今回は何処も消し飛んで無いな。ヨシ!
帰還
〜地下水路入り口〜
アラン「ふう…帰ってきた…。」
転移装置でワープして帰ってきた。ちなみに、転移装置は魔道具の一種である。本来大規模な魔法陣と大量の魔力で初めて使用できる転移魔法を、あらかじめ特殊な金属に魔法陣を刻んでおくことでボタン一つで使用できるようにしたものだ。まあ、大量の魔力が必要な所は変わらないので、結局何処でも使用できる訳ではないのだが…。
シエロ「主様っ!!!」
シル「アランっ!!!」
シュタール「貴方…!大丈夫なの…!?」
アラン「あ、皆…グエッ。」
おうっ…シルさんせめてシュタールを置いてから飛びついてくれませんかね…。重量的にキツい…。
シエロ「そんな…肩が…!」
シル「医療班っ!!早くしろっ!!」
医療班「「「は、はいっ!!」」」ドタドタ
シエロ「とりあえず…主様、此処に座って下さい…。」
シエロにシートの上に座らされる。痛え…。
シュタール「っ…早く処置を!」
医療班「はいっ。勇者様、動かないで下さいね…!」
アラン「いや、ハチが居るから動けませんよ…。」
医療班の人がぶっ刺さったサーベルを慎重に抜く……。
アラン「いっ…おぉぉ…。」
ステラ「主様…我慢です…!」
めっちゃ痛い…思えば今まで処置の最中なんて寝てたから初体験だ…こんなに痛いのか…。
ステラ「無理もありませんよ…そもそもいつもこれだけ血を流して気絶しないほうがおかしいんです…。」
シュタール「アンタ何時もこんな怪我してるの!?シルの修行時代もここまで酷く無かったわよ!!」
シル「アラン…君相当ズレてるよ…。」
悲報。俺氏ズレていた。薄々感じてはいたが。
医療班「……はい。終わりました…おいっ!ポーション!」
医療班2「はいっ!!」サッ
ポーションがかけられる。あ〜。
アラン「し゛み゛る゛っ゛!!」
シュタール「我慢しなさいっ!!」
アラン「ひぃん…。」
怒られてしまった。
ステラ「心臓も…思いっきり炎の槍が刺さってましたから…。」
医療班「これは…すみません、神聖魔法と併用しないと…。」
ブランカ「勇者様!!」
アラン「ブランカさん!?寝てなくて大丈夫なんですか!?」
ブランカ「貴方に言われたくありませんっ!!」
アラン「確かに。」
ステラ「納得しないっ!!」
ステラに怒られてしまった。なんかさっきから怒られてばかりだ。
ブランカ「もう…とりあえず、治療しますね…『ヒール』。」
アラン「あ〜。」
なんか…あれ?心地良い…?
ステラ「神聖魔法は癒す為の魔法ですから…。」
アラン「なるへそ…でも、何か…雰囲気?いや、空気…?が、アリシアに似てる気が…。」
ブランカ「アリシア様は…神聖魔法を扱う為に生まれてきたような御方なので、もはや神聖魔法そのものになってしまっているというか…。」
アラン「えぇ…?何それ怖い…。」
アリシアってそんなスピリチュアルな存在だったのか…。
ステラ「主様…くれぐれもアリシアの前で怖がらないでくださいね…?」
アラン「あ〜、うん、努力する…。」
シュタール「あの子たぶん貴方に嫌われたら立ち直れないわよ。」
アラン「うーん…そこまで好いてくれて男冥利に尽きると言う気持ちもあるけど…そんな引きずらずに生きてほしいと言う気持ちもある…。」
シエロ「私もですよ…?」
シル「私も…というかチームスピードクロウ全員そうじゃないかな。」
アラン「幸せな胃もたれしそう…。」
シュタール「良かったわね。」
幸せだなぁ…。
ブランカ「……はい。内部の修復は終わりました。あとはポーションで外側を。」
医療班2「了解です。勇者様、かけますよ…。」
ポーションがゆっくりかけられる。みるみるうちに傷が塞がっていく。
医療班2「…はい。完了です。お疲れ様でした…。」
アラン「ありがとうございました…ふう…何とか…生き残れた…生き…ん?」
シル「……アラン?何か引っかかる事でも?」
ステラ「主様…?」
アラン「やべ…俺…昨日の夕飯と今日の昼飯抜いたけど…。」
シエロ「そう…ですね。それが何か…?」
アラン「その状態で最後の砦発動したら…消耗が…。」
ステラ「………あ!?」
やべ、今度こそ餓死するかも。ブリトルの時よりかは短かったが、それでも発動したのは事実。神聖魔法で心臓も治してもらったから、それも含めると…。
シエロ「あ…医療班っ!!点滴の用意っ!!」
医療班「お待ち下さいシエロ様!さすがに点滴の用意はありません!青竜院まで運んだ方が早いです!」
シル「なら早く運ばないと…!ごめんシエロ!シュタール任せた!」
シエロ「はいっ!」
シュタール「絶対死なすんじゃないわよっ!!」
シル「分かってるっ!!アラン!ほら!」
アラン「え…おんぶですか…?」
ブランカ「わがまま言わないっ!せえのっ!!」
アラン「おあーっ!?」
その後、青竜院までの道中で限界が来た。
アラン「ぁ…やべ…眠気が…。」
シル「っ!ダメっ!!寝ちゃダメっ!!」
ステラ「主様!!気を確かに!!目を閉じてはダメです!!主様…?主様っ!!!」
アラン「もぅ…む…り……。」
シル「アランっ!!アランっ!!ダメっ!!」
目を…ゆっくり閉じた…。
〜ニューモ視点〜
ニューモ「ぅあ…。」ドサッ
あの後…帝都の研究所までプレイグの転移魔法で戻ってきた私は、手当を受けて家まで戻ってきた…。
ニューモ「うぅ…アズマ…アズマぁ…。」グスッ
いつもより広く感じる部屋…あ…そうだ…この前までは…アズマが居たんだ…。
ニューモ「ごめん…ごめん…。」ポロポロ
涙が止まらない。もう…死にたい…。
ニューモ「っ…私のせいで…私が…何も考えずにあんな事言ったから…。」
いつもそうだった。腕っぷしは強いけど、バカな私と、頭は良いけど、身体が弱く腕っぷしも弱かったアズマ。子どもの頃はいつも身体が弱かったアズマをバカにしていた。だが、アズマは弱い身体ながらも必死に努力し、帝国の三壊将の部下にまで登りつめた。でも、私は何も考えずに突っ走り、気づけば同じく三壊将の部下に…大人になって研究所で再会して1回目、私はアズマと模擬戦をする事になった。
ニューモ「ボコボコにされたんだっけ…。」
結果は…惨敗。ただ力任せなだけの私では、計算し尽くされたアズマの頭脳を上回るどころか弄ばれるだけだった。
ニューモ「当たり前だよね…。」
何も…何もさせてもらえなかった。自慢のパワーとスピードも距離をとられてサーベルも届かない。魔法で攻撃しようとしたら詠唱を邪魔され発動できず。それでもと突撃したら…それも読んでいたアズマの最大火力で焼き尽くされた。
ニューモ「アズマは…あんなに変わったのに…わたし…何も…なにも変われてないよ…。」グスグス
今回も…作戦はアズマに任せっきりで何もせず、魔力も無い無力な人族と侮った勇者にボコボコにされた。
ニューモ「ぁ…ぅぁぁ…。」グスグス
泣いても、後悔しても遅い。もう彼は戻ってこない。その事実が心を引き裂く。
ニューモ「私は…。」グスッ
あの勇者に…復讐したい。分かってる。全部自分が始めた事だ。あの勇者はむしろ被害者…私は加害者。それでも…私の大切な人を奪ったあの勇者を…!
ニューモ「ごめんアズマ。もう…戦う理由なんて分からないや。私は……君みたいにはなれない。」
プレイグが…人体改造の被験体を探していると言っていた。曰く…究極の暴力を…兵士を作る為だと。
ニューモ「待ってろよ……!」
勇者アラン。お前を殺すのは…私だ。
勇者君…良い敵ができたねぇ。