作者の夢物語シリーズ   作:セイントドラゴン・レジェンド

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 久々に【作者の夢小説】シリーズの小説を投稿します!
 これは先日、わたし作者が休日の朝方に見た夢をプロットにして執筆した小説です。
 何故か、映画や漫画で少ししか見ていない【ドラゴンボール超】の夢でした。
 ほとんど知らない筈の超でのドラゴンボールを夢で見て、その内容の面白さに一人興奮して、朝早く起床してプロットに纏めた後、それを基に執筆しました。
 少し可笑しな点があるかもしれませんが、どうかお目潰し程度に楽しんでもらえたら幸いです。
 因みに、作者は夢の中では名も分からない少女でした(しかも眼鏡をかけたビーデル似の少女です)


作者の夢小説 異世界転生少女、ドラゴンボールの世界で猛烈修行!?

[名乗り込み]

 

 そこは西の都、カプセルコープ。

 此処ではちょうど、孫悟空とその仲間たちが集って思い思いに気楽にのんびり過ごしたり、または悟空とベジータの様に組手で修行している者たちがいた。

 

 と、其処に。

「頼もーーーーーーッ!」

 と、扉を開けて、まるで道場破りの様に名乗りこんできた人物が。

『?』

 修行などをしていた悟空たちが動きを止め、その声の方へと一斉に顔を向けた。

 皆が顔を向けた先に居たのは。右肩に帯を巻き付けて纏められた柔道着を手にする、高校生ぐらいの眼鏡をかけたボーイッシュな女の子がいた。

 何処かしら孫悟飯の彼女であるビーデルに似ている女子の登場に、皆がポカンとしていると女子に何かしらの関心を持った悟空が女子の前に跳んで話し掛ける。

「なんだ、お前?」

 初対面の女子に悟空が訊ねると、女子は溌溂とした顔で悟空に言った。

「孫悟空ね、あなた! 私といっちょ組手してちょうだい!」

「へっ?」

 突然の女子からの申し出に流石の悟空も唖然と目を丸くしてしまう。

「き、急に何を言うんだ、おめえ。オラ、いくらなんでも普通の女の子相手と組手するのは流石に……」

 女子の申し出に戸惑う悟空。その様子を見ていた周りの仲間たちも悟空に同意するように何度も頷く。

 しかし女子はムスッとした表情で悟空を睨み付ける。

「わ、わりィ事は言わねェから、どっか別の誰かと組手してくれよ……」

 と、悟空は少女の前から立ち去ろうとする。

 が、その時。少女は背中を向けた悟空の胴着をいきなり掴んでは、そのまま問答無用で悟空を背負い投げで一本地面に投げ付けてしまう。

 悟空が少女に投げ付けられる様を見て、周りの仲間たちは驚愕。

 当の悟空も少女から敵意や殺意などを感じなかった為に完全に油断していて、簡単に少女に投げ飛ばされてしまい茫然としていた。

 そんな茫然とする悟空に、少女が悟空の顔を覗き込みながら笑顔で言った。

「フフ、私みたいな人間の少女に簡単に投げられるなんて、サイヤ人の名が泣きますよ。孫悟空さん」

「!?」『!!』

 少女が悟空に発言した「サイヤ人」という単語に、悟空本人もその場にいた仲間達も愕然とした。

 何故なら孫悟空が、そしてベジータが地球人ではなくサイヤ人であるという事実は、当事者しか知らない事実だったからだ。

 この少女の発言に、悟空と同じサイヤ人のベジータが少女の前に飛び出して険しい顔で詰め寄った。

「貴様! なんでカカロットがサイヤ人である事を知っている?」

「あら。あなただってサイヤ人でしょ。元サイヤの王子であるベジータさん」

「ッ!?」

 孫悟空に続いて、自分もサイヤ人である事だけでなく王子であった事実を突き付けられて激しく動揺するベジータ。

 

 この少女の孫悟空とベジータへの言動を受けて、二人だけでなくその場にいた仲間達も全員少女に注目し出した。

 

 

 

[悟空の強さ]

 

 孫悟空とベジータの二人がサイヤ人であるという事実を知っている少女の出現に驚きを隠せない一同。

 そして改めて皆が集まった際に、少女は皆の注目の中、語り出した。

 

「実は私、元々はこの世界の人間ではないんです。信じられないかもしれませんが、私の元いた世界では悟空さん達の活躍はみんな漫画として大勢の人たちに読まれているんですよ。もちろん私自身も皆さんの事を漫画を通して知っていますので!」

 少女の告白に、同然ながら誰もが俄かには信じられない心境。

 だが、少女が悟空とベジータがサイヤ人である事を知っていた現状を前に、驚きながらも受け入れつつあった。

「お、俺たちの活躍が漫画に……? 別の世界? 信じられない……」

 頭から冷や汗を流しながら信じきれないクリリン。

「別の世界……タイムトラベルとかでパラレルワールドとかの存在を知った今では、この子の言っている異世界の話も在り得る話だと思いたいけど」

 実際にタイムマシンを製作したブルマは、過去の経験から別の世界の存在を受け入れようとしていた。

「フンッ、オレ様やカカロットの戦いが漫画である世界から来ただと? ……俄かには信じられん」

 自分達の歴戦の数々が漫画だという点だけでも信じられないのに、そんな漫画である世界から来たという少女の告白に難癖をつけるベジータ。

 すると少女の話を聞いた悟空が、不思議そうな顔で少女に話し掛ける。

「ははっ、面白ぇ子だなお前。ホントにオラ達が漫画の世界から来たって訳か?」

 これに少女は満面の笑顔で悟空に話し返した。

「はい! 悟空さんの事も色々知ってますよ」

「ほへぇ……オラの事も知ってる訳か」

 少女の答えに内心驚く悟空に対し、少女は少し複雑そうな顔で耳打ちした。

「はい、例の事も……」「例の事?」

 顔を傾げる悟空に耳打ちで伝える少女。

 その少女の耳打ちした内容を聞いて、悟空は顔色を変えた。

「! お、おめえ……」

「悟空さんが複雑な心境なのは、痛いほど解ります」

 少女から伝え聞いた話に悟空は顔色を変え、少女も複雑そうな顔を浮かべる。

 

 この時、少女から聞いたのは悟空がまだ赤子の時の話。

 赤子の悟空はそれは暴れ回る気性の激しい子であり、育ての親である孫悟飯も手を焼いていた。それから年月が過ぎ、悟空は崖から落ちて頭を強打した衝撃でサイヤ人としての気性の荒さが成りを潜めて優しい性格になった。だがサイヤ人としての満月を見て大猿に変化する体質は変わらず、ある晩、大猿に変化した悟空は自我を失っている最中に育ての親である孫悟飯を踏み潰して死なせてしまう。

 

 少女から聞いたこの事実に、人知れずこの体験を苦悩していた悟空は少女がこの話を知っている事実に衝撃を隠せなかった。

「……どうやら、お前さんが別の世界からやって来たってのはホントらしいな」

 この過去の自分の過ちを知っている点から、少女の話を完全に信じた悟空は真剣な顔で少女と向き合う。少女も悟空の心境をくみ取って、真顔で悟空と向き合う。

「それで? なんでオラたちの世界に来たお前さんは、わざわざオラと闘いたいんだ?」

 悟空が問いかけると、少女は溌溂な顔で返答した。

「はい! 私も、こう見えて武道家の端くれなんです! そして強くなるには、強い相手との組手が何より大事だと思ってます! せっかく【ドラゴンボール】の世界に来たんですし、史上最強の孫悟空さんと一戦組手を組んで経験を積みたいと思った次第なんです」

「ふぅ~ん……それでおめえ、オラと勝負しようって思った訳なのか」

「はい!」

 少女の真剣な想いを受け止め、悟空も少女と組手しようかと思い始めた。

 すると其処に、二人のやり取りを終始観ていたベジータが不機嫌そうな顔で二人の許へと歩み寄る。

「おい、女。このオレ様とならまだしも、なんで寄りによってカカロットと闘いだかるんだ。最強と言えば、サイヤの王族であるオレが妥当じゃないのか?」

 ベジータの問いかけに少女は真顔で答えてしまう。

「確かにベジータさんも強いと思いますけど……でも、力だけでなく精神的にも強い悟空さんの方が最強だと思うんですよね」

「な、に……!?」少女の返答にベジータは愕然としてしまう。

 すると少女は真顔でベジータに熱弁し始めた。

「でも悟空さんはベジータさん達とは違う強さを持っていると、私は認識しています。正直、此処にいるどの格闘家や武道家には持っていない強さをね」

「ほう、俺たちが持ってなく、悟空にしかない強さとは何だと言うんだ?」

 話を聞き入れているピッコロが訊ねると、少女は熱く語り始めた。

「はい! 悟空さんの強さは三つあります! 一つ目は人として大切な【大切な人を守り抜こう】という優しい心! この強さはベジータさんや他の方々も持ち得ています。二つ目は【どんな強敵だろうと、心の底から相手との真剣勝負を熱望する強い闘争心】……あのフリーザやセルなんかでも悟空さんは真っ向から闘い抜きましたし。そして三つめは私自身が強く感じたんですが……【敵対していた相手とも最後は和解して共生する】という、なんとも心の広い悟空さんならではの強さです!」

 少女の熱弁を聞いて、耳を傾けていた亀仙人が口を開いた。

「ふむ、確かに。悟空は仲間を守る優しさに、どんな相手であろうと闘いを楽しむ精神力、そして最後には敵対していた相手とも共に生きる道を作り出してしまう意外性が見受けられるのぉ」

「ふん! まあ、確かにオレ様も二つ目まではカカロットの強さを認めているが……最後のお前の、どんな奴でも和解するってのはどうもな」

 少女の話にベジータが難癖をつけると、少女は笑顔でベジータに言った。

「あら。ベジータさんだって、最初は地球人を皆殺しにしようとしていたけど、最後は悟空さんの強さを認めるまで改心したじゃないですか」

「ッ! ……チッ」

 悟空たちと出会ってから、次第に改心してきた事を指摘されて一驚するベジータは思わず舌打ちをする。

「あ! オレもママから聞いた事がある! パパ、昔は物凄い悪者だったんだってな!」

「………………」

 息子である少年トランクスに言われ、父であるベジータは不機嫌そうに黙り込んでしまう。

 しかし少女の話は終わらなかった。

「この中ではブルマさんに続いて、悟空さんと長い付き合いのヤムチャさんだって……最初は盗賊だったじゃないですか」

「っ、た、確かにそうだが……」

 過去の事を指摘されて思わず戸惑うヤムチャ。

「18号さんも、今ではすっかり良妻賢母に落ち着いているじゃないですか」

「ふふ、良妻賢母だなんて。少し褒めすぎだよ」

 少女からの言葉に、人造人間18号は満更でもなかった。

「悟空さんの強さは、そんな敵対してた相手をも受け入れてしまう寛大な心もあると、私は強く思ってます! 相手の強さを受け入れる事で、自分の弱い点をも受け入れられる事で、より強くなれる……武道家にあらず、人間としても評価の高い長所ではないでしょうか」

「ほっほっ、こりゃ、この子の言う通りじゃな」

 少女の熱弁を聞いた亀仙人は、彼女の真説に納得する。

 

 そして話したい事を一通り話し終えた少女は、改めて悟空にお願いした。

「では悟空さん! 私を鍛えてください! やはり最強の武道家に鍛えてもらった方が、強くなる近道だと思うんです!」

「お、オラは別に構わねェんだけど……でも、普通の子と組み合うのは、やっぱり気が引けるなぁ……」

 悟空は未だに、ごく普通の人間である少女と鍛錬といえど闘うのを躊躇っていた。

 すると少女は悟空たちの前で披露し始めた。

「大丈夫です! 多少の痛みは覚悟しています! その痛みに耐えるのも、修行の一つです……それに、私この世界に来てから少しは舞空術も使えます!」

 そう言うと少女は悟空の目前で、少しばかりフワリと空中に浮かんだのだ。

「おおっ!? おめえ、舞空術使えたんか!? たまげたなぁ」

 悟空が心底驚いていると、少女は突然頭上高く急上昇して危うく天井に当たりそうになってしまう。

「わっ、わぁっ!」

「ははっ、まだ舞空術を上手く制御できねえようだな。……でも、最初から其処まで高く浮かべるのは大したもんだぞ」

 まだ完全に制御できない舞空術に呆れながらも、悟空は少女の才能を認め始めた。

 そして……。

「分かった! 流石に今日はもう遅いから無理だけっど、また後日改めてなら修行に付き合ってもいいぞ!」

「ほ、ホントですか!? やった! あの孫悟空さんに修行つけてもらえるなんて……!」

 悟空の許しに感激する少女。

 するとベジータが悟空に近寄って文句を言い始めた。

「か、カカロット! こんな訳の分からないガキ相手と修行するっていうのか……! オレ達が漫画の世界から来たっていうだけでも変わっているっているのに……そもそも、オレとの修行はどうするんだ!」

「問題ねえよ、ベジータ。オラだって何も本気で闘う訳じゃないんだし、少しばかしお前との修行の時間を割いても大丈夫だろ?」

 こうして後日、少女は日時と場所を変更して孫悟空たちと修行をつけてもらえる事になったのだった。

 

 

 

[破壊神の登場]

 

 それから後日。

 孫悟空と仲間達は、とある河原に集まっていた。

 例の少女と悟空達が組手をする日時と場所は今この場なのだ。

 しかし少女は中々訪れず、仕方なく少年トランクスと少年悟天の二人が舞空術で少女を迎えに行ってた。

 その間、悟空たちは各々、自分と力量が合う相手と組手しながら、のんびり待機していた。

 

 それから少し遅れて。

 トランクスと悟天に連れられ、少女がふらふらとした動きで上空を移動しながら到着した。

「どうした? やけに遅かったんけど」

 悟空が少女に訊ねると、息切れをしている少女に代わってトランクスが答えた。

「このおねえちゃん! 初心者にしては結構な速さで前に進めるけど、途中の高層ビルや建物なんかに何度もぶつかりそうになって……ホント、危なっかしいたら、ありゃしないよ!」

 するとトランクスに続いて同行してきた悟天も口を揃えて同意し始めた。

「うんうん! おねえちゃん、速かったけど随分高い建物や木にぶつかりそうになってて、見ててちょっと笑っちゃった」

 このトランクスと悟天、二人の話に少女も素直に同意した。

「多少の武空術は使えるんですけど……制御が難しくて、上手く動作ができないんです」

 息を切らしながら舞空術でやって来た少女に、悟空が言う。

「ほぉ、なるほどな! まあ、オラもやっぱ闘う時はなるべく地面に足を着けていたいから、武空術より瞬間移動で移動する事の方が多いゾ」

「便利ですよね……まあ、それも偶然にも会得できた能力ですけど」

 悟空の話を聞いて、少女はまた悟空に自分が知っている知識を伝えた。

 悟空が瞬間移動を使えるきっかけは、旧ナメック星でフリーザとの死闘を終えた後、爆発する星から脱出する際、偶然にも派遣部隊ギニュー特戦隊のカプセル型宇宙船に乗り込んで、そして偶然にも彼らが当時攻めていた星に不時着して九死に一生を得たのだった。そして、そこの住人達から遠くの相手の気を感じ取る事でその場所に瞬時に移動できる「瞬間移動」の術を習得させて貰えたのだ。少女は、これ等を含めて、全て偶然が重なった幸運だったと説いた。

「ま、まあ……確かに。カプセルに入り込めたのも、無事に星に不時着したのも、全部偶然だからラッキーと言えばラッキーだったな」

 少女からの説明を受けて、悟空は苦笑いを浮かべた。

 

 そして遅れながらも少女は早速修行をつけてもらおうとするが、既に悟空はベジータと激しく組手している最中だった。

「フッ、悪いな。カカロットは今オレの相手で忙しいんだ」

 少女の遅れた到着を嘲笑うかのように悪く微笑むベジータ。

 しかし少女は、各々で組手で修行する面々を目の当たりにして考え込む。

「うーーん……みんな、自分と力量のあった相手、またはライバルともいえる相手と組んでいる訳ですか。いいなぁ、私には同期やライバルなんていう相手はまだいませんよ」

 非常に残念がる少女に、周りの皆々は苦笑するばかり。

 だが一緒に組手する相手がいないと解った少女は、何かを閃いたのか突然大きく息を吸ったのだ。

 皆が何をするのかと少女に注目していると、次の瞬間、少女はトンデモない発言を大声で叫んだのだった。

「ビルス様の…………バッカやろーーーーーーーッ!!」

『!!』

 その少女の言動に、悟空もベジータも、そして他の一同も仰天してしまう。

 そして皆がいる河原の脇を流れる清流の川の水上を浮かんだ状態で登場した二人。

 その人物こそ、破壊神ビルス様と、その付き人である天使ウイス。

『ッ!!』

 悟空やベジータ達は、少女のが言ったビルス様への悪口を二人が聞いてやって来たのだと思い、少女を除いた全員が激しく動揺し、慌てていた。

 しかし激しく動揺する悟空たちを尻目に、悪口を大声で叫んだ少女は、単身川の中へと駆け込み、そしてほぼ全身を濡らしながらビルス様とウイスの眼前で土下座した。

「ビルス様!」

 ビルス様とウイスの目の前で土下座する少女は、顔を水面ギリギリに近づけたままビルス様に謝罪し始める。

「ビルス様! 先ほどは貴方への心無い悪口を発言してしまい、大変申し訳ありませんでした!」

「ほほう、ボクの悪口を言ったのは君か。……して、なんでそんな事を? 答えようじゃ、キミを地球ごと破壊してやるよ」

「はい! 私はあそこにいる孫悟空さん同様に強さを求める武道家です! ですが、私には彼等の様に共に修行し合えるライバルもいなければ同期もおりません! なので誠に、誠に恐縮なのですが……ビルス様の側近にして、ビルス様の武道の師でもあるウイスさんに私のご指導をしてほしいんです!!」

「へ?」

 少女の必死の説明を聞いて、ウイスは呆然と目を丸くして驚いてしまう。

「……なるほど、それでボクとウィスを呼び出す為に、わざとボクの悪口を大声で言った訳か」

「はい! 誠に申し訳ありませんでした!」

 丁寧に、そして大声でビルス様とウイスに謝罪する少女に対し、ビルス様は半ば納得したご様子。

「うーーん、なるほど。ボクらが漫画である世界からやって来たキミは、強くなる為には自分よりも強い相手と修行するのが一番だと思ってる訳か」

「はい! 流石ビルス様! ご理解が早い!」

 少女の事情を瞬時に察するビルス様に、少女はゴマをする。

 しかしビルス様はすぐに修行の許しを出してはくれなかった。

「う~ん、だけどねぇ……簡単にこのボクの付き人でもあり、ボクの師でもあったウイスと闘わせるのはどうかねぇ」

 思慮にふけるビルス様に、少女は自分が背負ってきたリュックサックを指さして言った。

「ビルス様が喜ぶかと思って、先ほど街のお店で購入したデザートがあのリュックサックに入っています! それを献上致します」

「ほう! このボクにデザートを献上とは……キミ、バカではないようだね」

 グルメであるビルス様は、少女が持ってきたというデザートに興味津々。そして

「よし、ウイス。ここは特別、あの少女と一戦組み合ってみたまえ。無論、あの少女に合わせて力をセーブするのだぞ」

「心得ました、ビルス様」

 破壊神ビルス様の勅令を受けて、ウイスも少女と修行するのに同意した。

「お願いします!」

 少女は持参した柔道着を羽織って、ウイスと対面する。

「いくら普通の少女といえど、手加減はしませんよ。何度も何度も地面に叩き付けて差し上げます」

「はい、お願いします! ……七転び八起き、倒れたら立ち上がればいいだけの事!」

「うむ、なるほど。底のない闘争心と強い精神力は兼ね備えているようですね」

 少女の言動を前にして、ウイスは少女の強い長所を見出す。

 

 そして少女とウイスは場所を変えず、川の中での激闘を開始した。

 少女は投げ技でウィスを投げ飛ばすが、ウィスは投げられると同時に巧みに少女に投げ技を返して逆に川底へと投げ飛ばしていく。

「うわっ」

 川底に投げ付けられ、全身びしょびしょに濡れながらも何度も立ち上がる少女の消えない気迫にウイスは呆れながらも感心してた。

 一方、少女が持ってきたというデザートを食べようと、リュックサックを開けるビルス様。

 そしてビルス様はデザートを視認すると、目を丸くして驚いた。

「こ、これは………………特大ジャンボプリン!!」

 それはビルス様の顔と同じ大きさはあろうかという巨大なプリンだった。

 ジャンボプリンを目の前にして、目を輝かせるビルス様。

 そんな目を輝かせるビルス様を横目で確認した少女は、必死にウイスと組手しながらビルス様に話し掛ける。

「気に入ってくれましたか、ビルス様!」

 するとビルス様は目を細めて少女に言う。

「普通のプリンではなくジャンボプリンを持ってくるとは……キミ、分かっているじゃないか」

 好みを熟知している少女からの手土産に、ビルス様は心底少女に感心した。

 と、ビルス様がジャンボプリンに喜んでいるのを見たウイスが声を発する。

「ビルス様! プリンなら私の大好物! 少しばかりお恵みを……!」

 だが「ああ、ごめん。もう9割がた食べちゃったよ。いやあ、こんなに食べ応えのあるプリンは何時ぶりだろうな♪」と、ビルス様は一人で自分の顔と同じ大きさのプリンを食べ尽くして一人ご満悦。

 するとその時「隙あり!」と、少女がビルス様に気を取られていたウイスを捉えて締め技を決めたのだ。

『おおっ……!』

 その様子を観て、観戦側に徹していた悟空たちが思わず声を上げる。

 更に此処で嬉しいハプニングが。なんとウイスを締め上げる少女の柔道着がはだけて、川の水で濡れた彼女の上着がピッタリと少女の上半身に密着して結構大きな胸の形が浮き彫りになってしまった。

「うっほおっ!」

 水で濡れた上着から形が露になる少女の豊満な胸を見て、亀仙人は非常に興奮して鼻息を荒くする。

 そんな亀仙人の横で、同じく少女の胸を見て興奮したのか赤面するクリリンであったが。

「おい……!」「いっ、いてて! 痛いよ18号……」

 少女の胸を見てだらしない顔をするクリリンの頬を、横から奥さんである18号が引っ張った。

 その間も少女はウイスを捉えて締め技を決め続けるが、ウイスは舞空術で浮かぶと、空中で少女の締め技を自力で振り解いて少女を軽く川底へと投げ飛ばしてしまう。

 またしても全身びしょ濡れになってしまう少女に、ウイスが近寄って声をかける。

「ふう……まあ、多少コントロールに難がありますが、初心者でしかも短時間で舞空術を使えるあなたは少しだけ見所がありますね。これからも悟空さん達だけでなく、私もあなたに手解きをして差し上げましょう」

「ほ、ホントですか!? ありがとうございます! ウイスさん!」

 ウイスからの提案に、少女は心から感激した。

「ほへぇ、認められるなんて凄いなおめえ。やっぱ、その諦めない思いが良かったのかもな」

「はい! 悟空さんもありがとうございます!」

 ウイスに認められた少女に声をかける悟空に、少女は満面の笑みで礼を言う。

 

 少女はこれからも【ドラゴンボール】の世界で、孫悟空とその仲間達と一緒に、己の諦めない心で修行を続けるのであった。

 

 

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