キラキラホープ☆プリキュア! 作:西堂みずみ
元々は某掲示板で練ながら作った代物です。
内容や構成や設定が慣れないもので作った物ですが、皆さんを楽しませるように仕上げましたので何卒宜しくお願い致します。
それでは、希望と夢に満ちた彼女達の物語をどうぞ。
――伝説の戦士・プリキュア。
それはいつもの時代、何処かの場所で人々の希望を守るために戦ってきたヒーロー達。
……とはいっても、彼女たちはカッコいいだけのスーパーヒーローじゃない。
普通の女の子と同じく悩み、普通の女の子のように美しくありたい、そしてどんな女の子でも憧れるようにカワイイ。
そんなかっこかわいいヒーローガール達であるプリキュアは日夜誰かのために戦っていた。
これは、『人々の憧れ』を守るために戦う『希望の戦士達』の物語の一片である。
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光明市。
この街には最近不思議な噂が多発していた。
1つは奇妙な姿をした『大きな怪物』が暴れている噂。
そしてもう一つが『戦う女の子達』が怪物と戦う噂。
その二つの噂が嘘か真か……それは、今から起きる出来事を目の前にすれば、明らかだろう。
「芽生えよ、ネタミード!」
とある大通りにて響き渡るのは、邪まなる者の誕生。
何かなにかと普通の人々が振り返れば、そこに現れたのは蛇の意匠が入った怪物だった。
見た目は双腕重機と呼ばれる建設作業車両だが、肝心の腕の部分が蛇の頭のようになっている。
さながら二又の蛇のような外見をしたその異形の怪物――『ネタミード』は威嚇代わりの方向を上げた。
『ネタミード!!』
建機に取り憑いたネタミードである『ケンキネタミード』は周囲の街路樹やビルの壁を手あたり次第破壊していく。
人々が恐怖と混乱で叫んで逃げる中、その様子を高みの見物で見下ろす人影……。
口元をニヤリと歪ませ、高らかに笑っていた。
「しゃーしゃっしゃっしゃ! 暴れろよ、ネタミード! その妬みの感情の赴くままに壊して壊して壊しまくれ!」
一見すればパンクロッカー風の衣装を身に纏った一人の青年。
だが、彼の頬や腕には蛇の鱗を有しており、彼が普通の人間でないことは明らかだった。
彼の名前は異世界からやってきた集団・ネタムーの幹部・ヤートン。
彼らの目的はネタミードを生み出し、彼らから生まれる『妬みの力』を抽出。
そしてネタムーの首領である『オロチ様』を復活の糧とする……。
今は眠っているオロチ様に妬みの力を与えれば、この世は破壊と混乱の時代になるだろう。
その野望が一歩進もうとしたその時、彼らの悪行を止めるべく待ったをかける
「「「お待ちなさい!」」」
破壊を続けるケンキネタミード目掛けて三つの人影が往く手を阻み、そのまま飛び蹴りを叩き込む。
ケンキネタミードは慌てた声を上げながら地面へとひっくり返ってしまい、ジタバタとのた打ち回る。
その一方で、いきなり乱入してきた声を聞いたヤートンは苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべてその名を叫んだ。
「現れたなぁ! プリキュア!」
そう言いながらヤートンは自分が生み出したネタミードを蹴り飛ばした『人影』へ顔を向けた。
そこに立っていたのは、三色の綺麗な和風の衣装を身に纏った"華麗なる戦士達"だった。
「闇を断ち切る一閃の剣! キュアフェンサー!」
赤とも橙色とも見れるようなロングヘアーが特徴的な、鮮やかな朱色を基調とした少女の戦士『キュアフェンサー』。
「虚像を貫く真の光! キュアリヒト!」
透明感のある綺麗な水色のボブショートが特徴的な、透き通るような青色を基調とした少女の戦士『キュアリヒト』
「気持ちを癒す愛の心! キュアプシュケー!」
黄緑色のセミロングが特徴的な、豊かな自然を模わせる緑色を基調とした戦士『キュアプシュケー』
――彼女達こそ、かつてネタムー達の首領・オロチを倒した伝説の戦士・プリキュア。
その力を現代に受け継いだ彼女達こそ、今を生きる希望の担い手達!
「「「キラキラホープ・プリキュア!」」」
キュアフェンサー、キュアリヒト、キュアプシュケー。
三人のプリキュアは高らかに名乗り上げると、起きあがったケンキネタミードへ走り出していく。
まず、最初に攻撃を仕掛けたのはケンキネタミード。
両腕の蛇頭を伸縮自在に伸ばし、大口を開けてプリキュア達へ食らいつこうとする。
だが、それを待ち構えるように受け止めようとするのは、キュアリヒト。
「大きな口にはこれかしらね……てりゃああ!」
彼女は光り輝く鏡面のようなエフェクトを両手に生み出すと、それらをケンキネタミードが繰り出した蛇頭達の口へ上手く入れた。
まるでつっかえ棒のごとく口いっぱいに光の鏡を入れられてしまい、蛇頭は涙目になりながら苦しむ。
『ネタミード!?』
ケンキネタミードは二つの蛇頭の口が閉じられなくなり、苦しんでのた打ち回る。
だが、それでも暴れることをやめないのか伸ばした両腕で周りの建物ごとプリキュア達を倒そうと振り回す。
鋼鉄と生物の両方を持ったその腕が先行していたキュアフェンサーへ届こうとした瞬間、緑色の光弾がその腕を弾いた。
「フェンサー! アナタのフォローをするはこっちだよ!」
キュアフェンサーをフォローするように光の弾を撃ちだすのは、キュアプシュケー。
彼女はニッコリとした余裕の笑顔でキュアフェンサーを攻撃しようとするケンキネタミードの両腕を弾いていた。
幾つもの連射される光弾がケンキネタミードの蛇頭を上空へと弾いていくと、がら空きになった乗機部分の胴体が露わになる。
そこを狙ってキュアフェンサーは狙いを定める。
「行きます! ――プリキュア・フェンサーリッター!」
光の刃と化した手刀を翳し、そのまま斬りつけるようにケンキネタミードの胴体へと当てる。
刀剣の如く断ち切って見せた後、ケンキネタミードから邪悪な妬みの力が放出され、浄化されるように霧散していく。
三人のプリキュアの奮闘によって、ネタミードは退治され、元になっていた建機も元の姿となって戻っていた。
……その様子を見ていたヤートンは自分が生み出したネタミードがやられ、悔しそうな表情で地団駄を踏む。
「くそっ!? またしてもプリキュアにぃ……いくぶんか回収はできたが、負けるのは嫌だぁ!!」
いつも苦杯を嘗めているヤートンは手元に集まった『妬みの力』を回収した後、その場から人知れず去っていく。
ネタムーの脅威が去った今、彼女達は張りつめていた緊張の糸をほぐす様に会話をしはじめた。
「ふわぁー、疲れた疲れた! いやぁ怖かったんじゃないかな!」
そう言ってニコニコと笑うのは、キュアプシュケー。
彼女は両手を組んで背伸びをしていると、誰かがお小言を呟いてきた。
「そう言って笑顔を絶やさなかったのはプシュケーじゃないかしら? フフッ、正直言うとアナタが笑ってくれているから頑張れたの」
お小言に混じってほめるのは、キュアリヒト。
にこやかな笑みで告げると、互いに顔を見合わせて笑顔を向け合う。
……そんな最中、すぐそばで悲鳴が聞こえてリヒトとプシュケーは驚いて振り向いた。
「ああっ、してしまいましたぁ!」
そう慌てた声を上げるのは、キュアフェンサー。
彼女の手には変身時に置いていた通学カバンと、彼女の所有物であろう朱色のスマートフォンが握られていた。
画面に映っている時刻を見て、フェンサーは慌てていた。
「どうしましょう二人とも、通学時間が15分も遅れてます!」
慌てている様子のフェンサーが見せたスマフォの画面をよく見ると、そこに示されている時刻は『08:01』。
彼女達が通う学園の始業時間は『08:30』……まだ学校に辿り着くまでに余裕はあるのだが、リヒトとプシュケーはフェンサーが慌てている様子に不思議がり、そしてすぐに答えへと辿り着いた。
「フェンサー……ああ、いつも行く登校時間より遅れていること気にしてるのかしら?」
「だって、遅れるのはあまり良くない事じゃないですか! 学業のための準備も必要ですし!」
「フフッ、貴方のその気真面目さがいいところだよねー!」
リヒトが疑問符を浮かべ、フェンサーが悲痛な声を上げ、そんな彼女の生真面目さを嬉しく思うプシュケー。
まるで女子友達のように会話をした後、リヒトとプシュケーはフェンサーの両手を握る。
「ほら、行くわよ。それとも遅刻したくはないのかしら?」
「フフッ、このまま行こう! レッツ超特急!!」
「へ、変身したままはよくないですよー!」
プシュケーとリヒトに両手を引かれ、常人離れなジャンプ力でビルを駆けのぼり、彼女達は戦いの場だった場所へと去っていった。
建物を飛び越えて真っすぐ向かうというショートカットしながら目指す場所は自分達が通っている光明市が誇る学園……『私立光明学園』へ向かって行った。
そう、彼女達は今を生きるキラキラな女の子の学生なのだ。
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私立光明学園。
国内でもその名を轟かすほどの知名度を誇るこの学園……そこの中等部にて、三人の生徒が通っていた。
時刻は『08:15』、なんとか校舎内まで辿り着いたプリキュア達は人影が来なさそうな場所で変身を解くと、物陰から出てきた。
「ふぅ、間に合ったかしら?」
まず出てきたのは、綺麗な茶髪のボブカットが特徴的な少女。
彼女の名前は『
「いやぁ、楽しかったねー。ビル跨いでのパルクール登校は!」
次に出てきたのは、金髪ブロンドの元気快活が印象的な少女。
彼女の名前は『ミタマ・エンジョウ』。外国出身でチーム内でもムードメーカーでもある元気っ子。
「もう、鏡花ちゃん、ミタマちゃん、笑ってる場合じゃないですよ」
そして最後に出てきたのは、長い黒髪を靡かせる大和撫子な少女。
彼女の名前は『
そう、切奈、鏡花、ミタマ。
彼女達三人が巷で噂のプリキュアの正体なのだ。
『とある妖精とのひょんな出会い』から神秘の腕輪・プリティブレスレットと力の源であるネックレス型アイテム・キュアリティアクセサリーを託され、彼女達三人はプリキュアへと変身できるようになった。
だが、プリキュアの力を行使するのは緊急時以外には控えている……理由は『自分達がこの力を以て楽をするのは何か間違っている』といった理由だ。
そのために三人と力を託した妖精だけの秘密、ということになっている。
そして今、彼女たちは急いで教室に向かっていた。
鏡花とミタマは"急がなくてもいいんじゃないか?"という旨を伝えたが、生真面目な切奈は"学業に遅れてはいけません!"と叱咤し、ゆったりと行こうとする彼女達を無理矢理引き連れて行っていた。
やがて教室に辿り着くと、何人かのクラスメイトの姿が既にあり、そこへ一人の生徒が反応して挨拶をしてきた。
「おう、おはよう。光馬、天現寺、エンジョウ」
そう切奈達三人に声をかけてきたのは、にかっと快活そうな笑みを向ける一人の男子生徒。
短く切った焦げ茶色の髪をしているいかにも男子……『
「あ、そうだ光馬」
「はっ、はいっ!」
「前に宿題の手伝いしてくれたよな。悪い、少しお礼遅くなったから今すぐ渡すわ」
郁はそう言いながら切奈の方へ近づくと、彼女の前へとあるものを差し出した。
それは鳥の羽根を思わせる白いブローチであり、郁はいい笑顔を向けて語った。
「光馬の好みが分からなくてとりあえず知り合いの雑貨店に探したら目についてさ……嫌だったら返してもいいぞ?」
申し訳なさそうに告げる郁に対し、切奈は一瞬驚いた後、平静を保つように後ろを向いて何度も何度も深呼吸をする。
鏡花とミタマの二人が見守る中で少しして落ち着いた後、ようやく真面目そうな雰囲気を取り戻した切奈は返事を返した。
「あ、ありがとうございます……これ、もらってもいいですか?」
平静を保ちながら、いつものように真面目そうに振舞って挨拶を返す切奈。
……なのだが、平静を装うには嬉しそうな表情を隠し切れない。
まるで少女漫画で恋するような少女が浮かべる恋慕の様子が誰の目から見ても分かりやすかった。
「なんだかんだで、私達の中で一番女の子しているのかしら。切奈さんって」
「そうだね。なんたって恋する女の子は強いし、私達の中で一番強いし、切奈ちゃんって」
鏡花とミタマ、そしてその場にいるクラスメイトは切奈の嬉しそうな様子を生暖かく見守っていた。
――知ってか知らずか、贈り物を渡した本人の郁だけは気付いているのか分からなかったが。
キラキラホープ☆プリキュア
これは、切奈達が繰り広げる恋と友情と戦いの