放課後、ネギ先生たちのほうで何かあったようだが、関係ない。
そんなのに関わっているほど余裕があるわけではない。
訳は目の前にいるエヴァのせいだ。
「なあ、エヴァ。どうしたんだそんなに怒っているんだ?」
「分からないか?ならば言ってやろう。しずなだったか?あの女と朝からイチャイ
チャしていただろう」
「あれは話していただけだ。エヴァが思っているようなことにはなっていない」
「浮気している男は、そう言うそうだな」
「どこで覚えた?というか俺はエヴァ一筋だ」
「そ、そんな言葉で許すと思うな」
「許すも何も浮気じゃないんだがな。とにかく怒るのを止めてくれ」
「それに神楽坂 明日菜とのあれは何だ!」
「あれについては帰ってから説明する。だから怒るな」
「怒ってほしくなければ、わ、分かってるな」
「キスか?」
「い、いやそれはあとでだ。今は抱きしめて欲しい」
「分かった。だがここじゃだめだ。ちょっと移動するぞ」
「分かったが、何を―――――!」
エヴァにお姫様抱っこをする。
とりあえず校舎の屋上へ移動する。そして、姿を30代から10代後半になる。
そして、抱きしめた。
「なあ、慎也。私はお前が好きなんだ。お前がいないのはもうだめなんだ。
だから、いつも不安になる。お前が他の女といると私のことが嫌いになったんじゃないかと。だから・・・ぐす・・・」
「そうか・・・。すまなかった。だが忘れるな。俺はエヴァのことは好きだ。それは変わらない。だから泣くな」
「な、泣いてない!うぅ・・・私はその言葉、忘れないからな」
「ああ、忘れなくていい」
しばらくそのままでいる。
まさかエヴァがそんな風に思っていたなんて。これからは気をつなくては。
「そろそろ帰るぞ」
「ああ、だがまだこのままで……」
「分かった。あと少しだぞ」
「分かっている」
帰ったのはそれから1時間後だった。
まあ、別に問題ないが。
「そういえば風呂はどうするんだ?」
「この家に風呂はあるが、今は使えない」
「じゃあ、エヴァはどうするんだ?」
「寮の大浴場を使う」
「そうか。なら俺は適当なところで風呂に入るか」
「一緒に入らないのか?」
「二人だけなら問題ないが、寮のだろ?誰かが来たときどうするんだ?」
「別に大丈夫だろ」
「言っておくが、見つかったらここからいられなくなるだけじゃなく、捕まるからな」
「そ、それは困る!」
「だろ?だから俺は一緒には入らない」
「そうだな……それは残念だ」
「まあ、ゆっくり入って来い。その間に夕食を作っておくから」
風呂、いや、大浴場に行ったエヴァを見送り、俺は外に出て具現化能力で
風呂を作る。エヴァと一緒に入るわけにはいかない。俺も男だからな。
風呂の水は家から取り入れる。
風呂の水が沸いたら、風呂に入る。男なのですぐに終わる。
風呂は目立たないようにしているので壊さない。多分ばれないだろう。
ばれたら怒るかな?
今日の夕食も和食だ。洋食にしてもいいが、作ったことがないので今は、無理だ。たまには洋食でもいいだろう。
夕食が作り終わったが、エヴァはまだ帰らない。暇だな。
「ゼロ、チェスを知っているか?」
「モチロンダ」
「なら一勝負しよう」
「イイゼ」
強いな。ゼロと戦っているが、互いに拮抗している。俺も結構強いほうだと自負している。
といっても、その道のプロには勝てんが。
「やるな、ゼロ」
「マアナ」
「だが、俺の勝ちだ」
「ソウミテエダナ。今度ハ負ケナイカラナ」
「俺も負けないようして見せるさ」
ちょうどそのとき、エヴァが帰ってきた。
「おかえり、エヴァ」
「ただいま、慎也」
「さあ、飯にしようか」
「そうだな」
二人で食べる。昨日も一緒に食べたが、やっぱり懐かしいと思ってしまう。100年くらい
離れ離れだったからな。
「今日も美味いな」
「そうか、ありがとうな」
「明日は私が作ろう」
「……エヴァが作るのか?」
「そうだ。私たちは恋人だろう。なら、か、彼氏のために食事を作ったって問題ない」
「作ったことあるのか?お前が作っているところなんて、見たことないぞ」
「初めて作るからな」
「………そうか。楽しみにしているよ」
とても不安だ!漫画とかだとこれは、不味いものがでてくる!だが、落ち着け!
エヴァの料理がまだ不味いと決まったわけじゃない。そうだ、エヴァを信じなくては。
「ところで神楽坂 明日菜とのあれは何だ?」
「昔、色々あってな」
「ちゃんと話せよ」
俺はアスナとのことをすべて話す。一つでも隠していたら、絶対怒られそうだ。
「ふーん、なるほど」
「な?お前の思っているような関係ではないだろう?」
「ほうー。お兄ちゃんと呼ばれることが、私が思っているような関係じゃないと」
「あ、ああ。兄妹みたいな関係だぞ?浮気とかじゃない」
「兄妹?ずいぶんと仲のいい兄妹だな」
「そういう兄妹だっているだろう」
「本当は神楽坂 明日菜を自分好みに育てていたんだろう」
「違う。エヴァ、怒っているのか?」
「怒ってない!別に私と離れている間に、慎也が他の女と過ごしていたとしても、
怒らん!」
「怒っているじゃないか」
「怒ってない!」
エヴァは泣きそうな目で訴える。やっぱりいくら事情があったとしても、恋人が他の
異性と過ごしていたら、怒るよな。俺だってエヴァが他の奴といたらいやだからな。
俺はエヴァの傍まで行き、抱きしめる。
「ごめんな」
「……許さない」
「どうしたら許してくれるんだ?」
「……わ……」
「なんだ?」
「……わ……わた………」
「エヴァ?」
なぜか顔を赤くしながら、何かを言おうとしている。
「わ、私を慎也のものにしてくれ! 私と慎也が恋人という証明のために!」
「!!」
エヴァを抱く。今までずっと抱かなかった。だが、今回は違う。
俺はエヴァを抱く。
「し、慎也、答えてくれ。何か言ってもらわないと困る。恥ずかしかったんだぞ」
「分かった。俺は今からエヴァを抱く」
「!!」
俺はエヴァにキスをし、ベッドに運ぶ。そして、押し倒した。
朝になった。互いに服を着ていない。
昨日はエヴァを抱いた。そのことに後悔はない。
隣のエヴァはいまだに寝ている。
「昨夜ハオ楽シミデシタネ」
「ゼロか。ああ、お楽しみでしたよ。見てたのか?」
「マサカナ。コレデモ空気ハ読メルンダゼ」
「ゼロ。30分後にエヴァを起こしてくれ。その間に朝食を作るから」
「分カッタ」
服を着て、朝食の準備をする。今回はパンだ。あまり、したくはないが昨日のことで、
少し起きるのが遅れた。朝食の準備が終わる。
しばらく待つとエヴァが起きてきた。だが、俺と目を合わせた瞬間、エヴァの顔が真っ赤に
なった。
「エヴァ、おはよう」
「おおお、おお、おはよう!」
「どうしたんだ?早く座って食べないとおいて行くぞ」
「わ、分かった」
エヴァは席に着き、パンを食べようとするが、一つ一つの動作がまるでロボットのように
カクカクだった。俺だって表面上は普通に振舞っているが、内心はめちゃくちゃ
だった。
「エヴァ、その、大丈夫か?」
「だ、大丈夫だ。少しあちらこちら痛いけど」
「そうか」
俺にはそれしか言えない。他にかける言葉があれば教えてほしいものだ。
学校に行く準備が終わり、学校へ行こうとする。
「ん」
「?」
エヴァが唇を突き出している。何だ?
「いつもするって言っただろう!おはようのキスだ!」
「少し遅くないか?」
「ち、ちょっと、恥ずかしくて遅れただけだ!」
「だと思ったよ。……ちゅ」
「んん……ん、んちゅ……んちゅるちゅ……ちゅむ……んあ、ちゅ……ぴちゃ、ん……。はぁっ……はぁっ……ちょっとやりすぎじゃないか?」
「そうかもな。だが、別にいいだろう?」
「う、うん、よかった」
「じゃあ、行くぞ。昨日と違って少し余裕があるから、歩いていこう」
学校に着く。そろそろエヴァと分かれなくては。
「エヴァ、そろそろ分かれるぞ」
「別れる!?私のことが嫌になったのか!?私の何がいけないんだ!!言ってくれれば
直す!!」
あー、どうやら「分かれる」を、恋人ではなくなるという意味の「別れる」だと思ったらしい。
「待て待て。そういう意味じゃない。別行動という意味だ」
「私が嫌いになったわけじゃないんだな?」
「当たり前だ。嫌いになるはずがないだろう」
「そうか。ならよかった。じゃあ・・・・ちゅ。いってらっしゃい」
「いってきます」
エヴァと分かれたあと、歳を変え、職員室に入り仕事をする。
長年の教師の経験から言わせてもらうと、朝早くから来て準備をすればほとんど
忘れ物はしないし、授業で失敗はしない。
これは自分のためだけではなく生徒のためにすることでもあるのだ。生徒が分かりやすく
するために分かりやすく、説明をしなければならない。
分かりやすく説明するということは一番難しい。生徒も人間だ。理解力が高い子、低い子。
色々いる。みんなが一度に理解するのはほとんど無理だ。だから―――――
「慎也先生?」
「うおっ!」
「きゃ!」
「し、しずな先生。どうしたんですか?」
「慎也先生がぼっーとしていたので、声をかけたんです」
「そうでしたか。それはすみません」
「いえ。まだ、授業は始まってませんし、大丈夫です」
少し、脳内で力説しすぎたな。だが、仕事は終わっている。問題はないな。
そろそろ時間だ。一時間目は数学。つまり、俺の担当だ。
教室内はいつも通りだ。俺は授業を進めていく。
「―――――であるからしてx=10になる。ここまでで分からないことはあるか?」
「「「「「………」」」」」
「ないようだな。そろそろ時間だ。終わりまで自由にしていいぞ」
「先生!先生には奥さんがいるんですか?」
しばらく思考が停止した。何を言い出すんだ?
「……なぜだ?」
「ただ聞いただけでーす。それで、いるんですか?」
「あーそれは……」
エヴァのほうをこっそり見るが、少し機嫌が悪くなったようだ。
「……いる」
「いるんですか!」
「!!」
エヴァの表情が一気に明るくなったな。なぜ、恋人と言わなかったのかというと
今の見た目のせいだ。さすがにこの見た目で、恋人だとな。それに、奥さんでも
いいだろう。
「どんな人ですか?」
「まあ、いい人だよ」
「もっと詳しく!」
「気になりますよ!」
キーンコーンカーンコーン
「こ、ここまでだ!ちゃんと授業の復習をしとけよ」
早歩きで教室から逃げる。あのままだと何を聞かれるか分からないからな。
放課後になる。
「ネギ先生、元気がないようですね」
「なかなか上手く役立てなくて・・・・」
「そうですか。ですが、あきらめたらそこで終了ですよ」
「ありがとうございます。がんばります!」
「その意気ですわ、ネギ先生」
「あわっ、しずな先生、こんにちは」
「高畑先生から預かっていた2-A居残りさんリストを渡しに来たんですよ」
綾瀬 夕映、古 菲、佐々木 まき絵、長瀬 楓、そして、神楽坂 明日菜。
これが居残りか。しずな先生の説明を聞き、ネギ先生と教室へ向かう。
教室には居残りの5人と数名だ。
「―――――というわけで、2-Aのバカ
「誰がバカ五人衆よ!!いーのよ別に勉強なんかできなくても、この学校エスカレータ式
だから、高校までは行けるのよ」
「ほう、神楽坂 明日菜は中学の勉強ができないのに、高校生になるつもりか?」
「そ、それは……」
「中学の勉強ができなければ、バカにされるぞ。それは嫌だろう?」
「……はい」
全く、いくら記憶を消されたからといっても、勉強嫌いになるとはな。
「えーと、じゃあまずこれから10点満点の小テストをしますので、6点以上取れるまで
帰っちゃダメです。じゃあ、始めてください」
しばらくすると綾瀬 夕映が立ち上がる。どうやら終わったようだな。
「できましたです」
「えっもうですか!?」
俺もネギ先生の隣で見るが、点数は9点だった。どうやらこの子は、やろうとすれば
いい点を取れるようだな。
「うん! 4番綾瀬 夕映さん9点!合格です」
それから全員のテストが終わるが、他4人は不合格だった。
「じゃ、じゃあポイントだけ教えますね!」
「ネギ先生、神楽坂 明日菜は俺が教えます」
「え?なぜですか?」
「他4人はネギ先生で十分ですが、神楽坂 明日菜は俺が指導しないと、取れないみたい
なので」
「ちょ、ちょっと待ってください!私も他4人と一緒で大丈夫です!」
「だが、俺が指導すれば次で合格するぞ?」
「ネギ先生でも大丈夫です」
「……分かった。だが、他4人が合格しても、合格しなかったら俺が指導する。
いいな?」
「分かりました」
他の人が聞けば、俺が下心があるように聞こえるだろう。だが、俺にはそんの心はない。アスナの将来のためだ。それに恋人がいる俺が誰かに下心を持つはずがない。そして数分後、アスナ以外は全員合格した。
「神楽坂 明日菜」
「うう・・分かってます」
「ネギ先生は帰ってもらってもらっても大丈夫ですよ」
「え?そういうわけにはいきませんよ。僕も教師です。ちゃんと最後までいますよ」
「そうですか。神楽坂 明日菜、今から特別授業をする。この授業をすれば、すぐに合格
できる」
そう言ったが、アスナの顔が怪しいという疑いの目だ。当たり前だな。
俺の授業を受けただけで、合格できるというのだ。ネギ先生の授業を受けたのに合格できなかった。
誰でも疑う。
「では、始める」
こうして俺の授業が始まった。これは別に特別な授業ではない。ただ記憶を呼び覚ます授業だ。
結果はもちろん成功だ。満点という点数を出し、合格した。
「だから言ったろう?」
「す、すごいです!さっきまでひどい点数だったのに!」
「……さっきまで分からなかったのに、先生に授業を受けただけで全部分かるなんて」
「これはアスナのための授業だ。他は通じないやり方だ」
「アスナ?」
「ゴホン、神楽坂 明日菜しか通用しない授業だ」
しまった。つい、「アスナ」と呼んでしまった。
「とにかくこれで合格だ。帰っていいぞ」
俺は急いで教室から逃げるように出た。
今日は他に仕事がなかったため、あの後からすぐに家に帰った。
「慎也~!」
そう言いながらエヴァが俺に抱きついてきた。どうしたんだ?いつも以上にテンションが
高い。
「どうしたんだ、エヴァ。何かいいことでもあったのか?」
「いいことがあったんだ!」
「それより離れてくれ。身動きが取れない」
「ふふ~ん。別にいいだろう?私は慎也の妻だからな!」
妻。妻!?ってあれか。なるほど、あのときのことか。それでテンションが高いのか。
今になって恥ずかしくなってきたな。まだプロポーズもしていないのに恋人を自分の
妻と言ったからな。
「分かったから、少し離れてくれ。このままだと服が」
「仕方ないな。ちょっとだけだぞ」
俺は着替える。終わるとすぐにエヴァが寄ってくる。
「な、なあ、あのときの言葉は、その、本当なのか?」
「・・・・・今はまだ恋人だ。だが、近いうちにそうなる、と思う」
エヴァの顔が赤くなる。おそらく俺もだろう。でもこれって、遠回しにプロポーズした
ようなものじゃないか?
「そ、その言葉は忘れないぞ!!待っているからな!!」
「分かっているよ。待っててくれ」
俺はエヴァを抱きしめる。数分間、そのままでいた。
「そろそろご飯を作る。もう離れていいか?」
「忘れたのか?今日は私が作るんだぞ。それにもう作った」
「初めてなのにもうできたのか?」
「初めてだから簡単なのにした。それに茶々丸が教えてくれた」
「茶々丸もいるのか?」
「いや、帰った。この頃、あまり一緒にいることが少なくなったような気がする」
「あいつなりに気を使っているんだろうよ」
料理は確かに簡単なものだった。だが、見てわかるように、初めてのように不恰好だった。
エヴァの頑張りがよく分かった。味は食べてみないと分からないが、茶々丸がいたから
大丈夫だろう。
「慎也、食べよう」
「ああ、いただきます」
「いただきます」
俺は早速食べようとするが、エヴァが俺を見ている。
「なあ、食べにくいんだが。なんで見ているんだ?」
「私の初めての料理だぞ。始めに慎也に食べてもらって、感想を聞きたい」
俺はエヴァの料理を食べる。
「美味しい」
「ほ、本当か?私に気を使わなくてもいいんだぞ?」
「本当に美味しいよ。これは本当だ。エヴァも食べてみろ」
「い、いや私はいい。全部慎也の分だ。私はもう食べた」
「そうか。なら全部食べるからな」
「食べてくれ」
俺はエヴァの料理をすべて食べた。とてもうまかった。個人的にはこれからも作って欲しい。
もちろんいつもじゃなくていい。ときどきだ。それだけで満足だ。
ぐ~~~
俺以外の腹が鳴った。ここにはこれとエヴァしかいない。つまりエヴァだ。
「なあ、エヴァ」
「な、何だ?」
「嘘をついたろう」
「何のことだ?」
「本当は食べてないだろう」
「た、食べた」
「じゃあ、さっきの音はなんだ?」
「知らない!」
「本当に正直に言ってくれ」
俺はエヴァの顔を見る。目がしばらく合うが、エヴァが負けたように逸らした。
「・・・・・・食べてない」
「俺が作るからちょっと待ってくれ」
「・・・・・うん」
俺は早速作る。手軽に作れるものだ。なのですぐに作り終わる。
だがこれだけでは、腹が満たされないので、他にいくつか作った。
これだけあれば満たされるだろう。
「いただきます」
エヴァはしばらく無言で食べていた。
「・・・・慎也、ごめん。全部慎也のために作ったんだ。
もちろん自分の分も作った。でも、慎也が美味しいと言ったがうれしかった。
だから、私の分を・・・・」
エヴァの言葉はうれしかった。だが、俺のために自分を犠牲にしてほしくない。
「エヴァ、気持ちは分かったが、自分の分を食べないとダメだ」
「これからはちゃんと、自分の分を作る」
「これからも作ってくれるのか?」
「もちろんだ。だが、毎日は作れない」
「それでもいいさ。楽しみにしているよ」
その後、俺は机で仕事でする。明日の授業のためだ。
「私は風呂に入ってくるからな」
「分かった」
エヴァが風呂へ行き、一人になる。暇を潰すためにさらに仕事に集中する。
「ナア、慎也」
「なんだゼロ」
「サッキカラ俺ノコトヲ忘レテイナカッタカ?」
「エヴァはともかく俺は忘れてないぞ」
「本当カ?俺ガイルニモカカワラズ二人デイチャツイテタノカ?」
「そういうことだ」
「恥ズカシクナイカ?」
「ゼロだからな」
「褒メテイルノカ」
「そう、信用しているんだよ」
「前ハナイッテ言ッテイタヨウナ気ガスルンダガ」
「信用度が上がったんだよ」
「オ前ノ信用度ハ早ク上ガルンダナ」
たわいのない会話をしているうちに、結構な時間が経っていた。
そのため、エヴァが帰ってきたとき、俺の仕事は少ししか進んでなかった。
「慎也、そろそろ寝よう。もう時間が遅いぞ」
「まだ11時だぞ。今日はやけに急ぐな。ん?まさか昨日の夜みたいに――――――」
「ば、バカっ!!違う!!私は慎也の体を思って言っているんだ!!」
「俺の体を思って?やっぱり昨日の夜―――――」
「さすがに怒るぞ!!」
これ以上ダメだ。命の危険になる。
「ごめん。そうだな。早く寝よう」
「・・・・・うん」
今日は昨日の夜のようなことはしない。ただ抱き合いながら寝ただけだ。