私、百珠   作:暁エド

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諦聴ちゃん

星穹列車と案内役兼護衛として同行し星核ハンター、カフカを捕える。

それが御空様の命令だった。

 

(星核ハンター・・・)

 

その言葉を聞いて思い浮かぶのは大量の0"の数字だった。

星核ハンターとは万界の癌と呼ばれる存在、星核を狙う集団で1人1人が星1つを滅ぼす力を持っているとされスターピースカンパニーによって巨額の懸賞金をかけて指名手配されている犯罪者集団・・・というのが天舶司、というかほぼ全ての人の共通認識だと思う。

確かに今羅浮は星核で色々と手を焼いていてハンターがこの羅浮にいるとなるとほぼクロのような・・・

それにそんなとんでもない人を捕らえるなんて命令されるとは・・・

 

「んんーんっ!!!」

「はぁ・・・疲れたぁ・・・」

「2人とも気を抜きすぎだ。まだ天舶司の前だ」

 

御空様の命令を反芻していると不意に3人分の声が聞こえてきた。ハッとして顔を上げるとその声は星穹列車の3人のものだった。

灰色の髪を持つ穹さんは身体を伸ばしピンク色の髪の三月さんは深く息を吐き出していて茶髪で杖をついたヴェルトさんはそんな2人を嗜めている様子だった。

 

「あ・・・!皆さまお疲れ様でした!」

「あっ!百珠!本当に疲れたよ!偉い人とのやり取りってモンスター退治より疲れるんだね・・・」

「あらら・・・それはお疲れ様でした・・・」

「あの御空様って人が顔を顰めた時なんか周りの雲騎軍が飛びかかってくるんじゃないかってビクビクしたしたんだから!」

「あー・・・分かります。御空様を怒らせると怖いですから・・・特に星槎壊して帰った時なんて・・・」

「で、その御空様が私たちに疑いありってなった時に将軍が出てきて星核ハンターを捕まえて潔白を晴らせなんて言ってきて・・・!」

「なのか、そこまでにしなさい」

 

「コホン。と言うわけで俺たちはしばらく羅浮に滞在して将軍からの依頼をこなすことになった。そして夕葵さんと言う方から俺たちに同行者が着くと聞いたがもしや・・・」

「はい、お察しの通り私も皆さんと同行させていただきますよ!私は護衛として、そして案内役として・・・」

 

パッと私が手を向けると列車の皆さんの視線が私の後ろに向けられると停雲さんが歩み寄ってきた。

 

「はぁ・・・私も恩人様方と同行することになりました。」

「なんか嫌そうだな・・・」

 

何処か疲れたような反応をする停雲さんの様子に穹さんが怪訝な表情を浮かべた。

 

「いえいえとんでもございません!ただ私は戦闘となると百珠さんと違い隅に縮こまるしか出来ませんからあくまで私は案内役に徹しさせていただきます」

「あはは・・・列車の方々なら私の護衛なんてなくても大丈夫だと思いますけど・・・まあとにかく私達2人が付き添わせていただきますのでよろしくお願いします。」

 

その後列車の方々に宿泊する宿と滞在中にかかる費用と要望は全て天舶司持ちと伝えると三月さんが「ベッドに横になりたいしせっかくの好意を受け取らないのは失礼なんじゃないかな???」と言ったものの「俺たちは依頼に集中しよう」というヴェルトさんの言葉に「えぇ〜!」と目に見えて残念そうな反応をしていた。

 

「しっかりしろなの・・・でもさどうやってハンターを探せば良いんだ?いくら案内役の2人がいると言っても俺たちだけで羅浮全部を探せる気がしないけど」

「いや・・・御空舵取のあの反応は単に俺たちが部外者というだけではなく恐らくハンターの居場所が既に掴めていたんだろう」

 

す、凄いお見通しなんて・・・

 

「流石は銀河を飛び回るナナシビト素晴らしい洞察力です。仰る通り既に私どもはハンターの居場所を突き止めておりました。」

「やはりか・・・」

「どうやったんだ?逆探知でもしたのか?」

「ブブー!不正解です。が、ちょっと惜しいです。」

「百珠さんのいう通り逆探知ではなくこの通信から判別を致しました。皆さんハンターの声を無視してその後ろから聞こえる音に耳を澄ませてください」

「「音?」」

 

停雲さんが私の話を補足してくれると穹さんと三月さんに通信を聞くように促しました。停雲さんの言葉に疑問を浮かべながらも穹さんと三月さんが同時に耳を澄ませました。

 

 

「音ってもしかしてこの機械が動いてるみたいな音のことか?」

「はい。その音を元に星核ハンターの居場所を特定したんです。」

「いやいやいや!仙舟ってスターシップ、つまりおっきな宇宙船なんでしょ!?機械の音なんて何処からでもするでしょ!」

「ふふ、確かに恩人様方の言う通り常人ならば分かりません。が、工造司の者にとっては機械の駆動音は音楽の旋律と同義なのです。そして工造司から職人を呼び判断をさせたところ・・・これは星槎の駆動音であり場所は廻星港でした。」

「えぇ・・・そんな事分かるんだ・・・」

「凄いですよね・・・私も始めて聞かされた時全然分かりませんでしたよ」

 

ウチが驚いてると百珠もうんうんと頷いていた。

 

「なるほど、羅浮は星核ハンターは廻星港にいると睨んでいる訳か・・・」

「はい、そしてそれに加えて追跡のためにこちらを借りて参りました。」

 

 

「わあ!可愛い!」

「この子は諦聴って言うんです。器用な子でして、今回は追跡のために力を貸してもらうんですが友人はこの子を使って大道芸してます」

「この子達の大道芸!?見てみたい!」

「ええ、依頼が終わったら紹介しますよ!」

「やった!ありがとう百珠!」

「では試しに私の香水をこの子に登録して・・・」

 

停雲さんは香水の入った容器から香水を垂らして手拭いに染み込ませるとそれを諦聴に嗅がせた。

 

「それでは星核ハンターを追いかける前の練習と致しまして私達はこの星槎界中枢の何処かに隠れてますので・・・諦聴の導きを参考に私達の居所を探し当ててみてください」

「なるほど!腕がなるな!」

「もちろんこの星槎界から出るようなことはしないのでご安心を!ではまた後で!」

 

そう言い残して私と停雲さんは客舎を後にして列車の皆様と別れました。

 

 

 

 

 

なのかside

 

「うーん・・・丹恒に繋がらないな・・・」

「超長距離通信は未だに完全には確立されてないからな。不安定だから繋がらないかもしくは何かに通信を妨害されているか・・・」

「うーんじゃあ連絡は後にするとして・・・ウチらは停雲達を追いかけようか!」

「そうだな!」

 

「その前に2人に確認しておきたいことがある」

「確認?」

 

百珠達が去った後、ウチらは諦聴を使って痕跡を追う前に列車にいる丹恒に連絡を入れたけど・・・

ヨウおじちゃん曰く不具合か妨害されてるかで連絡が出来なかった。

 

「案内役の2人についてだ。2人は停雲さんと百珠さんのことをどう感じた?」

 

だから今度は百珠達を追いかけようとすると突然ヨウおじちゃんからそんな事を聞かれた。

 

「どうって言われても・・・うーん。停雲は油断ならないと思うけど百珠は親身になってくれてるとおもう・・・」

「うん!うちも停雲は隠し事がありそうな感じだけど百珠は一生懸命な感じが伝わってくる感じだよね」

 

ウチらがそういうとヨウおじちゃんはあごに手を当てた。

 

「俺も似たような印象は受けたが・・・俺としては停雲さんよりも百珠さんの方に気を配った方がいい気がするな」

「え?百珠の方なのか?」

 

ヨウおじちゃんの言葉に穹が驚いた様子を見せた。ウチも同じ感じだったけどヨウおじちゃんは続けた。

 

「それに御空舵取が直々に護衛役として任命した人物だ。監視という意味では自称とはいえ戦闘は出来ないと明言している停雲さんよりも卓越した戦闘技術を持った百珠さんの方が適任だ。」

「うーん・・・ヨウおじちゃんの考えすぎだと思うけどなあ・・・」

「まあいずれにせよハンターを確保するまでは不用意な行動には気をつけた方がいいだろう」

 

ヨウおじちゃんがそんな事を言ってから私たちは諦聴を頼りに停雲と百珠の追跡を始めたけど・・・

 

「残念!ハズレです!」

「あれ!?諦聴の進む通りに辿ったのに!」

 

追跡を始めて少ししたら百珠に笑顔でそう言われちゃった。

停雲の追跡を始めて道を進むと途中道が2つに分かれてて片方は店がたくさんある方、もう片方は廻星港の外れに向かう道だった。諦聴に匂いを追跡させると外れの方に続いてたからそっちに向かうと停雲はいなくて居たのは百珠だけだった。

 

「もしや百珠さん。停雲さんの香水を・・・」

「はい!諦聴ちゃんに嗅がせた香水の匂いを私につけたんです。皆さん騙されましたね!」

「ええっ!そんなのあり!?」

 

どうしてこうなったのか聞いてみると百珠が停雲の香水をつけたってだけの簡単だった

 

「なるほどな。確かに諦聴には匂いしか嗅がせてないから諦聴についていってた俺たち騙されちゃったのか・・・でもそれされると分かんないだろ?」

「んー・・・まあそれはそうなんですが・・・とはいえ諦聴ちゃんの追跡だけではこの様に欺かれてしまうことがあるので・・・ただ皆さん諦聴ちゃんの扱いはバッチリなのは分かりましたので応用問題と思っていただければ」

「でも確かに星核ハンターもこんな方法で逃げるかもしれないもんね・・・じゃあどうやって停雲を探そう?」

 

イタズラっぽく笑ってそう言った百珠に私はそう答えた。

百珠がこっちにいるってことは停雲は店が並んでた通りの方なのかな?

 

「停雲さんの行方は・・・通りの方に行きましょうか。あの辺りの店は私達もよく利用するので停雲さんを見た人もいるかもしれませんし痕跡もあるかもしれませんよ〜」

「いやいやその言い方絶対いるじゃん!んまあヨウおじちゃん達、取り敢えず聞き込みに行こうか」

「そうだな。」

「ああ。」

 

そんなこんなで聞き込みに行くと・・・

 

「あ、こんにちは百珠ちゃん。今日は星槎壊してない?」

「こんにちは百珠さん。今度またうちにお茶を飲みに来て下さいね」

「百珠さん。何かお求めですか?」

 

店の人に停雲について尋ねるたびに百珠が声をかけられていた。

 

「百珠って人気者なんだね」

「いえいえ、天舶司が近いですからよく利用させていただいて色々とお世話になってるだけですよ!人気者というわけでは・・・」

 

百珠はそういうけどウチの見立てだと百珠はこの辺りだと人気者だって思うんだけどなぁ・・・みんなお客として以上に百珠に親しみを持って接してるような感じだったし

と、そうこうしていると星槎が止まっている場所に停雲がいるのを見つけた。

 

「いらっしゃいましたか恩人様方。百珠さんと一緒ということは・・・ふふ、騙されましたか?」

「まあな。でもいい練習になったよ」

「それなら良かったです。と、こちらの星槎がハンターがいるとされる件の場所。廻星港行きの星槎になります。」

「いよいよだな!」

「よーし!ウチらにかけられた濡れ衣。挽回するんだから!」

「俺たちはもう準備は出来ている。いつでも出発可能だ。」

「皆さん準備万端ですね!それでは私が操舵するのでお乗りください」

「・・・え、ち、ちょっと待ってまた百珠が動かすの!?」

「はい!少しでも早く皆さんの汚名を挽回しなくちゃですから!それにハンターさんが廻星港を離れちゃわないうちに!」

「えー・・・と」

「なの・・・」

「覚悟を決めよう・・・確かに一刻も速い方がいい・・・」

「」

 

ウチが固まっていると穹とヨウおじちゃんが遠い目をしながら肩に手を置いてきた。

 

「その・・・心の準備が・・・」

 

「それでは出発します!」

「きゃぁぁぁぁ!!!!!!???」

 

ウチはまた百珠のジェットコースターに乗ることになった・・・

 

???side

 

『脚本によれば後少しで事態が動くわ。その後の事は手筈通りにね。刃ちゃん』

『ああ・・・』

『あら?まさか緊張をしているの?』

『・・・そうではない。ただ。』

『?』

『妙に胸が疼くだけだ』

『そう。なら大丈夫ね、後でね。』

『・・・』

 

 

・・・あの女はそう言い残して一方的に通信を切った。

 

・・・なんだこの疼きは。

 

・・・ここが羅浮だからか。

・・・この脚本は後々あの男とやり合うこととなる脚本だからか

 

(・・・・・違う。そうではない)

 

もっと何か違う存在が俺を疼かせている・・・

 

 

『過去の罪が形となって君の前に現れる』

 

出立前、エリオが俺に言い残してきた言葉だった。

その時はなんとも思わなかった。

魔隠に侵され忘れていた言葉が、何故か今、俺の脳裏に蘇ってきた。




1ヶ月更新なんかこの小説・・・
もうちょっとやる気出さなければ・・・
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