作者はポケモンを言うてそこまでやり込んでいるわけではないので矛盾が生じることがあります(断言)。特にポケモンの鳴き声なんてすっごくテキトーなので違うなと思ったら感想欄でこっちが正しいよと教えてください。泣いて喜びます。
ポケモン廃人、転移しました!
「4Vか…5V…性格違う…6V…A抜けが欲しいんじゃい」
俺の名はレン。普通の高校二年生だ。
今日は日曜、朝から昼過ぎの今までずっとチャリを漕ぎまくっている。まぁゲームの中でだがな。
俺は所謂ところのポケモン廃人というやつだ。ポケモンのランクマで勝つために対戦時間の何倍も厳選作業に勤しんでいる。そのせいで友達が減ったのはここだけのお話。小6の頃、親戚の兄ちゃんの影響でポケモン廃人に片足突っ込んでいた俺は友達のザシアンをガラルサニーゴ(親:親戚の兄ちゃん)で嵌め殺した。これがポケモンバトルだと俺に教えてきたアイツを俺は許さない。修学旅行そいつと一緒で気まずかったんだぞ。
今ではランクマで戦いに明け暮れている日々。ポケモンは友達なんて感覚は疾うの昔に無くなってしまった。ポケモンを数値でしか見なくなったのはいつだったか。
「純粋にポケモンを好きだったのって、いつまでだったかなぁ。懐かしいなぁ」
学校帰りに公園でポケモンバトルをしている小学生を見ると胸がキュッとした。失ってしまった光が、薄汚れてしまった俺にゃ眩しすぎたんだよ。
「純粋だったあの頃に戻りてぇなぁ…」
まぁ、無理なんだけどな。これも大人になったってことで諦めるしか無いか。
「昔、ポケモンの世界に行きたいって短冊に書いたなぁ。はぁ…行けるもんなら誰だって行きてぇよな」
誰だってリアルでピカチュウをプニれるなら行きたいだろう?それにポケモンの世界ならこの世界よりストレスも少ないだろうし…
『………良かろう。その願い、叶えてやろう』
「ん?…空耳か?」
『貴様の望む世界へ連れて行ってやろう。その世界を、貴様は救うことができるのか見ものだな』
「アニメか?テレビつけてたっけ?」
『幸運を祈ってやるとしよう。それでは行くがいい』
「は?」
謎の声がそう言った瞬間、突然俺を取り囲むようにして魔法陣のようなものが発生し、眩い光が溢れ出して――!
次の瞬間、俺は森の中で横たわっていた。
脳みそが起動するまでに何分かかっただろうか。
現実から目を背けたくなったが、ケツに伝わってくる湿った土の感触がそれを許してくれなかった。
「すぅっ…夢だと言ってくれよ…」
そんなことぼやいたって現実は変わらない。取り敢えず立ち上がって周りを確認する。
どうやら森の中に飛ばされたらしく、右左正面木々が鬱蒼と生い茂っている。
幻想郷に飛ばされた人の気持ちがわかった気がする。生きて人里にたどり着ける気がしねぇ。
「確かこういうときは洞窟とか川を探すんだっけ?」
拠点と飲水の確保が優先なんだっけ。そうと決まれば全速前進ダッ!!
そうしてかれこれ二、三十分は歩いただろうか。今のところの収穫はそのへんに生えていた野生の青いきのみだけ。川のせせらぎは聞こえないし、お天道様も怪しくなってきやがった。一刻も早く雨風を防げる場所を探さなければ…
ガサッ
「ッツ!?」
思わず身構える。野生の動物だろうか、明らかに生物が草木を掻き分けたような音がした。
草むらから現れたのは、全長30cmほどの巨大なイモムシだった。ちなみに俺は虫がマジで無理な人種だ。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
故に、必然。俺は腰を抜かして尻餅をついた。
「プシプシ…」
「鳴いたあぁぁ…ん?イモムシが鳴いた?」
恐る恐る目を開けると、目に写ったのは見覚えのあるフォルムのイモムシだった。
「え…コフキムシ…?」
そこにいたのは国民的ゲーム、ポケットモンスターのマイナー気味な序盤虫、コフキムシだった。しかし、記憶よりも少し緑っぽい気がする。それに動きだって、本来どのくらいなのかはわからないが、あまりにも鈍すぎる。
もしかしてこいつ…
「お前…怪我してるのか?」
「プシ…」
どうやら正解らしい。
なんだか放っておけなくなった俺は、恐る恐る青いきのみをコフキムシの前まで転がして与える。
「プシッ」
ガツガツときのみに齧り付くコフキムシ。虫は苦手だったが、なんだか可愛く見えてきた。
「お前、なんか可愛いな。てか俺も腹減ってきたな。…このきのみって人間も食えるのか?」
「プシプシ」
「あ、食えるんだ。青いきのみってなんか怖いけどな」
ガブリ、ときのみに齧り付いた俺は思わず呟く。
「これ…みかん?」
「プシ?」
この甘酸っぱさと程よい苦みが調和した味はみかん以外ありえなくないか?
あ、そうだこれオレンの実だ。そりゃそうだ。ポケモン世界の青いきのみってオレンの実くらいだもんな。よく見たらみかんみたいな見た目してるし。
そんなことを考えながらオレンのみを齧っていると、木の上から何かがこちらに飛んできた。
俺の方に飛んできたそれは、迷わず俺の持っていたオレンのみを奪っていった。
「ッデェ!!」
「プシプッ!?」
オレンのみを奪われるとき、尖った何かが俺の腕を掠め、そこから少なくない量の血が流れてきた。
「カアァァァ!!」
カラスポケモン アオガラス タイプ ひこう
ことりポケモン ココガラ タイプ ひこう
現れたのはカラスポケモンのアオガラスと、その手下のココガラだった。
どうやら、餌を探していたときに偶々オレンのみを持っていた俺を見つけて襲いかかってきたのだろう。だがしかし、十匹ほどのポケモンの群れがオレンのみ二、三個で満足する筈もなく。腹ペコのココガラ達の標的はアオガラスが持っていった俺のオレンのみから、俺の足元で震えているコフキムシへと移ってしまった。
「プシシッ!?」
「「「カアァ!」」」
「危ないっ!」
コフキムシを抱きかかえることで迫りくる嘴からなんとか守る。しかし、体重2.5kgのコフキムシを抱えながらココガラの群れから逃げることは不可能だ。獲物を奪われ激昂したココガラの“つつく”が必死に逃げる俺の背中に当たるその瞬間――
「プシャァッ!」
コフキムシの“いとをはく”!
コフキムシの糸はココガラの群れのど真ん中に命中した。ココガラたちの動きが遅くなったことでなんとか走って逃げ切れる様になった。
「ナイスコフキムシ!!このまま逃げ切るぞぉ!!」
今まで見たことのないほど全力疾走で森を駆け抜ける。どれほど走っただろうか。もうすでに夕刻を回っていて、足は棒になっていた。
周りにポケモンがいないことを確認した後、木の幹に腰掛ける。
「はぁ…はぁっ…」
「プシプシ?」
「だ、大丈夫だ…ちょっと走って疲れただけ…」
グロッキーになりながら荒く呼吸する俺を、心配するように土で汚れた服の裾を引っ張るコフキムシ。
夕日に照らされたコフキムシの体が目に映る。
コフキムシ本来の体色である黒ではなく、濃い緑に黒の斑点の体色。一瞬色違いかとも思ったが、コフキムシの色違いは白色だ。だとすると、このコフキムシは何なんだろうか。もしかして新種のリージョンフォームだったりするのだろうか。そしたら新聞載ったりするのかな。いや、まずは生きて人里にたどり着くのが先か。ハハハ。ハハハ…(泣)
俯く俺にコフキムシが「プシプシ」と慰めてくれる。お前だけが俺の希望だよ。
「コフキムシ…お前力強いな」
「プシ?」
コフキムシが俺にモチモチしてるのかすっげぇ揺れる。下向いてるからわからんけど。
それにしても揺れすぎじゃね?この姿のコフキムシは攻撃高いのか?
そんなこと考えながら横を向くと、コフキムシが丸くなって寝ていた。しかし体は揺れている。
(こんなぐぅぐぅ寝てるってことは俺に心開いてくれたのかなぁ。嬉しいなぁ。ハハハ)
「じゃねぇよ!これ今立ってるとこ地面じゃねぇだろ!」
「プシ…?」
「ぐうぉぉぅ…?」
「オーケーコフキムシ。音立てずにゆっくーりここから離れるぞ?いいか?音立てちゃだめなんだからな?」
コフキムシも事態を察したのか、無言で俺の後をついてくる。
パキッ
「「………」」
「ぐうぉぉぉぉぅ!」
耳を劈く凄まじい咆哮に身の毛がよだつ。冷や汗が首を伝う。生きた心地を感じぬままゆっくりと振り返ると、予想通りの最悪の事態が起こったことを確信した。
「ぐおぉぉぉぉ!!」
ドダイトス たいりくポケモン タイプ くさ・じめん
背中に木を背負い清水を求めて山野を巡り歩く。その巨体は他の追随を許さぬ程の剛力を誇る。
第四世代、ダイヤモンド・パールの草御三家枠であるドダイトスは、その見た目に違わず攻撃力・耐久力に優れ、代わりに素早さが低い典型的な重戦車タイプである。S種族値は58。ポケモン基準では遅く感じるが、ドダイトスの全速力は人間の全速力と比べると決して遅くない。なんなら一般人よりは速いレベルである。
そんな、ポケットに入っていないただのモンスターが、木々を薙ぎ倒しながら鬼の形相で迫ってくるのだ。怖くないわけがなかろうて。
「ぐおぉぉぁあ!!」
「あぁぁぁぁぁぁ!!!嫌だぁ!死にたくなあぁい!!!」
「プシプシプシィ!!」
「コフキムシィ!“いとをはく”!!」
とっさの判断で、胸に抱きかかえていたコフキムシを銃のように、怒れるドダイトスに向けて“いとをはく”を放つ。
粘着力の強い糸が絡まりドダイトスの動きが鈍くなる。糸から逃れようと藻掻けば藻掻く程に糸がしつこく絡みついていく。
米噛みに青筋を浮かべながら、ドダイトスは背中にエネルギーを溜めていく。
「ぐおぉぁあう!!」
ドダイトスの“リーフストーム”!!
無数の鋭い葉が嵐の如く襲いかかる。
コフキムシの“いとをはく”でいくつかは防ぐことができたが、勢いは止まらず、逃げる俺の背中にリーフストームが迫りくる。
「うおぉぉぉっ!?」
木の裏に飛び込み、なんとか回避することができたが、肩を少し裂かれてしまう。
「だぁあっ!!」
「プシッ!?」
木に隠れながら血の滲む肩を押さえて踞る。コフキムシが機転を効かせて、木に飛び込む直前、ドダイトスの顔に“いとをはく”を当てていたので、ドダイトスがこちらにやってくるまでに少し猶予ができた。
しかし、既に足は疲れ果てており、もう走ることはできそうにない。それに元々貧血気味であるのに肩から多量の出血。もう目の焦点は合わせられず、立とうにも立ち眩みが酷くて倒れてしまう。
――詰みか。
「ぐおぁぁあぅぅ!!」
ドシン、ドシン、と、地を揺らしながら憤怒したドダイドスが迫ってくる。どうやら糸が取れたようだ。
「なぁ、コフキムシ。お前、走って逃げれそうか?」
「プ、プシ?」
「多分、いや、確実に俺は逃げれない。それならここで二人共死ぬよりは、お前だけでも生きたほうが得だ」
死を眼の前に突きつけられたというのに、俺は驚くほどに冷静だった。思考が嫌になるほどクリアだ。
コフキムシが俺を咥えて引っ張ろうとするが、びくともしない。そりゃ体重60kgだからな。お前からしたらクソ重いだろ。
「ぐあぁぁぁう…!」
どうやら、怒れる巨大な亀さんは俺達を許してはくれないそうだ。
なんでこんなにキレてるんだとツッコミたいが、きっと虫の居所が悪かったのだろう。
ぼーっとする頭でそんなことを考えながら木にもたれかかる。
あぁ、人生に悔いしかないなぁ…。
最後に目に映ったのは、この世の物とは思えないほどに美しい満月だった。
夢を見ていた。この世界で突如として現れた天才ポケモントレーナーとして、各地のジムや試練を突破していき、やがて世界最強のポケモントレーナーになる夢だ。
夢の中の俺はキラキラ輝いていた。メガバングルを装着したその腕には黄金に輝くトロフィーが抱えられており、その目はこの世の全てに希望を持っているとでも言うかのように純粋に輝いている。
俺の後ろには頼れる仲間たちが堂々と佇んでいて……
(あれ…こいつらって、どんな姿だったっけ?)
今まで共に戦ってきた仲間達のはずなのに、その姿は原型がわからない程に黒く靄がかかっている。
それを認識した瞬間、燦々と降り注ぐ日光は闇に覆われてしまう。さらに、気付けば舞台はバトルアリーナから、陽の光が一切指さない鬱蒼とした森へと変わっていた。
そしてその奥に大きな穴が空いた洞窟があった。
何気なくその洞窟に入っていくとそこには見たことのないポケモンが二匹佇んでいた。
片方は全長2m程あろう巨大な漆黒の蝶。見ただけで思わず魅入られてしまうほど美しいその蝶は何をするでもなくただこちらを見つめていた。
もう片方は全長3m程あろう紺青の蛾。月を思わせるようなその蛾はこちらを見定めるかのように見つめてきた。
二匹の巨大なポケモンと視線が交差する。
紺青の蛾がこちらに寄って来て、至近距離で俺の顔を眺めてくる。
そして次の瞬間、紺青の蛾が羽から俺に向かって鱗粉を飛ばしてきた。
それを吸ってしまった俺は段々と意識が朦朧としてきて……
「プシッ!」
コフキムシの“たいあたり”!!
「ゴフォッ!ハッ!?ここは…?」
キョロキョロと辺りを見渡すと、そこは先ほど夢に見た洞窟のような場所だった。
そして俺の横には、夢で見たまんまの姿の紺青のポケモンが佇んでいた。
「ピィィィップ!!」
ウルガモス(???の姿) ???ポケモン タイプ ???・???
「ウ、ウルガモス!?夢で見たまんまだ…」
「プシ?」
紺青のウルガモスは俺の顔を数秒覗き込み、やがて背を向けて洞窟の奥へと進んでいった。
「ちょ、待ってくれよ!」
「プシプシ」
「ピィップ」
ついてこいと言うかのように洞窟を進んでいくウルガモス。
洞窟の中にはケムッソやコロボーシ、クルミルなど、むしタイプのポケモンが生息していた。
この虫ポケモンたちはウルガモスを見るやいなや、ザッと退いて道を作り出した。ものすごい統率力である。
「ピィップ」
「ここが目的地なのか?」
洞窟の最深部であるその小さな部屋は、中央に小さく陽の指す穴の下に台座があるだけの殺風景な部屋だった。
「ピィップ」
「なんだ…?ッ!これって…」
「プシ?」
ウルガモスが指す台座に置かれたそれは、ポケモン世界では希少な鉱石として知られている、キーストーンとメガストーンだった。
加工前でゴツゴツとしたそれは、長年そこに置かれていただろうに一切の汚れはなく、光り輝いていた。
「これを…俺に…?」
ウルガモスが早くしろと言わんばかりに体を押してくる。
いやいやいや!いいの!?こんな貴重なもんもらっていいの!?
俺が何か裏があるのではないかとビビっていると、突如洞窟の入口側にいた虫ポケモンたちが慌てた様子で逃げてきた。
「は!?なんだこれ!」
「プシ!?」
「ピィィィィィッッップ!!」
ウルガモスが虫ポケモンたちを怯えさせる元凶であるそれ目掛けて攻撃を放つ。
ウルガモスの“むしのさざめき”!!
ウルガモスの口から放たれるその衝撃波はそれに直撃した。しかし――
「ヴウゥゥゥ…ヴァンッ!!」
ヘルガー(???の姿) ???ポケモン タイプ ???・???
原種よりも一回り大きく、体の骨やドクロに禍々しく湾曲したトゲが生えてきている。そして体毛は闇のような黒から、ジャイアンシチューのような禍々しい紫になっていた。
悪の組織御用達、連れてるだけで悪の組織幹部感が出る名物ポケモン、ヘルガー。
その生態は非常に凶暴で、手下のデルビルを連れて狩りを行う。かなり残忍な性格で、弱い獲物を嬲るように食う。
それは、リージョンフォームで姿、タイプが違っていても同じである。
突如として現れた侵略者は、虫ポケモンたちを守るように立ち塞がったウルガモスへと襲いかかっていった。
キャラクター紹介
レン 男 17歳
高校二年生のポケモン廃人。インドア派のくせに森で行動できたのは一応柔道部に入っていてそこそこ身体能力が高いから。
ビビリ。悪態つきながら逃げ回ることが多い。でもやるときはやる。
磨けば光そうな感じのフツメン。身長は170弱。痩せているように見えるが、脱いだらわかるくらいに筋肉がついている。服装は部屋着の中学の頃のジャージ。例に漏れずにダサい。髪は最近切ってなかったので雑なウルフカットっぽくなってきてる。若干茶髪。最近この年で白髪に悩んでいる。
コフキムシ(???)の姿 ???ポケモン タイプ むし
原種の黒い体色から緑っぽい体色に変化している。能力はあんま変わらない。
ウルガモス(???)の姿 ???ポケモン タイプ ???・???
紺青の姿で空色の鱗粉を振りまく。
長年洞窟でキーストーンとメガストーンを守っていた。地域住民からは森の神様的な扱いを受けている。
ヘルガー(???の姿) ???ポケモン タイプ ???・???
原種より一回り大きく、骨やドクロに湾曲したトゲトゲした骨が生えている。体毛は毒々しい紫。
何タイプが好き?
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ノーマル
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ほのお
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みず
-
でんき
-
くさ
-
こおり
-
かくとう
-
どく
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じめん
-
ひこう
-
エスパー
-
むし
-
いわ
-
ゴースト
-
ドラゴン
-
あく
-
はがね
-
フェアリー