ハナコはこんな事を考えないし、もっと頭良いし、恋愛にも興味はあるけど奥でだから一歩踏み出せないし、けれど得体の知れない感情を持っていて欲しいし、0から1を察して100を知るような天才少女じゃなきゃいけないんです。
ナギサちゃんとの出会いは私が入学したばかりの頃でした。
慣れない土地勘でスマホ片手で地図を見ながら歩いていたつもりでしたが、いつのまにか目的地とは大凡違う場所のトリニティ自治区でも治安が悪い場所に来てしまっていたようでした。
いつのまにかガラの悪いヘルメットを被った一団に囲まれてしまったのです。
愛銃のマガジンを使い果たしてしまい、拉致されてしまうのかも知れないと思った時のことでした。
「そちらの方々、その方はトリニティに入学したばかりの一年生ですから、その辺りで勘弁してくださいますか?」
一瞬ながら僅かに連続して6発の銃声と共に、私を取り囲んでいた人らが倒れ伏しました。
カッ・・・・・・カッ・・・・・・と言うヒールの音が向こう側から聞こえてきて、ガチャッと言う排莢の音と共に地面に薬莢が落ちる音が聞こえた後、弾を入れ薬室が回転する音と共に元に戻す音が聞こえてきました。
音から考えると、リボルバータイプでしょうか。持っている人は護身用として持つ人が多いので、射撃に余り慣れない方が多くここまでの射撃の技術を持つ人は多くいません。
正義実現委員会であれば良いと一抹の期待を抱きながら声がした方向へ振り向けば、陽が傾き夕日がさす逆光で誰がきたかは良く判別できませんでした。
ですが、あのシルエットは今も覚えています。コートを羽織っているようではっきりとした姿形はわかりませんでした。
そのコートは後々になって聞いた事でしたが、ゲヘナに観光に行った時の帰り道であり、余計な干渉を避けるべくトリニティの生徒である事を示す大きめの羽を隠すために着ていたというのでした。
その乱入者は更に近づいてきながら、ヘルメット団の一団を1人ずつ丁寧に、撃ち抜いて行きました。
そして私の横に立ち、予備の銃と思われる拳銃を差し出してきたのです。
「弾が切れているのであれば、此方をお使いください」
そして、動きやすくなるようコートを脱ぎすてたのです。
その場所に一輪の美しい百合の花が咲いたようでした。
その純白で大きめの翼と可憐な面持ち、お嬢様然とした容姿でありながら、ゲヘナ帰りということもあって美しい髪もどこか煤けていました。
ですがまだ未熟で、それでいて無垢であった私にとっては、彼女は劇薬だったのです。
一挙一動に私の目が惹かれ、少し目が合いそうになると目を伏せてしまいます。けれどすぐに彼女のお顔を見たくなり、そして少し目が合うと顔から煙が出るかの様に熱くなってしまうのです。
そう私は一目惚れしたのでした。
その全てが綺麗で、愛おしく、そして美しかったのです。
彼女は結局十数人は囲まれていた私を助け、さらには全員をあっさりと打ち倒してしまったのです。
「知らないんですか?ゲヘナでは爆発は挨拶なんですよ?この程度は屁でもありません」
お嬢様らしからぬ汚い言動で捨て台詞を吐き捨てていましたが、私へ向き合うとにこりと笑いかけました。
軽蔑しているような嘲るような毒々しい笑みではなく、可憐で、そして内心から私を心配していて、そして何より恐怖で慄いているであろう私の緊張を解すための純粋無垢な笑みでした。
「大丈夫でしたか?正義実現委員会へは通報しましたので、すぐに来ると思いますよ」
「あ、えっと・・・・・・その・・・・・・」
「あぁ、その銃は貴女にお貸ししましょう。帰る道中に危ない目に遭ったら大変ですから」
内心話したい言葉が出て気はしますが、口は何も話してくれません。
貴女の名前を聞きたいのに、どの部活にいるのかもわからないのに。
そして立ち去ろうとした彼女を呼び止めてしまいました。
「お待ちください!」
ふっと振り返った彼女には怪訝な表情をしておりましたが、今勇気を出してお名前をお聞きしないと一生会えない。
そう予感して声をかけたのです。
「お名前を、聞かせていただけませんか?」
そう言うと彼女は笑みを浮かべました。
「私の名前はリボルバーオセロット。トリニティ総合学園2年生の戦車戦術部副委員長です!」
そう、その時はめちゃくちゃなドヤ顔を浮かべていました。
どう考えても偽名でしたし、後から考えてもあの時は相当格好つけながら名乗っていました。
ひとまず帰ったら拳銃を返しに行きたいので!と押し切り連絡先を交換する事に成功致しました。
もちろんその時にリボルバーオセロットではない、本当のお名前を知ることもできたのです。
後日、胸を高鳴らせながら戦車戦術部に事前にアポを取っておき訪れて拳銃を返却致しましたが、その際に戦車に乗らせていただく事になりました。
その時は私の実力が知られていた訳ではなかったので、純粋な新入生勧誘の一環であったのでしょうが、ナギサちゃんに後ろから抱えられながらの乗車はまさに至福でありながらも、恥ずかしさで私が爆発しそうな幸せな一時でした。
自身の優秀さを知られ、派閥や部活への勧誘がひどくなった時も、趣味だと言う旅行へ私をトリニティから連れ出して色々な場所へ連れて行ってくれました。
夏は戦車戦術部のセンチュリオンを借りて、ナギサちゃんとの友人だと言うヒフミさんと一緒にビーチに行ったり、秋は百鬼夜行連合学院のお祭りに行ったり、冬は何故か寒いレッドウィンター連邦学園に行って温泉に行ったり、ゲヘナで沸騰間近の温泉に何食わぬ顔をして入るナギサちゃんを見て意外といけるかもしれないと思ってはいってみたらヤケドしそうになったり、トリニティ生だとバレて囲まれた時に全員ぶち転がしたのには快感を覚えたモノです。
D.U.地区にドーナツとハンバーガーなどのジャンキーなものを食べに行ったり、ミレニアムで学園祭の様なものが開催されると言うことでミレニアムEXPOに一緒に行ったりと、私の悩みをなんとなくではありますが、感じ取ってくれていたのでしょう。何かことあるごとに息抜きに連れて行ってくれたのです。
貴女と過ごす時間は私にとってかけがえのない時間になって行ったのです。
貴女が3年生になりティーパーティに入る時になった時バレバレの演技で私を突き放そうとしましたよね。あの時の貴女のお顔は凄く苦しそうでした。私がどれだけ苦しんでいるかを考え、私と仲良くさせていただいている貴女がその席に座れば私はさらに政争の道具としての奪い合いが始まるでしょう。
そして私を突き放した理由の一つとして、貴女が事あるごとに言葉尻で示唆していた変えるべきではない未来がある事も。
その言葉は無意識で話していたのでしょうが、私には大きなヒントになりうる言葉です。
ですがそんなことは関係ありません。私の心が荒み、トリニティ総合学園特有の仕草を覚えてしまっても、貴女なら甘えても良いと、覚えてしまったのです。
ですから責任をとってくださいね?
ナ ギ サ 様 ?
ですから、私が一年生だった時と同じ様にとは言いません。
ですが、せめて私を見てください。どうして私を見てくれないんですか?
どうして?
ですが、昔の様にナギサ様に話しかける事もできなくなりました。
エデン条約の一件が終わった今でも、ナギサ様は私を避ける様になったのです。
エデン条約の一件が終了した後に、友達のセイアちゃんやナギサ様と交流があるヒフミさんがナギサ様との関係を取り持とうとしてくれました。
ですが、ナギサ様はいつも私の事を以前の様に慈しむ娘に接する様な表情ではなく、友達の友達の知人に引き合わされたような、気まずい表情をされるのです。
「どうすれば良いでしょうか、セイアちゃん」
「はぁ・・・・・・ナギサ、君って言う奴は罪な女だ」
浦和フラワー
ナギサに一目惚れした人。そして作者にキャラ崩壊された人。
エデン条約が始まる前に、好きな人に原作ではこうも仲良くないのでという事と、そもそも自分自身への好感度はそう高くないでしょうというクソボケな理由でナギサ様に距離を遠ざけられた可哀想な少女。
それでも初恋は諦めることはできなかったが、エデン条約が終わった後も政務・他校との調整外交・校内政争に対する対処といった仕事に忙殺され、残った時間も他校の推しキャラ百合鑑賞をしながらメンタルケアをしているナギサ様に中々会えないしでどうしようもないフラワーちゃんは不憫かわいいね♡
実際のナギちゃんはハナコハやハナヒフ、ハナセイを観測するために挟まるのは死刑!だと思っているので少し距離を置いている事と、エデン条約の一件で会いづらいと言うそれだけである。ナギサも精神は大人であるのだが、大人でもそう言う事が人間関係上発生するためおかしい話ではない。
オラっ!先生なんとかするんだよ!このままだと1人の生徒の青春が壊れてしまうぞ!