これでアビドス編は終了です。次は人間関係を深掘りする幕間とかを挟んでからミレニアム編を書いていきたいと思います。
翌日、アビドス砂漠。
カラッとした一面の砂に一陣の風が吹く。
その風によって砂が舞い上がり、遠くは見渡せない状況だ。
その砂嵐の中をカイザーPMCの戦車隊と
「トリニティ方面前線基地、反乱が発生した以降の応答ありません!」
「一体何が起こっている!しかも今のタイミングで・・・・・・!」
だがその一方でカイザーPMCではとんでもない状況となっていた。
前々から待遇の改善が要求されてきたトリニティに属する領域において、牽制の意図で造成したカイザーPMCの基地が今現在連絡途絶中であった。
さらに連絡途絶の前にあった緊急電によると、武力クーデターが発生し救援を乞うという旨の連絡であった。
現在アビドス廃校対策委員会の攻撃と連携して、あのゲヘナ学園風紀委員会が共闘し共同攻撃を行なっている状況であるにも関わらず、そのような事案が発生した事で対応が後手に周り気味で偵察のための一個小隊を向かわせるのがやっとのことだった。
なおその一個小隊は味方と思しき戦車隊より砲撃を受けたという悲鳴じみた無線と共に連絡が途絶。
さらに該当基地方面から更なる榴弾砲の猛砲撃が始まり混乱は広まるばかりであった。
このように、混乱した戦場では何が発生するのか。
そう、同士討ちである。
目の前にある味方が本当に味方なのか?それが区別できなくなったのだった。
さらにダメ押しと言わんばかりに、味方であるはずの戦車隊とは全く逆の方面で有るゲヘナ学園方面からゲヘナ風紀委員会が圧力をかけてきている。
更にPMC企業で待遇の大幅な改善を却下された不満分子が暴発したと思われる前代未聞のクーデターの情報と合わせて、味方戦車隊と思われた部隊による砲撃は史上類い稀なる大混乱を戦場にもたらし、本来であれば本当の味方小隊同士であっても撃ち合い始めるという同士討ちが発生するのは当然の帰結だろう。
そしてホシノを奪還すべく浸透してきたアビドス廃校対策委員会の4人。
戦場は混乱状態に入り、カイザーPMC本部では情報を処理しきれず大混乱となっていた。
これがトリニティの長である、とあるティーパーティの長の策謀だったとは思いもしなかったのだ。
「くーっ!!!!コーラは身に沁みますね!!」
きょ、今日も疲れましたよ。
何しろアビドス砂漠にあるトリニティ方面を抑える基地をSATの皆様方と一緒に浸透強襲しまして、最終的に全てを制圧。偽の無線を流した後、偵察で事前に知れていた戦車類を奪いまして、カイザーPMCに襲いかかり、戦場を引っ掻き回して差し上げました。
その後、ヒフミさんからホシノさんが無事救出されたと言う報告を受けた後、私たちが強奪した戦車の中身からバレないようにきっちりテルミット弾で上手に焼き上げた後で、対戦車ロケット弾を被弾したという程にするためにNLAWミサイルを打ち込み、その後更にC4で爆破解体処理という後始末を終わらせてきたのです。
しかも今回の一件が知れ渡ったのか、カイザーPMC君とカイザーローンその他関係カイザー会社の株チャートは崖になりました。
今回私も一応関係者ではあるので空売り祭りに首を突っ込めていないのですが、もし関係者でなければ空売りをカイザー関係会社に仕掛けまくっていたでしょう。
そして一方の私はSATの方々と一旦別れその足でゲヘナへ行き、いつも通っている焼肉屋まで足を運んできたのです。
焼肉屋に入りいつもの種類を頼み、肉を炭火の上に並べていきます。
鼻の奥をくすぐる上質な肉が焼けていく、匂いと音に包まれながら皿に盛られた肉の山からハラミをとり、炭火の炎にハラミをトングで掴んで焼いていきます。
じゅーーーーーーっ・・・・・・というお肉が焼ける音は、いつ聞いても私を癒してくれる最高のASMRですね。
っと、いい感じに焼けたのでお肉を引き上げ、軽くハーブソルトをつけてご飯の上に乗せて一緒に頬張りますと、溢れる肉汁とハーブソルトの塩みと配合されているハーブの香りにご飯の甘味が絶妙なハーモニーを奏でています。
いつ来ても変わらない至高の幸福の時間とも言える一瞬でした。
ですので、私の席の目の前に人が来ていた事はわかりませんでした。確かに少しざわついたなとは思いましたが。
「ナギサ、今日はここに来たのね」
「ナギサ様、今日はありがとうございました!」
「んぁっ・・・・・・ヒナさん⁉︎それにヒフミさん⁉︎」
ご飯を食べながら今日も人の不幸が美味しいとカイザー系列の株チャートを見ていると声をかけられましたので、顔を上げてみれば何とも可愛い身長にふわふわの白いモップ髪が一番真っ先に目に入ります。
そうゲヘナのアイドル、ヒナさんちゃんです。今日はアビドスの一件もあったので、ゲヘナへ行っても今日は合わないだろうとは考えていましたが現実はなんとも不思議なものです。
たまに意識していなくとも知り合いに会うことがありますが、まさにそういう所でしょう。
それにしても珍しい組み合わせですね。ゲヘナ風紀委員会委員長のヒナさんと、変な挙動をしているとはいえ、他のぶっ飛んだ方々から比べると普通(実際は普通ではない)なヒフミさんが一緒に居るだなんて。
これはヒナヒフがキテるのでは?ヒナヒフは新しいですね、今度メル先生に情報提供しておきましょう。そのうち良質なナマモノ同人誌がお出しされるはずなので、その際は2冊は買っておきましょう。
「私も同席してもいいかしら?」
「えぇ、良いですよ・・・・・・席が近くないですか?」
ヒナさんが同席したそうな目で見てるので、あまり考えずに了承します。私が座っている席はちょうど席が空いていた対面2人がけの席でソファー側に座っていますので、2人とも対面に座るのだと考えていましたが、考えが甘かったようです。
なんとヒナさんが私の隣に座りました。
「そうかしら?ごめんなさい、ナギサの隣に座りたくて」
うおっ・・・・・・良い声!!!耳元近くで話さないでください、生ASMRをしてもらえるとか私はどうやら前世で徳を積んだようですね*1!!!!
それにしても・・・・・・ヒナちゃんものすごく可愛いんだが?こうやって先生とかアコとかホシノとかを落としてきたんだろ!
クソッ!あざとすぎるし卑しすぎる!!!これは第二のイロハですよこれは*2!!!!もはやハーグ陸戦条約違反と南極条約違反!えっちなのは死刑っ!だろ!
こほん、失礼。取り乱しました。
視界の端で蠢くその白いモップ頭をなでりこなでりこしたい衝動に駆られましたが、私は
自身の欲望が溢れかけてしまいましたが蓋をすることに成功しました。とりあえず少なくとも今は、ここでヒナヒフの間に挟まってはいけません。
今や清楚さを挽回するチャンスです。居住まいをただし、ヒナさんに語りかけようとすると、どこに座ろうかとオドオドしていたヒフミさんが、意を決したかのようにそーっとヒナさんとは逆サイドの私の隣に座ったのです。
そう、ヒナヒフの間に挟まってしまったのです。うーん、これは死刑ですね。
ですがここは穏便に済ませたいところです。お二方にやんわりと移動しないか聞いてみましょう。
机が2人がけくらいのスペースしかありませんので、結構キツキツです。
どれほどかというと、私の翼がヒナさんの翼にさわさわと重なり当たりそうなくらい近いですし、ヒフミさんとヒナさんの体温が感じるられるほど近いのです。
「あの・・・・・・ヒフミさんとヒナさんはそこで狭くないですか?私の翼とかが邪魔でしょう?」
「い、いえ大丈夫です!私はナギサ様の隣にいたいので!」
「ヒ、ヒフミさん!?そんなに大きな声出したら目立ちますよ」
「あ、すいません・・・・・・」
ヒフミさんの素っ頓狂な声に店内の目線が集まります。ここは焼肉屋ですので、飲食店である以上ある程度の声で話す方々も多いですが、やはり肉を求めて来る客が多数ですので、こういう大声で話す客は目立ってしまいます。
それと店員さんが早く注文しろオーラを出して来ています。まぁ仕方がないですかね。
今日の私は時間制限制の食べ放題で注文しているわけではなく、単品ずつで頼んでいる形ですので、仕方ないでしょう。
「お二方は何か食べますか?」
すっとメニュー表をメニュー立てから取りお二方に差し出します。
ですがやっぱり狭いですね。細身とはいえ3人が2人がけの机部分に座っているのですから。
「私はナギサと同じものでいいかしら」
「私もナギサ様と同じものでお願いします」
「すると・・・・・・2人前ですのでライス大が二つ、牛カルビが二つ、ハラミが二つ、タン塩が二つで良いでしょうか?」
ちょっとヒナさん、相変わらずよく食べるわねという顔をしないでください!
こういう食べものを食べるのは週に一回か2回程度で抑えてます!
という事で店員を呼び注文しました。
ただしまだ両手に花状態ですが、とりあえず現実から逃避するためにカルビの肉を焼き始めます。
強烈なカルビの焼ける匂いが前からして来ますが、両側からもいい匂いがします。
うーん、最高ですね。
「そういえば、ヒフミさんとヒナさんが一緒に来るなんて珍しい組み合わせですね。どうかしたんですか?」
「えぇ、偶然近くで会って、それで私から近くでご飯を食べに行かないか誘ったの」
「実はペロロ様のゲリラライブがゲヘナで開催されていまして、その帰りにヒナさんに会ったんです。その時にご飯を食べに行かないか誘われたので、せっかくなので同行したらナギサ様にお会いしたんです」
「そうだったんですね」
は?ヒナヒフ最高過ぎるだろ!予想外の組み合わせですが良すぎやしませんか?
一通り肉を焼き終えたくらいで、注文した追加の肉とご飯が届きましたのでお二方にご飯と取り皿を渡し、一緒に焼肉を頬張る事となりました。
所々私がとったお肉を食べさせて欲しいと2人からオーダーが来ましたが、これも女性同士のスキンシップですから問題ありません。
そのような美味しく至福な時間もあっという間に過ぎ去ってしまいました。
「美味しかったですね。じゃあ会計は私が払いましょうか」
「いや、それには及ばないわ」
「ヒナさん?」
「この前やらかしたアコの給料から罰則で天引きするから」
「あっ・・・・・・」
あっ・・・・・・まぁ残当ですかね。事実上の減給と言ったところでしょうか。
「アコさんがどうかしたんですか?」
「ヒフミさんは知らなくて良い事ですよ?強いていうなら、いつもの事です」
何も聞くなという雰囲気でヒフミさんに圧をかけますと、全てを察したかのような表情をされました。
ヒフミさんも何故か私とゲヘナで行動することが多くなったおかげで、ゲヘナ風紀委員会とも顔馴染みになっていますし、アコさんのいつものやらかしに私と一緒に巻き込まれる事も多いのですから、これだけでもまた何かやらかしたんだろうなぁと察しがついたのでしょう。
結局その日の会計は3人で1万円以上となり、ヒナさんが全てを払って最終的にはアコさんの給与天引きになるそうです。
まぁ・・・・・・仕方がないですね。
焼肉屋を出ると心地いい夜風が吹き抜けていきます。
「じゃあナギサ、ヒフミ。また会いましょう」
「えぇ」
「はい!」
その後ヒフミさんとゲヘナからトリニティ自治区へ帰りました。
一方その頃のはにゃこさん
外で物理的に開放的になった後、ナギサが着ていたコートをかいでいます。
そのコートははにゃこがセイアに頼みこみ、いつもナギサが着ているものを暑くなってきたからという名目で脱がせ、はにゃこへ横流ししてもらったものをすんすんとベッドの上でかいでいるのでした。
「ナギサさんの服・・・・・・いい匂いです・・・・・・」
ナギサが今着ている特注オーダーメイドで作られたベージュのコートは、セイアが頑張って用意して新品に入れ替わりました。
一方のナギサは『セイアさん御用達のクリーニング屋さんは凄いですね、ほぼ新品同様です!』などと思っています。
ファウストさん
ヒフミが1年生の際にペロロ様のライブに行くためにゲヘナに潜った時に、ゲヘナにおいて蔓延っていた違法薬物密売組織を殲滅中の一般通過ナギサ様と巻き込まれた一般通過浦和フラワーに出会ったのがきっかけで、その後2人をペロロライブに連れていった押しの強さがある普通(?)のトリニティ生徒。
ナギサ経由でゲヘナ風紀委員会と顔見知り。
ナギサ様を敬愛している(意味深)。
メルリー先生
よくナギサからネタを提供され、その見返りでナマモノ同人誌を描いている。ナギサが温泉巡りをしている時に知り合った。
実はナギサ総受け本を書こうとしている。
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