「遂に辿り着いたな・・・うぷ・・・」
「俺列車の跳躍では酔わなかったんだけどな・・・やっぱり俺、ちゃんと乗り物酔いできるんだな・・・う・・・!列車の跳躍よりも速さを感じられるものがあるなんてな・・・」
「何処に感心してるの・・・ウチさっきまで千夜通りの食べ物食べたいって思ってたのに・・・今は、いいかな・・・うぅ・・・」
「み、皆さまお身体は・・・んっ・・・!こ、こちらが流雲渡しです・・・」
「皆さんお疲れ様です!あ・・・だ、大丈夫ですか・・・?」
「と、飛ばし過ぎ〜・・・!」
私たちは今星槎に乗って星槎界中枢の千夜通りから星核ハンターの通信の痕跡があった流雲渡しにやってきていた。
「す、すみません!つい急がないとと思って飛ばしすぎちゃいました!」
「いやまぁ・・・確かにぐずぐずはしてられないよな・・・」
「・・・皆落ち着いただろうか・・・気分が優れたなら星核ハンターの痕跡を探しに行こう・・・」
「あ、後5分だけ休ませてぇ」
「あわわ!一旦深呼吸してください!そして手首のこの辺りを抑えると多少は乗り物酔いに効きますよ!」
「すぅぅぅぅ・・・はぁぁぁ・・・」
「うぅ・・・
流雲渡しに到着して少し休憩を挟んでから私たちは普段よりもシンと静まり返った流雲渡しで星核ハンターの手がかりを探し始めましたが・・・
「痕跡はこれで全てか・・・しかし・・・」
「これってうっかり残した痕跡なのか?量が結構あるんだけど・・・」
「・・・確かにこれはなんていうかあからさまなように感じますね」
「いやいや絶対わざとだよ!あのゆっくりした口調でウチらに『つ・か・ま・え・て・ご・ら・ん』って言ってるのが聞こえてくるし!」
「これは警戒した方がいいかもしれませんね・・・何せカンパニーが巨額の懸賞金で追いかけている存在ですから・・・気をつけて進みましょう」
苦労すると思っていた痕跡探しがあっさりと達成した事で逆にみんな疑心暗鬼に陥ってしまいました。
そうして警戒しながら進んでいくと・・・
「獲物の痕跡が急に消えたら狩人は気をつけなさい・・・狩る側と狩られる側の立場が逆転する兆しだから」
「カフカ!」
「あの人が・・・!」
「中々お早い到着だったわね。そんなに急いできたのかしら」
あれから諦聴ちゃんの力で星核ハンターを追いかけていた私達でしたが気配が突然消えてしまったことに訝しんでいる時に・・・彼女は現れた。
スターピースカンパニーから巨額の懸賞金をかけられている彼女が現れただけでその場の空気を支配してるようで、私は一瞬息を呑んでしまった。
「ああそうだ彼女こそが星核ハンターの1人、カフカだ」
「あの女が私たちに仙舟にいくよう進めてきたんだから!」
驚く私にヴェルトさんと三月さんが補足してくれた。
「なるほど・・・て、あれ?なんで雲騎軍の方々があの人の側に・・・」
2人から説明を受けて冷静になると星核ハンター・・・カフカの側に雲騎軍の方が3人直立不動で立っているのがようやく気がついた。
「・・・そこにいる雲騎軍は魔隠の身に堕ちていません・・・あなた彼らに何をしましたか」
「ふふ、ほんの少し暗示をかけて私のお話を聞いてもらっただけよ。最もこれに関してはそこにいる穹が1番よく知っているわよね。」
「え?」
「・・・」
私が持った疑問について停雲さんが鋭く切り込むとカフカはあっさり雲騎軍の方々に何をしたかを話した後穹さんに視線を向けた。穹さんが『よく知っている』とはどういうことなんでしょうか?もしかして一度あの人に同じことをされたことがあるんでしょうか?
「ここは大卜様が来るには道が長すぎるし私にとってもよくないわ。この先で待っているわ」
私が持った疑問を流すようにカフカはそう言って立ち去ろうとした。
「!待ちなさい!」
私はまるで散歩でもするかのような軽い足取りでその場から立ち去ろうとしたカフカを追いかけようとしたら雲騎軍の方々が立ち塞がってきた。
ブンッ!
「わわっ!?」
「百珠!まずはコイツらを何とかするぞ!」
「は、はい!」
立ち塞がってきた1人が槍を振り回してきたのをギリギリでかわすと穹さんが駆けつけてきた。後ろにはヴェルトさんと三月さんが杖と弓を構えていた。
「すみません!通らせてもらいますよ!!!」
「ようこそ列車の皆さん、私を捕まえにしたのよね」
雲騎軍の方々を押し除けてからカフカを追跡すると何度かカフカの姿を見かけることはあったもののその度に流星雲渡しのゲートや貨物に道を阻まれてしまった。
そんなことを何度か繰り返すうちにとうとう私たちはカフカと対峙した。
「ここまでだ。諦めろ!」
「ふふ・・・」
「最後のカードを切ったらどうだカフカ。俺たちがここまで来たのも全てお前の計画のうちなんだろう」
「ふふ・・・」
穹さんとヴェルトさんがカフカに詰め寄るもののカフカは余裕の笑みを浮かべていた。
「私たちを過大評価しすぎよヴェルト。星核ハンターも運命の奴隷に過ぎない。無限にある未来に干渉して最良の未来に変えているの。」
「最良の未来って誰にとっての未来なの?少なくともアンタが他人のことを考えてるなんて思えないけど」
「全宇宙の、って言ったら信じるかしら?もっとも私にとってのだけど」
「・・・一つ聞かせてください。」
彼女の飄々とした態度や言葉を聞いているうちに私自身驚くほどポツリと星核ハンター相手に言葉が溢れていた。
「あら、何かしら」
すると私の言葉に反応してカフカは流し目で私に目線を向けてきた。
「あなた、いえあなた達は羅浮に星核を持ち込んで・・・羅浮をこんなに危険な目にあわせている張本人なんですか?」
私を見つめる感情がまるで伺えない彼女の目に少しビクリとしながらも私はそう尋ねた。声が震えているのが自分でもわかる。
「ふふ・・・それは正に彼らや将軍が私を捕まえたがっている理由ね。今ここで答えたところで意味はないと思うけれど」
「答えてください」
カフカの言葉に間髪入れずに私がそういうと彼女はさっきのような流し目ではなくじっと私を見つめてきた。
確かに意味はないかもしれないけれど、星核の存在が明るみになってからの羅浮はものものしい雰囲気になっていて、ずっと空気が張り詰めていて笑い声も少なくなっていて、もしこの人が星核を持ち込んだ張本人ならとその思いが私を後押ししていた。
0がいくつも並ぶような大犯罪者に見つめられて自分の足が震えているのを感じた。
「ふふ・・・いいでしょう。答えはNoよ。星核と私達は無関係」
多分数十秒にも満たない時間だったけど自分にとっては数十分にも感じる時間カフカに見つめられたと思ったら彼女はそう言った。
「だったら将軍のとこまで言って自分達は無罪ですって言いなよ。ウチらが案内してあげるからさ」
カフカに見つめられて私の震えが止まらなかった中三月さんがスッと私の前に出てきてカフカにそう言った。
三月さんの言葉を聞いたカフカはさっきと変わらない微笑を顔に浮かべていた。
「大人しく・・・同行されるつもりはありませんか」
三月さんが私を背中に庇ってくれたおかげで少し落ち着いた私はカフカにそう言った。
「ふふふ、お誘いありがとう狐族のお嬢さん。けれどお断りするわ。他人に歩調にあわせるなんて大嫌いだもの」
そういうとカフカはスッと立ち直った。
「さぁそろそろ時間ね。かかってきなさい。さもないと間に合わなくなる」
刀と銃を構えてそう私たちに告げた。
「皆構えろ!」
「ああ!」
「うん!」
「は、はい!」
その言葉を皮切りに私は列車の方々と一緒に星核ハンター、カフカと戦うことになった。
これだけ書いたてもカフカの戦闘にすら辿りたいてないだと・・・!?