃよ。ニューモは我が計画に必要なピースの一つでな。まあ…予備は確保してあるが…それでも失わないに越した事は無いんでな。回収しに来たんじゃ。」

 

ステラ「予備…!相変わらずのしぶとさと非道さですね!!」

 

プレイグ「おお…久しぶりじゃな熾天使…いや、今は導きの剣ステラじゃったな。じゃが…しぶとさだけは言われたくないのぉ。」

 

…ヤバい。コイツはヤバい。何とか抑えてるが…空気がどんよりしている。濃密な…死の気配だ。

 

サソリ「くっ!主様!下がってください!何とか…何とか時間稼ぎを…!」ガシッ

 

サソリが腰の剣を抜こうと剣のグリップを握る。

 

アラン「やめとけサソリ。殺りに来たんじゃ無さそうだ。こっちから喧嘩ふっかけたらヤバい。」

 

プレイグ「賢いのぉ。サソリが抜いたら更に強力なウイルスをバラ撒いていたわい。」

 

サラっととんでもない事抜かしやがったこのジジイ。

 

アラン「……おい。迎えが来たぞ。行け。」

 

ニューモ「ぁ…ぁ…。」ポロポロ

 

プレイグ「全く…世話がやけるのぉ。こんな老人に働かせるもんじゃ無いわ。」グイッ

 

ニューモ「ぁ…?プレイグ…。」

 

プレイグ「立てるかニューモ?さっさと撤退するぞい。」

 

ニューモ「ぅ…。」フラッ

 

ニューモがフラフラしながらも立つ。

 

プレイグ「ああ。そうじゃ。クモにハチ、サソリよ…。」ブワァ

 

サソリ「ぁ…。」グスッ

 

ハチ「ヒッ…ぁ…。」グスグス

 

クモ「いや…。」グスグス

 

プレイグ「良き主を持ったの。じゃが…

ワシらは裏切り者は許さん。楽に死ねると思うなよ。」ブワッ!

 

サソリ「うぁ…。」グスグス

 

ハチ「ぁ…あああぁぁぁぁああっ!!」グスグス

 

クモ「いやぁ…いやぁぁぁぁぁぁああっ!!!」グスグス

 

プレイグ「それじゃ…用も済んだし帰るとするかの。あ、そうじゃ。導きの勇者よ。」

 

アラン「……何だ。」

 

 

 

 

 

プレイグ「次も…会えると良いのぉ…。

 

 

 

 

 

身の毛がよだつような声とともに…黒い渦の中に入っていった。

 

アラン「っ…!」

 

ステラ「プレイグ…!」

 

クモ「いや…やめてぇ…。」グスグス

 

ハチ「ぁ…ごめんなさい…ごめんなさい…もう…いたいことしないでぇ…。」グスグス

 

サソリ「ぅぁ…。」グスグス

 

アラン「っ…ヤバかった。とりあえず…お〜い。クモ?大丈夫か?」

 

クモ「ゆ、勇者君…?」グスグス

 

アラン「アイツは帰った。俺達も…帰ろう。」

 

クモ「うん…ぁ…?ゆ、勇者君っ!肩がっ!肩にサーベルがっ!!」

 

アラン「あぁ…まあ、落ち着け。此処で抜いたらヤバいから…処置できるところでやってもらおう。」

 

クモ「そ、そう…そうよね。大丈夫…大丈夫よね。勇者君は…死なないもの…。うん、絶対…死なない…。」ブルブル

 

ダンジョンコアの時よりはマシだ。まだ腕が吹っ飛んでない。

 

アラン「ほら、ハチ?早く行くぞ…うおっ!?」

 

ハチ「ふーっ…ふーっ…おぇ…いやぁ…。」グスグス

 

ハチが飛びかかってきたので何とか受けとめる。ギリギリ反応できた。

 

ハチ「ぅぅぅ…。」ギュゥゥゥッ

 

アラン「これは…そのまま運ぶか…。」

 

ステラ「は!?何言ってるんですか!?降ろして安静にしててくださいっ!!!」

 

アラン「いやでも…これ、剥がすのに時間かかるよ。そのまま運んだ方が速いって。というか早く手当したいからむしろ運ばさせて?」

 

ステラ「……分かりました。」

 

アラン「サソリ。動けるか?」

 

サソリ「ゲホッ…はい…。」フラッ

 

ルイユ「こちらも…処置が完了しました。いつでも行けます。」

 

シグネ「ゲホッ…。もう大丈夫だ…。」

 

ホン「よいしょっ…ライバさんも…無事だったよ。」

 

ライバ「ご迷惑を…おかけしました…。」

 

アラン「ぁ…ライバさん。無事で良かった…。」

 

ライバ「勇者様…っ…あの…そのお怪我は…。」

 

アラン「まあ…ちょっとやらかしちゃっただけです。お気になさらず…。」

 

ライバ「勇者様…ごめんなさい…。」グスッ

 

ステラ「気にしないのは…厳しいかと。」

 

アラン「だよね…。」

 

さすがに肩にサーベルがぶっ刺さったのを気にするなは無理があったか…。

 

ライバ「勇者様…。」ギュッ

 

アラン「アッちょ……。……よしよし。」ナデナデ

 

ライバ「ごめんなさい…ごめんなさい…。」ナデラレ

 

アラン「でも…ライバさんは上司を庇って捕まったんですから…少しは誇っても良いと思いますよ。気にするなってのは…無理かもしれませんけど…でも、お互い死んではいないですし…大丈夫ですよ。」

 

ライバ「ぁ…はい…ありがとう…ありがどゔ…ございまず…。ふぇ…ふぇぇぇぇぇぇえ…。」ポロポロ

 

本格的に泣き出した。

 

ホン「今、青竜院にも連絡したけど…大急ぎで医療班を送ってくれるって。勇者様…早く行かないと後が怖いよぉ…?」

 

アラン「ひえっ……帰ろ…。」

 

ステラ「そうですね…。」

 

サソリ「ほら、クモ。行くぞ…。」

 

クモ「うん…。」トボトボ

 

ハチ「……。」ギュゥゥゥッ

 

ルイユ「隊長…肩を。」

 

シグネ「すまん…。」

 

……とりあえずは、解決した。解決したが…新たな脅威を目の前にして、改めて自分の無力さを実感した日だった。それに…罪深さも。

 





これから過去編かなぁ…。
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