私、百珠   作:暁エド

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一度にここまで書いたの多分初めてかもしれない・・・
ネタはしっかり頭の中で夢想していても肝心の文章を書くには表現が変じゃないかとかを気にしないといけないから進みが遅くなるジレンマ


羅浮の休日

あの後白露ちゃんと一緒に過ごすことを決めて街を歩いていると広場から掛け声が聞こえてきた。

 

「さあ、よってらっしゃいみてらっしゃい!」

「む?なんじゃ?」

「ん?あ、あれは桂乃芬さんですかね?」

 

朱色の髪に赤い服を着た女性・・・桂乃芬さんが声を張り上げていた。

彼女は羅浮で有名になってきている大道芸師で顔や名前はみたことがあるんですが実際にお会いするのは初めてです。

 

「白露ちゃん、せっかくですしみていきませんか?」

「大道芸か・・・見るのは初めてじゃな。」

 

ということで休日の最初は大道芸を見ることに決まった。

 

「お?そこのおふたり!ありがとう!」

 

すると立ち見を始めた私たちが目に入ったのか桂乃芬さんが声をかけてくれた。

 

「ふふ」

「うむ!」

 

それに合わせて私達も手を振りかえした。

それから少しして遂に始まった。

 

「さあさあ皆さんお立ちあい!私の公演にようこそ!そして今日の公演にはスペシャルゲストがいるよ!雲騎軍の天才新人、アシスタントの素裳さんだよ!さあみんな『ようこそ素裳さん!』って弾幕流してね!」

「こっ、こんにちは〜・・・素裳です・・・ってちょっと!?天才新人って何!?」

 

桂乃芬さんが公演の始まりを伝えると茶髪の髪を二つ結びにした人が舞台横から出てきた。

ただ桂乃芬さんの紹介が不服だったのかまるで漫才の様に掛け合いを始めた。

 

「・・・あれは大道芸かの?」

「うーん。違うかな?」

 

『ようこそ素裳さん』!!!

 

そんなやり取りをしていると何処からともなく弾幕が叫ばれだした。

 

「うう・・・」

「はーい!みんなありがとう!それじゃあいっくよー!!!」

 

掛け声と共に桂乃芬はスッと銅鑼を取り出して構えた。

 

「銅鑼を鳴らして〜〜堂々参上!」

 

 

そして銅鑼の音を皮切りに桂乃芬さんと素裳さんの大道芸が始まった。

 

カンカンカン!と、桂乃芬さんが銅鑼を鳴らしたかと思うと3匹の諦聴達が走り寄ってきた。そしてある場所でぐるぐると回り出したと思ったら諦聴達の真ん中が爆発した。

諦聴達が吹き飛んでいく中そこから諦聴の姿をした花火が登った。

 

「おお!見たか百珠!」

「はい!凄いですね!」

 

そうして始まった桂乃芬さんの大道芸は凄かった。

 

逆立ちをしたかと思うとそのまま麺を啜ったり歯を磨きながら口笛を吐いたりといった技から喉元で槍先受け止め、剣呑み、素手で銃弾受け止めなどの思わずこっちがヒヤリとする技まで多彩な芸を見せてくれた。

そして桂乃芬さんの芸を見るたびに白露ちゃんは興奮していたし私も驚きの連続だった。

特に桂乃芬さんの上に岩を乗せたかと思ったら素裳さんがハンマーで叩き割ってて桂乃芬さんが無傷だったのは凄かったなあ・・・

 

 

 

「いやあの公演は凄かったのう!」

「はひ!ん、んん・・・そうですね。」

 

さっきの公演を思い返していると白露ちゃんが声をかけてきたから口の中のものを飲み込んで白露ちゃんに答える。

公演を見終わると丁度お昼時だったので私たちは金人港の美饌閣に来ていた。

私は包子を、白露ちゃんは乱切り牛もつのラー油あえを頼んだ。

 

「もぐもぐ・・・しかしお主中々幸運じゃの。あの大衆の中から選ばれるとはのう」

「ははは・・・あれは私もびっくりしましたよ・・・」

 

私は胸飾りにそっと触れた。

 

ーーー実はあの公演の最後、終わりの空気が流れ始めて観客のみんなが帰り支度を始めだして私たちもご飯を食べに行こうとしていた時だった。

 

「え?あっちょっと!!!」

 

突然桂乃芬さんが慌てたような声を上げた。

驚いて顔を向けると諦聴の1匹が火のついた導火線が繋がった箱を加えて爆走しているのが見えた。

諦聴は周囲をしばらく爆走した後ポロッと箱を口から放り投げた。

放り投げられた箱は綺麗な放物線を描いて・・・

 

ポス・・・

 

「「え・・・・・・・?」」

 

わたしの両手に収まった。

 

ジュー・・・・・・・・

 

「おおおおおいいい!!!???百珠!!!今すぐ捨てい!!!」

「わわわ!!!!!!!!!???????」

 

箱を手に持った事で頭が真っ白になったものの白露ちゃんの声で我に返ったものの時すでに遅し。

導火線が箱に達してしまっていた。

 

「百珠ぅぅぅ!!!」

 

ポンッ!!!

 

「え?」

 

白露ちゃんの声が響く中想像していた爆発ではなくポンッ!!!という軽い音が鳴った。

恐る恐る見てみると手のひらにあったのは青に銀の縁取りがされている雲の様な形をしたブローチだった。

 

 

「ーーーおめでとうございまーす!サプライズ企画のドッキリでした!」

 

 

放心状態の中明るい声が響いた。

顔を向けるとそこには笑顔でドッキリの看板を持った桂乃芬さんがいた。

 

「ごめんねー!実はこれドッキリなの!」

「ちょっとけいちゃんやっぱりやり過ぎだよ!ほら、みんな凄い驚いてるし!」

「え、ええっと、ド、ドッキリなんですか・・・?」

 

頭が少しずつ冷静になってきた中聞き返した。

 

「うん!ごめんね?驚かせちゃって。コホン、みなさんちゅうもーく!」

 

桂乃芬さんは咳払いをしてからみんなの注目を集めた。

 

「最後はドッキリ企画!そして私と諦聴からのプレゼントを手に入れた幸運な人はーーーあ、ごめん名前は?」

「あ、はい、百珠と言います。」

「百珠さんです!みなさん拍手!」

 

パチパチパチーーー

 

拍手が鳴り響いてこれで本当に桂乃芬さんの公演が終了したーーー

その後は桂乃芬さんや素裳さんと白露ちゃんと一緒にお話しして「またよろしくね!」という桂乃芬さんの言葉で解散してから私達は金人港にやってきたーーー

 

「あの時は遂に私の不運も極まったかと思いましたよ・・・」

「不運が極まった、とな?」

 

あの時の心情を思い出しながらゲンナリしていると白露ちゃんに不思議がられた。

 

「はい・・・天舶司で星槎乗りをしている事は言ったと思うんですけど私星槎に乗るたびに星槎を壊して帰ってまして・・・隕石にぶつかったり交通違反した星槎に衝突されたり・・・」

「あ!聞いたことがあるぞ!星槎を壊して帰港するくせに操縦してる者はケロリとして無傷なやつがいると!医館でも噂になっとったな。そうか、お主のことだったか。」

「はい・・・それで私は『星槎壊し』と呼ばれるように・・・」

「むぅ・・・なるほどなぁ・・・」

「あっ、すいません!こ「じゃが・・・本当に不運ばかりかのう」え?」

 

暗い雰囲気になってしまったから話を切り上げようとすると被せるように白露ちゃんはそう言った。

 

「ワシは医官じゃからな。色々な怪我をした者を見てきておる。擦り傷から腹痛や種族特有のアレルギー、果ては戦場から帰還した者の傷までな」

 

ズズッとお茶を啜りながら言う。

 

「そして星槎や戦場がきっかけで負う怪我はほとんどが軽くはない。大抵は治療に包帯を用意させるな。・・・じゃがな、星槎でいつもいつも事故を起こしているにも関わらず医官の世話になる必要がない物など聞いたことがない・・・」

 

茶呑みを置きながら白露ちゃんが続けた。

 

「お主は不運と幸運を併せ持っておるのだ。そう悲観ばかりするでない」

「ふふ・・・ありがとうございます。」

 

まっすぐ私を見つめてくる白露ちゃんに私は笑いかけた。

そうだ。確かに悲観ばかりは良くないですよね・・・

 

「そうだ。白露ちゃんこれから私のお気に入りの場所に行きませんか?」

「お気に入りの場所?良いぞ」

 

お昼を食べ終わり「ありがとうねー!」というテイおばちゃんの声を聞きながら私達は移動した。

移動先は・・・

 

「ほう、工造司にこのような場所があるのか」

 

工造司に辿り着いて何度か入画を繰り返して辿り着いたのは他の場所からは少し距離があるポツンと停船している貨物の乗った星槎。

 

「ここは周りから離れてて風も気持ち良くてお気に入りなんです」

「良いのうここは。何もないゆえ空を飛んどる見たいじゃ」

 

 

「・・・ワシにはやりたいことがある」

 

 

「?やりたいこと?」

 

2人で景色を眺めていると白露ちゃんがポツリとそう漏らした。

 

「そうじゃ、自由に空を駆け巡りたい。・・・何故かは分からんがワシはずっと龍師達に見張られておる・・・しかも見よこの尻尾についたものを!龍師達はこれをワシのためなどと宣っておるがそのようなものでないのはワシには分かる!子どもは遊ぶことで大きくなると言うのに空は愚か医館から出ることすら叶わぬ・・・」

「・・・」

 

それは啣薬の龍女と呼ばれた存在の漏れ出た心の声だった。

 

「すまぬ・・・この景色を見ているとこの楽しい時間が終わりに近づいているのが嫌で仕方なくてな・・・ワシは自由になりたい・・・」

 

「・・・空は確かに自由です。私も空を飛ぶのが大好きで・・・だから白露ちゃんが空を駆け巡りたいって気持ちよく分かります。」

 

深呼吸を挟んで私は続けた。

 

「・・・私じゃ白露ちゃんを自由にさせることは出来ないけれど、いつか空を飛ぶ機会があれば私は白露ちゃんが空に触れられるようにする翼になってあげますよ」

 

ニッコリ笑って私はそう言った。

すると何処か悲しげだった白露ちゃんも。

 

「・・・そうか、ありがとうな。百珠」

 

笑ってそう言ってくれた。

 

 

 

「ーーーしかし不思議じゃの。お主とは今日初めて会ったはずじゃのに何処か他人のような気がせん。」

「あ!白露ちゃんも?実は私も同じことずっと思ってました。」

 

星槎を後にして話しながら歩いているとあっという間に工造司の星槎タクシー乗り場に辿り着いていた。

 

「本当にここまでで良いんですか?」

「ああ、お主も医館に行くとお主も責を負わされるかもしれんしな。」

「・・・わかりました。では私はここで」

「・・・うむ。・・・・・百珠よ・・・」

「白露ちゃん。」

「む?」

「また一緒に遊びましょうね」

「!うむ!もし医館に用事がある時は絶対にワシを訪ねるんじゃぞ!」

「はい!約束です♪」

「「では、また(な)」」

 

そうして白露ちゃんは星槎タクシーに乗り込んだ。

白露ちゃんが乗った星槎を見送りながら私の不思議な休日がこれで終わった、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、そういえば」

 

白露ちゃんと別れた帰り道、私は本を取り出す。

その本は朝、三余書肆で買った本だった。

 

「すっかり忘れてたなぁ・・・本当はテイおばちゃんの店でゆっくり読むつもりだったけど白露ちゃんと一緒に遊んだから思い出す暇もなかった。・・・まぁ時間を見つけてゆっくりよもっと・・・そういえばどう言う小説だっけ?」

 

少しだけど思いながら私はパラパラと小説の項をめくった。

 

ーーーこの本はドキュメンタリーで実話をモデルに作られた話のようだった。

それはある狐族の飛行士の話で色々なところに旅に出たり仲間達と過ごす冒険譚で・・・

 

「ダメダメ。読みいっちゃいそうだし早く帰ろっと」

 

私は本をしまって家への帰路を急いだ。

 

(・・・どうせなら晩御飯も何処かで食べて行こうかな〜)

 

 

 

「龍師各位

星歴▪️▪️▪️▪️年▪️月▪️日、白露様の定期報告

 

龍尊様、本日医館を抜け出した模様。その際狐族の女性と接触、その女性は一日中龍尊様に付き添っていた模様。不審な行為は見られなかったがその女性の容姿が白露様の前世、○○と酷似。関連性を調査ーーー」




最後の工造司の星槎は雲璃同行クエストで雲璃と工造司で2人きりで話したところです。
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