FGO × BIOHAZARD RE4 作:ダイアジン粒剤5
藤丸たちフィニス・ガルデア一行が怪物の群れと戦った村から少し離れた場所に建つ、巨大な古城。
辺境に建つものとは思えないほど広大な敷地を誇り、高価な調度品に飾られたその城の領主の間に置かれた玉座に、紺色の貴族服に身を包んだ白髪頭の小男が目を閉じ尊大に座っている。
皴だらけの顔を厚化粧で真っ白に塗りつぶしたこの小男こそ、この城の城主たるラモン・サラザール。
二百五十年以上、この地を支配するサラザール家の八代目当主である。
「メンデスが敗れましたか」
そう呟くとラモンは目を開き玉座から立ち上がると、城のバルコニーへと向けて歩き出した。
「まあ、所詮は聖体を賜ってから改悛した新参者。大して期待はしていませんでしたがね」
そう言いながら歩き続けるラモンの両脇に、いつの間にか深紅と漆黒のローブを纏った二人の従者が影の如く付き従う。
どちらも二メートル以上の体躯を誇り、フードの隙間から見える顔や手は人間のソレではなく、まるで虫かナニカのようであった。
「私は違います。私は聖体を賜るより以前から主に仕え、先祖の過ちを正しサドラー様に全てを捧げた」
そうして歩き続け遂に城のバルコニーに辿り着いたラモンは、眼下に集う者たちを睥睨する。
――そこに整列していたのは、軍隊だった。
千を超える数であり、手に武器を持ち一糸乱れぬ姿勢で屹立している。
とはいえ、その姿は二十一世紀という時代背景を考えれば異様だ。
銃器の類を手にしたものはなく、手にしているものは大鎌や木盾、モーニングフレイルに剣や槍といった大時代なモノ。
遠距離兵装はせいぜいがクロスボウで、その他には投石機や近世期の大砲が用意されている。
フルプレートアーマーの騎士までおり、完全に近代以前の軍隊だった。
だが当のラモンはそんな時代錯誤の軍隊を訝しむこともなく、むしろ満足げに笑みまで浮かべている。
「行きなさい。星見台の魔術師を捕らえ、サドラー様に捧げるのです」
そしてその表情のまま指示を下すと、さして大きな声で無かったにも関わらず、軍勢はありの群れの如く一斉に動き出す。
その中には無数の鉄くずで造った鎧を身に着けた、ゾウほどの巨体を持った巨人までおり、完全に百鬼夜行の有様。
「では我々も向かいますよ。ヴェルデューゴ、ペサンタ」
くるりと振り向き、ラモンは二人の従者を引き連れて城門へと向かう。
「連中にはミミズ程度の知能しかありませんからね。うっかり星見台の魔術師を殺してしまわないよう、私が現地で指揮を執らねば」