記憶喪失系勇者の旅路   作:一般通過社会人

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よしやっと纏った。遅筆で申し訳ない。


2ヶ月

 

〜青竜院 寝室〜

 

アラン「……。」パチッ

 

ステラ「ぁ…あるじさま…!」カタッ

 

…ぁ。

 

ステラ「主様!ようやく…ようやくお目覚めで…!」

 

アラン「……ステラ。」

 

ごめんステラ。その前に…。

 

ステラ「はいっ!主様…ステラは、貴方のステラは此処に居ますっ!」

 

うん。分かってるから…。

 

アラン「ステラ…ミズ…。」

 

ステラ「あ。」

 

喉が渇きすぎてマトモに喋れない。水くれ。

 

 

〜水分補給中〜

 

 

アラン「…ふぅ。あーっ…やっと生き返った…。」

 

ステラ「縁起でもない事言わないでください…本当に心配したんですよ?」

 

アラン「ごめんて…。」

 

ステラ「それで、主様…。」

 

アラン「……はい。」

 

ステラ「落ち着いて聞いてください。あの戦いから、既に…。」

 

聞くのが怖いが聞くしかない。さっきから身体が重いけど…。

 

アラン「…。」

 

ステラ「2ヶ月経過しています。」

 

うそーん…。

 

アラン「…えっ。」

 

ステラ「マジです。」

 

2ヶ月?ねぼすけにも程があるよ俺…。

 

ステラ「スキルの反動と神聖魔法の反動…両方が同時に重なった結果です。仕方ない事です。」

 

アラン「……ココ達は?」

 

ステラ「とっくに回復してモンスター狩りです。とは言っても…半ばモンスターに当たってるような状態ですね…。」

 

アラン「アリシア…。」

 

ステラ「同上です。と言ってもアリシアの場合は自分が居るのに怪我をさせてしまった事を責めてるようです…。」

 

アラン「くっ…イオ!」

 

ステラ「貴方が昏睡したと伝えた時は…都が永久凍土になりかけましたよ。」

 

アラン「サソリ達!」

 

ステラ「守れなかった事を酷く気に病んでいます。」

 

アラン「シルさん!」

 

ステラ「シュタールが喝を入れてなんとか…。」

 

アラン「まだだ…シエロさんが居る!」

 

ステラ「往生際が悪いです。行かせたのは私だと…責任を感じて首を吊り掛けました…。」

 

もうダメだ…おしまいだぁ…。

 

ガチャッ…。

 

ステラ「あっ。主様。頑張って…。」

 

扉が開く。うっ…うわぁぁぁぁぁ!?

 

 

〜1時間後〜

 

ココ「っ…すんっ…、うっ…良かったぁ…!」グスッ

 

フリエ「……うぅ!」ギュッ

 

サラ「…マスター…好きぃ…!」ギュッ

 

っふ〜…やっと落ち着いたぜ。1時間もかかってしまった。

 

アラン「いやごめんね?あとフリエのせいじゃないから。」

 

フリエ「でも…私のせいで…。」ズーン

 

アラン「違う。あの場ではアレが最善だっただけ。絶対にフリエのせいじゃないよ。」

 

フリエ「……はい。」ギュッ

 

あそこでフリエに潰れられても困るし。健康第一である。

 

ココ「…あ、皆にも伝えなきゃ。」

 

サラ「っ……は、はい…。もう皆限界ですから…。」

 

フリエ「…先、アリシアっス。もう怖いっス。」

 

アラン「一体何が…?」

 

怖いが、行くしかない。

 

 

〜医務室前の廊下〜

 

アラン「……えぇ。」

 

フリエ「また汚したっスね…。」

 

医務室の前まで来た。だが、窓の外の物干し竿には真っ赤なシスター服が吊るされていた。

 

ココ「アリシア、勇者様が寝込んでからずーっと魔物に当たってて…素手で殴るもんだから、返り血が酷いの。」

 

サラ「はい…私達も人の事は言えませんが、アリシア程ではないです。」

 

ステラ「ステータスの上がり幅を考えれば、良いことなのですが…。」

 

あーあ…アレ絶対落ちないだろうな…まあ、入ろう。

 

 

 

〜医務室〜

 

 

ガッシャーン!!!

 

 

アリシア「勇者様っ!!!」ドゴッ

 

アラン「おっごおっ!?」

 

部屋に入った瞬間、とんでもない質量の塊が襲いかかってきた。ギリギリ踏みとどまる。

 

ココ「コラーッ!!

 

フリエ「アリシアっ!!

 

サラ「お説教です…!」

 

アリシア「あっ…。」シュン

 

〜十分後〜

 

アリシア「すみません…。」シュン

 

アラン「アリシアがやると洒落にならないから控えようね。怪我は無いとはいえ俺病み上がりだからね一応。」

 

アリシア「はい…。」シュン

 

全く死ぬかと思ったぜ。でも感触は柔らかかった。

 

アリシア「…勇者様、よくぞご無事で。」ギュッ

 

アラン「おっふ…う、うん。」

 

アリシアの魅惑のボディーが密着する。はぁぁ…ダメになりそう。

 

アリシア「一応、診察しますね。『審判の目』」

 

アラン「…あ、そういえばイオ何処?ステラから聞いたから一番不安なんだけど。」

 

都を永久凍土って…流石にヤバいでしょ。

 

ココ「イオちゃん?私達よりもずっと良い子だよ。元気が無いだけで。」

 

フリエ「勇者様が居ないと魔物狩りもできないっスからね…。」

 

サラ「ある意味では一番可哀想ですね。」

 

ステラ「勉強の時間以外はずっと主様の傍から離れませんでした。」

 

冒険者ギルドの従魔登録から変えたい所だが、まだ年齢的に冒険者登録が出来ない。我慢させた分はしっかり埋め合わせないとな。

 

アリシア「……はい、異常なしです。完治おめでとうございます。」

 

アラン「ん…よし。また頑張らないと。」

 

ステラ「…はい。」

 

ココ「でも…勇者様、これ以上は…。」

 

フリエ「勇者様の身体が保たないっスよ…。」

 

アラン「でも、頑張らないと死ぬだけだよ。」

 

サラ「……ぅ。」ポロポロ

 

アラン「ごめんって。でも、本当に頑張らないと。」

 

ステラ「…。」カタッ

 

ステータスも随分離されてるし、できる事から始めないといけない。ダンジョンに潜るか…。

 

ステラ「…主様、一先ず顔合わせが済んだら話が。」

 

アラン「ん?…了解。」

 

話…まあ良いや。イオもシエロも食堂に居るみたいなのでとりあえず行こう。

 

〜食堂〜

 

イオ「っ…うっ…!」ポロポロ

 

シエロ「……!」グスッ

 

シル「っ…えぐっ…!」グスッ

 

アラン「ごめんね…。」ナデナデ

 

シルさんも居た。相当心配かけてしまった。面目ねぇ。

 

イオ「うぅ…あるじ、もう無理しちゃダメだよ…?」ギュッ

 

アラン「……いや、キツいよ。もっと頑張らないと。」

 

シル「そう…だね。レベル差が…。いや、でもやっぱり…。」

 

シエロ「私は、反対です。身体を壊しては元も子もありません。」

 

アリシア「えぇ。勇者様の主治医として…これ以上の無茶は許可できません。」

 

アラン「でも魔族の脅威もそこまで迫ってる。今回の件でそれは明らかになった。」

 

ステラ「はい。三壊将の中でも一番後方担当であるプレイグがあそこまで派手に動いていると言うことは、既に他の三壊将も何かしら動いていると見て良いでしょう。悠長にしている暇はもう…。」

 

ココ「……。」

 

既に脅威はそこまで迫り、俺は現状置いていかれている。多少の無茶は通さないと早めに詰んでしまうだろう。

 

アラン「………俺は、一先ず自分の事を片付けようと思うよ。」

 

ステラ「自分の事…つまり……。」

 

ココ「勇者様の…過去だね。」

 

いい加減知っておかなければいけないだろう。

 

ステラ「…分かりました。別行動にしましょう。私もやる事があります。」

 

アラン「無理はするなよ。」

 

ステラ「主様こそ。」

 

ココ「…チームスピードクロウは引き続きステータスの強化で良い?」

 

アラン「そうだな…あ、シエロ。頼みたい事が。」

 

シエロ「何でしょう。」

 

アラン「ギルドに、イオの従魔登録の変更を申し出てほしい。主を、俺からココに。」

 

イオ「へ…?あ、あるじ…?」グスッ

 

アラン「一時的だから。俺はイオにも強くなって欲しい。イオが嫌いになった訳じゃないよ。」

 

イオ「……うん、分かった…。でも、必ず帰ってきてね…?」

 

アラン「勿論。ほら。」

 

イオ「うん…。」ギュッ

 

イオを抱き上げる。ほんのり冷たい体温が心地よかった。

 

 

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