旅の唄 ~赤毛の少女と共に~   作:シロとクロ

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帰還・旅立ちの章
001 詐欺師への対応 ターニングポイント1.1


 

 城塞都市ロアの郊外。

 赤毛の少女と獣族の女剣士と共に遠出してきた。

 

 昨晩もらったばかりの新品の杖の感触を確かめる。

 優れた性能にたしかな手応えを感じる。

 

 さあ、約束した水聖級魔術のお披露目だ。

 両手に持った杖を突き出す。

 

 しかし、魔術を使う前に異変に気づく。

 空が異様な色に変色し、異質な空気に包まれる。

 

 そして、現れる襲撃者。

 言葉自体は通じたようで、戦闘は中断される。

 

 

 

 次の瞬間。

 変色した空から、一筋の光が地面へと走る。

 光は拡大し、その奔流があらゆるものをかき消しながら津波のように迫ってくる。

 

 俺はせめて彼女を守ろうと、赤毛の少女に覆いかぶさった。

 

 その日、フィットア領は消滅した。

 

 

 

 

 

 

 白い空間。

 これは夢か?

 

 誰かがいる。

 

 すぐ近くに存在しているはずなのに、はっきりと見ることができない。

 そのせいかだろうか、まるでモザイクがかかっているかのような印象をうける。

 

 

 

「やあ、初めまして。こんにちわ。ルーデウス君」

 

 モザイク野郎が話しかけてきた。

 

「聞こえているよね?」

 

(ああ、もちろん。こんにちわ)

 

「ふふ、挨拶ができるのはいいことだ」

 

(で、あなたはどちら様ですか?)

 

「見ての通りさ」

 

(見ての通って…、モザイクがかかってるようで、卑猥なモノにしか見えないんだが)

 

「モザイク? 卑猥って…まあいいさ。

 ボクは神様だよ。人神さ」

 

(かみ…さま?)

 

「そうさ、神だよ。ヒトガミさ」

 

(あっそ)

 

「君のことを見て…、んん?」

 

(消えてください)

 

「…随分と辛辣だねぇ。何かお気に召さなかったかい?」

 

(俺には神がすでにいますので)

 

「………いや、うん、まあ…、どんな神様を信じてもいいけどさ。話くらいは聞いてほしいなぁ」

 

(嫌です。あなたの言うことは信用できません)

 

「そんなこと言わずにさぁ」

 

(胡散臭い)

 

「いやいや、僕は君の味方だよ」

 

(なんですか、宗教の勧誘ですか? セールスですか? とにかく必要ありません。結構です。お断りします。帰れ)

 

「うーん、そう言われてもねえ。今の…」

 

(あー あー あー きこえないー)

 

「いいのかい? このままだと君は…」

 

(きーこーえーなーいー)

 

「まずは目が覚めた時に…」

 

(きこえないー きこえないー きこえないー

 きこえなうー きこえなむー じゅげーむー

 じゅげむー ごこうのすり切れ

 海砂利水魚の すいぎょうまつ

 うんらいまつ ふうらいまつ

 食う寝るところに 住むところ

 やぶらこうじのぶらこうじ

 パイポ パイポ パイポの シューリンガン

 シューリンガンの グーリンダイ

 グーリンダイの ポンポコピーの

 ポンポコナーの…)

 

 

 

「ちっ…」

 

 モザイク卑猥野郎は、舌打ちをして消えていった。

 

 





 ルーデウスがヒトガミの言葉には耳を傾けなかった、そんなifです。

 ここからリカリスの町まで、002-004話までは原作に沿った流れになります。色々文章の焼き直しをしているのですが、多少引用はあります。ただifということで原作とは異なる部分もあるので、読んでいただければ幸いです。

 001-005話までは一気に投稿するつもりです。

 20250509:句点、読点、改行を修正しました。内容に変更はありません。

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