俺は今、ベッドにいる。隣にはエヴァがいる。
とても気まずい。だって、夜に男女がベッドにいる状況。どう考えたって気まずくなる。今、過ちがあっても困る。別にいやというわけではないが、まだ心の準備ができていないし・・・・。
って、何を考えているんだ!?俺、落ち着け!まだそうじゃない!そのときじゃない!
隣を見るが、こっちを見ていなかった。もう寝たんだろうか?
「エヴァ、起きているか?」
「お、起きている」
「そうか。こんな風に一緒に寝るのは久しぶりだな」
「そ、そうだな。お前とこんな風に寝るのは久しぶりだな」
「なあ、エヴァ。俺はこれから魔法は使わないことにした」
「いきなり何の話だ?というか、なぜだ?」
「いきなりなのはエヴァとなにか話したいと思ったが話題がなかったからさ。
俺が魔法を使わないと決めたのはな、力が便利すぎるからだ。使ったが最後、誰にも
負けないほどだ。これは誓約だ。俺へのな」
「だが、戦うことになったときはどうするんだ?」
「気を使うのさ」
「気か。慎也は使えるのか?」
「ああ、使える」
まあ気だけでも強いですがね。ただ、気だけでは前に戦った黒い奴には勝てるか勝てないかですが。それに比べ魔法を使えばほぼ100%勝つ。
これではいろいろとバランスを崩しかねない。そのための誓約。
「くくく、それならお前に勝てるな」
「なら戦ってみるか?いつでもいいぞ」
「戦わんよ。場所がないしな」
「それもそうだな。ここら辺に俺たちが戦闘しても大丈夫な場所はないからな」
「私たちが戦えばここら一体はなくなるからな」
「これが力ある者の代償ってやつかな?」
「きれいにまとめたみたいに言うな!」
しかし、力があろうがなかろうが戦うことは許されないが。
そろそろ寝るか。明日も早いしな。
「エヴァ、そろそろ寝るぞ。明日も早いからな」
「私は別に行かんでもいいだろ?」
「おいおい、いくら呪いが解けても今は生徒で俺は先生なんだぞ?お前を絶対に登校
させる」
「できるか?」
「できるさ。俺はお前の恋人だぞ?」
「そ、そうだな、私たちは恋人だな。なら、わ、私の願いを聞いてもらってもいいか?」
「いいぞ。言ってみろ」
「私がしたいときにキ、キスをしてくれるか?」
「! ま、まあそれくらいなら・・・」
「本当だな!忘れるなよ!わ、私はもう寝る!」
まさか、あのエヴァからこんなことを言うなんてな。本当にびっくりした。
個人的にも大歓迎だ。だがしたいときか・・・。
学校の中でというのは遠慮してもらいたいが・・。
俺も寝るか。
早く寝ないと、寝不足になるからな。
朝になった。俺は教師なので生徒であるエヴァよりも早く起きなくてはならない。
つまり!久々にエヴァの寝顔を見ることができるのだ!ってこんなに力説するほど
見たいわけではない。ただこういうときのリアクションかと思ってのノリだ。
でも見れるものは見よう。
うん。いつもながら可愛い寝顔だ。おっと早く起きなくては。
まず朝食を作る。もちろん二人分だ。俺の料理は一応プロ並だ。だが食材などに高級
なのを使わない。俺は庶民派なんでな。
それに金持ちが食べるのは俺には合わない。
食材だけでなく味も庶民派だ。いつも作るのは和食。洋食は味が濃いからな。
「昨晩ハオ楽シミデシタネ」
「おい、ゼロ。どこでそんな言葉を覚えやがった」
「テレビダ。昔ト違ッテ色々ト便利ニナッタカラナ」
「これからは使うなよ」
「モウ使ワネーヨ」
「そうだといいんだがな」
「俺ヘ信頼ガナイナ」
「お前の性格のせいだ。信頼は長年の付き合いのなかで生まれるんだよ」
「イイコトイウナ」
「何でだよ!」
そんなことを話しながら料理を作る。
「おい、ゼロ。エヴァを起こしてきてくれ」
「人使イガアライナ」
「そういいながら、起こしに行くんだな」
「御主人ノタメダカラナ」
ゼロはやっぱりエヴァの従者だな。エヴァのことになると忠実だからな。
俺は机に朝食を並べる。並べ終わったあとはエヴァを待つ。数分後、エヴァが眠そうに
しながら来る。
「おはよう、エヴァ。まだ眠いのか?」
「吸血鬼だからな。私は夜型だぞ」
「一応俺も吸血鬼なんだが」
「慎也の場合はいろいろと違うだろう」
「それより、おはよう」
「ああ、おはよう。そして・・・」
「!!」
エヴァが俺の唇を自分の唇で塞ぐ。
いわゆるキスだ。いきなりでびっくりしたが、まあ、いいだろう。
いろんな意味で。しばらくそのままでいる。
「・・・・ぷはっ」
「いきなりだな」
「昨日の夜に言ったろう?私のしたいときにするって」
「ああ、言っていたな。だが、学校ではするなよ」
「くくく、それもいいな」
「冗談にしてくれよ。ばれたらここからいられなくなるんだから」
「それは嫌だ。せめて私が卒業するまではここにいてほしい」
「だろ?だからするなよ」
「分かった」
「じゃ、食べるとするか」
「ああ」
「オイ、俺ガイルノヲ忘レテイナイカ?」
「!!」
「俺は忘れていないぞ」
エヴァが赤くなる。どうやらゼロのことを忘れていたようだ。
チャチャゼロはお前の従者だぞ?エヴァにとってゼロの影は薄いようだ。
ちょっとわかいそうになってきたぞ。
「改めて言うが食べるぞ」
「そ、そうだな」
「どうだ?味のほうは」
「うん。いつもながらおいしいな」
「それは良かった」
味は口に合ったようだ。合わなかったらまた作るがな。
おっとそろそろ行かないといけないな。さっさと食べるか。
「エヴァ。俺はもう行くからな。ちゃんと登校しろよ」
「分かっている。というか私も一緒に行く」
「何でだ?まだ時間は早いぞ」
「恋人同士は一緒に登校すると聞いたぞ」
「確かにそうだがそれは学生同士の話だ。今はこの姿だからいいが、行くときはあの姿
だぞ。見られたら問題になる」
「そうだったな。じゃあ、今の姿で途中までならいいだろう?あの姿はどこかでなればいい」
「まあ、それならいいだろう」
「なら、決まりだ。待ってろ今すぐ着替えてくるからな!」
「ご心配なく。ちゃんと待ってるよ」
一緒に行くのか。俺も学生なら堂々とできたが、今は先生だからな。
できるだけ、見られないようにするか。明日も一緒に行くなら、もう少し早く起きなければな。今からじゃギリギリだからな。
「準備はできたぞ!慎也!」
「テンションが高いな」
「そんなわけない。いつも通りだ」
「そういうことにするか。じゃ行くぞ」
「うん」
「うん」だって?おいおいキャラが違うんじゃないか?
いつもなら「分かった」くらいだぞ。それが「うん」か。
熱でもあるんじゃないか?
俺はエヴァの額に手をあてる。
「!? な、なな、何をして、いるん、だ・・?」
「何って熱がないかを調べているんだ」
「あ、あるわけないだろう!!これでも吸血鬼だ!」
「だが今日のエヴァはちょっとおかしいぞ?」
「おかしくない!いつも通りだ!とにかく手をどけろ!」
「分かった。だから怒るな」
「怒ってない!さあ、行くぞ!」
「やっぱり怒っているじゃないか」
「なんか言ったか?」
「言っていない。行くぞ」
時間大丈夫かな。本当にギリギリだな。
少し急ぐか。
「少し急ぐぞ。時間がないからな」
「そうか。明日からもう少し早く出ないと」
「やっぱり明日もか?」
「そうだ。明日からだ」
「から、か。そうだなそれもいいか」
「どうした?急がないと遅れるんじゃないのか?」
「分かっている。急ぐぞ」
急いで学校まで行く。道中はほとんど人がいなかった。
つまり見られていないということだ。俺は今は10代後半の姿だから不法侵入者と同じ
くらいだからな。
「エヴァは今から始まるまでどうするんだ?茶々丸はまだだろう?」
「適当にくつろぐ」
「そうか。ちゃんとおとなしくしていろよ」
「子供じゃないんだから分かっている」
「じゃあ、俺は行くからな」
「分かった。だがその前に。・・・・・ん・・・」
「朝もやったろ?」
「これはいってらっしゃいのキスというやつだ。朝のとは別だ」
「じゃあ、いってきます」
「いってらっしゃい」
あれ?そういうのは夫婦がやるものでは?
まあいいか。言ったらエヴァが赤くなるからな。それにもう夫婦みたいなものだ。
いまさら気にはしない。
とりあえず、だれの目にも止まらないくらいの速さで移動するか。
場所は校舎の裏。ここで30代になる。
30代になったら急いで職員室に行く。とりあえず着いたが5分前だ。
本当なら10分くらい前に着く予定だったが、5分遅れた。
「あら、慎也先生。おはようございます」
「しずな先生。おはようございます。少し遅れた」
「まだ授業まで時間がありますよ?問題ありませんわ」
「そうですね。だが俺はいろいろなことがあったときのために早く来るようにしているです」
「先生は優秀なんですね」
「そういうわけじゃない。ただ心配症なだけだ」
「それでもですわ。そういう心が大事なんです」
「ありがとうございます。では俺は生徒のための準備があるので失礼します」
「はい。がんばってくださいね」
俺は早速仕事にとりかかる。一瞬寒気がしたが気のせいか。
そろそろ時間だな。俺は途中でネギ先生とともに準備して2-Aへ向かう。
その時にクラスの雪広 あやかがいたが先に行ってしまった。
今日は数学の時間があるからな。俺が授業をする。
この場所では初めてだが、何回もやってきたので緊張はしない。
「ネギ先生。どうでしたか?昨日の授業は」
「は、はい。昨日はがんばれたかと思います」
「そうか。何か問題があれば言ってください。俺は年上ですし、一応全教科を教えることができるんで」
「ありがとうございます。ではそのときはよろしくお願いします。そういえば、昨日の
歓迎会に先生はいませんでしたけどどうしたんですか?」
え?そんなの聞いていないぞ。そんなの聞いていたら、俺は行っていた。
どういうことだ?
「いえ、俺は知らなかったんですが」
「そ、そうなんですか!?てっきり知っているかと・・・」
「ちなみにネギ先生はどうやって?」
「僕は成り行きで知りました」
「そうですか。成り行きですか。まあ、過ぎてしまったものは仕方がないですね。
今日は今日です」
「そうですよ!今度何かあったら知らせますから!」
「ハハ、ありがとうございます」
教室に入る。その時に黒板消しが落ちてきたが、手で掴み中に入る。
全く古典的なトラップだ。エヴァのほうを見るとなぜか睨んでくる。
どうしたんだ?なにかあったのか?放課後にでも聞くか。
「き、起立、気をつけ、礼ぃ」
「「「「「おはようございます」」」」」
「お・・おはようございます」
「おはようございます」
「着席」
「では1時間目を始めます。慎也先生は全教科を教えれるので僕の手伝いとして教えてくれます。テキスト78ページを開いてください」
俺はネギ先生の手伝いとしてここにいることができる。
とりあえず、見て回る。
「じゃあ、アスナさん」
「なんで私なのよ!!」
「だって」
「普通は番号順じゃないの!」
「アスナさんはあ行じゃないですか」
「それは名前でしょ!」
「ふふ、要するに分からないんですわね。アスナさん」
どうやらアスナが当てられたようだ。だが俺が教えたから問題ないはずだが・・・・。
おかしいな。人間違えか?アスナがこの程度の英文が分からないなんて。
めちゃくちゃだな。
「アスナさん英語だめなんですね」
「なっ!」
「アスナは英語だけじゃなく他もだめだけどね」
「そうネ。だめだめネ」
「いいのは保健体育くらいですわ」
どうやら記憶が一部操作されているようだな。
全く何があったか知らないが、知識までするなんてな。
だが、きっかけを与えれば少しは思い出すかな?
「アスナ」
「先生?」
「よくやったな。お前は自慢の―――だ」ボソ
「え?今なんて」
耳元で小さな声でささやく。まあ、この言葉はアスナを褒めていたときの言葉だ。
これで俺に関することについては思い出しやすくなったが、仕方ない。
アスナのためだ。
「先生!?アスナになにをやっているんです!?」
「ちょっとしたアドバイスだ。ちなみにアスナ専用だ」
「え~ずるい。アスナだけなんて~」
「とにかく静かに。ネギ先生、授業を」
「は、はい。皆さん、席についてください」
「「「はーい」」」
「なあ、アスナ。先生に何いわれたん?」
「さ、さあ、よく聞こえなかったわよ」
「ほんと~?」
「本当よ」
さっきのは思い出しやすくするだけだからな。少しずつやっていくか。
エヴァのほうを見るが口パクで何か言っている。
えーと「覚えていろ」か。さっきのことか?説明しなきゃな。
チャイムが鳴る。授業が終わったな。
次は始まりのチャイムだ。
2時間目は数学だ。つまり俺の授業だ。
「では、授業を始める。俺はキミ達の実力を知らないので今から小テストをする」
「「「「「え~~~~!!!」」」」」
「いきなりだからな。不満はあるだろうが。日頃から勉強していれば分かる」
ちなみに最後の問題は高校生レベルのを入れている。
誰か解けるかな?
「そこまでだ。後ろから集めてきてくれ」
「先生。最後の問題なんですか?私たち習っていませ~ん」
「あれ分からなかったよね~」
「私は分かったネ」
「分かったの!?」
「え?そんなに難しかった?」
「アスナ~。それはいい点数を取っている人が言うセリフだよ」
「でも、私は分かったわよ」
「アスナさん。冗談はそれにくらいにしてくださいな」
「い、委員長まで」
いや、アスナが回答した答えは正解だ。早速効果が出たようだな。だが、他はだめだめ
だ。ちなみにみんなが騒いでいる間に丸付けは終わっている。
「丸付けが終わったんで、返却するぞ」
「え!嘘!」
「もう終わったの?」
「5分くらいだよね」
「静かにしろ。解けた解けていないかは今から返却するテストをみろ」
みんなにテストを返す。
「見て!アスナの回答!」
「わっ、他はだめなのに最後の問題だけあってる」
「ただ合ってるだけじゃないネ。回答も完璧ネ」
「あ、あああ、アスナさん!熱があるんじゃなくて!?」
「本当だよ!熱があるに決まってる」
「明日は槍が降ってくる」
「ちょ、ちょっと、みんなひどいわよ!私が解けたくらいでそこまで言う?」
「おい、静かにしろ。神楽坂 明日菜がただ問題を解いただけだ。別に驚くことはない」
「先生はそう言うけど、日頃のアスナを知っていれば先生だってそう思うよ!」
「もう一度言うが静かにしろ。成績に影響させるぞ」
「うわっ!職権乱用だ!」
「いやなら静かにしろ。では教科書84ページを開け」
授業を始める。
問題なく進んでいく。ネギ先生のときとは違うな。
やっぱり俺が30代の先生だからか?やっぱり歳が近いほうが親しみやすいのか?
「ではこの問題を解いてもらう。この程度だから5分間だ。回答は、エヴァンジェリン.A.K.マクダウェルだ。いいか?」
「先生~。エヴァちゃんはやらないよ。だから別の人を当てたほうがいいよ」
「朝倉 和美。それは本人が拒否したらの話だ。まだ答えを聞いていない。エヴァンジェリン.A.K.マクダウェル、どうだ?」
「絶対にやらないって~」
「分かった」
「「「「え!」」」」
「まさかエヴァちんが聞くなんて・・・」
「今日の数学は何かおもしろいね」
「これはスクープ!」
「1分経過」
「やば!時間、もう始まっている」
エヴァは解きおわったようだ。黒板に書きに行く。
うん。正解だな。
「はい、そこまで。エヴァンジェリン.A.K.マクダウェルの回答に問題ない。
わからない人はいるか?いるなら今すぐ言うか、放課後、聞きに来てくれ」
直後、チャイムがなる。
「では、授業を終了する」